
筋トレに足す話と、筋トレを置き換える話を分ける
「HIITで筋肉が大きくなる場合がある」から、「筋トレの代わりとして同じ結果を得られる」までは距離がある。神経や筋肉への適応を扱ったレビューでは、HIITは筋力やパワーへの利点がある一方、最大筋力と筋肥大を最大限に高める点では、従来の筋トレより効率が低いと整理されている。その理由として、負荷を段階的に高める刺激の不足が挙げられている。[16]
また、筋トレとHIITを併用した研究は、HIIT単独の成長力を測っているわけではない。両方をした人の筋肉が大きくなっても、その増加分のすべてを自転車のおかげとすることはできない。比較の相手が筋トレ単独なのか、運動しない人なのかを、結果より先に確かめると読み違えにくい。[2][14]
筋トレとの両立を調べた系統的レビュー・メタ分析では、併用しても筋肥大と上半身筋力の変化は筋トレ単独と同程度だった。一方、下半身筋力の伸びは併用で小さく、効果量は−0.248、統計学的な差があるとされた。[2] 効果量とは、異なる尺度の研究を比べるための指標であり、この値を脚が減った割合として扱うことはできない。
自転車とランニングを分けた解析では、自転車HIITの併用で下半身筋力の伸びが小さくなる傾向があったものの、その解析では統計学的に明確な差とはならなかった。[2] 「自転車は筋トレの効果を消す」という断定には進めない。傾向と、明確な差が確認された結果とを区別する必要がある。
筋肉の大きさも体力も育てたいなら、併用は検討できる。ただし、筋力の伸びを最優先する場合には、筋トレ単独で筋力の伸びが大きかった結果を、運動予定の判断材料にしたい。[2][14] 空いている時間をすべて強い運動で埋める前に、何を伸ばすための予定なのかを書いてみたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
研究の食い違いは、測った場所から読む
併用の影響については、気になる個別試験もある。腕の筋トレの後に、自転車による全力スプリントを加えた8週間の試験では、男性を対象とする無作為化比較試験で、比較された各群は6人だった。18〜39歳の女性に同じ干渉が起こるかは、この男性の試験だけでは判断できない。筋トレのみの群では腕の筋断面積と最大筋力に有意な増加があり、併用群では有意な増加にならず、研究者は腕の成長と筋力への干渉を示す結果と結論づけた。[4]
ただし、片方の群で有意、もう片方で有意でないという並びだけを見て、あらゆる人に差が出ると一般化することは避けたい。併用群では最大酸素摂取量が改善しており、運動への反応がすべて失われた結果でもない。[4] 腕を鍛えた後に脚を動かす、という特定の組み合わせを確かめた小規模試験として読むべきである。
これに対し、筋トレと持久的運動の併用を扱った25研究の系統的レビュー・メタ分析では、筋肉全体の肥大について筋トレ単独との有意差は認められなかった。しかし筋線維という細胞単位の大きさでは、HIITを含む併用より、筋トレ単独の肥大が大きいという部分解析があった。[18]
筋肉全体を見る画像と、細胞単位で見る測定は、問いの大きさが異なる。筋線維の結果を脚全体の外見へ直結させることも、筋肉全体に差がないから細胞の結果は無視してよいとすることもできない。[18] 隣接記事「HIITは遅筋も速筋も使う?」では筋線維の動員や変化を扱うため、ここでは測定の単位が結論を左右する点にとどめる。
先に挙げた若い男性の16週間の無作為化試験は、併用でも筋たんぱく質の合成や筋線維の成長が保たれた一方、筋力の伸びは小さかった。[14] 食い違いを「どちらかが間違い」と片づけるより、全力スプリントなのか長い区間なのか、腕なのか脚なのか、筋肉全体なのか筋線維なのかを照らし合わせたい。
なお、これらの数字には対象者の境界もある。自転車による筋断面積の増加を捉えた研究と、長い区間のHIITを併用した試験は男性が対象だった。[11][14] 若い女性が自分の見込みを考える際に、その増加率をそのまま借りるのは避けるべきだ。男女が参加した研究でも筋肥大しなかった結果があり、参加者の性別だけで答えを決められるほど単純ではない。[10]
読み比べるときは、研究が問うた順序にも注意したい。腕の試験は、筋トレの後に全力の自転車運動を加えた場合を調べている。[4] 日常の運動予定が違う順番や別の日の組み合わせなら、その試験と同じ条件とは扱えない。だからといって、順番を変えるだけですべて解決すると保証することもできない。まずは自分が行っている内容を書き出し、研究の組み合わせとの近さを確かめるところからである。
メタ分析は複数の研究をまとめる方法だが、筋トレ単独との比較という枠組みを保って読む。[2][18] 併用で筋肥大を損なわなかったという結果は、自転車だけでも筋トレと同じ筋肥大が得られるという証明にはならない。この区別を保てば、運動を足す判断と置き換える判断を、違う根拠に基づいて考えられる。

よくある誤解
「有酸素の運動だから、筋肉は大きくならない」という一律の理解は、自転車HIITで大腿四頭筋の筋断面積が増えた結果と合わない。[11] ただし、ここから反対向きに「HIITなら必ず脚が太くなる」と言うのも同じ飛躍だ。短時間スプリントで筋肥大が認められなかった研究も、同時に受け止める必要がある。[10]
「筋肉の成長を示す細胞の反応があれば、サイズも増えたはずだ」という理解も正確ではない。サテライト細胞の活動が増えても、筋断面積の肥大がなかった研究がある。[10] 細胞の話は成長の確約書ではない。専門用語が多い説明ほど、結局何を測って増えたのかを確認したい。
「筋肥大が同じなら筋力も同じになる」という考えは、併用の研究と一致しない。筋肉全体の肥大には大きな差がないという統合結果がある一方、下半身筋力の伸びは筋トレ単独に有利な結果がある。[18][2] 運動を選ぶ際には、見た目、持ち上げる力、息の続き方を一つの言葉にまとめないことが役に立つ。
ここで「有意差がない」は、すべての人が完全に同じ変化をしたという意味ではない。併用と単独の平均的な結果を比べた解析で、明確な差を捉えられなかったという読み方が必要になる。[2][18] 自分の記録を見ながら調整する余地は残るし、違う結果の個別試験を隠す理由にもならない。
今日からできること
- 記録の見出しを「脚の大きさ」「出せる力」「息の続き方」に分け、まず知りたい変化を選ぶ。16週間の試験では筋線維の成長、筋力、有酸素能力の結果が分かれたためである。[14]
- 自転車の研究を参考にするときは「週2回・16週間・健康な男性」という条件も数字と一緒に残す。11±4%という筋断面積の増加だけを、自分の目標値にしない。[11]
- 短い運動を続けて外見が変わらなくても、すぐに運動全体を失敗と判定しない。6週間の研究では筋肥大がなくても細胞の活動に変化があった。ただし、その反応を自分の筋肥大の証拠にも使わない。[10]
