
続けて体力が変わることは、その日の平均とは別の成果だ
軽度から中等度という評価を読むと、ピラティスでは心肺の体力が変わらないのかと心配になるかもしれない。ここで問いを切り替える必要がある。運動している最中の代謝的な負担を測る研究と、一定期間続けた前後で体力を比較する研究は、調べている時点も成果も違う。[3][5]
運動習慣のない健康な成人女性78人を、器具を使うピラティス群と運動しない対照群に無作為に分けた試験では、週2回、各60分を8週間、計16回実施した。終了後、ピラティス群では対照群に比べ、歩行テストの距離、最大酸素摂取量、生活の質で改善が認められた。体組成には差が認められなかった。健康な成人女性の結果でも、18〜39歳の女性に同じ改善が生じるかは、運動習慣などの条件と併せて考える必要がある。[5]
最大酸素摂取量は、最大限に運動したときの酸素を取り込む能力を表す指標である。この試験ではその指標に改善が認められたが、通った時間のすべてが中等度だった、という意味ではない。[5] 予約時間の内訳を知る話と、通った後にどの能力が変わるかを知る話は、どちらも大事だが交換できない。
別の臨床試験では、過体重・肥満の人を対象に、床での運動、抵抗を使う器具、ダンベルを含むピラティスと、歩行トレーニングなどを比較した。運動群は週3回、各60分を8週間実施し、ピラティス群で換気性閾値時の酸素摂取量に改善が認められた。効果量は0.60で、最大努力時の酸素摂取量の効果量は0.33だった。過体重・肥満の人の結果を、体格や運動経験が異なる18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[11]
換気性閾値は、運動負荷に対する呼吸の反応から評価する境目である。この研究は継続後の変化を示すが、対照群は仕事の時間と実施時間の都合で割り当てられており、全群が同じ条件で無作為に振り分けられた比較ではない。また、ピラティス群内で有意に変化したことだけをもって、歩行より優れると決めることもできない。[11]
改善が一様に出るわけでもない。ホルモン療法中の乳がん女性52人を、マットピラティス、ベリーダンス、対照群に無作為に分けた試験では、運動群は週3回、各60分を16週間続けた。介入直後の最高酸素摂取量には有意な変化が認められなかった。治療中の患者を対象とするため、健康な18〜39歳の女性でも同じ結果になるかは別に確かめる必要がある。[2] 対象の背景と行う内容が違えば、同じ酸素関連の指標でも結果はそろわない。
器具を使う健康な成人女性の試験と、治療中の女性のマットの試験を、ひとまとめに「効いた」「効かなかった」と処理しない。[2][5] 自分の目的が階段や移動を含む体力なのか、運動記録に中等度の時間を付けることなのかで、必要な情報は変わる。変化への期待は持てるが、期待する成果の名前は具体的にしておきたい。
ここで、通う目的を体重の変化だけに狭める必要もない。健康な成人女性の器具を使う試験では、体組成に差がなくても体力や生活の質に改善が認められた。[5] 体重計の数字を、動いた時間の正しさの採点表にしないことだ。どの成果を確認したいかを決めれば、体組成と心肺の指標を混ぜずに経過を見られる。
同じように、改善が有意だったという結果は、読者が同じ大きさだけ変わるという予告ではない。臨床試験で示された効果量も、その対象と組み立ての下での変化を表す。[11] 受講前の予定には実施する枠を置き、成果については続けた後の評価を待つ。この順番なら、その日に強く疲れたことだけで将来の変化を約束せずに済む。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
休憩を減らせばよい、とは簡単に決められない
メタ分析では、セット間・種目間の休憩が代謝的な強度に関係する可能性が示され、60秒以下の休憩は高い強度との関連があった。[3] 器具の有無だけでなく、動く部分と止まる部分の組み合わせにも目を向ける理由になる。ただし、この関連を「休憩を削れば誰でも望む効果が出る」という処方に変えることはできない。
初回の説明を聞く時間は、予約表の中では動かない時間に見える。そこで焦って説明を飛ばし、記録上の運動時間を増やすことを目標にしてしまうと、何のために通うのかが入れ替わる。研究の平均値は受講者が休憩を競って減らすための数字ではない。休憩の設定と自分の参加の仕方は、先生と確認したい項目である。
たとえば体験前には、種目ごとに止まって説明するのか、慣れた参加者向けに動きをつなぐのか、器具の調整はどの場面で行うのかを尋ねられる。これなら、研究で挙がった休憩という要素を、受講先の進行を理解する質問へ変えられる。[3] 質問した結果から、そのクラスを何メッツと自分で認定する必要はない。
研究のエネルギー消費を、自分の受講時間に掛けて確定した消費量のように扱うことにも慎重でありたい。統合値は分析の仕方によって変わり、マシンとマットの比較でも異なる値が出ている。[3][9] 予約枠の長さが同じだから、同じ負担になるという保証はない。クラス名、進め方、測定方法まで含めて初めて比べられる数字だ。
