
負荷の増加を、そのまま成果の増加にしない
支持を長くした日に負荷が上がることと、その形で続ければ筋力がより伸びることは、違う問いである。前者には同じ場面での比較が、後者には一定期間取り組んだ後の比較が必要だ。支持位置を調べた実験のトルク差は、家庭で取り組む人の将来の伸び幅を示す数字ではない。[3][4]
その区別を考える例が、男性ラグビー選手31人を対象にした無作為化比較試験である。静止するコペンハーゲン内転運動を、加重ありと加重なしで8週間行わせた。[6] 18〜39歳の女性にも同じ成果が得られるかは、この男性競技者の試験からは判断できない。支持位置そのものの優劣を判定した試験ではないが、運動を難しくする変更と継続後の成果の関係を読む手がかりになる。
加重群では内転筋力が10%増えた一方、加重なし群では筋力の有意な変化が見られなかった。ただし群同士を比較した内転筋力の差は、有意ではなかった。群間で有意差があったのは、内転筋力と外転筋力の比である。[6] 外転筋力とは脚を外側へ開く方向の力であり、比はそれらの関係を見る指標だ。
「片方だけ伸びた」から「片方が明確に優れていた」へ飛ぶと、比較の段階を飛ばしてしまう。試験では加重群の前後変化と、加重群と非加重群の差を別に扱っている。[6] 日誌で先月よりよい数字が出たとしても、別のやり方ならどうなったかまで確かめたことにはならない。比較対象のある研究には、そこを確かめる役割がある。
家で支持位置を替える際も、直後にきつくなったから成功と決めるより、何を伸ばしたいかを先に書く方が結果を読みやすい。保持を続ける課題なのか、反復を行う課題なのか、筋力検査で測る力なのか。研究では等尺性と遠心性のトルクを別に評価するため、同じ「強くなった」という言葉にも評価方法の確認が必要だ。[8]
競技者の結果を、運動に慣れていない一般女性の伸び率へ置き換えることも避けたい。男女を含む支持位置の実験はその場の比較であり、ラグビー選手の継続試験は男性が対象である。[3][6] 対象と測定した時間軸を添えると、役立つ情報を残したまま、約束しすぎずに読める。
記録のもうひとつの論点は、測り直したときにどの程度そろうかである。遠心性の比較研究では、同じ測定機会の中で繰り返した場合の再現性も評価した。コペンハーゲン内転運動で最大トルクが出る角度を除く指標では、相対的な再現性は良好から非常に良好、絶対的な再現性は中程度から良好だった。[4]
相対的な再現性は参加者間の位置づけが保たれるか、絶対的な再現性は測定値自体のずれがどの程度かに関わる見方だ。研究がそれらを分けて検討したことは、記録した数字を読む際にも参考になる。[4] 同じ検査を繰り返す信頼性と、別の支持へ変更した後の比較可能性は、別々に考える必要がある。
しかも、その実験が評価したのは同じ測定機会の中での再現性である。[4] 先月の自宅での保持と、今月の別の台での反復を、そのまま同じ検査とみなすものではない。日付だけが並ぶ日誌へ、支持位置と課題の欄を足す意義はここにもある。実験の結果を自宅の数字へ直結させるより、測定条件をそろえるという考え方を持ち帰りたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
筋肉痛が強い日ほど、よく鍛えられたのか
負荷を変更した翌朝、内ももの筋肉痛が前回より気になると、記録欄に丸をつけたくなるかもしれない。しかし筋肉痛が強い運動が、筋力向上でも常に上回るわけではない。平均年齢16.7歳の男性サッカー選手57人の無作為化比較試験は、その区別を示している。[8] 18〜39歳の女性が自宅で行う場合にも同じ筋力変化や筋肉痛になるかは、この対象から直接予測できない。
この試験では、動きながら行うコペンハーゲン内転運動と、静止して挟む内転運動を比較した。いずれも8週間、週2回、2セットを行い、運動の総量を調整した。介入後の遠心性と等尺性の内転トルクには、群間の有意差がなかった。[8] 横向きで支える見た目の難しさだけでは、結果の優劣を決められない。
一方で、介入中の3回目から16回目の運動では、コペンハーゲン内転運動群の遅れて生じる筋肉痛が高かった。中央値は同群で0〜3、挟む運動群で0〜1だった。[8] 筋肉痛という体感には差があっても、測定した筋力の群間差は有意ではなかったのである。翌朝の感覚と継続後の成果を同じ欄へ入れない理由になる。
これは、膝支持なら筋肉痛が起きず足首支持なら起きる、という比較ではない。運動形式と総量を調整した試験であり、支持位置の違いだけに筋肉痛の差を割り振ることはできない。[8] 支持を替えた後の感覚は記録してよいが、その感覚をもって支持位置の優劣を証明したとは考えない。
