
合成率が増えた先に、持久力の上乗せはあるか
夜の間に部品が多く作られたなら、翌朝から走るのが楽になるのか。気になるところだが、短時間の合成率と、長期間の筋肉量や運動能力との対応は、別に検証する必要がある。ミトコンドリアの合成率の測定を論じたレビューも、食事や運動の直後に測った値から長期の筋肉や能力を予測するには、さらなる研究が必要だと指摘している。[4]
その区別を具体的に示すのが、健康な男女25人が参加した6週間の無作為化比較試験だ。18〜39歳の女性だけを分けた効果としては受け取れない。参加者は週4回、最大酸素摂取量の70〜75%の強度で30〜60分、トレッドミルで走った。運動直後と1時間後に、糖質のみ、または同じエネルギー量の糖質とたんぱく質を含む飲料を摂取した。[20]
最大酸素摂取量とは、全身の有酸素的な運動能力を見る指標である。この試験では両群とも改善したが、改善の大きさに群間差はなかった。一方、筋肉内で合成に関わる信号を担う仕組みの遺伝子発現は、たんぱく質を含む群で大きく増えた。筋肉内の反応が違っても、全身の有酸素能力への上乗せは同じようには現れなかったのである。[20]
2025年の系統的レビューとメタ分析では、持久的トレーニングにたんぱく質を加えた23試験、計1,146人の結果がまとめられた。対象は持久的トレーニングの参加者であり、18〜39歳の女性だけに同じ効果があるかは、この集計からは決められない。除脂肪量、つまり体脂肪を除いた部分の量への効果は標準化平均差0.13、95%信頼区間は−0.01〜0.28で、小さく、統計学的に有意ではなかった。これは「筋肉が必ず増える」とは異なる結果である。[11]
一方、運動を続けて疲労困憊に至るまでの時間には、標準化平均差0.45、95%信頼区間0.15〜0.76の改善があった。標準化平均差は、異なる測定条件の結果を共通の尺度にそろえた値であり、0.45分延びたという意味ではない。体重や体脂肪、全体の最大酸素摂取量には有意な影響が認められなかった。[11]
この結果は、持久力の指標同士も区別すべきだと教える。疲れ切るまで続けられる時間が延びることと、最大酸素摂取量が高まることは、同じ測定ではない。たんぱく質補充を「持久力に効く」とだけ紹介するより、どの試験の何が変わったかを伝えたほうが、日常で持つ期待も適切になる。[11]
健康な成人を対象に筋力運動と持久的運動を組み合わせた系統的レビューでも、長期研究のうち最大・最高酸素摂取量を評価した6研究すべてで、たんぱく質の上乗せ効果はなかった。筋肉量や筋力への利益を報告した研究はあるが、全身の有酸素能力には上乗せがなかった。18〜39歳の女性への当てはまりを考える際にも、対象集団と評価した能力の両方を確認したい。[2]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
ソイの選択と、直後の食事は別々に考える
「有酸素運動 ソイプロテイン」と検索した読者に、乳由来の試験結果をそのまま大豆由来の約束として渡すことはできない。就寝前の比較はホエイとカゼイン、運動を組み合わせた試験はホエイだった。植物由来を含む、アミノ酸の組成や消化の速さが異なるたんぱく質の有効量については、レビューでも追加研究が必要とされている。[1][3][6]
これはソイには意味がない、という判定でもない。ある原料で反応が確かめられたことと、別の原料が劣ると確かめられたことは違う。買い物でソイを選ぶ際にも、「ミトコンドリアを増やす最適な飲料」としての優劣を、この乳由来の研究から決めないことが大切だ。原料名と、研究が実際に比較した内容を照らし合わせたい。[1][3]
摂取量にも同じ注意がいる。筋原線維の合成を最大化する目的で、主に男性の用量反応研究を踏まえて若年成人の研究を再分析したレビューは、消化の速い良質なたんぱく質について、体重当たり約0.31g/kgという1食の目安を論じた。しかし、有酸素運動や植物由来のたんぱく質にも同じ目安を当てはめられるかは、今後の検討事項としている。性別による適用の障壁は大きくないと論じる一方、18〜39歳の女性の有酸素運動後に最適な量を直接決めた結果ではない。[3]
さらに、2025年の持久系競技者の栄養レビューも、運動後の筋たんぱく質合成に対する量と反応の研究が不足し、1食の最適量を確定するのは難しいとしている。競技者の条件が18〜39歳の女性の日常の運動にも当てはまるかは、運動量や食事条件に照らした検討が必要だ。競技者の1日の必要量を扱う話と、帰宅後に飲む1回分の話は同じではない。数字だけを切り出して、普段の食事への追加量にしないようにしたい。[15]
「直後に食事を取れなければ無駄になる」と急ぐ前に、就寝前の摂取でも夜間の合成率が高まった試験があることを思い出せる。ただし、それは食事を後回しにする推奨ではない。直後の摂取だけが研究の対象ではなく、回復の違う時間帯にも栄養への反応が調べられている、という意味である。[1]
燃料の回復は、既存記事「有酸素運動後のプロテインは糖質の代わりになる?次の運動へ向けた燃料の回復を読む」に譲る。ここで扱うのは作られるたんぱく質だ。持久系競技者のレビューでは、必要な糖質が満たされる条件で、たんぱく質の追加が筋肉や肝臓のグリコーゲンという貯蔵燃料の再合成を促すという説得的な証拠はないとしている。18〜39歳の女性の日常的な運動後にもそのまま当てはまるかは、競技者との運動量や食事の違いを踏まえて考える必要がある。部品と燃料を同じものとして扱わない。[15]

