有酸素運動と筋トレを交互にする日は、途中と終了後の血中乳酸をどう読むか

運動途中に差があった血中乳酸も、終了時には差が見られなくなったサーキット研究がある。一方、高強度の有酸素運動を筋トレの前にまとめるか間に挟むかで、終了後の値が異なる比較もある。運動量・測定時刻・研究対象の違いを手掛かりに、乳酸の数字と次に出せる力を分けて読む方法を考える。

スクワットから足踏みへ、足踏みから腕の運動へ。仕事帰りの短い運動で種目を替えると、「ここからは有酸素だから乳酸も下がるのだろうか」と気になる。運動の名前が替わった瞬間に、体の中まで別の授業に切り替わるように想像してしまう。

答えの芯は、交互にしたかどうかだけでは血中乳酸を評価できない、である。高強度の有酸素運動を先にまとめた方法と、筋トレの間に挟んだ方法では、運動量と回復時間をそろえても終了後の乳酸値に違いが出た。一方、筋トレのサーキットでは途中の値に差があり、終了時には差がなくなった比較もある。[4][10]

既存の「筋トレ後の有酸素運動で乳酸は心臓へ?血中の減少と燃料の利用を分けて読む」には乳酸の行き先の問いを譲る。ここで扱うのは、同じ日の運動を交互に組んだ際、途中と終了後の測定値をどの条件と一緒に読むか、という問いである。

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交互にするとは、何と何を入れ替えることか

サーキットトレーニングとは、複数の種目を順に回る運動形式を指す。ただし、研究ごとに中身は異なる。高強度の有酸素運動を筋トレの合間に入れる場合もあれば、上半身と下半身の筋トレを交互にする場合もある。この違いを飛ばして「交互は乳酸がたまりにくい」と一括りにはできない。[4][10]

交互運動を直接考える手掛かりになるのが、トレーニング経験のある男性14人、平均年齢25.7歳を対象にした急性反応の比較試験である。急性反応とは、継続した後の変化ではなく、その運動の最中や終了後に生じる変化を意味する。この試験は、高強度の運動と回復を繰り返すHIITと、重りを使うサーキットを組み合わせた。鍛えている男性の結果であり、18〜39歳の女性の日常の運動に同じ反応が出るかは別に検証する必要がある。[4]

まとめる方法では、HIITを6本行った後、9種目の筋トレを3周した。挟む方法では、3種目ずつの小さなサーキットを使い、その間にHIITを組み込んだ。運動量と回復時間はそろえられていた。したがって、単に「長く動いた方と短く動いた方」の比較ではない。[4]

それでも、日常の散歩と軽い筋トレの交互運動をそのまま再現した試験ではない。対象は鍛えている男性であり、有酸素部分もHIITである。駅まで歩いた後に家でゆっくり体を動かす日へ、同じ乳酸の反応を当てはめる読み方は避けたい。比較の価値は、順序を入れ替えたら何が変わるかを、条件のそろった場面で観察した点にある。[4]

「有酸素運動と無酸素運動の中間」という検索語で探すと、運動をどちらかの箱に入れたくなる。しかしこの試験が比べたのは、中間という新しい種目ではなく、具体的な運動を時間の中にどう並べるかである。予定表に「交互」とだけ書くより、何を先に行い、どこで休んだかを書く方が、研究との対応が見えやすい。[4]

運動の並べ方を読むときは、比較のためにそろえた条件にも目を向けたい。男性の試験では運動量と回復時間をそろえたからこそ、まとめる方法と挟む方法の違いを検討できた。もし片方だけ休憩が長く、もう片方だけ反復が多ければ、どの変更が結果に関係したのか分けにくくなる。交互という名前は、そうした条件を省略するための言葉ではない。[4]

また、この比較の有酸素部分には高強度という指定がある。息が弾む運動を全部同じと扱わず、どのような運動を組み込んだ実験なのかを読む必要がある。研究の方法を丸ごと日常に再現する必要はないが、研究と自分の運動の距離を把握することはできる。夕方に時間が取れず、短く組んだ日は、その制約も記録に残す。研究の結果は予定を採点するものではなく、条件を見直す材料である。[4]

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終了後に高かった乳酸は、何を意味するか

男性14人の比較では、HIITを先にまとめた方法の血中乳酸が、挟む方法より終了直後、5分後、10分後、20分後に高かった。血中乳酸とは、採血した血液中の乳酸濃度である。この結果から言えるのは、その組み方では終了後の測定値がより高くなったことだ。運動途中の値まで低かったかは、この終了後の比較とは別の問いになる。[4]

