
終止を感じる脳反応は、運動の成績ではない
曲の末尾を変えた研究を、もう少し具体的に読む。音楽経験のない人が聞いた西洋クラシック曲には、期待される解決、ほどよく期待を外すもの、和声の構造の内側で大きく外すもの、その構造からも外れるものという4種類の終止が用意された。日常の「いい感じに終わった」を、比較可能な条件へ分けた設計である。[14]
この実験では、期待からのずれに応じて、大脳基底核や前頭・側頭の領域の活動が変化した。一方、上側頭回の後方の領域では、期待の違いによる有意な変化はなかった。音楽を処理する脳全体が一様に反応したのではなく、処理する内容によって関与する領域が異なる結果だった。[14]
脳の名前が並ぶと、日常の感覚より確かな証明に見えやすい。しかし、何をしているときに測った反応かが先にある。この研究で参加者がしていたのは音楽を聞くことであり、運動を最後まで続けることではない。「終わり方を区別して処理する」という知見を、「疲れていても動ける」という成果へそのまま広げることはできない。[14]
また、終止の聞き分けを考える際には、聞き手の経験も外せない。音楽家ではない人、アマチュア、専門家が、末尾を操作した弦楽四重奏を聞いた研究では、和声的な逸脱の聞き分け成績が音楽経験の段階に応じて異なった。前頭・側頭のネットワークの脳反応も、逸脱の強さと経験の程度によって変わっていた。対象は音楽経験で分けた参加者であり、18〜39歳の女性の普段の選曲へそのまま当てはめられるかは、聞く曲や経験を含めて検討する必要がある。[16]
この比較は、運動のために音楽の訓練を始めればよいという処方ではない。経験の異なる群の聴取時の比較として読むべき結果である。曲の結びをよく聞き分けられる人の選曲理由が、自分にも当てはまるかは、実際に聞いて確かめたい。説明できる人の感覚を、そのまま全員用の選曲基準にしないための手掛かりになる。[16]
実際、専門家向けに書かれた「解決感がある」という紹介を読んでも、音楽理論の用語を覚えてから運動を始める必要はない。自分の言葉で「ここで終わった気がした」「まだ続きそうだった」と残せばよい。実験の課題と生活のメモは精密さが違うが、何を感じたかを区別するという目的は共有できる。[14][16]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
心地よさには、終わり方以外の理由もある
音楽に動かされた感じがあっても、その原因をすべて終止感に集める必要はない。音楽による感情を扱うレビューは、脳幹反射、リズムへの同調、評価条件づけ、感情の伝染、視覚的イメージ、出来事の記憶、音楽的期待、美的判断という8つの仕組みを提示している。これは複数の心理過程を整理する理論的な枠組みである。[1]
たとえば、昔よく聞いた曲を選ぶときには、曲の構造を楽しむだけでなく、当時の出来事を思い出すことも考えられる。レビューは、音楽、聞き手、文脈が組み合わさる出来事の中で、こうした仕組みが働くと論じる。曲を同じにしても、聞く人と場面は感情を考える際の条件として残る。[1]
運動前に聞きたくなる曲と、帰宅後に静かに聞きたい曲が違うなら、それを矛盾として直さなくてよい。ここでは、場面も選曲メモの一部にする提案ができる。「末尾が好き」という感想の横に、いつ、何をしながら聞いたかを添える。音楽、聞き手、文脈を一緒に考える枠組みを、普段の選曲へ下ろす方法である。[1]
比較するときには、曲を変えた日に動き方まで変えない工夫も要る。好きな曲を選び、同時に運動の内容も軽くして楽だったとしても、終わり方の役割だけは取り出せない。まず普段の無理のない動作の中で、曲への感想と動作への感想を別々に記録する。これは因果を決める実験ではなく、判断の材料を混ぜないための生活上の整理だ。
記録には、途中でやめた日の扱いも決めておく。「曲を最後まで聞かなかった」ことを、その日の運動全体の失敗にしない。気に入った終止を聞き逃したなら、あとで座って聞く選択もある。音楽を楽しんだという評価と、運動を予定どおり行ったという評価を別欄にしておけば、曲の満足感を運動量の点数へ変えずに残せる。[1][8]
「この曲なら続く」という強い言い方より、「この場面では、この終わり方が好みだった」のほうが、聴取研究と生活経験の距離に合っている。前者は継続という行動の説明であり、後者は聞いた経験の報告だ。曲を味方にするために、曲へ体力の判定まで任せる必要はない。[1][14]
運動の区切りを先に決めるなら、曲が終わらなかった場合も考えておくと扱いやすい。「この動作を終えたら休む」と予定していたのに曲が続いたとき、音楽の決着を待つために予定を延ばす必要はない。曲はそのまま聞き、運動のほうを先に終えるという使い方も選べる。
逆に、動作の途中で曲だけが終わった場合も、録音の停止を出来栄えの判定にしない。音楽を運動へ持ち込む際に決めたいのは、好きな末尾の種類だけでなく、音楽と動作のどちらを区切りの基準にするかだ。終止の知覚を調べた研究と、自分で予定を組む工夫を区別すれば、選曲への期待も具体的になる。[14]

よくある誤解
「予想どおりに終わる曲ほど、必ず気持ちよい」という見方は単純すぎる。不確実性と驚きの実験では、予想の外れが大きい条件でも、文脈との組み合わせによって快さが高かった。終止が分かりやすいことを選曲理由にしてもよいが、それをすべての人に共通する快さの順位にはできない。[8]
「音楽を聞いて反応が速くなったのだから、運動も速く正確になる」とも限らない。34人の実験が測ったのは、最後の和音の音色を判断する反応時間だ。課題で何を答えたかを省略すると、音の処理の成績が運動技能の成績に見えてしまう。選曲の根拠として使う際にも、測定対象を残して読む必要がある。[7]