予定を組むときは、まず通う枠と目的を記し、実施後に動き方の特徴を加える。中等度で動いた時間を評価する必要があるなら、何を基準に、どの区間を数えるのかまで確かめる。分からない部分は空欄でよい。腕時計の山頂だけを切り取って、レッスン全体の地図にしないことだ。

よくある誤解
「平均が中等度なら、レッスン中ずっと中等度だった」は取り違えである。統合された平均強度はセッションの特徴を示すが、平均の数字だけで時間の内訳は決まらない。しかも、その平均自体に推定の幅があり、偏りを考慮すると低くなっている。[3] 予約した長さをそのまま基準以上の時間として扱う前に、どの時間を評価した数字かを確かめたい。
「マシンならマットより高いので、十分な有酸素運動になる」も、比較の途中を飛ばしている。健康な若い女性の比較では、リフォーマーの酸素摂取量とエネルギー消費はマットより高かったが、調べたセッションの心血管への負担は低いと評価された。[9] 相手より高いという順位と、目的に必要な量があるかという判断を混ぜないことだ。
「心肺の体力が改善した研究があるので、その運動時間を全部数えてよい」も成り立たない。器具を使った継続試験では最大酸素摂取量の改善があり、別の対象のマット試験では最高酸素摂取量の有意な変化がなかった。[2][5] 続けた結果は、当日の強度を測った記録の代用品ではない。有酸素か無酸素かという名前だけで、予約枠の中身まで決めようとしないほうがよい。
今日からできること
- 予約メモには「心肺の体力を考えたい」など目的を書く。週2回、各60分、8週間の器具を使う試験で体力改善は認められたが、その日程を自分への保証にはしない。[5]
- 体験先には、動作の間の説明と休憩について尋ねる。60秒以下の休憩と高い代謝強度との関連は、自分で休みを削る指示ではなく、進行を確認するきっかけにする。[3]
- 記録の「種目数」と「時間」を別にする。21種目を調べた研究のように、種目直後の心拍で評価した情報から、中等度の合計時間を決めない。[1]
- マシンとマットの数字を読むなら、女性18人が具体的な内容を実施した比較だと対象も添える。器具の名称だけを、自分の強度の証明にしない。[9]
- 継続後の体力評価と当日の記録を分ける。16週間のマットの試験でも最高酸素摂取量に有意な変化がなかった対象があり、回数だけで成果を断定しない。[2]

オンザショア立川店で、予定に入れる運動を選ぶ
予約した時間と、中等度で動いた時間を分けて考える。その視点から、通える時間帯と受けたい内容を一緒に確かめたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、全曜日同じ時間、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分にある。
当店は溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングを扱う。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、生活の中で続ける運動を選ぶ場所として検討できる。ピラティスを扱うという事実と、ここで紹介した研究の運動条件は分けて考えたい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店の案内と料金を確認し、ヨガの体験は予約ページで検討できる。
参考文献
[1] Acute effects of mat Pilates session on heart rate and rating of perceived exertion — Carlin de Ramos do Espírito Santo B, Garcias L, Bertoli J, Kulevicz da Silva AC,, 2020, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2019.10.004
[2] Mat Pilates vs. belly dance: Effects on cardiorespiratory fitness and body composition in women with breast cancer: A randomized trial — Boing L, Raimundo JAG, Pereira GS, de Bem Fretta T, Fausto DY, Martins JBB, da S, 2026, Maturitas. DOI: 10.1016/j.maturitas.2026.109024
[3] Metabolic intensity and energy cost of Pilates exercises: an exploratory systematic review and meta-analysis of limited and heterogeneous evidence — Vitor GBB, de Oliveira LC, Pessôa RAG, Aguiar AF, de Oliveira RG., 2026, Systematic reviews. DOI: 10.1186/s13643-025-03056-y
