
糖質が少ない条件では、補給の問いも変わる
2019年のランダム化比較試験では、持久訓練を積む男性8人が、糖質をとる時間帯の異なる条件を経験した。平均年齢は27歳で、前夜の高強度インターバル運動に続き、翌朝に10kmを走る計画だった。条件間でエネルギーと主要栄養素の構成をそろえながら、運動前後の糖質の配分を変えている。男性の持久訓練者の試験であり、18〜39歳の女性へ結果の数値をそのまま移せるかは別に確かめる必要がある。[3]
糖質を利用しにくい条件では、前夜の運動後に糖質を控え、翌朝は空腹で走った。比較条件では前夜に糖質をとり、翌朝も走る前に摂取した。単に朝食だけを変えた実験でも、糖質の少ない生活を長期間続けた試験でもない。[3] この組み合わせまで読んで初めて、何の影響を調べたかが見える。
運動後の回復期に測ったフェニルアラニンというアミノ酸の酸化は、糖質が少ない条件で8.8、比較条件で7.9μmol/kg/時だった。研究者は、この結果から、全身のたんぱく質合成を支えるアミノ酸の必要量が増える可能性を示した。回復期の食事では、たんぱく質が0.93g/kg/日相当という条件も設けられている。[3]
同時に、走っている間の脂質酸化は、糖質が少ない条件で0.99g/分、比較条件で0.60g/分と報告された。[3] 脂質を多く使うという結果だけを切り取れば、ダイエット向きに見える。しかし、この試験が調べたのは運動中の燃料と回復期の代謝であり、その場の脂質酸化を長期の体脂肪減少と同じ成果にはできない。[3]
ここでEAAだけを足せば解決する、と結ぶのも早い。比較されたのは糖質の利用条件であって、EAA追加による解決策ではなかった。[3] 忙しくて昼食をとれなかった日に、夕方の運動へ飲み物だけ持っていく。そんな場面では、アミノ酸の商品選びの前に、食事の機会が抜けていることを問い直すほうが研究の問題設定に近い。[7]
運動後の糖質による燃料回復そのものは、既存記事「有酸素運動後のプロテインは糖質の代わりになる?次の運動へ向けた燃料の回復を読む」に譲る。ここでの問いは、アミノ酸が燃料として使われる条件と、それを見て追加の必要性を判断できるか、という点に置いている。
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酸化が増えたことと、筋肉が減ったことは同じではない
全身のアミノ酸の動きは、筋肉の大きさを直接測った結果ではない。1998年の運動とたんぱく質代謝に関するレビューは、全身で測った変化が筋肉のたんぱく質代謝を反映するとは限らないと指摘している。運動中の酸化、運動後の分解、合成を、一つの「筋肉が減る」という表現で束ねることには無理がある。[18]
2017年のクロスオーバー試験は、この違いを具体的に考える手がかりになる。訓練された若い男性7人が、安静条件と60分のトレッドミル走後の条件で、卵由来のたんぱく質18g、脂質17g、糖質60gを含む混合食をとった。走る強度は最高酸素摂取量の70%だった。18〜39歳の女性でも同じ収支になるかは、この男性の試験だけでは判断できない。[4]
食後5時間に食事由来のロイシンが血中へ現れた割合は、安静時62%、運動後63%で、運動による違いは認められなかった。食後だけのロイシン収支は両条件でプラスだったが、運動中の酸化まで含めると運動条件の収支はマイナスになった。[4] 同じ試験でも、どこからどこまでを数えるかで、収支の見え方が変わる。
これは運動後の食事が無意味だという結果ではない。食事由来のロイシンの利用可能性と、運動中に使った分を含む全身の収支を分けた結果である。[4] 夕食を食べた直後の反応だけで安心することも、運動中の酸化だけで筋肉が失われたと決めることも、測った範囲を越えてしまう。
酸化が増える理由には、入ってくる量の違いも関わる。男性ランナー5人のランダム化クロスオーバー試験では、たんぱく質摂取量を変え、75分の走運動後を比較した。高摂取条件では低摂取条件よりロイシン酸化が大きかったが、合成の指標である非酸化的な利用には条件間の違いがなかった。[13] 酸化の多さを単独で「不足」や「合成の成功」の印とすることはできない。18〜39歳の女性の摂取量を、この男性ランナーの結果だけで決めることもできない。[13]
食事由来のロイシンを追った試験では、混合食という形にも目を向けたい。たんぱく質だけを単独でとった条件ではなく、糖質と脂質を一緒に含む食事のあとを調べている。[4] その結果を、運動中に飲むアミノ酸飲料だけで再現できると考える理由はない。普通の食事で見た反応と、特定成分を集中的にとる試験の反応は、食べ方まで含めて読み分ける必要がある。
こうした研究の対象は男性競技者に偏っている。2000年の性差に関するレビューでは、女性は男性より安静時と持久運動中のロイシン酸化が低いと整理された。[17] これは女性なら補給を考えなくてよいという意味ではない。男性の小規模試験の数値を、そのまま仕事帰りに運動する女性の必要量へ置き換えないための注意点である。

よくある誤解
「燃料になるなら、飲んだ分は無駄になる」という理解は粗い。男性自転車競技者12人の二重盲検ランダム化クロスオーバー試験では、運動後にたんぱく質とロイシンを加えると、対照条件より酸化も非酸化的な利用も増え、ロイシン収支はプラスになった。[8] 18〜39歳の女性に同じ補給効果が出るかは、この男性競技者の試験からは確定しない。[8] 燃料利用と、それ以外の利用は同時に起こりうる。酸化だけを見て、摂取したものがすべて失われたとは読めない。
この試験では、補給の影響は測る項目によって異なった。6日間の訓練中、回復期の補給でロイシン酸化は対照の5.6倍になった。また、血中クレアチンキナーゼは対照より21〜25%低く、90%信頼限界は±14%だった。クレアチンキナーゼは組織の損傷をみる指標として測定された酵素で、研究者は補給が組織の損傷を抑えたと結論している。一方、スプリント出力への影響は小さく、訓練の4日目で0.4±1.0%、6日目で−0.3±1.0%だった。[8] 損傷の指標と運動成績は、両方を読む。
ただし、この結果からEAA全般に価値がないと広げることもできない。比較したのは、糖質と脂質を含む補給へたんぱく質とロイシンを加えた条件であり、全員が同じ食事不足を抱えていたわけでもない。研究者は、日々の窒素収支がプラスとなる条件で、その後の強い持久運動の成績への影響は小さい可能性があると結んでいる。[8]
「運動をする人のたんぱく質量は、決まった数値を全員に使えばよい」という考えにも幅が必要だ。2004年のレビューは、エネルギーと糖質が十分な低〜中強度の持久活動では必要量への影響が小さいとした。一方、2026年の競技者向けレビューは、強い訓練の支援として、酸化の補填と組織の再構築を合わせた摂取を論じている。いずれも持久活動や競技者を扱う議論であり、18〜39歳の女性へ適用する際も、競技の負荷と日常の運動を区別する必要がある。[7][2] 日常の運動と競技の栄養を、同じ前提にしないことが大切だ。