「脳に運動と関係する場所があるなら、最後まで頑張れる証拠だ」という読み方にも飛躍がある。終止の研究で示されたのは、和声的期待の違いに対する脳活動である。曲の区切りが分かる感覚を尊重することと、運動時の持続やきつさが改善したと判定することは別の作業だ。[14]
また、音楽経験のある人が終わりを聞き分けやすかったという結果は、聞き分けにくい人が選曲に失敗しているという意味ではない。研究の群間差は、音楽の好みの優劣ではない。理論用語で説明できなくても、「この終わり方は好きだ」と感じたことは、自分の選曲メモとして十分に残せる。[16]
今日からできること
- 研究が扱った4種類の終止のように、終わり方にも違いがあると考える。普段の曲では専門用語を当てず、「収まった」「まだ続きそう」と自分の感想を書く。[14]
- 34人の実験は音色判断の課題だったことを目印にする。選曲で変えたいものが、音の聞きやすさか、動作の正確さかを分けておく。[7]
- 739曲を用いた研究の知識に基づく期待と感覚に基づく期待を参考に、曲を知っていることと、次の響きを予想できたことを別々にメモする。[2]
- 80,000個の和音を解析した研究を思い出し、予想の外れをすぐに悪い点と決めない。意外だったかと、快かったかを分けて振り返る。[8]
- レビューの8つの仕組みを手掛かりに、曲の区切りだけでなく、思い出や聞く場面も書き添える。曲の評価を運動の成績に置き換えない。[1]

オンザショア立川店で、予定の区切りを作る
曲の区切りとは別に、生活の中に運動の時間を置く場所として、オンザショア立川店を考えたい。営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。仕事や用事のある日の予定に合わせ、続ける時間を検討できる。
店は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から徒歩1分だ。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけでも25種類以上のレッスンを用意している。
参加できる条件も、予定を組む前に確かめたい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。
通う場所と時間、選べる内容を確認する入口は、店舗トップ、料金、体験の予約である。続ける予定を立てる際は、これらの店の条件から自分の生活との接点を探せる。
参考文献
[1] From everyday emotions to aesthetic emotions: towards a unified theory of musical emotions — Juslin PN., 2013, Physics of life reviews. DOI: 10.1016/j.plrev.2013.05.008
[2] Cognitive and sensory expectations independently shape musical expectancy and pleasure — Cheung VKM, Harrison PMC, Koelsch S, Pearce MT, Friederici AD, Meyer L., 2024, Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences. DOI: 10.1098/rstb.2022.0420
[7] The Impact of Voice Leading and Harmony on Musical Expectancy — Wall L, Lieck R, Neuwirth M, Rohrmeier M., 2020, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-020-61645-4
[8] Uncertainty and Surprise Jointly Predict Musical Pleasure and Amygdala, Hippocampus, and Auditory Cortex Activity — Cheung VKM, Harrison PMC, Meyer L, Pearce MT, Haynes JD, Koelsch S., 2019, Current biology : CB. DOI: 10.1016/j.cub.2019.09.067
[14] Corticostriatal contributions to musical expectancy perception — Seger CA, Spiering BJ, Sares AG, Quraini SI, Alpeter C, David J, Thaut MH., 2013, Journal of cognitive neuroscience. DOI: 10.1162/jocn_a_00371
[16] Degree of musical expertise modulates higher order brain functioning — Oechslin MS, Van De Ville D, Lazeyras F, Hauert CA, James CE., 2013, Cerebral cortex (New York, N.Y. : 1991). DOI: 10.1093/cercor/bhs206
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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