サイドプランクのテストは足が滑ったら終了?平均と比べる前に残したい記録

サイドプランクの途中で足が滑った記録を、持久力の限界として扱ってよいのか。活動的な女性の再測定研究や姿勢のずれを測った研究から、肩の疲れ、終了理由、平均値の対象を読み分ける。秒数だけを比べず、同じ条件で確かめるための記録の残し方と、研究の数字を自分の合格点にしない考え方を示す。

時計を止めたのは、脇腹が耐えられなくなった瞬間ではなく、足がマットの端へ滑った瞬間だった。昨日より短い。では、体幹が弱くなったのだろうか。

その記録だけで、持久力の低下とは決められない。サイドプランクの成績には肩の筋肉の活動や疲労、体の大きさも関わり、保持時間だけを測っても体幹の動き方までは分からないからである。[12][13] 足が滑って姿勢を続けられなくなったら、その試行は止めて終了理由を残す。これは本記事で提案する記録の扱い方であり、筋肉の限界に達したという判定とは分けておく。

既存記事「サイドプランクの保持時間が伸びたら効果あり?持久力と暮らしの変化を分けて読む」には、記録と生活上の成果の論点を譲る。既存記事「サイドプランクは足を重ねるべき?前後にずらす支え方と脇腹の負荷を読む」は足の配置選びを扱う。ここで考えたいのは、配置の優劣ではなく測定の終わり方だ。時計に表示された時間を平均と並べる前に、何が起きて時計を止めたのかを確認したい。

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足が滑って止めた時間には、終了理由を添える

サイドブリッジテストは、体幹を横へ曲げる筋群の等尺性持久力を評価するためによく使われる。等尺性とは、姿勢を保つような、筋の長さを大きく変えずに力を出す働きのことである。ただし、健康で活動的な女性を対象とした研究では、このテストを体幹の側面の筋肉だけの評価とみなすことに疑問が示された。[12] このテストの成績には、体幹の側面以外の働きも含まれる。

足が滑った場面を、まず具体的に書き分けてみる。「足が動いたため姿勢を戻せず終了した」と「脇腹の疲れを感じ、姿勢を維持できず終了した」は、同じ時計の表示でも説明が違う。本記事の提案は、前者を後者の記録へ黙って混ぜないことだ。足が動いた原因を、すぐに筋力不足や特定の床の性質へ結びつける必要もない。起きたことと、その理由についての推測は、別の欄に置ける。

測定が途中で終わると、「本当ならもっとできた」と時間を補いたくなる。しかし、滑らなかった場合の時間は、その試行では測っていない。想像した秒数を加えず、実際に止めた時刻と出来事を残す方が、後から記録を読み直しやすい。反対に、短かったというだけで、その試行をなかったことにする必要もない。運動の記録としては残し、比較に使うかどうかの判断を保留する扱いである。

友人と測るときも、終了の意味を先に言葉にしておきたい。本人が姿勢を保てないと感じたのか、見ていた人が体のずれに気づいたのか、足元の問題で中断したのか。これらを全部「限界」と書けば、後から原因を取り出せなくなる。時間に加えて姿勢のずれを測る研究が行われているのも、時計だけでは拾えない違いがあるためだ。[13]

たとえば、帰宅後の測定をノートに残す場面を想像してほしい。最初に「右側、脚を伸ばして実施」と書き、その横に時間を置く。終わった後に「足が外へ動き、置き直さず終了」と追記する。これなら後日、姿勢を保てなくなった日の記録とは分けて読める。反対に「右、短かった、失敗」とだけ残すと、足元の出来事も、本人がどう判断して終えたかも消えてしまう。

この書き方は、滑った試行に都合のよい言い訳を付けるためではない。滑った事実を残すことと、滑らなければ長くできたと主張することは違う。記録に必要なのは前者だけだ。終了理由の分からない記録を、良かった日だけ採用するのでもなく、悪かった日だけ捨てるのでもなく、条件の分かる記録として扱うための工夫である。

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脇腹のテストでも、肩が記録に関わっている

健康で活動的な女性24人、平均年齢24.58歳の研究では、サイドブリッジ中に腹部、背部、肩、股関節まわりの筋肉を測定した。表面筋電図という、皮膚に置く電極で筋肉の電気的な活動を調べる方法を使い、筋肉の活動の強さと疲労を検討している。[12] 参加者は中程度の身体活動を週2〜3回、各1〜2時間行う女性であり、運動習慣のない人だけを集めた研究ではない。[12]

