有酸素運動と筋トレは体力が低いほど伸びる?開始時の差と改善率を読み直す

改善率は開始値を基準にした数字であり、割合の大きさだけで伸びやすさは決まらない。有酸素運動と筋トレを併用した成人や閉経後女性の研究から、運動経験、運動量、比較相手による結果の違いを整理する。持久力と筋力を分け、開始前後の値と測定項目を合わせて成果を読む視点を示す。

初回の筋トレを終え、記録用紙に扱えた重さを書く。隣では、同じ日に始めた友人が早くも次の目標を決めている。「体力がなかったから、すぐ伸びた」という言葉に、自分も同じように変われる気がする。けれど、始める前の体力が低いほど必ず大きく伸びる、と決めるのは早い。運動未経験者を扱った分析でも、有酸素運動の量を減らして筋トレを組み合わせた場合には、持久力の伸びが小さかったという結果がある。[1]

答えの芯は、開始時の体力だけでは改善を予測できない、という点にある。閉経後女性の研究では、運動習慣が乏しい参加者の群で改善が見られた一方、効果の違いを説明する条件の分析では有意な結果が得られていない。「その群で改善した」と「その群の方がよく改善した」は別の話である。対象は閉経後女性であり、18〜39歳の女性の伸びやすさを直接示す結果としては扱えない。[17]

検索でいう無酸素運動のうち、ここでは重さや抵抗に対して力を出す筋トレを扱う。持久的な運動と筋トレを組み合わせる方法が、論文でいう併用トレーニングである。[1] 日程の組み方は既存記事「有酸素運動と筋トレは同じ日に続ける?別日に分けた筋力と持久力の伸びを読む」に譲り、ここでは出発点と成果の比べ方を考える。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

「体力が低い」の中身を先に分ける

「体力がない」は生活では便利な言葉だ。階段がつらい、荷物を持つと腕が疲れる、久しぶりの運動で動作が続かない。それぞれの困りごとは似ていても、研究で測る項目は同じではない。有酸素運動と筋トレの併用を調べた研究でも、酸素を使う能力、上半身と下半身の筋力、体組成は別の結果として評価されている。[20]

たとえば、最大酸素摂取量は持久的な能力を評価する指標として扱われる一方、重さを動かす筋力とは分けて検討される。短い全力運動を含む併用トレーニングのメタ分析では、筋トレだけの場合に比べて最大酸素摂取量は改善したが、上半身・下半身の筋力には有意な群間差がなかった。体力をひとまとめにすれば、この違いを見失う。[5]

また、運動経験がないことと、ある検査の開始値が低いことも同じ意味ではない。前者は経験による分類、後者は測った数字による分類だ。未経験者の結果を読んで、検査値が低い人すべてに同じ伸びを約束するのは、分類の段階を飛び越えてしまう。未経験者に関する分析が示したのも、特定の運動量の組み合わせと持久力の変化の関係である。[1]

自分の記録を作るなら、最初の欄を「体力」だけにしない方が読みやすい。「同じ運動を続けられたか」「扱った重さはどうか」と項目名を分ける。これは将来の伸びを保証する方法ではなく、異なる能力を同じ点数として扱わないための記録の工夫だ。体重計には、階段の成績を採点する欄がない。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

初心者でも、有酸素運動を減らせば条件が変わる

持久力について中心になるのは、併用トレーニングと持久的な運動だけを比較した系統的レビューとメタ分析だ。全体では、最大酸素摂取量の変化に有意な群間差はなかった。標準化平均差は−0.12、95%信頼区間は−0.28〜0.05である。異なる測定の結果を共通の尺度にそろえた値であり、酸素摂取量がそのままこの量だけ下がるという意味ではない。[1]

ところが、有酸素運動の負荷を減らした併用プログラムを、運動未経験者に絞ってみると、最大酸素摂取量の伸びは小さい側に出た。標準化平均差は−0.32、95%信頼区間は−0.62〜−0.02だった。初心者だから何を足しても持久力が大きく伸びる、という読み方とは合わない。[1]

ここで大切なのは、筋トレを加えたという名前だけを見ないことだ。仕事帰りに確保した運動の枠へ筋トレを入れるとき、有酸素運動をそのまま残すのか、その一部を入れ替えるのかで内容は違う。このレビューで問題になったのは、有酸素運動の負荷を減らした併用条件である。「筋トレをしたから持久力が伸びなくなった」と原因を単純化するのも適切ではない。[1]

