呼吸法で痩せるほどエネルギーを使う?速い息と抵抗呼吸の消費量を研究で読む

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抵抗をかけると使うが、鍛えた後は節約も起きる

抵抗をかける呼吸では、実際に酸素摂取が増える例がある。慢性閉塞性肺疾患という呼吸器の病気がある人16人と健康な高齢者16人を比べた臨床試験では、最大吸気圧の40%に設定した負荷に対して吸う課題を行った。最大吸気圧は、息を吸う力を圧として評価した値である。負荷のある呼吸では、両群で酸素摂取量や呼吸の外的な仕事が有意に増えた。患者と高齢者を対象にした比較であり、18〜39歳の健康な女性へ負荷や変化量をそのまま当てはめることはできない。[14]

ただし、同研究で調べた呼吸の効率は、病気のある群と健康な高齢者の群で違わず、安静時エネルギー消費量とも関連しなかった。[14] 抵抗をかけた瞬間に呼吸の仕事が増えることと、普段から多くのエネルギーを使う体になることは、同じ結果ではない。この研究の負荷設定を、家庭での練習目標にする必要もない。

男性自転車選手の無作為化比較試験は、時間の経過を加えると見方が変わる例だ。最大吸気圧の50%の負荷を用いる群と、15%の負荷を用いる対照群を設け、6週間続けた。前者では最大吸気圧が22.5±8.7%増加し、対照群では変わらなかった。18〜39歳の女性に同じ改善率が生じるかは、この男性競技者の比較では確かめられない。[2]

練習後、最大酸素摂取量の75%に相当する換気条件では、呼吸筋の酸素消費の割合が全身の4.2±1.4%になった。100%に相当する条件では8.1±3.5%となり、それぞれ低下が認められた。対照群では有意な変化はなかった。[2] 強く吸えるようになることと、その呼吸に多くの酸素を使うことは、同じ方向に動かなかったのである。

この試験が示すのは、決められた換気を行う際の酸素の必要量が減ったことだ。著者らは、呼吸筋の酸素需要が減ることで運動する筋肉に酸素を回しやすくなる可能性を述べつつ、その先の検証を課題としている。[2] ここでも、消費の減少を失敗と呼ぶ理由はない。どの仕事を、どれだけの負担でこなせるかが焦点だからだ。

「練習している最中の負荷」と「練習を続けた後の効率」は別の時間軸である。[2][14] 今日、息を吸う筋肉が働いたという実感を、そのまま来月の基礎的な消費の増加へ延長してはいけない。研究を読むときは、測定が練習中だったのか、練習期間の前後だったのかまで確認したい。

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痩せた女性の研究は、因果の矢印が逆である

体重の変化と呼吸コストを一緒に測った研究もある。肥満のある女性29人、平均年齢33±8歳を対象に、食事と筋力運動を組み合わせた12週間の減量プログラムの前後で調べた研究だ。体重の平均は開始時97±14 kgで、プログラム後に7.5±3.1 kg減少した。[1]

呼吸の酸素コストは2.52±1.02 mL/Lから2.11±0.72 mL/Lへ、16%低下した。研究では安静時と一定負荷の運動時に肺の空気量の変化も認められ、著者らは適度な減量後の呼吸機能の改善を報告している。[1] これは体重が変わった後に、息をする負担がどう変わったかを読む研究である。

ここを逆にして「呼吸法で7.5 kg痩せた」と書けば、介入の内容が別物になる。参加者が行ったのは食事と筋力運動を組み合わせたプログラムであり、呼吸だけを増やす減量法ではない。[1] 数字が具体的なほど説得力は強くなるが、具体的な数字にも、正しい矢印が必要だ。

さらに、60 Wの自転車運動中について、呼吸筋の酸素摂取量の減少は、全身の酸素摂取量の減少の46%を占めると推定された。[1] 同じ外的な仕事でも、呼吸側の負担が変わることで全身の酸素需要に影響が及ぶ例である。全身の値を見ているつもりでも、その中には呼吸筋の仕事が含まれている。

この結果を、すべての人に減量を求める理由にはしない。対象は肥満のある女性で、特定のプログラムの前後を比べた研究だ。[1] 体重の減少を全員の目標にする必要はなく、ここで持ち帰るべきなのは、体重と呼吸の関係を論じる際に介入の中身を省かない、という読み方である。

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よくある誤解

「息が苦しいほど、たくさん消費した証拠」という考えには条件が付く。非肥満の女性と男性を調べた研究では、一定負荷の運動中の息苦しさは相対的な酸素摂取量と関連した一方、換気量あたりの酸素コストとは関連しなかった。[12] 息のつらさを、呼吸筋が使った酸素のメーターとして扱うことはできない。

