
中間が選ばれにくい場面も、同じくらい重要だ
妥協効果を知ると、すべての選択を「真ん中に誘導された」と説明したくなる。だが、研究はその単純な見方も支えていない。過去の実験を繰り返して個人ごとの選択を調べた研究では、人によって選び方に質的な違いがあった。全員分の平均と、個々人の選び方には違いがあった。[14]
この研究では、似た候補が加わることによる効果と妥協効果を、同じ人がそろって示す傾向は見られなかった。さらに、多くの参加者では、特定の属性を優先する偏りの方が、候補の組み合わせによる効果より強かった。中間に見えるかどうかより、本人が注目する条件が選択を強く動かす場合があったのである。[14]
商品の品質に対する期待を調べた別の研究では、男性309人、女性413人の計722人を対象とする2つの実験が行われた。18〜39歳の女性だけの結果として読むことはできず、運動選びへの適用にも検証が必要だ。品質が本人の期待水準を下回るとき、妥協効果は小さくなった。何でも中間なら魅力的になるのではなく、欲しい水準に届くかどうかも関わっていた。[19]
運動の例でいえば、参加できない開始時刻の候補は、ほかとの比較では中間でも予定には入らない。これは研究で検証された運動場面ではなく、期待水準の研究から考える例だ。候補同士のバランスを眺める前に、参加可能かを確かめる。選択肢の中央は、勤務表の空欄を作ってはくれない。
自信も条件の違いとして調べられている。購買判断を扱う3つの研究では、自信が高い人は判断への確実さが高く、中間を選びにくかった。また、自信が低い人では、リスクを伴う条件で中間が選ばれやすい結果が報告された。対象は商品を選ぶ消費者であり、18〜39歳の女性の運動選びでも同じ関係があるかは、今後確かめる課題となる。[18]
ただし、ここから自信をつければ端の運動を選ぶべきだとはならない。研究は運動種目の優劣を示しておらず、端を選ぶことを成功とも定めていない。[18] 自信がない日に決めた候補でも、自分の生活条件に合うなら検討に値する。決め方を点検することと、決めた内容を否定することは別の作業だ。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
説明を読み、経験して選ぶと、判断の条件も変わる
歯科治療の選択を扱った研究では、妥協効果による単純な選び方が標準だという結果にはならなかった。676人のボランティアが、治療名や価格、追加説明の組み合わせを変えた匿名質問紙に回答した。質問紙は8種類あり、5つの治療について尋ねる形だった。対象は歯科治療の選択に回答したボランティアで、18〜39歳の女性の運動選びへそのまま一般化することはできない。[10]
回答者は、単純な判断の近道より、治療に求める具体的な条件を踏まえて選んでいた。見た目や期待される持続期間に関する情報が選択に影響した。著者らは、それまでの考えや治療経験も関わった可能性を挙げ、分かりやすい追加情報の重要性を指摘している。[10]
これは治療選択の質問紙研究であり、医療の選び方を運動の予約とは判断の内容が異なる。ただ、価格や順位だけで迷ったときに、判断に必要な内容を確認するという発想は使える。運動なら、開始時刻、実施場所、参加条件、どのような内容かを、自分の予定と照らして読む作業になる。
説明を見て選ぶことと、結果を経験しながら選ぶことの違いも見逃せない。経験から選ぶ課題を用いた研究では、参加者が選択の結果を繰り返し受け取る実験が行われた。対象は実験課題に取り組む参加者であり、18〜39歳の女性が運動を体験して選ぶ場面への適用には検証が必要だ。候補を互いに独立に評価するという考えから外れる選択が見られたが、その方向は、説明から選ぶ従来の効果と異なる場合があった。[13]
この研究では、妥協効果や別の比較効果が逆向きになる結果も見られた。候補の似た結果が魅力を下げるという仕組みで説明するモデルが提案されている。したがって、一覧で中間を選んだ心理だけを、経験を重ねた後の選択にまで一貫した法則として当てはめるのは慎重でありたい。[13]
運動選びに戻るなら、ランキングを読んだ段階の予想と、実際に参加して分かったことを分けて残す方法が考えられる。帰宅までの流れに入るか、内容に興味を持てるか、次も参加したいと思うか。これらは読者自身が確かめる問いであり、経験課題の研究がヨガの継続を証明したという意味ではない。
候補を試した後に希望が変わっても、最初の選択は、試す候補を決める役割を果たしている。初めは説明で比較し、後から自分の経験を判断に加える。その違いを認めれば、「ランキングで人気だったから」という過去の理由だけを守り続けずに済む。選択の履歴は、自分を縛る契約書にする必要がない。
体験の前後を比べるときも、評価する問いは具体的にしたい。「自分に合う」という言葉だけでは、内容が好きだったのか、移動しやすかったのかを後から区別しにくい。気に入った点と予定に入りにくい点を別々に残せば、次に比較する際、改善したい条件を探せる。順位を付け直す前に、経験の中身を言葉にする作業である。

よくある誤解
「ランキングの真ん中を選んだなら妥協効果だ」という理解は正確ではない。研究が扱うのは、比較候補の組み合わせによって選ばれやすさが変わる現象である。中央の候補を選んだ事実だけでは、本人の好みで選んだ場合と区別できない。くじの実験でも、比較の影響を好みと分けて扱うことが課題だった。[9]
「妥協効果は全員に同じように起こる」も言い過ぎだ。個人別に調べると選び方は異なり、特定の属性を優先する傾向が比較効果より大きい人もいた。[14] 自分が中間を選ばなかったからといって、研究と矛盾する特別な人だと考えなくてよい。
「中間を避ければ、よい運動が選べる」という逆方向の近道にも根拠はない。選択のレビューでは、中間を取る解決と端を選ぶ解決の両方が整理されている。どちらが現れるかを考える研究であり、端の運動の減量効果が高いと示した比較ではない。[3] 運動の内容の評価を、選択心理の言葉だけで済ませないことだ。
さらに「よく選ばれるなら納得も大きい」という理解も、実験結果とは異なる。仮想購買の実験では、妥協候補の選択割合が高くても確信は低かった。[15] 人気や選択割合を読むときは、何を測った数字なのかを見る。申し込む人の多さと、自分の翌日の予定は、別々に確認する情報である。
