最新の体験料金は料金ページ、最新のスケジュールは体験予約ページでご確認ください。体験レッスンは、ヨガ・ピラティスが1,980円(税込/税抜1,800円)、キックボクササイズが4,980円(新規の方限定)です。
夜、リビングの床で上体起こしを数える。二十、二十一、二十二。三十を過ぎたころには首の後ろが熱くなり、お腹の表面がかちかちに張ってくる。続けて三か月、指で押すとお腹の上のほうは確かに硬くなった。鏡の角度によっては、うっすら線も見える。
それなのに、洗濯かごを床から持ち上げるとき、腰のどこかが「次はやるぞ」とささやいている気がする。そして上体起こしの途中でふと見下ろすと、おへその下が、小さな山のようにぽこっと盛り上がっている。
もしこの場面に覚えがあるなら、あなたの努力が足りないわけではありません。鍛えている場所と、腰を守っている場所が、そもそも違うのかもしれない。
六つに割れたお腹は、家でいえば表札のようなものです。目立つし、誇らしい。けれど家を支えているのは、壁の中に隠れて見えない柱と梁のほうです。お腹にも、外からは見えない帯のような筋肉があって、胴をぐるりと一周巻いています。
この記事は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオ、オンザショア立川店が書いています。ヨガのほかにマットピラティスのクラスもあるスタジオとして、「割れた腹筋」より地味で、しかし毎日の腰にずっと近い「内側のコルセット」の話をします。腹筋を何百回やったかより、咳ひとつで動くお腹の奥に気づけるかどうか。そちらのほうが大事だと、私たちは本気で思っています。
なお、いま腰に強い痛みやしびれがある人は、この記事の練習より先に、整形外科などの医療機関で診てもらってください。ここに書くのは痛みを治す方法ではなく、体の使い方の考え方です。

要点(結論から)
- 「割れた腹筋」をつくる腹直筋は、胴を前に丸める筋肉。お腹をぐるりと巻いて内側から支えるのは、いちばん奥の腹横筋。
- 内側のコルセットは、横隔膜(ふた)・骨盤底筋(底)・腹横筋(壁)・背骨の脇の深い筋肉(柱)の四つでできている、と考えられている。ただし、ここだけ鍛えれば腰痛にならない、と言えるほど単純ではない。
- 上体起こしでお腹がぽこっと出るのは、胴が縮んで中身の逃げ場ができるうえに、息を止めていきんでいるから。真ん中が尾根のように盛り上がる人、特に産後の人は医療機関で相談を。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
表の腹筋と奥の腹筋は、そもそも仕事が違う
「腹筋」とひとことで言いますが、お腹の前と横には、重なり合った何枚もの筋肉があります。大きく分けると四つです。
| 筋肉 | 場所と向き | 主な仕事 | 触ったときの感じ |
|---|---|---|---|
| 腹直筋 | 前の真ん中。みぞおちのあたりから恥骨まで縦に走る | 胴を前に丸める | 上体起こしで硬くなる「表の腹筋」 |
| 外腹斜筋 | 脇腹のいちばん外側。斜めに走る | 胴をねじる・横に倒す | 体をひねると脇が張る |
| 内腹斜筋 | 外腹斜筋の下。反対向きの斜め | ねじる・横に倒す・胴を締める手伝い | 外からはほとんど区別できない |
| 腹横筋 | いちばん奥。横向きにお腹をぐるりと巻く | 胴を細く締めて、内側から支える | 咳をすると骨盤の内側で張る |
腹直筋は、縦に走る長い筋肉です。途中に何本か横向きの腱の仕切り(腱画)が入っていて、これが「割れた腹筋」の線の正体です。縮むと、みぞおちと恥骨の距離が縮まり、胴が前に丸まります。上体起こしでいちばん働くのはこの筋肉です。