一方、肥満のある女性を対象とする別々の比較実験では、運動時に息苦しさが強い群で、呼吸の酸素コストが38〜70%高く、息苦しさとの関連も認められた。[13] 非肥満の男女の研究とは結果が違う。体格や対象集団が異なるため、「関連しない」「必ず関連する」のどちらかだけを一般化すべきではない。[12][13]

しかも、この女性の研究では、息苦しさがある群とない群で、体重や体脂肪率に差がなく、心肺の運動能力にも差がなかった。[13] 外見や体重だけで、その人の呼吸の負担を言い当てることはできない。他人の息と比べて、努力や消費の優劣をつける材料にはならないのである。

「呼吸で消費するなら、その分だけ確実に痩せる」も飛躍である。呼吸中の酸素の消費、トレーニング後のコストの変化、食事と運動を含むプログラム後の体重の変化は、それぞれ違う結果だ。[1][2][14] 呼吸筋が働くという入口の事実から、体重という出口までを一続きにした説明には、間にある比較の確認が必要となる。

「消費が下がったなら、呼吸トレーニングは意味がない」という読み方も違う。同じ換気条件を少ない酸素でこなす変化は、効率という観点から理解できる。[2] 体重の数字だけを採点表にすると、この変化を見落とす。呼吸の練習を選ぶときは、消費を増やしたいのか、吸う力を評価したいのか、運動中の負担を考えたいのかを混ぜないことだ。

今日からできること

  • 呼吸法の紹介に数字があったら、単位と分母を読む。11.7%という値は男性自転車選手が最大運動時に相当する換気を再現した条件の割合であり、家庭の練習の消費率ではない。[2]
  • 「女性は多く消費する」という説明では、対象と強度を見る。若年女性の最大運動時の割合と、非肥満女性の換気量あたりのコストは、別の指標として扱う。[8][12]
  • 抵抗をかける練習を、消費カロリーを増やす競争にしない。6週間の試験では、吸う力の増加と呼吸の酸素コストの低下が同時に起きた。[2]
  • 体重の変化を紹介する文章では、参加者が何をしたかまで読む。12週間の女性の研究は、食事と筋力運動を組み合わせた介入である。[1]
  • 息のつらさを成果の記録に置き換えない。息苦しさと酸素コストの関連は対象によって異なるため、気になる息苦しさについては消費量を自己計算せず、医師に相談する。[12][13]

日常で使うなら、練習の記録には行った動作と、その際の感覚を残す。「座って息を整えた」「ヨガの動きに呼吸を合わせた」のように、呼吸だけの時間と体を動かした時間を区別して書くと、後から自分が何を続けていたかを振り返れる。研究でも、換気を再現する課題と自転車をこぐ課題は分けて測定している。[2][8] 記録欄の「胸まわりが働いた感じ」は感覚の記録として残し、消費カロリーの欄へ移さない。

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オンザショアで、呼吸と動きを続ける予定をつくる

呼吸の消費量を追いかけるより、体を動かす時間を生活のどこに置くかを考えたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。仕事の前後や休日の予定と照らして、続ける場所を検討できる。

常温のヨガやピラティスのほか、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも扱っている。呼吸だけに選択を絞らず、通う時間と種目の両方から選ぶための選択肢だ。

参加条件も先に確かめたい。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店の案内と料金で種目と通い方を確認できる。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fである。

ヨガの体験は税込1,980円。60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。生活に入れられる時間が見つかれば、体験予約で予定をつくれる。

参考文献

[1] Effect of weight loss on operational lung volumes and oxygen cost of breathing in obese women — Bhammar DM, Stickford JL, Bernhardt V, Babb TG., 2016, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2016.21

[2] Inspiratory muscle training lowers the oxygen cost of voluntary hyperpnea — Turner LA, Tecklenburg-Lund SL, Chapman RF, Stager JM, Wilhite DP, Mickleborough, 2012, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00954.2011

[4] Respiratory muscle perfusion and energetics during exercise — Dempsey JA, Harms CA, Ainsworth DM., 1996, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1097/00005768-199609000-00007

[8] The metabolic cost of breathing for exercise ventilations: effects of age and sex — Kipp S, Arn SR, Leahy MG, Guenette JA, Sheel AW., 2024, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00282.2023

[12] Oxygen cost of breathing and breathlessness during exercise in nonobese women and men — Lorenzo S, Babb TG., 2012, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0b013e3182444c4b

[13] Dyspnea on exertion in obese women: association with an increased oxygen cost of breathing — Babb TG, Ranasinghe KG, Comeau LA, Semon TL, Schwartz B., 2008, American journal of respiratory and critical care medicine. DOI: 10.1164/rccm.200706-875oc

[14] Breathing efficiency during inspiratory threshold loading in patients with chronic obstructive pulmonary disease — Baarends EM, Schols AM, Nusmeier CM, van der Grinten CP, Wouters EF., 1998, Clinical physiology (Oxford, England). DOI: 10.1046/j.1365-2281.1998.00097.x

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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