同じ分析では、介入期間が16週間の条件でも、有酸素運動の負荷を減らした併用群で伸びが小さい結果が報告された。ただし、この期間を境に成果が落ちるという規則を作る結果ではない。人の区分、期間、運動量が組み合わさった比較として読む必要がある。初心者向けという札だけでは、プログラムの中身までそろわない。[1]

筋トレ美女 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

相手が筋トレだけなら、持久力の評価は変わる

逆方向から見ると、併用の見え方が変わる。健康な成人を対象に、短い全力の反復運動を含む併用トレーニングと筋トレ単独を比較したメタ分析では、9研究、177人が統合された。最大酸素摂取量は併用群が上回り、標準化平均差は0.78だった。一方、下半身筋力の差は0.01、上半身筋力の差は−0.06で、いずれも有意差はなかった。[5]

持久的な運動だけと比べるのか、筋トレだけと比べるのか。同じ「併用に効果があるか」という問いでも、相手が違えば答えは違ってよい。持久的な運動と比べて差が明確でなかった結果と、筋トレだけに比べて持久力が改善した結果は、互いを取り消すものではない。それぞれ別の比較に答えている。[1][5]

このメタ分析は、開始時の体力が低い順に参加者を並べ、誰が最も伸びたかを示す結果ではない。短い全力運動を取り入れた特定の併用法について、筋トレだけの場合との差を調べている。これを「運動不足の人なら全力運動を足すほどよい」と個人向けの処方に置き換えることはできない。[5]

友人の記録に追いつきたい日は、「何をやって伸びたのか」に加えて「それまで何をしていたのか」も聞くと、話の輪郭が見える。筋トレ中心の生活から有酸素運動を加えた人と、走る時間を減らして筋トレを始めた人を、併用を始めた仲間として一列に並べない。比較相手をそろえることは、成果を公平に読むための準備になる。[1][5]

運動習慣のある人にも変化はあるが、大きさを見る

もともと余暇に運動していた成人を対象とする無作為化比較試験では、同じ日に有酸素運動と筋トレを混ぜる方法と、別のセッションに分ける方法が比較された。混合する群は38人、分ける群は37人で、7週間の介入だった。週間の運動量と種目をそろえたうえで、両群とも筋力や酸素摂取の能力などに小さな改善が見られた。[20]

この結果は、運動習慣のある人にはもう改善がないという思い込みを退ける材料になる。ただし、「小さな改善」を「目に見えて大きな変化」と言い換えてはいけない。体脂肪率については別のセッションに分けた側に有利な差があったものの、効果量は−0.082とごく小さかった。統計的に有意という表現と、生活で感じる大きさは区別したい。[20]

この試験の開始時点が運動未経験者の研究と違うからといって、両者の結果をつなぎ、初心者から経験者までの伸びの順位を作ることはできない。試験の期間や運動内容、比較相手まで同じではないからだ。経験のある成人で小さく改善したという事実と、未経験者の特定条件で持久力の伸びが抑えられたという事実を、それぞれの条件のまま受け取る。[1][20]

この試験では、混合する群は週4回の45分セッション、分ける群は筋トレと有酸素運動をそれぞれ週2回の45分セッションとしていた。負荷も高く設定された研究である。通勤の合間に少し歩き、休日に軽く筋トレをする生活へ、そのまま同じ結果を移すことはできない。運動習慣という共通点があっても、実施した内容まで確認したい。[20]

さらに、運動量をそろえた比較だからこそ、組み合わせ方の違いを考えやすい。自分の記録で方法を変更するときにも、種目と時間を同時に大きく変えたなら、変化を開始時の体力だけで説明しない方がよい。この試験から持ち帰れるのは、特定の曜日割りの正解よりも、比較する条件を明らかにする姿勢である。[20]

数字で読む開始時の違いと比較相手

全体の持久力比較:併用対持久的運動単独の標準化平均差は−0.12、95%信頼区間は−0.28〜0.05で、有意な差はなかった。[1]

未経験者の条件:有酸素運動の負荷を減らした併用で、最大酸素摂取量の標準化平均差は−0.32だった。[1]

比較相手が筋トレ単独:9研究177人を統合した分析で、最大酸素摂取量の標準化平均差は0.78だった。[5]

運動習慣のある成人:7週間の比較試験で、併用の両方式に筋力と有酸素能力の小さな改善が見られた。[20]

閉経後女性:23研究1001人を統合し、体組成の効果量は−0.11と小さかった。[17]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約