主観的なきつさも同じ扱いになる。この試験でコペンハーゲン内転運動群の自覚的運動強度が高かったのは、15回目の運動のときだけだった。[8] 筋肉痛、きつさ、筋力は関連していそうに見えても、試験で別々に測るだけの違いがある。日誌でも、行った内容、感じたこと、後日比べた成績を分けておくと読み違えにくい。
筋肉痛を出すために支持を長くする、という目標は置かなくてよい。筋肉痛の大きさが筋力の群間差へ直結しなかった結果を踏まえれば、痛さを成果の代役にする必要はない。[8] 脚の付け根の痛みが続くときは、記録の更新より医師への相談を優先する。

よくある誤解
「足首側で支えて回数が減ったら後退した」は、支持を替えた事実を落としている。長い支持ではトルクが大きく、遠心性の比較では動く範囲も小さかった。[3][4] 条件の異なる記録を並べるなら、回数の大小だけを評価に使わない。以前と同じ支持に戻して比べる記録と、新しい支持での記録を区別したい。
「膝側支持を選ぶと内ももにはほとんど負荷がない」も、推定筋力の結果と合わない。短い支持は短内転筋と長内転筋で高負荷群に入った。[1] ただし、内転筋群全体に対する分布は長い支持と同じではない。楽な形か難しい形かという呼び方より、比較した筋肉と指標に目を向けたい。
「きつさや筋肉痛が増えれば、筋力もその分増える」は、体感と結果を結びつけすぎている。加重の継続試験では内転筋力の群間差は有意でなく、挟む運動との比較では筋肉痛に差があっても筋力の群間差は有意でなかった。[6][8] 体感を無視する必要はないが、成果を示す数字として単独で使うものでもない。
今日からできること
- 家での記録に、膝側・中間・足首側のどこで支えたかを添える。48人の比較で支持位置ごとに最大トルクが異なったことを、比較条件の確認に使う。[3]
- 保持と反復を別の記録にする。静止中の最大の力を調べた実験と、下ろす局面の負荷を調べた実験は、課題を分けている。[3][4]
- 反復では回数とともに動いた範囲も書く。15人の実験では長い支持で負荷が大きくても、動く範囲は小さかった。[4]
- 筋肉痛を成果の点数にしない。8週間の比較試験では筋肉痛の差と筋力の差が一致しなかった。感じたことは、運動内容とは別に残す。[8]
- 競技者の週2回・2セットという試験条件を、自分の開始量へ機械的に転用しない。試験の対象と課題を確認し、痛みが続く場合は医師に相談する。[8]

オンザショア立川店で、予定の中に運動の置き場所を
家での練習記録と一緒に考えたいのは、日常のどこに運動の時間を置くかだ。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。朝に予定を置くか、仕事帰りに通うか。全曜日共通の営業時間を、自分の生活に当てはめて考えられる。
当店は溶岩プレートを敷いたホットヨガスタジオで、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。持ち物と移動を含めて予定を立てる際の情報だ。料金と体験の予約は、それぞれのページで確認できる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。オンザショア立川店の案内を見ながら、通う時間と参加する種類を組み合わせて考えたい。
参考文献
[1] Hip Adductor Muscle Forces during Strength Training and Rehabilitation Exercises — Collings TJ, Horsman A, Hams AH, McGill A, Watts D, Hambly MJ, Barrett RS, Diamo, 2026, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000004002
[3] Impact of Lever Length and Added External Weight on Hip Adduction Torque During Isometric Copenhagen Adduction Exercise Variations — O’ Connor C, Duffy D, Thornton L, Lawley O, Mc Intyre M, Thorborg K., 2026, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2026-0177
[4] Biomechanics of Copenhagen Adduction Exercise and Eccentric Hip Adductor Exercises on a Novel Isokinetic Dynamometer With Within-Session Repeatability — Marušič J, Cvjetičanin O, Supej M, Babič J, Šarabon N., 2026, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.70365