よくある誤解
「有酸素運動の日は、筋肉の材料を考えなくてよい」という理解は狭い。有酸素運動後にも骨格筋のたんぱく質合成を支える反応があり、夜間にはミトコンドリアと筋原線維の両方で上乗せが観察されている。ただし、これを粉末の飲料を必ず追加すべきという話へ飛ばさない。研究の摂取条件と、本人の食事全体とは分けて考える必要がある。[1][8][15]
「合成率が増えたら、その割合だけ体が大きくなる」も違う。合成率は一定の時間の新しいたんぱく質の生成を捉える指標で、長期の筋肉量の変化そのものではない。長期のメタ分析で除脂肪量への効果が小さく有意ではなかったことは、この区別を裏づける。シェイカーは腕の太さを予約する道具ではない。[4][11]
「発電装置の更新を狙って食事を減らし、飲料を足す」という使い方を支持する結果も得られていない。訓練された9人が参加した無作為化クロスオーバー試験では、エネルギーと糖質を制限した状態の持久的運動前にホエイを摂取しても、対照に比べて筋原線維の合成率やたんぱく質の差し引きは改善しなかった。訓練された人の栄養制限下の結果を、18〜39歳の女性の日常的な運動へそのまま当てはめるには検証が必要だ。[7]
この試験は運動前の摂取であり、普通の食事を取った日の運動後摂取を否定するものではない。逆に、栄養を制限する手順として読むものでもない。夜の試験で増えた反応と、制限下の試験で増えなかった反応を並べると、「たんぱく質さえあれば条件は問わない」という考えから離れられる。[1][7]
今日からできること
- 運動後の食事を考えるときは、まず「材料の回復」と「次の運動の燃料」の問いを分ける。糖質が満たされる条件でのたんぱく質追加と、貯蔵燃料の再合成は同じ利益ではない。[15]
- 25gや45gという量を見ても、そのまま自分の追加量にしない。前者は組み合わせ運動後のホエイ、後者は若年男性の就寝前摂取という試験条件である。[1][6]
- ソイの製品を選ぶ際は、乳由来の結果を根拠にミトコンドリアへの優劣を決めない。原料が違う場合の有効量には、なお検討が必要だ。[3]
- 続けた結果を見るなら、体の大きさだけでなく、自分が確かめたい運動能力を言葉にする。6週間の試験でも、筋肉内の反応と最大酸素摂取量の上乗せは一致しなかった。[20]
- 数字を読むときは、合成率なのか、除脂肪量なのか、疲れ切るまでの時間なのかを確認する。23試験をまとめた結果でも、指標によって答えは異なっていた。[11]

オンザショアで、帰宅までの予定を組み立てる
運動の時間だけでなく、その後にどこへ帰り、食事をどう予定するかまで含めて、通う場所を考えたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。住所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。立川駅を通る日の予定と、通える時間帯を照らし合わせるための条件になる。
選択肢には常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがあり、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。特定の栄養反応を約束する場としてではなく、生活の中で運動を続ける場所として検討してほしい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。まず参加条件を確かめ、店のトップと料金で通い方を検討する。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約を入れるなら、レッスン後の帰宅と食事の予定も一緒に手帳へ書いておく。シェイカーを持つかどうかより先に、その日の回復まで置ける時間帯を選びたい。
参考文献
[1] Pre-sleep Protein Ingestion Increases Mitochondrial Protein Synthesis Rates During Overnight Recovery from Endurance Exercise: A Randomized Controlled Trial — Trommelen J, van Lieshout GAA, Pabla P, Nyakayiru J, Hendriks FK, Senden JM, Goe, 2023, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-023-01822-3
[2] The Effects of Dietary Protein Supplementation on Acute Changes in Muscle Protein Synthesis and Longer-Term Changes in Muscle Mass, Strength, and Aerobic Capacity in Response to Concurrent Resistance and Endurance Exercise in Healthy Adults: A Systematic Review — Hartono FA, Martin-Arrowsmith PW, Peeters WM, Churchward-Venne TA., 2022, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-021-01620-9
