
成績が伸びても、食事は自然に追いつくとは限らない
男性自転車選手22人を対象にした臨床試験は、体力と食事量を並べて読むうえで示唆的だ。普段の練習を維持しながら、週3回、運動部分が各32分の高強度インターバルトレーニングを4週間加えた。介入前後に運動成績、食事、体組成、安静時代謝量などを調べている。日常の軽い運動とは異なる、十分に鍛えた男性の強化練習である。18〜39歳の女性の日常的な運動に、同じ変化の大きさを当てはめることはできない。[5]
結果は、ピークの出力が4.8%向上した一方、体重、体組成、摂取エネルギーは変わらなかった。さらに、安静にしているときに使うエネルギーである安静時代謝量は3.0%低下し、甲状腺ホルモンの一種であるT3も4.8%低下した。運動成績が上がることと、体の他の指標が同じ方向に動くことは、ここでは一致しなかった。[5]
この試験には、練習をしない人との比較によってすべてを切り分けた結果という強さはない。対象も一般の初心者ではない。それでも「記録が伸びて、体重も変わらないなら、食事は自動的に足りている」と判断するには反例になる。研究者は、スポーツにおける相対的エネルギー不足に関連する指標の変化として、この結果を位置づけている。[5]
相対的エネルギー不足の診断を、読者が食欲だけで行う必要はない。むしろここで持ち帰りたいのは、食べる量が変わらなかった事実である。練習の成績が先に伸びても、食事が同じ速さで変わるとは限らない。体重が一定なら全部順調、という見方より、運動量と食卓の変化を別に確認する方が、この試験に沿っている。[5]
もうひとつ、持久系の高度な練習をする中距離走選手10人の試験がある。高地と比較的低い標高に分かれて同じプログラムを4週間行ったところ、高地では安静時代謝量が増える反応が見られた。しかし摂取エネルギーには、どちらの群でも有意な変化が認められなかった。代謝の増加に食事の増加は伴わなかった。高度に鍛えた選手の高地練習であり、18〜39歳の女性の日常の運動への適用は慎重に考えたい。[1]
自転車選手では代謝が下がり、高地の走選手では上がる方向だった。この違いは矛盾として消すのではなく、対象や練習環境が違う結果として残したい。どちらにも共通するのは、食事量が変わらなかった点である。「運動を増やすと代謝も食事量も同じ割合で増える」とひとくくりにすると、この条件の違いも、食事が変わらなかった事実も見失う。[1][5]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
研究の「誰が、何をしたか」を食卓まで持ち帰る
食欲が増えたという結果を読むときも、対象を確認したい。2型糖尿病の男性36人を、筋力運動、有酸素運動、運動をしない対照の群に無作為に分け、週3日、12週間を比較した試験がある。筋力運動群では、有酸素運動群に比べて空腹感と、これから食べられそうな量の評価の増加が大きかった。継続した運動でも、種目によって反応が異なる可能性が見える。糖尿病のある男性を対象とするため、18〜39歳の女性一般に同じ結果を当てはめることはできない。[17]
ただしこれは、空腹感の増加が筋力や持久力の伸びに比例したと証明した結果ではない。糖尿病のある男性で、異なる運動方法を比較した結果である。これを「女性も筋トレをすれば食べられるようになる」と広げると、対象と比較条件を飛び越えてしまう。運動の名前だけを持ち帰らず、誰に起きた変化かも一緒に持ち帰りたい。[17]
食事の条件が大きく違う研究もある。過体重・肥満の男性36人を対象に、糖質を大きく制限するケトン食だけの群と、それに有酸素運動または筋力運動を加える群を6週間比較した無作為化試験では、各群で空腹感が低下した。運動を加えた群では、食欲に関わるグレリンの一形態が増えながら、食欲の感覚は抑えられていた。特殊な食事条件にある男性の結果であり、18〜39歳の女性の普段の食生活にそのまま当てはめることはできない。[16]
ここでも、食欲関連の物質の増加と空腹感の低下が同時に起きている。ただし特殊な食事条件での試験であり、普段どおり食べながら運動する人に同じ結果を見込む根拠にはならない。食欲を整えるために、その食事法を採ることをこの記事は提案しない。見るべきなのは、ホルモンと感覚が同方向に動かない実例である。[16]
研究を読むときは、対象、運動の種類、食事条件、測ったものを文章の中に残す。「運動で食欲が増えた」という短い見出しより長くなるが、その長さに意味がある。階段を上がれるようになった自分と、競技選手の強化練習や糖尿病のある人の試験との距離を確かめられるからだ。[1][5][17]

よくある誤解
「体力をつけるには、食欲が増えるまで運動すればよい」。運動を続けても、食欲を補う反応が必ず起きるという結果にはなっていない。筋力運動のレビューでは継続的な運動が補償を刺激するとは見えにくく、男性自転車選手では成績が上がっても食事量は変わらなかった。食欲を引き出すために負荷を増やし続ける発想とは分けたい。[5][10]
「お腹がすいたら、使った分を全部食べ戻す」。空腹の強さだけでは、摂取エネルギーの変化は決まらない。肥満のある男性で運動の組み合わせを比べた試験では、満腹感や食べられそうな量に差があっても、食事量に条件差はなかった。食欲があるという事実に、食べすぎたという判定を自動で付け足す必要はない。[7]
「太らなければ、食事は足りている」。体重が変わらない男性選手にも、成績の改善と代謝関連指標の低下が同時に見られた。体重だけを食事の足り具合の判定役にするには情報が少ない。反対に、体重を増やさないことを全員の目標にする必要もない。体力をつけたい理由が、通勤や趣味を楽しむことなら、その生活の目標を先に置いてよい。[5]
ここで挙げた研究は、食欲を疑って食べないための材料ではない。空腹感、摂取量、体重、運動成績がそれぞれ違う情報を持つことを知るための材料だ。特定の感覚だけを合否判定にすると、他の変化を見落とす。食べたい日は食べたいという自分の感覚を言葉にし、食べられない日も、それを意志の弱さや練習不足の証拠にしないでおきたい。[5][7][9]
今日からできること
- 練習の記録に「帰り道の空腹感」と「実際の食事」を別々に添える。21人の比較試験でも、感覚の違いと食事量の違いは一致しなかったためである。厳密な計量を始める指示ではなく、言葉を分ける提案だ。[7]
- 運動した晩の食欲だけで、体力づくりの成否を決めない。単回の運動を扱う17研究と、継続的な運動を扱う9研究を分けたレビューのように、直後の反応と続けた後の変化を区別する。[10]
- 練習量を増やす予定を立てたら、食事の時間も予定表で確かめる。4週間の強化練習で成績が伸びても食事量が変わらなかった試験を踏まえ、「自然に増えるから大丈夫」を前提にしない。[5]
- ホルモン研究の数字を、自分が食べる量の目標値に変換しない。61研究の整理が扱う総グレリンと、食事量は別の測定対象である。食べたい気持ちを数式に押し込める必要はない。[9]
- 体重と運動記録だけで食事の問題を抱え込まない。男性選手22人の試験が示すように、成績が良くても他の指標が同じ方向とは限らない。食べにくさが続き健康状態に不安があるときは、医師に相談する。[5]
