30代女性の友達は少ないと困る?年齢による人数差と関係の質を分けて読む

米国の長期追跡では友人の人数に年齢の影響は検出されず、不安や抑うつのある成人の試験では人数とつながりの実感が別の変化を示した。カード交換、相談相手、余暇の仲間という数え方の違いを整理し、海外や高齢者の結果を日本の30代女性の平均や目標に置き換えず、支えと負担を分けて読む。

休日の予定表が空いている。学生のころの仲間に声をかけようとしても、それぞれの仕事や暮らしを思うと、誘う言葉で手が止まる。学生のころの集合写真と、今の予定表を比べると、自分だけ友達が減ったようにも見える。

ただし、「30代になれば友達が減る」と一直線には言えない。米国の地域住民を長期に追った観察研究では、家族と友人のネットワークの人数について、年齢や生まれた世代の影響は検出されなかった。一方、調査した時代による違いはあった。開始時の平均年齢は47.8歳で、18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[19]

少ないか多いかを判定する前に、誰を数えているのか、どんな関係を求めているのかを分けたい。既存記事「30代女性の友達作りに運動教室は役立つ?会う回数と親しさの間にあるもの」には出会い方の問いを譲り、ここでは人数の年齢差と、支えられる感覚や関係への満足をどう読むかに焦点を置く。

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友達の数に見えて、別の人を数えている

研究でいう社会的ネットワークとは、その調査が捉えようとする人とのつながりである。ただし、その範囲は研究ごとに違う。クリスマスカードの交換を手がかりにした研究もあれば、大事な問題を話す相手や余暇をともに過ごす相手を挙げてもらう研究もある。[2][8] スマートフォンの連絡先の件数と、そのまま比べられる指標ではない。

現代の西洋社会のカード交換を調べた研究では、最大のネットワーク人数の平均は153.5人、明示的に連絡した相手の平均は124.9人だった。親族の割合は約21%で、年齢、世帯の形、相手との関係がネットワークの構造に関わっていた。[2] この数字は、親友をそれだけ持つべきだという目標ではない。年末の挨拶を送る範囲と、困った夜に相談する範囲は、問いとして違う。

同研究では、接触の頻度に関わる要因を、距離や職場の同僚であることなどの受動的な要因と、感情的な近さや血縁などの能動的な要因に分けて検討している。[2] 毎日顔を合わせる同僚と、遠くに住む親しい友人が、連絡回数だけなら逆の順位になる場面を想像すると、この区別が分かりやすい。頻繁に会えることと、気持ちが近いことは同じ質問ではない。

たとえば、自分のつながりを紙に書くなら、まず「大事なことを話せる相手」という問いに答える。次に「余暇を一緒に過ごす相手」と問いを替える。この区別は、不安や抑うつのある成人を対象にした試験で、相手を挙げるために実際に使われたものだ。[8] どちらにも登場する人も、片方にだけ登場する人もいてよい。これは人数を増やす訓練ではなく、自分が何を友達の役割として求めているかを見るための使い方である。

「社会人で友達がいない割合」を探すときにも、最初に見たいのは質問の文言だ。親友がいないこと、休日に会う友人がいないこと、相談できる人がいないことを同じ箱に入れると、数字の意味が変わる。カード交換の人数にも家族が含まれる研究である以上、その平均を友人だけの人数に読み替えることもできない。[2] 連絡先の名簿は長くても、今夜の誘い先は別の問題なのである。

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年齢と時代を分けると、減るという答えは単純でない

年齢と友達の人数の関係を知りたいなら、異なる年齢の人を同じ時点で比べるだけでは、年を取ることの影響と、生きてきた時代の違いを分けにくい。そこで参考になるのが、年齢・調査時代・出生世代を同時に検討した長期追跡研究である。[19]

この研究は、米国の東ボルティモアで1981年に抽出された3,481人を出発点としている。開始時の平均年齢は47.8歳で、女性は38%だった。その後、1993年、2004年、2021年に始まる追跡期間のデータを使い、家族と友人のネットワーク人数を分析した。[19] 18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできないが、「年齢のせい」という説明を吟味する材料にはなる。