ついでに言えば、線が外から見えるかどうかは、筋肉の上に乗っている皮下脂肪の厚さで大きく変わります。割れて見える人の腹直筋が特別に強いとは限らないし、見えない人の腹直筋が弱いとも限らない。表札の字が読めるかどうかは、表札にかぶったほこりの厚さ次第、というわけです。
いちばん奥の腹横筋は、まったく違う形をしています。肋骨の下の縁の内側、背中側の厚い筋膜、骨盤の縁から始まって、お腹の前の真ん中へ向かって、ほぼ横向きに走ります。つまり、胴を一周する幅の広い帯です。縮んでも胴は丸まりません。その代わり、ウエストのあたりが内側へ少し締まります。着物の帯を、ぎゅっとではなく、ほどよく締め直す感じに近い。
上体起こしを何十回やっても、主役はずっと腹直筋です。奥の筋肉も脇役として少しは働きますが、回数を重ねて伸びていくのは、たいてい表の筋肉のほうです。「腹筋を鍛えているのに腰が頼りない」という不思議は、ここから始まっています。

「内側のコルセット」は四つの面でできている
腹横筋だけでコルセットができるわけではありません。お腹の奥を一つの箱、あるいは円柱の缶だと考えると分かりやすくなります。
- 上のふた: 横隔膜。肋骨の内側にドームのように張っている、呼吸の筋肉です。
- 底: 骨盤底筋。恥骨と尾骨、左右の坐骨のあいだに、ハンモックのように張っている筋肉の層です。
- 前と横の壁: 腹横筋。ここまで話してきた帯です。
- 後ろの柱: 背骨のすぐ脇にある、骨と骨を短くつなぐ深い筋肉(多裂筋など)。
この四つが同時にほどよく働くと、缶の中の圧が保たれて、胴が内側から支えられる、と考えられています。
身近なもので言えば、炭酸飲料の缶です。開ける前の缶は、上に片足で乗ってもなかなかつぶれません。中の圧が壁を内側から支えているからです。ところが一度開けて中身を飲んでしまうと、同じ缶が手で簡単にくしゃっとつぶれる。材料は同じアルミなのに。
腰のあたりの背骨は、前に骨の支えを持っていません。背中側には骨盤とつながる筋肉の層がありますが、前にあるのは内臓の入ったお腹です。そのお腹の圧と、ぐるりと巻いた帯が、背骨の柱を前から間接的に支えている。そんなふうに説明されることが多いのです。
また、腕や脚を動かそうとするとき、胴の奥の筋肉がわずかに先に働いて構えを作る、という考え方もあります。手を伸ばす前に、体が勝手に帯を締め直しているというわけです。
ただし、ここで一つ、はっきり書いておきます。腹横筋さえ鍛えれば腰痛にならない、とは私たちは言いません。研究の世界でも、奥の筋肉の働きと腰の痛みの関係は長く議論が続いていて、そこまで単純ではないようです。体は、分かりやすい部品を組み合わせた機械ではない。ただ、表の腹筋だけを鍛えて「体幹は大丈夫」と思い込むのは、缶の壁のうち一枚だけを厚くして、ふたと底を放っておくようなものです。そのことだけは、毎日マットの上で人の体の動きを見ていると、確かに言える気がします。
上体起こしを何十回やっても、お腹がぽこっと出る理由
冒頭の場面に戻りましょう。上体起こしの途中で、おへその下がぽこっと山になる。あれは何が起きているのでしょう。
縮む筋肉は、中身の逃げ場を作る
腹直筋が縮むと、みぞおちと恥骨が近づいて、胴が縦に短くなります。胴が短くなれば、缶の容積は小さくなる。中身(内臓)はどこかへ逃げ場を探します。
このとき帯(腹横筋)がほどよく締まっていれば、お腹は平らなまま、あるいは少し内側へ入ったまま丸まります。帯がゆるんでいると、いちばん弱いところ、つまり前の真ん中、特におへその下へ中身が押し出される。これがぽこっとした山です。
息を止めて、いきんでいる
回数を数えながら起き上がるとき、多くの人が息を止めます。息を止めて力むと、缶の中の圧は一気に上がります。上のふた(横隔膜)は閉じたまま押し下げられ、圧の逃げ場は前と下になる。前ではお腹が膨らみ、下では骨盤の底が押し下げられます。
