
強い活動を求める日と、分担を学ぶ日は違う
中殿筋に弱さがある若い女性21人が、クラム、横向き脚上げ、サイドブリッジを行った比較研究がある。中殿筋の活動はクラムで25.67±13.78%、横向き脚上げで54.38±18.61%、サイドブリッジで66.67±39.50%だった。いずれも最大随意等尺性収縮、つまり動かずに最大限力を出した基準に対する筋電図の割合である。[2]
同じ研究では、腰方形筋の活動もクラムの31.29±20.69%に対し、横向き脚上げは79.90±36.96%、サイドブリッジは121.62±31.72%だった。中殿筋の活動が大きい種目ほど、腰の側方の筋肉も同じように静かなまま、とはならなかった。サイドブリッジでは中殿筋と腰方形筋の活動比が、ほかの種目より低かった。[2]
この割合は、その筋肉の「鍛えられた割合」ではない。基準とした収縮に対して、その動作でどれほど電気的な活動があったかを表す。数値の大小は種目を選ぶ材料になるが、運動後に筋力が何割増えるかを示す数字ではない。同研究は横向き脚上げの中殿筋活動を筋力増強により適したものと考察しつつ、クラムにも腰と骨盤周辺の筋肉を効率よく使う可能性を認めている。[2]
中央線で帰宅して、マットを広げたところを想像してほしい。今日はフォームを確かめるのか、負荷を増やす相談をするのか。その目的によって、クラムへの期待は変わる。修正版クラムの低い活動を動作調整の特徴とみる研究と、横向き脚上げの高い活動を筋力増強に結びつけて考える研究を読むと、軽い種目には軽い種目の役割があると分かる。[1][2]
クラムの動きやすさには個人差もある。比較的健康な若い成人21人のクラムを調べた研究では、動かす方向による得意不得意があり、研究内で問題側とされた側では中殿筋の活動に違いがみられた。こうした左右の違いを、自宅で自分の体の故障と即断する必要はない。左右を同じ見た目にすることと、運動の条件を評価することは別の作業である。若い成人をまとめた結果を18〜39歳の女性だけにそのまま当てはめるには、性別ごとの検証が要る。[3]
その研究は股関節を0°、30°、60°、90°にしたときの力と筋活動を評価し、クラムを動作の協調を調べる手段として検討している。誰でも特定の角度なら左右差が消える、という結果ではない。左右で感触が違うときには、片側の膝を無理に同じ高さへ押し上げるより、骨盤位置と脚の置き方をそろえて確認する材料にしたい。[3][6]
筋電図の平均値の横にある「±」にも目を向けたい。若い女性の比較では、中殿筋のクラムの平均値に対するばらつきも示されている。平均は集団の代表値であって、参加した全員が同じ活動を示したという意味ではない。自分の感触が平均的な説明と違うだけで、フォームの失敗と決めつけることはできない。[2]
また、ここまでの実験で条件を変えたときの筋活動を比較することと、その種目を続けた後の変化を確かめることは区別したい。クラム中の活動が大きい条件を知ることは、運動を選ぶ手がかりになる。それでも、骨盤の中間位を取れば生活のあらゆる動作が改善する、と話を広げるものではない。まずは目の前のクラムで、何を変えるとどの筋肉の活動が変わったのかに戻る。[1][6]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
ランナーの比較では、クラムが中殿筋の首位ではなかった
クラムはいつでも中殿筋が主役になる、という理解にも修正が必要だ。健康なランナー20人の実験では、横向き脚上げ、外旋を加えた横向き脚上げ、クラムを比較した。男性9人、女性11人の集団で、負荷を加え、体幹の位置を知らせる機器も用いている。家の床で抵抗なしに行う動作と、実験の条件を分けて読む必要がある。男女のランナーの結果が18〜39歳の女性一般でも同じになるかは、この比較だけでは判断できない。[7]
クラムでは前側の股関節を曲げる筋群の活動が54.2±25.2%、中殿筋は32.6±16.9%、大腿筋膜張筋は34.4±20.1%だった。前側の筋群は中殿筋と大腿筋膜張筋より活動が大きかった。一方、通常の横向き脚上げでは中殿筋の活動が70.1±29.9%であり、研究者は中殿筋を狙って働かせる目的なら横向き脚上げを選ぶ考えを示した。[7]
これは、クラムで大腿筋膜張筋を比較的小さくした研究を打ち消す結果だろうか。比較する筋肉を増やすと、見える分担も増える。中殿筋と大腿筋膜張筋の比に注目する実験では評価が高くても、前側の筋群まで調べた実験では別の特徴が見える。クラムの名前に性能をひとまとめにせず、どの筋肉に対する、どんな条件での評価かを付けておきたい。[4][7]
お尻に感じにくいから前側の筋肉が異常、とも判断できない。実験は筋電図で活動を比較しており、本人の感触だけで活動の順位を決めたものではない。自分の感覚はフォームを相談するときの情報として伝えつつ、感じた場所だけで「インナーが眠っている」「骨盤がずれている」と診断しないほうがよい。[7]
既存記事「インナーマッスルの肩トレは肘を離す?外旋する角度で変わる筋肉の働きを読む」は肩の外旋を扱っている。ここで扱うのは横向きのクラムで、骨盤位置、股関節角度、膝角度を変えたときの筋活動である。また、片脚のヒップリフトで骨盤を支える問いとは分け、膝が開いて見える動きの条件に焦点を絞っている。[1][4][6]

よくある誤解
「膝が大きく開けば、よりよいクラムだ」という見方は、骨盤位置を変えた比較では支持されない。中間位より後ろへ倒した条件で、大殿筋と中殿筋の活動が大きくなったわけではなかった。開く大きさだけを記録するより、骨盤が同じ位置かを添えて確認したほうが、研究で違いが出た条件を見失わない。[6]
「中殿筋と大腿筋膜張筋の比が高いなら、筋力をつける効果も最大だ」という理解も飛躍がある。活動比を評価した研究ではクラムが好ましい特徴を持ったが、中殿筋の活動量を比べた若い女性やランナーの実験では横向き脚上げのほうが大きかった。分担の指標と、筋肉そのものの活動量の指標は、別々の問いに答えている。[2][4][7]
「深く曲げるほどよい」という覚え方も、関節を区別して初めて意味を持つ。修正版クラムでは膝の曲げ角度を増す利点が90°を超えると追加されなかった。股関節については、中殿筋の活動量に違いがあった実験と、周囲の筋肉との比に有意差がなかった実験がある。数字をフォームの号令にする前に、どこを曲げ、何を測った数字かを戻して読む。[1][4][6]
今日からできること
