ダイエットの間食の飲み物にデカフェ?空腹の実感と実際に食べた量を分ける

ダイエット中の間食の飲み物に、カフェインを抜いたコーヒーを選ぶ意味はあるのか。デカフェで空腹感が下がった試験と、次の食事量に差が出なかった試験を比較する。カフェイン以外の成分への期待、胃の不快感との付き合い方、飲み物で食事を我慢しない選び方を考える。

菓子の皿は同じなのに、コーヒーをデカフェに替えると間食の意味まで変わるのだろうか。カフェインを抜いたカップに、何を期待するか。デカフェでも空腹感が下がった小規模試験はある。ただし、別の試験では次の食事で食べた量に有意差がなく、空腹を抑える定番の方法とまではいえない。[1][2][3]

間食の飲み物として選ぶ際は、カフェインの有無より、確かめたい変化を先に決める。飲んだ後に空腹が和らぐこと、食べる量が減ること、長く続けて体重が変わることは、それぞれ別の問いである。短時間の試験で確かめられた変化を、そのまま減量の約束にしない。[1][2]

既存の「間食の飲み物、コーヒーは紙で変わる?油分とカフェインを分けて研究で読む」には、抽出時の違いを譲る。「食欲を抑えるコーヒーはカフェイン次第?除いた飲料と空腹感の違いを研究で読む」に対しても、ここでは間食と次の食事をどう見分けるかに絞る。菓子を添えてひと息つくとき、カップの名前より先に、自分が何を期待して注文するのかを整理したい。

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デカフェの役割は、空腹の点数だけでは決まらない

デカフェは、ここではカフェインを除いたコーヒーを指す。食欲の試験では、これを水やカフェイン入りのコーヒーと比べている。比較の目的は、コーヒーを飲んだときの変化がカフェインだけで説明できるかを確かめることだ。カフェインを除いた側にも変化が出れば、それ以外の成分が関わる可能性を考えられる。[1][2]

ただし、「カフェイン以外も関わるかもしれない」という説明から、特定の成分がどれだけ残り、どれだけ食欲を変えるかまでは飛べない。空腹感を調べた試験で比較されているのは飲料の条件である。飲料全体の結果と、成分を特定した結果を分けておくと、成分名を並べた広告にも落ち着いて向き合える。[1][2]

まず区別したいのは、本人の感じ方と実際の行動だ。研究では「どのくらい空腹か」を尺度に記す方法と、自由に食べられる食事を用意して摂取エネルギーを測る方法が使われている。前者は実感、後者はその場で食べた量に対応する。どちらも大切だが、測っているものが同じではない。[1][2][3]

たとえば、仕事の区切りで飲み物を口にして「少し落ち着いた」と感じても、夕食量まで変わったとは限らない。これは意志の強さの問題ではなく、評価する項目を取り違えないための話である。コーヒーの試験でも、空腹の評価だけでなく、食事量を別に確認する設計が採られている。[1][3]

間食の飲み物を選ぶなら、何も食べずに耐えられたかだけを採点しない方がよい。休憩に飲みたいのか、空腹をしのぎたいのか、飲んだ後の胃の具合が気になるのか。自分の問いを書き換えるだけで、必要な研究の種類が変わる。食欲の研究が答えられるのは、そのうちの一部分だ。[1][2][3][18]

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空腹感が下がった試験は、どんな比較だったか

健康な男性11人を対象にした無作為化クロスオーバー試験では、同じ参加者が条件を替えて飲料を試した。平均年齢は23.5歳だった。男性だけの結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできず、女性を含む試験と併せて読む必要がある。水、カフェインを加えた水、カフェイン入りコーヒー、デカフェを比較し、飲んでから60分後にはブドウ糖75gを摂っている。普段の菓子とコーヒーを、そのまま再現した場面ではない。[2]

この試験では、水に比べてデカフェで180分の観察期間全体の空腹感が有意に低く、最初の90分は血中のペプチドYYも有意に高かった。ペプチドYYは、満腹に関わるホルモンであり、論文では略してPYYと呼んでいる。本人の回答だけでなく、血液の変化も調べた点がこの試験の特徴だ。[2]

一方、カフェインを加えた水では、空腹感にもPYYにも効果が見られなかった。カフェイン入りコーヒーの反応は、デカフェとカフェイン水の中間的なパターンだった。著者らは、カフェイン以外の成分が関わる可能性を示している。「カフェインが多いほど空腹を抑えられる」という単純な並びにはならなかった。[2]

ここでの変化の大きさは、空腹の点数がどの程度下がったかという具体的な数値ではなく、水との有意な違いとして捉えるのが適切だ。有意という言葉は、暮らしの中で大きな差を感じるという意味と同じではない。この結果を「間食をなくせるほど効く」と読み替えることはできない。[2]