結果では、年齢と出生世代の影響は検出されなかった。一方、友人のネットワークは最初の調査時のほうが、その後の調査時代より大きかった。所得、教育、外向性が高いことは、家族と友人の双方のネットワークが大きいことと関連していた。[19] 著者らは、人口統計学的特徴や性格が関わる一方、ネットワークは時間や世代を通じておおむね安定していると結論している。[19]

ここから「誰も友達が減らない」と読むのも行き過ぎだ。分析で年齢の影響が検出されなかったという集団の結果と、自分の生活で実際に起きた別れは両立する。転居後に会う相手が変わった、といった個人の経験を否定する数字ではない。反対に、自分の連絡が減った経験だけから、同年代の女性全体に同じ変化が起きると決めることもできない。

カード交換の研究では年齢がネットワークの構造に関わり、長期追跡では人数に対する年齢の影響が検出されなかった。[2][19] これは必ずしも矛盾ではない。関係の内訳や接触の形が違うことと、総人数が一方向に減ることは別だからだ。「昔より会わない」という実感を考えるときも、まず減ったのが人数なのか、会う機会なのか、相談のしやすさなのかを言葉にしたい。

親しさの実感は、人数の増減とずれることがある

不安や抑うつが臨床的に高い成人59人を、認知・行動的な治療を受ける群と待機群に無作為に分けた試験がある。平均年齢は30.8歳、範囲は18〜54歳だった。18〜39歳の女性全般にそのまま当てはめることはできない。研究者は治療の前後に、大事なことを話す人や余暇を過ごす人を挙げてもらい、各相手との近さや連絡頻度を調べた。[8]

名前を挙げた相手の人数、相手が自分をどれほど近く感じていると思うか、連絡頻度について、変化の群間差はなかった。それでも、この標本を用いた以前の分析では、治療群で全般的なつながりの実感がより増えていた。[8] 人数に変化がないから何も変わらなかった、と結論すると、感じ方の変化を取り落とす。

意外なのは、自分から相手への近さの感覚は、待機群のほうで大きく増えたことだ。事後的な分析では、治療群が治療後に、遠い親族、同僚、同居人など、より距離のある関係を挙げるようになったことが、この結果を説明していた。そうした相手を挙げることは、全般的なつながりの実感の改善と正に関連した。[8] いつも同じ相手との親密度だけを測っていたわけではない点が、読みどころになる。

これは、浅い付き合いを増やせば治療になる、という試験ではない。不安や抑うつのある人を対象とする小規模な試験であり、事後的な分析による説明でもある。[8] ただ、友達の採点表を「人数」と「平均の親しさ」だけで作ると、見えない変化があり得る。親友以外の関係が自分の生活に入ってきたことも、別の角度から確かめる必要があるという示唆だ。[8]

日常に置くなら、昼休みに話す人ができたのに、「何でも相談できるほどではない」と数えずに終える場面である。その人を親友に昇格させる必要はない。自分がいま見ようとしているのが、深い相談の相手なのか、生活の中の接点なのかをそろえて考える。研究の指標のずれを、自分のつながりを一律に低く評価しないための問いに使うのである。

同じ問いで振り返ることも大切だ。以前は休日に遊ぶ人を数え、今は深い相談ができる人だけを数えたなら、人数の差に質問の差が混ざる。試験で相手ごとの近さや連絡頻度まで尋ねたのは、つながりを単一の人数に閉じ込めない測り方である。[8] 自分の過去と比べるときも、比較する関係の範囲をそろえたい。名簿を書き直したときに浮かぶ相手が変わったなら、誰が消えたかだけでなく、誰を新しく思い出したかにも目を向けられる。

数字で読む友達とつながり

3,481人:米国の地域住民を出発点に、年齢・時代・出生世代と人数を検討した追跡研究。[19]

153.5人:カード交換の研究における最大ネットワーク人数の平均。親友の推奨人数ではない。[2]

59人:不安や抑うつのある成人の試験。人数の変化と全般的なつながりの実感は一致しなかった。[8]

1.05人:難聴のある高齢者の試験で、聴覚への介入群と対照群の間にみられたネットワーク人数の差。[7]

104人:ネットワークとストレスなどの関連を男女別に調べた高齢者の観察研究。[18]

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宮川涼 Founder

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