[5] Eight-week equipment-based Pilates exercises positively affects quality of life, and functional capacity in non-active adult women: a randomized controlled trial — Martins FM, DA Silva EG, Souza MA, Vieira ER, DA Silva RA, Barbosa AC, Musculosk, 2021, The Journal of sports medicine and physical fitness. DOI: 10.23736/s0022-4707.20.11327-6
[9] What is the exercise intensity of Pilates? An analysis of the energy expenditure, blood lactate, and intensity of apparatus and mat Pilates sessions — de Souza Andrade L, da Silva Almeida I, Mochizuki L, Sousa CV, Falk Neto JH, Ken, 2021, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2020.12.007
[11] The effects of Pilates vs. aerobic training on cardiorespiratory fitness, isokinetic muscular strength, body composition, and functional tasks outcomes for individuals who are overweight/obese: a clinical trial — Rayes ABR, de Lira CAB, Viana RB, Benedito-Silva AA, Vancini RL, Mascarin N, And, 2019, PeerJ. DOI: 10.7717/peerj.6022
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 西立川のピラティス初回、やらない動きにもつられる理由と見本の受け取り方
- 国分寺のヨガ初回は語尾まで聞いて動く、声の抑揚と指示の切れ目を分ける準備
- 昭島の溶岩盤スタジオを探す日に、触れる面積で変わる局所の温かさを考える
- 八王子のマシンピラティス初回、先生との距離より先に見本のどこを確かめるか
- 立川で男性がホットヨガを始める前に、見た目と体ができることの評価を分ける
- 国立のエアリアルヨガ初回、揺れる布と動かない目印で姿勢の感じ方を考える
- 立川でダイエットの運動を始める日、体重が増えた朝の目標変更と予定を考える
- マシンピラティスのウェアは縫い目の湿りも確認、速乾表示と着心地を分ける選び方
- マシンピラティスの髪型は前髪の汗で決めるか、額の湿りと放熱を分ける準備
- マシンピラティスの怪我は報告ゼロなら安心か、体験前に読む安全性の記録方法
- マシンピラティスのメリットは全員の結果か、途中で休んだ人も含めて効果を考える
- マシンピラティスとホットヨガを比べる日、測る部屋と直前の動きをそろえる
- 寝ながらのHIITは歩行とどう選ぶ?姿勢で決めない筋肉と負担の比較条件
- 食後の運動は食べ慣れた物なら安心か、初めての補食とお腹の反応を比べる準備
- ダイエットのプロテインとクレアチン併用、除脂肪量の測定は体内の水も読む
- ダイエット中のたい焼きとどら焼き、焼き色でカロリーを決めない補食の選び方
- ダイエット中の夕飯レシピは人数で割れる?鍋に残る分と一人前を計算する順序
- 女性の体脂肪率を写真で確かめる前に、縦横比と見る向きをそろえる記録の工夫
- 女性の体脂肪率の基準は同じ平均か、年齢構成をそろえる前後の数字を読む
- 筋トレで胸が赤くなるとき、圧迫の跡と皮膚の血流を分けて確かめる見方
- ダイエットのプロテイン量は色で測れるか、検査の標準たんぱく質を確かめる
- ダイエットの運動靴は跳ね返るほど楽か、靴底の損失と走る体の消費を分けて読む
- ダイエットのプロテインは粒で効果も変わる?一杯の成分と研究の評価項目を分ける
- 女性の体脂肪率の平均は誰の数字か、健康調査に参加しなかった人まで考える
- リバースプランクを毎日行う前に、頭の向きと腕の支えをどう比べるか考える
- ダイエットの運動に即効性はあるか、体力テストの順番から直後の数字を読む
- 運動が楽しくなるグッズ、自分で組み立てた愛着と使いやすさは分けて選べるか
- 毎日30秒のプランクは誰が時計を押すか、手の操作と保持時間を分ける記録術
- 筋トレで胸が揺れるとき、筋肉と皮膚を見分ける前に負荷の記録を見直す
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2







