飲みやすい日本酒のフルーティーさは果物由来?酵母がつくる香りの分子を読む

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発酵の前半と後半で、成分の積み上がり方が違う

発酵が進むことを、すべての成分が一斉に増えることだと想像すると、香りの話は分かりにくくなる。中国の米酒の醸造過程を追った成分分析では、前半の発酵でエタノールが体積比14%の水準となり、還元糖は最大100 g/Lから20 g/Lに減少した。同じ段階で、有機酸、脂肪酸、高級アルコール、アルデヒドは、それぞれ含量の70%超が形成されたと報告された。[6]

一方、後半は代謝が遅くなったが、アミノ酸とエステルは含量の60%がこの段階に蓄積した。勢いが落ちたように見える段階にも、成分の構成は動いていた。アルコールの生成と香りの成分の蓄積では、注目すべき時間帯が違う。この数字は調べられた米酒の製法についての値であり、日本酒全般の工程表ではない。[6]

この研究は、成分の量を測るだけでなく、量を感覚上の閾値と比べた指標も使っている。閾値とは、ここでは感覚に関わる量の境目を指す。含量を閾値で割った値が1を超えた成分は17あり、酢酸エチル、酪酸エチル、ヘキサン酸エチルも含まれていた。量の一覧と、感覚に関わりうる成分の一覧を分けて調べたのである。[6]

ここは数字の読みどころだ。多く含まれる成分の名前だけを並べても、それがそのまま香りの印象の順位にはならない。研究で閾値との比を調べたのは、成分量を感覚との関係で読むためである。ただし、指標が1を超えた成分をすべて「フルーティーな香りの正体」と呼ぶこともできない。この17成分には有機酸やアミノ酸なども入っている。[6]

食卓で「何となく華やか」と感じた印象を、研究では成分の種類、量、発酵段階という異なる軸に分けている。同じ香りという言葉でも、何を測った数字かを添えるだけで意味が変わる。発酵後半の蓄積量を、飲む人の好みの点数として読むことはできない。[6]

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微生物との相関と、条件を変えた実験を分ける

中国の紅麹もち米酒に使う発酵の種を比較した研究では、微生物の構成と揮発成分の構成の両方に違いがあった。香りとして空気中に出てくる成分が揮発成分である。研究者は成分と微生物の関係を解析し、いくつかの酵母や菌が、果実や花の印象に関わる芳香性エステルの濃度と正の相関を示したと報告した。[2]

正の相関とは、ここでは微生物の存在と成分濃度が同じ方向に動く関係を指す。しかし、同時に多かったことと、その微生物だけが成分をつくったことは同義ではない。発酵の種に含まれる微生物の集まりを比較した結果として読む必要がある。研究者は、こうした微生物が米酒の風味に重要な貢献をする可能性を示している。[2]

対して、酵母に処理を加えてから米酒を醸造した実験もある。増殖中の酵母の種培養液に、周波数28 kHz、出力密度45 W/L、20分の超音波処理を行い、処理しない対照と比べた研究だ。発酵させる前の酵母を対象に、条件を決めて介入している。[17]

処理後は、酵母の菌体量が31.58%、アルコール収量が26.45%増え、発酵時間は約2日短くなった。香り成分にも変化があり、酪酸エチルは129.19%、ヘキサン酸エチルは7.79%増えた。同じ処理でも、異なるエステルの増え方はそろっていない。エステル全体を、同じ幅で上下するものとして扱えないことが分かる。[17]

この比較は、香りに関わる成分が酵母の培養条件によって変わりうる具体例である。ただし、対象は米酒製造用の酵母の種培養液だ。できあがった日本酒に超音波を当てれば同じ変化が起こる、という結果ではない。数字が大きいほど、何に処理を加え、何と比べたかを先に確認したい。[17]

相関研究は微生物同士や成分とのつながりを探し、介入実験は決めた条件を変えた影響を調べる。日本酒酵母の遺伝子を変えた実験は、さらに細胞内の仕組みへ踏み込んでいる。研究の対象も問いも異なるが、香りが製造の条件や酵母の働きと結びつくという理解を、それぞれの範囲で支えている。[2][17][18][19]

数字を横に並べて読む際にも、母数をそろえる意識がいる。超音波処理の研究の増加率は、対照の成分含量や収量に対する割合である。一方、米酒の発酵後半の60%という値は、その工程での蓄積について述べたものだ。どちらも百分率だが、比較しているものが異なる。大きい数字のほうが「香りに効く製法」と順位をつける材料にはならない。[6][17]

また、微生物と芳香性エステルの正の相関を見いだした研究では、対象が発酵の種だったことも押さえておきたい。完成した酒の香りを飲み手が採点し、その点数と菌を比べた話として読むと、問いが変わってしまう。微生物の構成を知る研究から、香りを調整するための候補を探すという段階までを受け取るのが適切である。[2]

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よくある誤解

「フルーティーなら、果物が材料のはず」という思い込みがある。酢酸エステルは、酵母内でアセチルCoAと対応するアルコールから酵素によって合成される。香りの表現を、そのまま原材料の説明に置き換えることはできない。原材料を知りたいときと、香りの印象を知りたいときでは、見るべき言葉が違う。[7]