今日からできること
- 比較している条件を言葉にする。研究では2属性で表した候補を使っても選択が動いた。日常への応用として、順位から離れ、時間や場所など自分が比べている条件を書き出す。[15]
- 候補を追加する前の希望を残す。豚肉商品の研究では、先に選んでから比較情報を受け取ると妥協効果が弱まった。運動でも同じ効果が保証される方法ではなく、希望の変化を見返す工夫として使う。[2]
- 必要条件に届くかを確認する。722人の実験では、品質が期待水準を下回ると妥協効果が小さくなった。運動への応用では、参加可能な時刻など、候補の並びと別に確かめる条件を先に決める。[19]
- 選びたい理由と未確認事項を分ける。145人の仮想購買研究では、選択の多さと確信は一致しなかった。運動の候補も、決めたという事実だけで疑問が解消したことにしない。[15]
- 体験後には予想を書き換えてよい。経験から選ぶ実験では、説明から選ぶ場合と効果の向きが異なる結果もあった。これは継続を保証する手順ではなく、自分の経験を判断に加えるための提案である。[13]

オンザショアで、順位より先に予定を照らす
比較の表から予定表へ移すときは、通える時間と参加内容を具体的に確かめたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分にある。仕事帰りなどの動線と照らし、続ける場所の候補として考えられる。
参加内容と参加条件も先に照らしたい。溶岩プレートを敷いたホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店のトップで内容を確認できる。
予定と参加条件が合えば、内容を確かめる入口に税込1,980円のヨガ体験レッスンがある。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と体験の予約を確認し、順位よりも自分の生活に入るかを基準に検討したい。
参考文献
[2] Compromise Effect in Food Consumer Choices in China: An Analysis on Pork Products — Wu L, Gong X, Chen X, Hu W., 2020, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2020.01352
[3] Trade-Offs in Choice — Shaddy F, Fishbach A, Simonson I., 2021, Annual review of psychology. DOI: 10.1146/annurev-psych-072420-125709
[9] Measuring and Controlling for the Compromise Effect When Estimating Risk Preference Parameters — Beauchamp JP, Benjamin DJ, Laibson DI, Chabris CF., 2020, Experimental economics. DOI: 10.1007/s10683-019-09640-z
[10] The role of the “compromise effect” in dental treatment choice. A pilot study in 676 Hungarian volunteers — Szabó R, Farkas G, Keszeg M, Eördegh G, Buzás N, Antal M., 2019, Orvosi hetilap. DOI: 10.1556/650.2019.31496
[13] How similarity between choice options affects decisions from experience: The accentuation-of-differences model — Spektor MS, Gluth S, Fontanesi L, Rieskamp J., 2019, Psychological review. DOI: 10.1037/rev0000122
[14] The appropriacy of averaging in the study of context effects — Liew SX, Howe PD, Little DR., 2016, Psychonomic bulletin & review. DOI: 10.3758/s13423-016-1032-7
[15] A multi-measure analysis of the similarity, attraction, and compromise effects in multi-attribute decision making — Tsuzuki T, Matsui H, Kikuchi M., 2012, Shinrigaku kenkyu : The Japanese journal of psychology. DOI: 10.4992/jjpsy.83.398
[18] The impact of self-confidence on the compromise effect — Chuang SC, Cheng YH, Chang CJ, Chiang YT., 2013, International journal of psychology : Journal international de psychologie. DOI: 10.1080/00207594.2012.666553
[19] Aspiration and compromise effect — Chuang SC, Kao DT, Wu PH, Tsai CC., 2007, Psychological reports. DOI: 10.2466/pr0.101.4.1179-1188
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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