マシンピラティスをやめた後は目標も変える?未達成を抱えず再開する意欲を読む

マシンピラティスをやめた後、以前と同じ目標に戻るべきか。達成できない目標を手放す力と、新しい目標へ向かう力を分け、乳がん経験者の追跡研究や日々の感情を調べた研究から考える。研究対象の違いと因果関係の限界を押さえ、過去の未達成を次の運動の条件にしない再開の考え方を示す。

引き出しにしまったレッスン着を出すと、以前ノートに書いた「こうなりたい」が目に入る。服はそのまま使えそうだが、当時の目標まで着直すとなると気が重い。マシンピラティスをまた始めたい気持ちの隣に、前もできなかったという記憶が座る。

マシンピラティスを再開する際、以前の目標までそのまま引き受ける必要があるのか。研究から考える鍵は、達成困難な目標から離れる力と、別の目標に関わる力を分けることにある。乳がん経験者の追跡研究では、とくに新しい目標に向かう力が、その後の気分や身体活動と関連していた。病気によって生活上の目標が揺らぐ状況を扱っており、18〜39歳の女性が日常の習い事を再開する場合への適用には検証が必要だ。[6][7]

ただし、これはマシンピラティスをやめた初心者を再び通わせた試験ではない。目標を変えれば再入会できる、長く通える、とまでは言えない。ここで扱うのは、再開を過去の成績の取り戻しにしないための考え方だ。筋肉の回復や休む期間については「女性の筋トレは毎日必要?一週間休む不安を短い中断と再開の研究から読む」に譲り、この記事では目標との付き合い方に絞る。

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やめた種目と、手放す目標は同じではない

目標調整とは、達成できなくなった目標との関わり方を変えることだ。研究では、目標への努力や心理的な関与を弱める「目標離脱」と、新しい目標を見つけて関わる「目標再関与」を区別している。元の目標から離れられることと、次に取り組めることは、別の側面として測られる。[6][7]

日常に置き換えるなら、「前と同じ通い方を守るのは難しい」と認めることと、「今の暮らしで体を動かす機会を持ちたい」と考えることの違いである。これは研究の用語を生活に当てはめた例であり、通う回数や予約方法の効果を比較した結果ではない。手放すものを言葉にするとき、種目そのものか、通い方か、期待した変化かを分けてみたい。

たとえば退会の理由が帰宅時刻の変化だった場合、「ピラティスは自分には無理だった」と書けば、運動との相性まで結論に含めてしまう。「以前の帰宅時刻を前提にした予定が合わなくなった」と書くなら、次に検討する条件はもっと具体的になる。この書き換えは、目標と手段を混同しないための整理として使える。

反対に、通うことはできていても、期待した見た目の変化を得られずやめた人もいる。その場合、前と同じ曜日を確保するだけでは、目標に対する疑問が残るかもしれない。「戻るか、戻らないか」の前に、「何をもう一度望んでいるのか」を確かめる余地がある。運動を選ぶ理由は、体の形だけに限定する必要はない。

大切なのは、やめた事実から性格の判定へ飛ばないことだ。目標調整の研究が測っているのは、困難になった目標とどう関わるかであって、退会した人の価値ではない。[6][7] 予約履歴は出席の記録である。人柄の通知表まで兼ねなくてよい。

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手放す力と、次へ向かう力を組み合わせて読む

乳がん経験者の女性176人を対象とした縦断研究では、開始時の目標調整能力と、開始時および3か月後の身体活動、座って過ごす活動、感情、身体症状が自己報告で調べられた。新しい目標へ向かう力が高いことは、開始時の肯定的な感情の高さ、身体症状の少なさ、その後の肯定的な感情の増加を予測していた。乳がん経験者の健康と感情を扱う結果であり、18〜39歳の女性一般のピラティス再開へ直接適用するには対象と目的が異なる。[6]

この研究でいう肯定的な感情は、運動の出席率そのものではない。気分が上向くことと、決めたレッスンを欠かさず受けることを同じ成果として扱うと、結果を広げすぎる。追っている指標を確かめれば、「次の目標を持つ力と気分の変化が結びついていた」という範囲で読める。[6]

さらに、元の目標から離れる力も、新しい目標へ向かう力も高い人では、3か月の肯定的な感情の増加がとくに大きかった。開始時の身体活動の多さが再関与と感情・身体症状の関係を、開始時の座位活動の少なさが両能力の組み合わせと感情の変化の関係を、統計的に仲立ちしていた。[6]