- 筋肥大を主な目的にするなら、HIITだけで筋トレを置き換える予定を再考する。負荷を段階的に高める筋トレと、HIITの位置づけを分けて考えるのがレビューに沿う。[16]
- 筋トレにHIITを加える予定は、順序と運動内容まで書き出す。男性の8週間の試験は、腕の筋トレ後に30秒の全力自転車運動を4セット加えた条件だった。研究と自分の予定を比べるための数字として使い、自己流の全力運動の処方にはしない。[4]
記録は、自分の体を採点するためより、次の運動を選ぶ材料にしたい。脚の形を変えたくない人も、筋肉を育てたい人も、同じ増加率を目指す必要はない。研究が示した変化の種類と、自分が望む変化を照らし合わせる。それができれば、動画の見出しが約束する「全部の効果」を追いかけずに済む。[11][14][16]

オンザショア立川店で、目的に合わせて通う時間を考える
筋肉の大きさを育てたいのか、動く習慣を持ちたいのか。通う先を考える際にも、自分の目的を言葉にしておきたい。オンザショア立川店にはHIITとパーソナルトレーニングのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガを行い、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。
営業時間は8:00〜23:30で、年中無休だ。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。生活の中で通える時間を探し、仕事帰りに立ち寄るのか、休日の予定に組み込むのかを考えたい。通う時間と場所を具体的に考えるための情報として、店のトップと料金を確認できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約はヨガの体験用だ。研究で測られた脚の増加率を約束する場所としてではなく、予定に運動の時間を置くための選択肢として考えたい。
参考文献
[2] The compatibility of concurrent high intensity interval training and resistance training for muscular strength and hypertrophy: a systematic review and meta-analysis — Sabag A, Najafi A, Michael S, Esgin T, Halaki M, Hackett D., 2018, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2018.1464636
[4] The Effect of High-Intensity Interval Cycling Sprints Subsequent to Arm-Curl Exercise on Upper-Body Muscle Strength and Hypertrophy — Kikuchi N, Yoshida S, Okuyama M, Nakazato K., 2016, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000001315
[10] Satellite cell activity, without expansion, after nonhypertrophic stimuli — Joanisse S, McKay BR, Nederveen JP, Scribbans TD, Gurd BJ, Gillen JB, Gibala MJ,, 2015, American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology. DOI: 10.1152/ajpregu.00249.2015
[11] Effects of 16-week high-intensity interval training using upper and lower body ergometers on aerobic fitness and morphological changes in healthy men: a preliminary study — Osawa Y, Azuma K, Tabata S, Katsukawa F, Ishida H, Oguma Y, Kawai T, Itoh H, Oku, 2014, Open access journal of sports medicine. DOI: 10.2147/oajsm.s68932
[14] Concurrent training with long-interval HIIT does not impair skeletal muscle protein synthesis or hypertrophy: little evidence of an “interference effect” — Conceição M, Vechin FC, Telles G, Lixandrão M, Ribeiro N, Riani Costa LA, Hevia-, 2026, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00642.2025
[16] The Role of High-Intensity Interval Training (HIIT) in Neuromuscular Adaptations: Implications for Strength and Power Development-A Review — Hung CH, Su CH, Wang D., 2025, Life (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/life15040657
[18] Effects of Concurrent Resistance and Endurance Training Using Continuous or Intermittent Protocols on Muscle Hypertrophy: Systematic Review With Meta-Analysis — Monserdà-Vilaró A, Balsalobre-Fernández C, Hoffman JR, Alix-Fages C, Jiménez SL., 2023, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000004304
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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