ここで大切なのは、終了後という時刻の指定である。最後の種目を終えてから測った値と、途中の筋トレを終えた時点の値は、同じ場面ではない。この試験は終了後の複数時点を比べているので、測定値に時間の目盛りが付いている。数値だけを抜き出すと、何を終えた後の反応なのかが消える。[4]

HIITを先にまとめた方法は、運動中のエネルギー消費と、運動後の余分な酸素消費も有意に高かった。ただし、方法間のエネルギー消費の実際の差は約20kcalであり、著者らは消費エネルギーや心肺の反応という実用面では両方を近い方法と評価した。統計的な差があることと、生活で大きく違うことは分けて読む必要がある。[4]

さらに平均心拍数と、自分で感じるきつさには有意差がなかった。乳酸で差が出ても、脈や体感には同じ差が現れなかったのである。交互にした日の方が楽に感じられたとしても、それだけでこの試験と同じ反応だったとは判断できない。逆に、同じきつさだったから乳酸も同じ、という推測も合わない。[4]

終了後の高い値を、よく頑張った日の点数にする必要はない。この比較は、その日にどんな反応が出たかを調べたものだ。乳酸が高かった方法ほど、その後の筋力や持久力がよく伸びると順位を付けた試験ではない。今日の反応を選ぶ問いと、続けた先の成果を選ぶ問いは、時間の長さが異なる。[4]

途中で違った値が、終了時にはそろうこともある

運動途中の見え方を教えるのが、経験のある若い成人30人を調べた記述的な横断研究である。上半身と下半身の種目を交互にするか、まとめるかに加え、最大限の反復を行うか、余裕を残した反復にするかを組み合わせた。血中乳酸は開始前・途中・終了後に測定された。経験のある若い成人の結果を、18〜39歳の女性全体の反応として扱うには、運動経験の違いも検討する必要がある。[10]

途中の乳酸値には、とくに運動量の多い条件と少ない条件の間で差があった。しかし終了時点では差が認められなかった。終了後の採血だけを見れば同じように見え、途中の採血を見ると違いが見える。これは結果の矛盾ではない。比べている時刻が違うために、答えている問いも変わるのである。[10]

機械的な力の指標にも違いがあった。反動を使ったジャンプの高さには条件間の有意差がなかった一方、出力に関係する指標は運動量の多い条件でより低下し、力を素早く立ち上げる能力も大きく影響を受けた。跳べた高さだけで力の状態を代表させるのも、乳酸だけで代表させるのも粗い読み方になる。[10]

研究者らは、この比較では種目の細かな配置より運動量の方が生理的・機械的反応を左右する主要な要因と考えた。ただし、この研究は筋トレのサーキットを扱う。HIITを挟んだ男性14人の試験とは運動の内容が違うため、交互にする効果を打ち消す結果として並べるのではなく、何を交互にしたかで結果が変わる例として読むのが妥当である。[4][10]

帰宅後の運動メモでも、この区別は使える。「今日は交互だから軽かった」で終えず、予定より反復が増えたのか、重さを替えたのか、休みを詰めたのかを振り返る。研究では並べ方と量を別の条件として比較している。生活の記録も、その区別を残せば、次回に変える箇所を選びやすい。[10]

この研究の終了時の結果は、途中で見つかった差を無効にするものではない。反対に、途中で差があったことを使って、最後まで一方の負担が高かったと説明することもできない。途中を知りたいのか、終えた時点を知りたいのかを決めてから測定結果を読む。種目を替える場面が多いサーキットでは、この問いの置き方がとくに役に立つ。[10]

たとえば、前半の運動量を増やし、後半を軽くした予定と、全体を均等に進める予定を比べたいとする。終了時の値だけで、前半の体の反応まで同じだったと考えるのは飛躍になる。成人の研究で示されたのは、途中と最後が異なる情報を持ちうることである。自分の予定を振り返るときも、開始から終了までをひとつの平均の感想にせず、どこで動作が変わったかに印を付けたい。[10]

数字で読む交互運動と血中乳酸

男性14人の比較:運動量と回復時間をそろえ、HIITをまとめる方法と挟む方法を比べた。[4]

終了直後・5分後・10分後・20分後:まとめる方法で乳酸が高かった測定時点である。[4]

約20kcal:方法間の消費エネルギー差であり、乳酸濃度の差を表す数字ではない。[4]

若い成人30人:途中では乳酸値に差があり、終了時には差がなかったサーキットの研究である。[10]

回復中の3・5・7・9分:別のサーキット研究で静脈血の乳酸を測った時刻である。[9]

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宮川涼 Founder

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