記録は、食べた自分を取り締まる台帳ではない。たとえば「帰りは空腹だったが、帰宅が遅く食卓につく気になれなかった」と書ければ、次に考えることは運動をさらに増やすことだけではなくなる。夕食をとれる予定だったか、食べる場所は決まっていたか。研究から直接、最適な献立を決めることはできなくても、自分の生活で確認する問いは具体的にできる。

オンザショア立川店で、食事の時間も残せる予定を考える
練習に通う予定を立てるなら、帰宅して食卓につくまでを含めて考えたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。朝に動くか、仕事の後に立ち寄るか。営業時間を見ながら、普段の食事と組み合わせられる通い方を検討する場所として位置づけられる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけでも25種類以上のレッスンがある。体力や食欲の変化を約束するものではなく、続ける予定を具体化するための選択肢である。
妊娠中の方には常温のマタニティヨガがあり、溶岩ホットヨガには参加できない。医師から運動を止められている方は利用できない。参加できる種目を確かめてから予定を組みたい。
ヨガの体験は60分で税込1,980円。バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店舗情報と料金を確認し、体験の予約へ進める。
参考文献
[1] Four Weeks of Classical Altitude Training Increases Resting Metabolic Rate in Highly Trained Middle-Distance Runners — Woods AL, Sharma AP, Garvican-Lewis LA, Saunders PU, Rice AJ, Thompson KG., 2017, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.2016-0116
[5] Impact of a 4-Week Intensified Endurance Training Intervention on Markers of Relative Energy Deficiency in Sport (RED-S) and Performance Among Well-Trained Male Cyclists — Stenqvist TB, Torstveit MK, Faber J, Melin AK., 2020, Frontiers in endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2020.512365
[7] Acute appetite and gut-hormone responses to two combined training sessions: a randomized crossover study in men with obesity — Li N, Wu M, Li Y, Yang X., 2026, European journal of clinical nutrition. DOI: 10.1038/s41430-026-01785-4
[8] Divergent responses of adiponectin and leptin to exercise in women with overweight or obesity: a systematic review and meta-regression — Yuan X, Bao C, Feng X., 2026, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2026.1810408
[9] Systematic Review: Does Exercise Training Influence Ghrelin Levels? — Abassi W, Ouerghi N, Muscella A, Marsigliante S, Feki M, Bouassida A., 2025, International journal of molecular sciences. DOI: 10.3390/ijms26104753
[10] The impact of acute and chronic resistance training on appetite and energy intake: A scoping review examining resistance exercise and comparisons with other exercise modalities — Panissa VLG, Cardoso LK, Rossi PAQ, Fukuda DH, Rossi FE., 2024, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2023.107155
[12] Impact of Resistance and Endurance Training on Ghrelin and Plasma Leptin Levels in Overweight and Obese Subjects — Mitoiu BI, Nartea R, Miclaus RS., 2024, International journal of molecular sciences. DOI: 10.3390/ijms25158067
[16] Does exercise during a ketogenic diet effectively alter appetite sensation, appetite-regulating hormones, and body composition? — Valinejad A, Khodaei K., 2022, Experimental biology and medicine (Maywood, N.J.). DOI: 10.1177/15353702221113862
[17] Effect of Exercise Training on Spexin Level, Appetite, Lipid Accumulation Product, Visceral Adiposity Index, and Body Composition in Adults With Type 2 Diabetes — Mohammadi A, Bijeh N, Moazzami M, Kazem Khodaei, Rahimi N., 2022, Biological research for nursing. DOI: 10.1177/10998004211050596
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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