[3] Maximizing Post-exercise Anabolism: The Case for Relative Protein Intakes — Moore DR., 2019, Frontiers in nutrition. DOI: 10.3389/fnut.2019.00147
[4] Optimizing the measurement of mitochondrial protein synthesis in human skeletal muscle — Burd NA, Tardif N, Rooyackers O, van Loon LJ., 2015, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2014-0211
[5] Optimizing intramuscular adaptations to aerobic exercise: effects of carbohydrate restriction and protein supplementation on mitochondrial biogenesis — Margolis LM, Pasiakos SM., 2013, Advances in nutrition (Bethesda, Md.). DOI: 10.3945/an.113.004572
[6] Protein ingestion increases myofibrillar protein synthesis after concurrent exercise — Camera DM, West DW, Phillips SM, Rerecich T, Stellingwerff T, Hawley JA, Coffey , 2015, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000000390
[7] Effects of protein intake prior to carbohydrate-restricted endurance exercise: a randomized crossover trial — Larsen MS, Holm L, Svart MV, Hjelholt AJ, Bengtsen MB, Dollerup OL, Dalgaard LB,, 2020, Journal of the International Society of Sports Nutrition. DOI: 10.1186/s12970-020-0338-z
[8] The role of amino acids in skeletal muscle adaptation to exercise — Aguirre N, van Loon LJ, Baar K., 2013, Nestle Nutrition Institute workshop series. DOI: 10.1159/000350261
[11] Effects of protein supplementation on body composition, physiological adaptations, and performance during endurance training: a systematic review and meta-analysis — Xiao Y, Deng Z, Sun W, Li J, Gao W., 2025, Frontiers in nutrition. DOI: 10.3389/fnut.2025.1663860
[15] Protein Nutrition for Endurance Athletes: A Metabolic Focus on Promoting Recovery and Training Adaptation — Witard OC, Hearris M, Morgan PT., 2025, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-025-02203-8
[20] Effect of carbohydrate-protein supplementation on endurance training adaptations — Alghannam AF, Templeman I, Thomas JE, Jedrzejewski D, Griffiths S, Lemon J, Byer, 2020, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-020-04450-1
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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