スクワットは両脚なら片脚の倍の力が出る?左右を同時に使う差を研究で読み解く

スクワットで両脚を使えば片脚の倍の力が出るのか。左右を別々に使った合計と同時に使う出力の差を、レビューと比較試験から読む。力と跳ぶ高さの違い、姿勢や速さの影響、片脚と両脚の練習で変わる点を整理し、男性競技者を中心とした結果を日常の運動にどう生かすか考える。

片脚で椅子から立とうとすると難しい。両脚に戻せば、ずいぶん頼もしい。それなら両脚で出す最大の力は、片脚のちょうど倍なのだろうか。普段の立ちやすさと、最大の力を比べる実験は、少し違う問いを立てている。[3]

両脚の最大出力は、左右を別々に測った合計より小さくなる場合がある。右脚と左脚を別々に使ったときの力を足すと、両脚で同時に出した力を上回る現象がある。「両側性機能低下」と呼ばれるが、動作の条件によっては逆に同時に使う側が有利になる。[3]

この名前を見て、両脚スクワットは損だと決めるのは早い。現象の出方には姿勢の安定、動作への慣れ、押す速さが関わる。筋肉が弱いという診断名でも、片脚種目だけを選ぶ理由でもない。ここでは筋肉を大きくする方法全般ではなく、左右を同時に使ったときの「足し算のずれ」を読む。[3]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

両脚と比べる相手は、右脚と左脚の合計である

両側性機能低下を調べるには、両脚での最大出力と、右脚だけ、左脚だけでの最大出力を比較する。片脚のうち得意な側だけを選び、それを倍にする話ではない。別々に測った左右の合計が比較相手になる。左右それぞれの強さが違うことと、同時に使う際の合計のずれは、区別する必要がある。[3][4]

たとえば、右脚と左脚の間に差があるかを知りたいなら、左右を別々に見る。一方、別々の力を合算した値と両脚での値を比べるなら、同時使用の問題を見ている。同じ片脚測定を使うため似て見えるが、聞いている内容は異なる。若い男性バスケットボール選手の試験でも、左右間の不均衡と両側性機能低下は別の項目として評価されている。対象は若いエリート選手であり、18〜39歳の一般女性の評価基準には直接使えない。[4]

ここでいう出力にも注意がいる。力そのものを測るのか、動作中のパワーを測るのか、跳んだ高さを見るのかで、比較する値が変わる。レビューは、両側性機能低下が多様な動作や筋収縮の条件で報告される一方、大きさも有無も一定しないと整理している。違う検査の数字を、そのまま同じ目盛りに置くことはできない。[3]

日常の片脚スクワットで難しさを感じても、それだけで自分の両側性機能低下が小さい、大きいとは判定できない。姿勢を保つことや動作への慣れが検査値に影響するためだ。片脚でふらつく体験と、安定した条件で最大出力を測ることは、重なりながらも同一ではない。[3]

なお、顔や上体の向きは既存記事「スクワットは上を見ながら行うべき?顔の向きと上体の傾きを研究で読み解く」に譲る。隣の記事が扱う反復中の深さのばらつきとも問いを分け、ここでは同じ人が左右を別々に使う場合と同時に使う場合の差に絞る。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

支え方が違えば、脚の力だけを比べたことにならない

レビューが大きな要因として挙げるのが、姿勢を安定させる必要と、片側の動作で釣り合いを取れるかどうかである。両脚か片脚かを変えると、使う脚の本数だけでなく、体を支える条件も変わる。測った差をすべて「同時に使うと筋肉への命令が弱くなるから」と説明するのは、研究の整理より踏み込みすぎになる。[3]

男性3人と女性5人、計8人を調べた比較研究では、レッグプレスと握力の最大値を測っている。両側性機能低下の指標はレッグプレスで−12.08±10.22%、握力で−0.677±5.00%だった。脚で押す種目のほうが大きな差を示したという結果であり、この値はレッグプレスでの測定結果である。18〜39歳の女性のスクワットに同じ減少率を当てはめる根拠にはならない。[15]

この研究では、レッグプレス中の体幹の筋活動が握力測定中より大きかった。一方、それぞれの種目内で片側と両側を比べたとき、動作を担う筋肉と体幹の筋活動には有意な違いがなかった。著者らは、姿勢安定の要求が両側性機能低下の大きさに影響する可能性を示している。体幹の活動が増えたから差のすべてを説明できた、という実験ではない。[15]

参加者が少ないことも含め、この数字を一般の女性の平均値や、家庭で行うスクワットの減点率としては扱わない。レッグプレスという動作で出た結果は、支えのない立位のスクワットへそのまま移せない。比較する条件が結果に関わる、という読み方が役に立つ。[3][15]

