
筋量が増えた試験も足幅だけの答えではない
Posnakidisらは、日常的に運動している成人20人をランダムに分け、高強度の複合運動を比較した。参加者は女性12人と男性8人、平均年齢は30±4歳である。週3回、8週間の運動で、どちらの群も全身を使うサーキットを行った。男女を含む運動習慣のある成人の結果なので、18〜39歳の女性だけに同じ程度の変化が生じるかは別に確認が必要である。[3]
比較の片方には、スモウスクワットと重りを引き上げる動きを組み合わせた種目が含まれていた。もう片方ではその種目を高負荷のスクワットに替え、胸の運動も別の高負荷種目に変更した。つまり足幅だけが違う対決ではない。動作の組み合わせと負荷、上半身の種目まで変えたプログラム同士の比較である。[3]
両群で心肺体力やジャンプの成績、体脂肪率などが改善し、高負荷種目を加えた群では筋量が3.3%増加した。これを「普通のスクワットはワイドより前ももを育てる」と読み替えることはできない。筋量という結果の対象と、複数種目を入れ替えた介入条件を保ったまま受け取るべき結果である。[3]
筋活動の話を探していたのに筋量の結果へ移り、さらに脚の形の予測へ進むと、途中の問いが抜ける。知りたいのが運動中の分担なら、運動中の筋肉別の比較が必要だ。知りたいのが練習後の変化なら、どこがどう変わったかの測定が必要になる。この試験の筋量の数字だけで、内側広筋と外側広筋の育ち方を決めることはできない。[3]
実際の練習でも、種目を変更した日に重りや組み合わせまで変えると、体感の違いの理由を整理しづらくなる。これは試験で複数条件が変わったことを読む際と共通する。運動後のメモには種目名だけでなく、何を持ち、何と組み合わせたかも残したい。比較するなら、種目名に加えて負荷と組み合わせをそろえることが要点になる。[3]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
症状の改善を筋肉の分担の証拠にしない
Yosriらのランダム化比較試験は、原発性月経困難症の女性120人を対象にしている。18〜39歳の女性全般にそのまま当てはめるには、月経困難症の有無と運動条件の違いを考える必要がある。ヨガのみの群と、ヨガに修正した壁スクワット、スモウスクワット、深いスクワットをそれぞれ加える群を比較した。評価したのは月経時の痛みや苦痛、骨盤の傾き、子宮の循環であり、前ももの分担を目的にした比較とは問いが違う。[1]
痛みの強さについて、スモウスクワットを加えた群の効果量は5.89、ヨガのみの群は3.68と報告され、群間の比較でもスモウスクワットを加えた群で有意な痛みの軽減が示された。効果量は変化の大きさを表す指標であり、その数値を痛みの減少率に直すことはできない。研究者らはスクワットをヨガに加えることが、ヨガのみより月経痛や苦痛の軽減に有効だったと結論している。[1]
この結果は月経症状を扱う研究として意味を持つが、「内側広筋がよく働いたから痛みが軽くなった」という筋道を証明するものではない。症状という結果から、前ももの特定の筋肉の活動へ逆算しないことが大切だ。運動をしたあと体調に変化があった場面でも、その変化と筋肉の取り分を同じ説明に押し込める必要はない。[1]
また、この試験の対象は原発性月経困難症のある女性であり、ヨガにスクワットを追加する比較だった。健康な人の自重運動や、競技者の重いスクワットと、同じ条件ではない。自分の症状への対応や運動の可否は医師に相談する領域である。前ももの鍛え方を探す途中で見つけた症状の研究を、自己判断の治療メニューにしないでおきたい。[1]

よくある誤解
「足を広げれば内側広筋の担当が増え、外側と均等になる」という説明は、足幅の動作分析からは結論できない。広い足幅で膝と股関節のモーメントが大きかったことと、前ももの各筋肉が同じ割合で活動したことは別である。研究が答えている関節の問いを、そのまま筋肉の問いの答えにしないことが重要だ。[4]
「外側広筋の筋電図が出てくる論文なら、前ももの使い分けが分かる」とも限らない。振動台の試験では、姿勢を保つ課題中に外側広筋などの活動が測られた。種目を行っている最中の活動なのか、介入後の別の課題での活動なのかを読み分けるだけで、同じ筋肉名から受ける印象は変わる。[2]
「膝の筋力が有意に変わらなかったならワイドスクワットは無意味」という受け取り方も広げすぎだ。試験では振動台と複数種目を組み合わせ、足首の筋力と立位の揺れには改善が見られた。研究の結果は、運動の価値を一言で採点するものではない。どんな条件で何が変わり、何には有意な変化がなかったかを並べて読むものである。[2]
前ももに均等さを求める気持ちがあっても、研究を読むときの目標は「全部に同じだけ効く種目」を決めることとは限らない。関節モーメント、姿勢課題中の筋活動、介入後の筋力、筋量という結果を別々に置くと、無理な比較が減る。足幅の研究と複合運動の試験を、同じ順位表に並べる理由はない。[2][3][4]
今日からできること
- 足幅を変えた日の記録には、前ももの感覚と動作の条件を分けて書く。競技者39人の分析が示したのは足幅と関節の力学的な違いであり、自分の感覚を筋肉別の活動割合に換算する根拠ではない。[4]