補給試験を読むときは、比較相手の内容も外せない。自転車競技者の試験の対照は何もとらない条件ではなく、エネルギー量を合わせた糖質と脂質の補給だった。[8] 「追加したら変わった」と聞いたとき、食事がない状態から足したのか、別の栄養を置き換えたのかで意味は変わる。ボトルの成分名だけでは、研究と同じ比較になっているか判断できない。
今日からできること
- 次の運動予定を見て、内容と食事の条件を一緒に書き留める。60分以上のランニングなどを集めたメタ分析を、どの運動にも同じように当てはめない。[1]
- EAAを追加する前に、食事全体のたんぱく質と食事を抜いた時間帯を確認する。競技者を扱うレビューでは、エネルギーと糖質が十分な低〜中強度の持久活動で1.0g/kg/日が十分と整理された。18〜39歳の女性全員への処方量ではなく、食事条件と運動負荷を確認する際の研究上の目安として読む。[7]
- 空腹で動けば効率がよい、と決めつけない。男性8人の試験では、糖質が少ない条件で脂質酸化とともに回復期のアミノ酸酸化も高かった。[3]
- 補給の紹介文では、測った成果まで読む。12人の自転車競技者の試験では、ロイシンの代謝変化と次のスプリント成績は同じ方向の大きな改善にならなかった。[8]
- 酸化量から筋肉の減少量を自分で換算しない。全身の代謝と筋肉の代謝を区別し、持病などで食事や運動に制限がある場合は医師に確認する。[18]

オンザショアで、食事も含めた予定を立てる
補給を考える日にも、運動へ通う時間と帰宅する時間は予定に残しておきたい。オンザショア立川店は、運動を生活の予定に組み込む場所として選べる。朝に通うか、仕事のあとに立ち寄るか、続けるための時間を考える際の選択肢になる。営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。
参加できる内容は先に確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITという選択肢もある。通う内容と時刻を決める際は、店舗トップと料金案内で確認できる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験予約から申し込める。
参考文献
[1] Effect of Exercise Intensity, Duration, and Volume on Protein Oxidation During Endurance Exercise in Humans: A Systematic Review With Meta-Analysis — Clauss M, Jensen J., 2025, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.70038
[2] UCI Sports Nutrition Project: Nutritional Periodization: Strategies to Enhance Training Adaptation and Recovery — Morton JP, Hearris M, Fell MJ, Owens DJ, Halson S, Trommelen J., 2026, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.2025-0073
[3] Low-Carbohydrate Training Increases Protein Requirements of Endurance Athletes — Gillen JB, West DWD, Williamson EP, Fung HJW, Moore DR., 2019, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000002036
[4] Endurance Exercise Attenuates Postprandial Whole-Body Leucine Balance in Trained Men — Mazzulla M, Parel JT, Beals JW, VAN Vliet S, Abou Sawan S, West DWD, Paluska SA,, 2017, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000001394
[7] Protein requirements for endurance athletes — Tarnopolsky M., 2004, Nutrition (Burbank, Los Angeles County, Calif.). DOI: 10.1016/j.nut.2004.04.008
[8] A protein-leucine supplement increases branched-chain amino acid and nitrogen turnover but not performance — Nelson AR, Phillips SM, Stellingwerff T, Rezzi S, Bruce SJ, Breton I, Thorimbert, 2012, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0b013e3182290371
[13] Postexercise whole-body protein turnover response to three levels of protein intake — Gaine PC, Pikosky MA, Bolster DR, Martin WF, Maresh CM, Rodriguez NR., 2007, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0b013e31802d0be4
[17] Gender differences in substrate metabolism during endurance exercise — Tarnopolsky MA., 2000, Canadian journal of applied physiology = Revue canadienne de physiologie appliquee. DOI: 10.1139/h00-024
[18] Exercise-induced changes in protein metabolism — Tipton KD, Wolfe RR., 1998, Acta physiologica Scandinavica. DOI: 10.1046/j.1365-201x.1998.00306.x
[20] Protein requirements of soccer — Lemon PW., 1994, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.1994.12059274
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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