腹筋を鍛えているつもりで、実はお腹を内側から外へ押し出す練習を毎晩くり返している。少し皮肉な話ですが、珍しいことではありません。
回数を数えると、速くなる
「今日は五十回」と決めると、どうしても速くなります。速くなると反動が使えるようになり、首と、太ももの付け根の奥の筋肉で上半身を振り上げるようになる。帯の出番はますます減ります。
真ん中が細長く盛り上がるなら
上体起こしや、仰向けから起き上がる動きのときに、お腹の真ん中が縦に細長く、尾根のように盛り上がる人がいます。左右の腹直筋のあいだが広がっていると、こういう形が出やすいと言われます。妊娠中から産後にかけて起きやすい「腹直筋離開」と呼ばれる状態です。
当てはまりそうな人、特に産後の人は、自己流で腹筋運動を増やす前に、産婦人科や整形外科などの医療機関で相談してください。どんな運動をいつから、どの強さで始めてよいかは、一人ひとり違います。ピラティスで治る、とは書きません。相談したうえで、許された範囲で体を動かしたい、というときに、ようやくマットの出番です。
上体起こしを悪者にしたいわけではない
誤解のないように書くと、上体起こしは腹直筋の練習としては筋の通った運動です。悪いのは運動ではなく、「これで体幹の全部をやっている」と思い込むことです。表の筋肉の練習と、内側の帯の練習は、仕事が違う。仕事が違えば、練習も違う。それだけのことです。

「へこませる」「固める」「軽く引き込んで保つ」は別物
お腹の奥を使おうとして、多くの人が最初につまずくのが、この三つの混同です。どれも外から見ると「お腹に力を入れている」に見えますが、中で起きていることはまるで違います。
へこませる
写真を撮られる直前、ジーンズのボタンを留める瞬間。お腹を思い切り吸い込んで、薄くする。これが「へこませる」です。
見た目はいちばん細くなります。でもやってみると分かるとおり、息が止まり、肋骨が持ち上がり、肩に力が入る。十秒もすれば苦しくなって、ふうっと戻ってしまう。帯を使っているというより、上のふた(横隔膜)ごと持ち上げて、缶を縦に引き伸ばしている状態に近い。続かない形は、日常の腰の役には立ちにくいものです。
固める
誰かにお腹を殴られる、と分かった瞬間を想像してください。お腹の前も横も後ろも、全周がかちんと硬くなります。重い段ボールを床から持ち上げる一瞬も、似たことが起きています。これが「固める」です。
固めることは悪くありません。短い時間に大きな力を受け止める場面では、むしろ体が自然にやる大事な反応です。ミットを打ち込む瞬間や、重い荷物を持ち上げる瞬間には、お腹は固まっていてほしい。
ただ、これを一日じゅう続けようとすると話が変わります。呼吸は浅く、動きはぎこちなくなり、腰まわりは鎧を着たように動けなくなる。鎧は戦のときに着るもので、台所に立つときに着るものではありません。
軽く引き込んで保つ
三つめが、ピラティスで最初に覚えたい状態です。
下腹(おへそと恥骨のあいだ)を、ベルトの穴一つぶんだけ、内側へ寄せる。力の目安は、全力の二割か三割。お腹の表面は硬くならず、奥のほうが「ふわっと張る」くらいです。そして、その状態のまま、息が吸えて吐ける。
いちばん簡単な確かめ方は、声を出すことです。お腹を軽く引き込んだまま「おはようございます」と言ってみる。普通に言えたら合格です。声がつぶれる、息が詰まるなら、それは「固める」か「へこませる」に寄りすぎています。
| 息 | 続く時間 | 向いている場面 | |
|---|---|---|---|
| へこませる | 止まりやすい | 数秒〜十数秒 | 写真に写る一瞬くらい |
| 固める | 止まりやすい | 短い | 重い物を持つ・衝撃を受ける瞬間 |