ここで「仲立ち」とは、変数の関係を統計モデルで説明することを指す。研究者が目標を変える指導を無作為に割り当て、その結果として運動が増えたと確かめたものではない。もともとの体調や生活環境などが関わる可能性も残る。縦断研究には時間を追う強みがあるが、因果関係の判断には介入による検証も必要だ。[6]

日常へ引き寄せる際には、「やめれば元気になる」よりも、「離れることと、次に関わることを別々に考える」という問いが使いやすい。前の目標を外したあと、何も決めない時間が必要な場合もあるだろう。その時間を悪いものと判定する研究ではない一方、新しい目標への関与という側面を見落とさない読み方が求められる。[6]

ピラティスで以前の動きを取り戻したい気持ちは、そのまま残してもよい。ただ、取り戻すことだけを再開の資格にすると、現在の暮らしを確認する場所がなくなる。「かつての自分と同じであること」と「今の自分が運動に関わること」を、同じ契約書に書かない。これは研究を踏まえた目標整理の提案である。

研究の「予測した」という表現にも注意したい。開始時に測った能力と、その後の指標との関係を分析したという意味であり、個人の未来を言い当てたという意味ではない。[6] 「自分には再関与する力がない」と文章を読んで自己判定する必要もない。対象者の集団で見えた関係を、目の前の人の能力試験へ変えないことが大事である。

再開を相談する場面なら、昔の目標の大きさよりも、今は何に関われそうかを話題にできる。仕事帰りに寄ることを考えているのか、休日に体を動かす場所を探しているのか。以前と同じ動きを学びたいのか、別の運動も見てみたいのか。答えは研究が決めるものではない。研究で分けられた側面を、相談の中でも混ぜないための問いである。[6]

この整理で残しておきたいのは、前の目標の中に今も大切な部分がある可能性だ。すべてを否定して新しくしなければ再関与できない、という結果ではない。[6] 体を動かす時間を持ちたいという願いは残し、実現の条件を考え直すこともできる。以前の経験から持ち帰るものまで、退会と一緒に処分する必要はない。

別の追跡研究では、離れる力だけに効果は見えなかった

別の研究は、乳がんの女性230人を8か月追っている。早期の患者172人、進行期の患者58人を含み、精神的健康、身体的健康の自覚、肯定的・否定的な感情、睡眠効率などと目標調整との関係を調べた。目標離脱の能力は、調べたどの結果指標も予測しなかった。病気による目標の中断を含む背景は習い事の退会と異なり、18〜39歳の女性一般にも同じ関連が生じるかは別途確かめる必要がある。[7]

対して、目標再関与の能力は、その後の精神的健康や感情、睡眠効率、人生の目的感、身体活動の変化を予測していた。人生の目的感は、再関与と複数の健康感の関係を統計的に仲立ちしていた。身体活動については、健康感を改善する仲介役というより、再関与から健康感への影響の結果である可能性が示された。[7]

先の研究と並べると、単純な一本道ではなくなる。先の研究では開始時の活動が感情や症状との関連を仲立ちし、こちらでは活動が健康感の変化の結果として位置づけられた。[6][7] 「新しい目標を持つ、運動する、元気になる」という順序だけで、すべてを説明しない方がよい。気分や生活の目的と、活動との関係は読み分ける必要がある。

離れる力の結果も、両方高い人の感情変化が大きかった研究と、離れる力だけでは結果を予測しなかった研究で異なる。[6][7] だから「諦めるのが上手な人ほど健康になる」という標語にはできない。共通して注目できるのは、元の目標を捨てることだけで話を終えず、新しい関わり先を見る視点である。

また、どちらも病気という大きな生活上の変化を経験した女性を対象としている。[6][7] ここまでの対象と指標の違いを踏まえ、本記事では結果を再開成功率へ換算せず、目標を整理する問いとして使う。

数字で読む目標の調整と再関与

176人:乳がん経験者の女性を対象に、活動と感情などを調べた縦断研究。[6]

3か月:同研究で肯定的な感情の変化を追った期間。再入会の継続期間ではない。[6]

230人・8か月:別の乳がん女性の前向き追跡。目標離脱の能力だけでは結果指標を予測しなかった。[7]

50人:行動的減量プログラムに参加する女性の日々の体重、感情、活動などを調べた研究。[3]

124人:脳卒中後の腕のリハビリテーションで目標調整と回復との関係を調べた対象者数。[11]

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