対象を確かめた後は、飲む場面も比べたい。実験室で飲料を飲んで待つ時間と、仕事をしながら少しずつ飲む休憩では、行動の条件が違う。自分の場面に近いかを考えるには、参加者の属性と実験の手順を一緒に読む必要がある。[2]

ブドウ糖を飲んだ条件も、結果を読む鍵となる。研究ではブドウ糖の摂取によって飲料の効果は変わらなかったと報告されている。ただし、それはこの実験の組み合わせでの話だ。職場で焼き菓子と飲む場合や、昼食から長く時間が空いた場合まで同じ結果になるという意味ではない。実験の条件を覚えておくと、生活の場面との距離が見える。[2]

この研究から持ち帰れるのは、カフェインを抜いたら食欲に関する反応もすべて消える、とは限らないということだ。デカフェを選んだ日を、成分が足りない日と見なす必要はない。同時に、ホルモンが動いたという一文を、食事量や将来の体重まで保証する言葉に育てないことも必要だ。[2]

次の食事で測ると、答えが変わる

女性9人を含む成人12人の二重盲検無作為化クロスオーバー試験は、間食時の選び方を考えるうえで別の角度を与える。平均年齢は26.3歳で、プラセボ、デカフェ、カフェイン、デカフェとカフェインの組み合わせを比較した。二重盲検は、参加者と研究側に条件が分かりにくい形で進める方法である。[1]

参加者は標準化した朝食とともに飲料225mLを摂り、2時間後に同じ量の飲料を再び摂った。朝食から4時間半後には、自由に食べられる食事が出された。途中で空腹感、血液の値、胃から食べ物が送り出される速さも調べている。カップを飲んだ直後の感想だけで終わらない設計だ。[1]

自由に食べた食事の平均摂取エネルギーは、プラセボ2118kJ、デカフェ2128kJ、カフェイン2287kJ、組み合わせ2016kJだった。数値の順番はあるが、条件間に統計的な有意差はなかった。組み合わせの数字が最小だから、それが最も食欲を抑えたと結論するのは誤りである。[1]

この試験の比較には、デカフェだけでなく、カフェインだけを摂る条件と、両方を組み合わせる条件がある。それによって、コーヒー全体の反応とカフェインの反応を分けて考えられる。普段飲んでいるコーヒーと水だけを比べて差が出たとしても、その差をすべてカフェインの作用と呼べるわけではない。比較相手が何かまで見ることが、成分の働きを読む入口になる。[1]

参加者間のばらつきを示す標準偏差は、順に663、739、649、750kJだった。平均だけを抜き出すと差があるように見えても、人による散らばりも合わせて評価する必要がある。この試験で示された結論は、デカフェ、カフェイン、その組み合わせによる有意な効果を検出しなかった、というものだ。[1]

胃から食べ物が送り出される速さにも、条件間の有意差はなかった。デカフェが胃に長くとどまるから満腹が続く、といった説明を、この結果に付け足すことはできない。もっともらしい仕組みを先に置くより、実際に測った項目がどうだったかから考える方が確かだ。[1]

健康な男性16人の別のクロスオーバー試験でも、朝の軽食とともにコーヒー、デカフェ、水を比べた。飲料は200mLで、カフェイン入りの条件は体重1kgあたり3mgだった。180分後の自由な食事で摂取エネルギーに差はなく、食欲の評価や食欲関連ホルモンにも全体としての介入効果はなかった。対象は21〜39歳の男性であり、18〜39歳の女性にも同じ結果になるかは、この試験だけでは判断できない。[3]

空腹感が下がった試験を消す必要も、食事量に差がなかった試験を脇に置く必要もない。観察した時間、飲料と食事の組み合わせ、対象が異なる。現時点では、短時間の空腹感が変わる可能性はある一方、次の食事量が確実に減るとはいえない、と読むのが妥当である。[1][2][3]

また、男性16人の試験では、カフェイン入りコーヒーの後に血中コルチゾールが対照より高くなる反応も見られた。しかし、その変化と同時に食事量の差が現れたわけではない。血液の項目ごとに結果を読み、体内で反応があったことだけを食欲への効果の代わりにしない姿勢が必要だ。[3]

数字で読むデカフェと食欲

11人:デカフェで空腹感の低下が見られた試験の対象は健康な男性だった。[2]

180分:同試験で空腹感を観察した期間。長期の減量成績ではない。[2]

12人中9人:朝食後の食欲と食事量を比べた試験に参加した女性の人数だ。[1]

2128対2118kJ:デカフェとプラセボの食事摂取エネルギーの平均。条件間に有意差はなかった。[1]

16人:別の男性の試験でも、食事量や食欲評価に全体としての効果はなかった。[3]

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宮川涼 Founder

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