| 軽く引き込んで保つ | 続けられる | 長く続けられる | 歩く・座る・手足を動かす練習 |
ピラティスでよく聞く「おへそを背骨のほうへ」という言葉も、思い切り吸い込むことだと受け取ると「へこませる」になってしまいます。背骨まで届かせる必要はありません。ほんの少し、近づける。その「ほんの少し」を長く保てることのほうが、ずっと難しく、ずっと値打ちがあります。
咳・くしゃみ・笑いで、お腹の奥を見つける
「軽く引き込む」と言われても、腹横筋がどこにあるのか分からなければ、力の入れようがありません。見えない筋肉を見つけるには、体が勝手にそれを使う瞬間を借りるのが早道です。
咳払いで、指先が押し返される
- 仰向けに寝て膝を立てるか、椅子に浅く座ります。
- 骨盤の前にある左右の出っ張り(腰骨のいちばん前の角)を探し、そこから指二本ぶん内側、少し下に、指先をそっとあてます。
- 「こほん」と軽く咳払いをします。
指先が、内側からぐっと押し返されたはずです。そこにいるのが、お腹の奥の層(腹横筋と、その上に重なる内腹斜筋の下のほう)です。咳は缶の圧を一瞬で上げる動作なので、体は自動的に帯を締めて、壁を支えにいきます。
くしゃみは、予告なしの答え合わせ
くしゃみは練習できませんが、出たときに気づくことはできます。くしゃみの瞬間、お腹の奥と骨盤の底が、自分の意思より先にきゅっと動く。体はもう、帯の締め方を知っているのです。知らないのは、それを意識して小さく使う方法だけです。
笑うと、ひくひく動く
声を出して笑うと、お腹の奥が細かくひくひくと動きます。テレビのお笑い番組を見ながら、さっきの場所に指をあててみてください。笑いが起きるたびに、指先の下で何かが跳ねるはずです。家族に変な顔をされるかもしれませんが、これほど楽しい体幹の勉強はなかなかありません。
咳なしで、一割だけ
場所が分かったら、次は咳をせずに同じ場所を張らせます。咳のときの一割くらい。指先の下が、ふわっと持ち上がるか、少し硬くなる程度で十分です。
このとき、次のことが起きていないか確かめます。
- お尻をぎゅっと締めていないか
- 息を止めていないか
- 肩が耳に近づいていないか
- おへその上のほう(みぞおち側)ばかりへこんでいないか
- 指先が「ぼこっ」と外へ押し出されていないか(押し出されるなら、いきんでいます)
骨盤の底も、少しだけ
缶の底、骨盤底筋も同じ要領で探せます。椅子に座って、左右の坐骨(お尻の下の硬い骨)のあいだを、ほんの少し内側へ、上へ引き上げる。よく「おしっこを途中で止めるような感覚」と例えられます。ただし、実際にトイレで排尿を止める練習はしないでください。感覚を思い出すための例えにとどめます。
下腹の帯と骨盤の底は、片方を軽く引き込むと、もう片方もつられて動きやすい、と言われます。両方を全力で締める必要はありません。底がほんの少し上がり、壁がほんの少し内へ寄る。それで缶の形が整います。
咳やくしゃみ、笑ったときの尿もれが気になる人は、運動で何とかしようとする前に、婦人科や泌尿器科で相談してください。恥ずかしがるような話ではなく、医療機関ではよくある相談の一つです。
コルセットを着たまま、手足を動かす
お腹の奥を見つけたら、いよいよピラティスの出番です。ここでの約束は一つだけ。
手足は動く。でも、お腹の地図は変わらない。
腰と床のあいだの感じ、下腹の軽い張り、骨盤の向き。この三つが、手足を動かしているあいだも、動かす前と同じままであること。それができたら、内側のコルセットを「着たまま動けている」ということです。腰の下のすき間は、つぶさず反らさず、寝たときの自然なままで構いません。
どれも仰向けで、マットか、硬すぎない床の上で行います。息は止めず、吐きながら動かすと帯を保ちやすい人が多いようです。