肩の三角筋と、体幹を横から支える筋群の間には、活動や疲労に有意な差が認められなかった。さらに、外腹斜筋と三角筋の疲労の指標を用いたモデルでは、保持成績を有意に予測できた。調整済み決定係数は0.673である。[12] これはモデルが成績のばらつきをどの程度説明するかの指標で、肩が持久力の何割を担当したかという意味ではない。

同じ研究では、体重と体幹の高さを用いたモデルも成績を予測し、調整済み決定係数は0.223だった。[12] したがって、隣の人より時間が短いという比較に、筋肉以外の条件まで含まれることになる。体重や体格を良し悪しとして採点する話ではない。体の違う人が、完全に同じ条件の課題を受けているとは考えにくい、という測定の話である。

この結果を自宅の記録へ下ろすなら、「どこが先につらかったか」を自由記述にする方法がある。「肩が先」「脇腹が先」「足元が動いた」と、その日に起きた順序を書く。本人の感覚を筋電図の代わりにするためではない。肩も成績に関わるという研究結果を踏まえ、短い時間を全部「腹筋が弱い」のひと言へ押し込めないためだ。[12] 秒数には小数点が付いていても、終了理由の欄が空白なら、説明はまだ粗い。

同じ時間でも、姿勢のずれは同じではない

活動的な若い成人34人を調べた研究では、腰痛のある人とない人を17人ずつ比較した。肘で支え、脚を伸ばした前向きプランクとサイドプランクを行い、時間に加えて体幹がどれだけずれたかをデジタル傾斜計で測定している。[13] サイドプランクでは骨盤上部に相当する位置に計器を置き、正面からの動画も記録した。[13] 腰痛のある人も含む若い成人の比較であり、18〜39歳の女性一般に同じ姿勢の違いが生じるかは、この結果だけでは判断できない。

結果は、サイドプランク中の最大のずれが腰痛のある群で小さく、群間差が認められた一方、限界までの保持時間には差が認められなかった。[13] 「腰痛があるなら必ず大きく崩れる」という見方には合わない結果である。ずれが小さい方が常に健康だと読み替えることもできない。時間と動き方が別の情報を持つことが、この比較の要点だ。

つまり、床へ下りた時刻だけで、途中の姿勢まで同一だったと判断しない方がよい。長く保っていても途中に動きがあったのか、短くても開始から終了まで一定の姿勢だったのか。時間の列だけを残すと、この違いは見えなくなる。[13] 足が滑った試行も、体を支えた経過と、中断のきっかけを併記する意味がある。

一方、自宅の動画で体の角度を目測する方法と、研究での評価方法は異なる。研究では計器を用い、測定する人が変わる場合と、同じ人が再評価する場合を分けて検討している。同じ評価者による信頼性の級内相関係数は0.81〜0.85、異なる評価者間では0.61〜0.66だった。[13] 見る人まで含めた条件を整える必要があることを示す数字だ。

家庭で残す動画は、まず「足が動いた」「体を戻した」といった出来事を確認する補助として扱いたい。小さなずれを病気の印にしたり、角度の大小だけで優劣を付けたりする材料にはしない。記録を細かくする目的は、採点を厳しくすることよりも、何を測った日なのかを分かるようにすることにある。

姿勢を見守る友人に頼むなら、「もっと頑張れるか」よりも「終わる直前に何が動いたか」を覚えてもらう、という依頼ができる。気合いの採点と、出来事の観察を混ぜないためだ。本人は足が滑ったつもりでも、見ていた人には体を戻す動きが先に見えたかもしれない。その場合も、どちらかを即座に正解にせず、本人の感覚と観察された出来事を分けて書く。研究で評価者間の信頼性を確認していることは、観察する側の条件にも目を向ける手がかりになる。[13]

数字で読むサイドプランクの測定

女性24人の研究では、肩の筋肉の活動と疲労も保持成績に重要な役割を持っていた。[12]

同じ女性の再測定における典型誤差は10.95秒で、秒数の細かな変化を読む際の注意点となる。[12]

若い成人34人の比較では、姿勢のずれに群間差があっても、保持時間には差が認められなかった。[13]

士官候補生56人の横断研究では、左右の平均保持時間は88.72±33.34秒だった。一般女性の合格点ではない。[20]

座りがちな成人20人の無作為化比較試験では、運動群のサイドブリッジは45.4±39.4秒から71.3±59.7秒へ変化した。[10]

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宮川涼 Founder

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