「香りが豊かなら、アルコールも多くつくられたはず」という読み方も単純すぎる。BIO3やEHLの働きを変えた日本酒酵母では、エタノール生成が変わらないまま、ヘキサン酸エチルと酢酸イソアミルが減った。発酵を一括りにせず、測った成分を分ける必要がある。香りの表現だけを、酒の強さを判断する目盛りにはしないほうがよい。[18][19]

「エステルが増えたなら、誰にとっても飲みやすくなった」という飛躍にも気をつけたい。米酒の超音波処理の研究で示されたのは、条件を変えた際の収量や成分量の変化である。日本酒酵母の実験が示すのも、変更した株と親株の成分の違いだ。そこから自分の好みまで直結させず、成分の結果と飲む人の評価を分けて読むのが自然である。[17][18][19]

また、中国の米酒で測った割合を、日本酒の瓶にそのまま当てはめるのも避けたい。後半の発酵でエステルが蓄積した研究と、日本酒の酵母の遺伝子を変えた研究は、同じ製法を比べたものではない。対象を区別すれば、共通する発酵の面白さを読みながら、個別の商品の説明にまで広げすぎずに済む。[6][18]

今日からできること

  • 日本酒の説明を手元に置き、「香りの表現」「原材料」の2項目に分けてメモする。前者にフルーティーとあっても、後者に果物が使われているかは別に確かめる。酵母によるエステル合成を、ラベルを読む手がかりにする。[7][9]
  • 香り成分が紹介されていたら、酢酸イソアミルとヘキサン酸エチルの2成分を探して、書かれている名前を控える。日本酒酵母の実験でも別々に調べられた成分なので、「エステル」とだけまとめずに読む練習になる。[18][19]
  • 増加率を紹介する記事は、「処理した対象」「比較相手」の2項目を横に書く。ヘキサン酸エチルが7.79%増えた米酒実験なら、対象は酵母の種培養液、比較相手は処理しない対照である。これなら完成した酒への処理と混同せずに読める。[17]
  • 酒の研究を読んだら、メモを「香り成分」「エタノール生成」の2欄に分け、結果をそれぞれ書き込む。BIO3やEHLの実験では、前者は減少、後者は変化なしだった。香りの話からアルコールの生成まで一括して判断するのを防ぐ読み方である。[18][19]
  • 発酵後半にエステルの60%が蓄積したという数字を見たら、その横に「中国の米酒の工程」と書き添える。製造過程の数字と分かる形で残し、身近な日本酒の保存日数や飲み頃の指示と区別する。[6]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

オンザショア立川店で、日々の予定に運動の場所を

香りの成分とアルコール生成を分けて読んだように、運動の予定も酒の楽しみとは別に考えたい。日々の予定表に、体を動かす場所と時間を具体的に置く。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。所在地は東京都立川市曙町2-14-10、エトロワビル3Fだ。

店の営業時間は8:00〜23:30。これはレッスンの開始時刻とは別なので、参加する回は予約時に確認する形になる。年末年始の12/29〜1/3は通常のレッスンを休み、会員向けの特別な有料講座となる。予定表の中に、通う場所と時間を具体的に置くための情報である。

溶岩プレートを敷いた室内のホットヨガに加え、常温ヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンとタオル類、ヨガマットのレンタルを含む。店の案内と料金、体験の予約を、続ける場所を選ぶ際の手がかりにできる。

参考文献

[2] Microbial communities and volatile metabolites in different traditional fermentation starters used for Hong Qu glutinous rice wine — Huang ZR, Guo WL, Zhou WB, Li L, Xu JX, Hong JL, Liu HP, Zeng F, Bai WD, Liu B, Ni L, Rao PF, Lv XC., 2019, Food research international (Ottawa, Ont.). DOI: 10.1016/j.foodres.2018.12.024

[6] Profiling the key metabolites produced during the modern brewing process of Chinese rice wine — Jin Z, Cai G, Wu C, Hu Z, Xu X, Xie G, Wu D, Lu J., 2021, Food research international (Ottawa, Ont.). DOI: 10.1016/j.foodres.2020.109955

[7] Mechanisms of production and control of acetate esters in yeasts — Yoshimoto H, Bogaki T., 2023, Journal of bioscience and bioengineering. DOI: 10.1016/j.jbiosc.2023.06.009

[9] Production and biological function of volatile esters in Saccharomyces cerevisiae — Saerens SM, Delvaux FR, Verstrepen KJ, Thevelein JM., 2010, Microbial biotechnology. DOI: 10.1111/j.1751-7915.2009.00106.x

[17] Application of fixed-frequency ultrasound in the cultivation of Saccharomyces cerevisiae for rice wine fermentation — Hao J, Xu H, Yan P, Yang M, Mintah BK, Dai C, Zhang R, Ma H, He R., 2024, Journal of the science of food and agriculture. DOI: 10.1002/jsfa.13465

[18] The bio3 mutation in sake yeast leads to changes in organic acid profiles and ester levels but not ethanol production — Takase S, Tomonaga K, Tanaka J, Moriya C, Kiyoshi K, Akao T, Watanabe K, Kadokura T, Nakayama S., 2023, Journal of bioscience and bioengineering. DOI: 10.1016/j.jbiosc.2023.04.004

[19] Physiological role of the EHL gene in sake yeast and its effects on quality of sake — Tomonaga K, Tanaka J, Kiyoshi K, Akao T, Watanabe K, Kadokura T, Nakayama S., 2024, Journal of bioscience and bioengineering. DOI: 10.1016/j.jbiosc.2023.12.001

この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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