準備: 三呼吸だけ、帯を締める
仰向けで膝を立て、足は腰幅。さきほどの場所、腰骨の内側に指先をあてます。息を吐きながら、下腹を一割だけ引き込む。そのまま三回、普通に呼吸をします。指先の下の張りが、吸うときも吐くときも消えなければ準備完了です。
ヒールスライド: かかとを滑らせる
片方のかかとを床に滑らせて、ゆっくり脚を伸ばし、また滑らせて戻します。左右交互に五回ずつ。
地味ですが、最初の関門です。脚が伸びていくとき、骨盤が伸びた脚のほうへ転がったり、腰が床から浮いたりしやすい。指先の下の張りが抜けたら、そこが今日の限界の位置です。
トゥタップ: つま先で床をトンと叩く
両脚を持ち上げ、膝と股関節をそれぞれ直角に曲げます(テーブルトップと呼ばれる形)。そこから片脚だけ、膝の角度を保ったまま下ろし、つま先で床をトンと軽く叩いて、戻します。左右交互に、まずは六回ずつ。
脚が下りていくと、脚の重さで骨盤が前に引っぱられ、腰が反ろうとします。反りそうになったら、床まで下ろさなくて構いません。途中で止めて戻る。下ろす幅が浅くても、お腹の地図が変わらない一回のほうが、床まで届いて腰が反った十回より、ずっと練習になります。
デッドバグ: ひっくり返った虫
名前のとおり、仰向けにひっくり返った虫の格好をする練習です。
- 脚はテーブルトップ、両腕は肩の真上へまっすぐ伸ばし、指先を天井へ向けます。
- 息を吐きながら、右腕を頭の上のほうへ、左脚を斜め前へ、同時にゆっくり遠くへ伸ばします。
- 吸いながら戻し、反対側も同じように。左右で一回として、四〜六回。
対角の腕と脚が離れていくと、胴は「ねじれ」と「反り」の両方から引っぱられます。それをお腹の奥で静かに受け止めるのが、この練習の中身です。
よくある崩れ方は、腰が床から浮いて反る、首と肩に力が入ってあごが上がる、急いで動いて反動で戻る、の三つです。難しければ、腕だけを動かす、脚だけを動かす、と分けてから組み合わせます。ゆっくりやるほど、地味なのに額にじわっと汗がにじんでくるはずです。それはさぼっていない証拠です。
シングルレッグストレッチ: 脚を入れ替える
ピラティスの古典的な動きの一つです。
- 仰向けで、頭と肩を床から少し持ち上げます。首がつらい人は、頭を床に置いたままで構いません。
- 右膝を胸に引き寄せ、右手を右の足首、左手を右の膝に添えます。左脚は斜め前へ伸ばします。
- 息に合わせて脚を入れ替え、左膝を引き寄せて、右脚を伸ばします。左右で一回として、五〜八回。
伸ばす脚を低くするほど難しく、高くするほど楽になります。腰が反る高さまで下げる必要はありません。速く入れ替えると見栄えはしますが、速さは反動を連れてきます。最初は、一回ずつ止まれるくらいの速さで。
回数より、崩れない一回
どの練習も、回数の目安は「崩れないうちにやめる」ための数字です。五回の予定でも、三回目でお腹の地図が変わったら、そこで終わりにします。上体起こしの夜とは逆の考え方です。数えるのは回数ではなく、「崩れずにできた回数」です。
自分の癖は、自分ではいちばん見えにくい
ここまで読んで、家で試してみた人もいると思います。そしてたぶん、こう感じたはずです。「できているのか、いないのか、よく分からない」。
それはとても正しい感想です。へこませる癖、固める癖、いきむ癖は、本人にとっては「ふつう」なので、自分では気づきにくい。指先の感覚だけで判断するのは、慣れるまでは難しいものです。
スタジオでピラティスを習う意味の一つは、そこにあります。周りの人と同じ動きをしているのに、自分だけ腰が浮いていることに気づく。「いま、息が止まっていますよ」と声をかけられて、初めて止まっていたことを知る。そういう小さな発見の積み重ねが、内側の帯を育てていきます。