- 横向きになり、上側の手を骨盤の出っ張りに軽く添える。膝を開くときに手ごと後ろへ転がるなら、膝の開きを小さくして開始姿勢に戻り、骨盤の向きを確認する。これは中間位を観察する目印であり、手で押さえ込む課題ではない。健康な成人17人の比較で、お尻の筋活動が大きかった中間位を、自宅で確認するための工夫だ。[6]
- 角度の指示を受けたら、股関節と膝のどちらかを確かめる。女性30人の修正版クラムで比較した60°、90°、110°は膝の角度だ。[1]
- ゴムを足す前に、フォーム確認と負荷を増やす練習のどちらが目的かを決める。男女11人の実験では、抵抗の有無で大腿筋膜張筋の活動にも差があった。[5]
- 中殿筋への負荷を増やしたい場合は、クラムだけの回数を増やす前に種目を相談する。若い女性21人の比較では横向き脚上げの中殿筋活動がクラムより大きかった。[2]
- 左右で違いを感じたら、骨盤位置と脚の置き方をそろえて伝える。健康に近い若い成人21人でも、クラムの方向による特徴が観察されている。[3]

オンザショア立川店を、動きを続ける予定に置く
膝の高さより骨盤の向きを確かめる、というクラムの問いは、運動を続けるときに何を目印にするかにもつながる。オンザショア立川店には常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがあり、取り組みたい種目と通える時間を合わせて考えられる。研究のフォーム比較を、当店のレッスンの効果として示すものではない。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガを含め、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。店のトップと料金で内容を確認できる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休である。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約を、体を動かす予定を具体化する入り口にできる。
参考文献
[1] Effects of Knee Flexion Angle on Gluteus Medius Activation and Activation Ratios During the Modified Clamshell Exercise — Lee HY, Zhang YH, Kim KC, Lim HW., 2026, Medicina (Kaunas, Lithuania). DOI: 10.3390/medicina62061025
[2] Comparison of the Effects of 3 Side-lying Exercises on Electromyographic Activities of Lumbopelvic Muscles in Young Females With Hip Abductor Weakness — Nam SJ, Oh DW., 2025, Journal of manipulative and physiological therapeutics. DOI: 10.1016/j.jmpt.2025.09.016
[3] Influence of hip flexion angle on strength and gluteal muscle activities in the clinical pilates clamshell exercise — Lim EAYY, Yeo RYT, Kwok BC., 2023, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2023.04.091
[4] Examining the effects of altering hip orientation on gluteus medius and tensor fascae latae interplay during common non-weight-bearing hip rehabilitation exercises — Sidorkewicz N, Cambridge ED, McGill SM., 2014, Clinical biomechanics (Bristol, Avon). DOI: 10.1016/j.clinbiomech.2014.09.002
[5] Electromyographic Analysis of Gluteus Maximus, Gluteus Medius, and Tensor Fascia Latae During Therapeutic Exercises With and Without Elastic Resistance — Bishop BN, Greenstein J, Etnoyer-Slaski JL, Sterling H, Topp R., 2018, International journal of sports physical therapy. DOI: 10.26603/ijspt20180668
[6] The influence of varying hip angle and pelvis position on muscle recruitment patterns of the hip abductor muscles during the clam exercise — Willcox EL, Burden AM., 2013, The Journal of orthopaedic and sports physical therapy. DOI: 10.2519/jospt.2013.4004
[7] Hip muscle activity during 3 side-lying hip-strengthening exercises in distance runners — McBeth JM, Earl-Boehm JE, Cobb SC, Huddleston WE., 2012, Journal of athletic training. DOI: 10.4085/1062-6050-47.1.15
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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