- 動画では足幅だけでなく、足先の向きやしゃがんだ位置も確認する。広い群ではすねの角度や足先の向きにも違いがあり、足幅の印象だけで関節の負担は決められない。[4]
- 「外側広筋を測定」という説明に出会ったら、測定した動作を確かめる。女性21人の振動台の試験では、筋電図は立って姿勢を保つ課題中の記録だった。[2]
- 練習の成果は自分が確認したい項目に合わせて記録する。振動台の9週間の試験で足首の筋力と膝の筋力の結果が異なったように、「脚の効果」だけでは測定対象が曖昧になる。[2]
- 筋量3.3%という数字を足幅選びの勝敗に使わない。高負荷種目を加えた試験は複数の種目を替えたプログラムの比較であり、内側と外側の育ち方を示す数字ではない。[3]
足幅の比較を読む際は、膝がどこまで曲がった場面かもそろえたい。競技者の分析では、膝屈曲45度と90度で股関節と太ももの角度を比べ、90度と最大屈曲時にはすねと足先の違いを示している。足幅だけで姿勢全体を代表させず、同じ膝角度で他の関節がどう位置したかを読むのが、この結果に沿った比較である。ただし、ここから大腿四頭筋の各筋肉の張力を割り出すことは推測にとどまる。関節角度と正味のモーメントは、各筋肉の張力や活動割合を直接示す値ではない。[4]

オンザショアで、比べる条件を持ちながら続ける
足幅を比べるには、どの運動をどんな条件で行ったかを区別しておきたい。オンザショア立川店にはパーソナルトレーニングに加え、常温のヨガ、ピラティス、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱っている。種目名を一括りにせず、自分が続けたい運動を選ぶ場所として考えたい。
医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。参加できる種目を確かめることが、予定を立てる前提になる。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル3F。全曜日8:00〜23:30、年中無休で、生活の中に通う時間を置きやすいかも検討できる。店の案内と料金で選択肢を確認したい。
ヨガの体験は税込1,980円。60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。持ち物と時間を見通したうえで、体験予約から予定を選べる。
参考文献
[1] Effect of different squatting exercises on menstrual aspects, pelvic mechanics and uterine circulation in primary dysmenorrhoea: a randomised controlled trial — Yosri MM, Hamada HA, Abd El-Rahman Mohamed M, Yousef AM., 2022, Journal of obstetrics and gynaecology : the journal of the Institute of Obstetrics and Gynaecology. DOI: 10.1080/01443615.2022.2153021
[2] Side-alternating vibration training for balance and ankle muscle strength in untrained women — Spiliopoulou SI, Amiridis IG, Tsigganos G, Hatzitaki V., 2013, Journal of athletic training. DOI: 10.4085/1062-6050-48.4.03
[3] The Addition of High-Load Resistance Exercises to a High-Intensity Functional Training Program Elicits Further Improvements in Body Composition and Strength: A Randomized Trial — Posnakidis G, Aphamis G, Giannaki CD, Mougios V, Bogdanis GC., 2022, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports10120207
[4] A three-dimensional biomechanical analysis of the squat during varying stance widths — Escamilla RF, Fleisig GS, Lowry TM, Barrentine SW, Andrews JR., 2001, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1097/00005768-200106000-00019
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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