一人で集中して自分の癖を見てもらいたい人には、ヨガ・ピラティスのパーソナルもあります(女性専用・60分1回9,082円〈税込9,990円〉、延長30分4,541円〈税込4,995円〉)。
それから、ここまでの話はピラティスの時間の中だけのものではありません。溶岩ホットヨガのクラスで片脚立ちのポーズに入るとき、腕を前へ伸ばしてバランスを取るとき。35〜40℃、湿度60〜70%の部屋で汗がマットに落ちていくあいだも、お腹の奥の帯がほどよく締まっているかどうかで、ぐらつき方は変わります。内側のコルセットは、一度身につけると、どの部屋にもついてきてくれます。駅の階段を上るときにも、電車でつり革につかまるときにも。
始める前の決まりも書いておきます。医師から運動を止められている方は、ご利用いただけません。持病や怪我のある方は、事前に医師に相談してからお越しください。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガのみのご案内になります。産後の方は、運動を再開する時期や内容も含めて、まず医療機関で相談してください。
まとめ
- 「割れた腹筋」をつくる腹直筋は、胴を前に丸める筋肉。お腹をぐるりと巻いて内側から支えるのは、いちばん奥の腹横筋。
- 内側のコルセットは、横隔膜(ふた)・骨盤底筋(底)・腹横筋(壁)・背骨の脇の深い筋肉(柱)の四つでできている、と考えられている。ただし、ここだけ鍛えれば腰痛にならない、と言えるほど単純ではない。
- 上体起こしでお腹がぽこっと出るのは、胴が縮んで中身の逃げ場ができるうえに、息を止めていきんでいるから。真ん中が尾根のように盛り上がる人、特に産後の人は医療機関で相談を。
- 「へこませる」「固める」「軽く引き込んで保つ」は別物。日常と練習で欲しいのは、声が出せるくらいの「軽く引き込んで保つ」。
- 咳払い・くしゃみ・笑いのとき、腰骨の内側に指をあてると、お腹の奥の筋肉が見つかる。
- ヒールスライド、トゥタップ、デッドバグ、シングルレッグストレッチで、帯を保ったまま手足を動かす。数えるのは「崩れずにできた回数」。
- 腰の痛みやしびれがある人は、練習より先に医療機関へ。
表札は、磨けば光ります。それはそれで悪くない。でも、柱のしっかりした家は、表札がなくても倒れません。今夜は上体起こしを三十回数える代わりに、腰骨の内側に指をあてて、一回だけ咳払いをしてみてください。指先を押し返してくるその帯が、あなたの腰をいちばん近くで守っている筋肉です。
体験のご案内
オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあります。営業は毎日8:00〜23:30、年中無休です。
いまは期間限定で、ヨガ・ピラティスの体験を1,980円(税込・税抜1,800円)で受けられます。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれます。体験は事前決済です。体験当日にご入会いただくと、入会金と登録料(合わせて20,000円・税込22,000円)はかかりません。
ご予約は、24時間受付のWeb予約(https://site.locaop.jp/C0aVK?_src=hp )か、公式LINE(https://lin.ee/OJQ10cN )から。レッスン中は電話に出られないことが多いので、ご質問もLINEがいちばん確実です。
咳ひとつで動くお腹の奥を、立川駅の目の前で探しに来てください。
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初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。