動画を撮って前回と比べる場面でも、片脚だけ手を壁に添えた日と、添えなかった日を同じ検査として並べないほうがよい。これは壁の補助の効果を断定する提案ではなく、比較の条件を記録するための工夫である。姿勢の支え方を抜かした数字だけでは、何が変わったのか読み取りにくい。[3]

跳躍高は瞬発動作の結果、最大筋力は力の測定である

40人を対象とした跳躍の比較試験では、反動を使うジャンプに22人、しゃがんだ姿勢から跳ぶスクワットジャンプに18人が参加した。左右別々のジャンプの高さの合計と、両脚で跳ぶ高さを比較し、体重の10%に相当する荷重を加える場合も調べている。高さに基づく両側性機能低下はすべての条件で認められた。この40人の結果を18〜39歳の女性に共通する値として扱うことはできない。[2]

ただし、反動を使うジャンプの指標はスクワットジャンプのほぼ倍で、追加荷重はその大きさを変えなかった。さらに、片脚で高く跳べる人ほど指標が大きい関係は一部の条件を除いて見られたが、両脚の跳躍高との関連を示す証拠はなかった。同じ人の能力を評価しても、どの跳び方を選ぶかで見える差が違う。[2]

ここで測ったのは、素早く踏み切った結果としての跳躍高である。一方、レッグプレスの最大筋力測定は、持ち上げられる最大の負荷を調べる。関節を動かさず力を出す等尺性の膝伸展測定とも条件が違う。低速で負荷を押す課題や静止した課題には、ジャンプの踏み切り速度をそのまま持ち込めない。これらは別々の研究であり、同じ対象者に速度だけを変えた比較ではない。[2][15][20]「両脚の力が片脚の合計より何割小さい」という測定と、同じ意味にはならない。レビューも、爆発的な動作には動く速さなどの力学的要因が関わると整理している。高さの指標に現れた差を、筋肉が失った力の割合へ読み替えない。[2][3]

跳躍と競技能力の関係も、単純ではない。男性の若いサッカー選手27人を対象とした比較研究では、速い選手は両脚でのジャンプのパワーが高かったが、速い群と遅い群の間で両側性機能低下に統計的な差はなかった。著者らは、走る速さや方向転換の能力を見積もる尺度としての利用に疑問を呈している。若いエリート男性の結果なので、18〜39歳の一般女性の筋力評価へ直接当てはめることはできない。[13]

一方、女性10人と男性28人のテニス選手を調べた観察研究では、ジャンプから計算した両側の指標と短距離走・方向転換の成績に関連があった。報告された相関係数は、評価項目によっておおむね0.32〜0.44だった。こちらは関連を調べた研究であり、指標を変えれば走力が上がると試したものではない。女性も含むが対象はテニス選手であり、18〜39歳の一般女性にも同じ関連があるかは別に検証する必要がある。[8]

競技も測定も違う研究から、どちらか一方を万人の法則にはできない。競技者にさえ異なる結果があるなら、立川駅まで歩く人がジャンプの指標だけで脚の実用性を採点する必要はない。知りたい動作を決め、その動作自体の変化も見る、という順序で考えたい。[3][8][13]

負荷の読み方にも境界がある。跳躍試験で追加荷重による違いがなかったのは、体重の10%という条件での結果だ。重りを加えるあらゆる方法や、さらに重いスクワットでも差が変わらない、と広げることはできない。試した荷重と動作を一緒に読むことで、研究が答えた範囲が見える。[2]

また、サッカー選手の比較では、両脚で発揮したパワーそのものには速い群の優位があった。両側性機能低下に群間差がないからといって、両脚での出力には違いがあった。合計との比を知る指標と、実際の出力を知る値は、それぞれ違う情報を持っている。[13]

検査の結果を聞く機会があるなら、「何の動作で、どの値を使った差か」を尋ねたい。跳ぶ高さの比較なのか、押す力の比較なのか。それが分かって初めて、前回と比べる意味も定まる。同じ名前の指標でも、検査の動作が違えば測る能力も変わる、というレビューの注意点を日常の質問にした形である。[3]

数字で読む両脚と片脚の比較

8人の比較研究では、レッグプレスの指標は−12.08±10.22%。個人差を含む値である。[15]

40人の跳躍試験では、追加荷重は体重の10%。この条件で荷重による指標の変化は認められなかった。[2]

27人の男性サッカー選手では、速い群と遅い群の指標に統計的な差がなかった。[13]

14人の若い男性の無作為化試験では、両脚練習による指標改善の効果量は1.63だった。[1]

22人の男性バスケットボール選手の試験では、練習期間は6週間。片脚を主に使う能力には片脚群の優位があった。[4]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約