[6] Exploring the effects of a weighted vs unweighted low-dose isometric Copenhagen adduction exercise training programme on hip adduction and abduction strength: a randomised controlled trial in senior-level male amateur rugby union players — O’ Connor C, Coyle E, Mc Intyre M, Delahunt E, Thorborg K., 2025, Physical therapy in sport : official journal of the Association of Chartered Physiotherapists in Sports Medicine. DOI: 10.1016/j.ptsp.2025.07.004
[8] Strength effects of the Copenhagen adduction exercise vs an adductor squeeze exercise in male football players – A randomized controlled trial — Pippas C, Gioftsos G, Korakakis V, Serner A., 2025, Science & medicine in football. DOI: 10.1080/24733938.2024.2419659
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 30代のダイエットの水泳は短く区切る?連続して泳ぐ場合との負担と続け方を読む
- 体脂肪率は女性の皮脂厚を何秒で読む?表示の安定と目標にできる数字を分ける
- 体脂肪率は女性のMRIの割合と同じ?組織の脂肪信号と全身の量を分けて読む
- 体脂肪率は女性の検査機器が同じなら安心?DXAの校正記録と前回比較を読む
- 体脂肪率は女性の測定者が替わると違う?皮脂厚の記録を引き継ぐ日の確認点
- 体脂肪率は女性の検査着でも変わる?DXAで反射素材と服の厚みを確かめる理由
- 体脂肪率は女性の測定値が似ていれば正確?相関と一致度を分けて読む比較の話
- 体脂肪率は女性ランナーなら低くなる?走行量と食事量を分けて研究を読む視点
- ダイエットの間食の飲み物にデカフェ?空腹の実感と実際に食べた量を分ける
- ダイエットの甘い間食は砂糖を替えて選ぶ?焼き菓子の食感と満足感を読む
- ダイエットの間食のチョコは練り方で変わる?練る時間と香りの残り方を読む
- ダイエットの甘い間食は発酵で変わる?チョコの香りの材料と成分の変化を読む
- サイドプランクは椅子に肘を置くと簡単?台の高さと脇腹の負荷をどう読むか
- サイドプランクで頭はどこへ向ける?首の位置と筋肉の測定を分けて読むフォーム
- サイドプランクの壁押しで内転筋は鍛えられる?接触の感覚と筋力評価の違い
- ワイドスクワットのバーは高く担ぐ?ハイバーとローバーで変わる脚の分担
- ワイドスクワットはスミスマシンでも同じ?軌道を替えた日の重さと成果を読む
- ワイドスクワットの重さは何回余るかで決める?ダンベル選びと限界の見積もり
- 内転筋の筋トレは片手を壁に添える?手の支持を記録して立位の揺れを区別する
- 内転筋の筋トレでボールを膝から足首へ?挟む位置を変えた日の記録の読み方
- ハムストリングのレッグカールは腰を反る?膝を曲げる時の骨盤と筋活動を読む
- ハムストリングのチューブ補助はいつ減らす?筋肉痛と筋力の伸びを分けて読む
- ハムストリングのストレッチは立ったまま続ける?座る準備と練習時間から選ぶ
- 背筋の筋トレは両脚も一緒に上げる?最大収縮の割合から考える足上げの選び方
- 背筋の筋トレはチューブを肩に掛ける?ランジの筋活動から考える抵抗の選び方
- 背筋の筋トレは静止と反復のどちらを選ぶ?自重で迷う持久力と筋力の読み方
- ハムストリングの硬さチェックは自分で脚を上げる?支えて測る角度との違い
- ヒップアップ筋トレは寝ながら腕で自己採点?保持の記録と見た目の経過を分ける
- ハムストリングの筋トレで腱も硬くなる?筋肉の成長と力の伝達を分けて読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2








