じゃがいもを減量中に避けるべきか。米やパスタと比べた満腹感、揚げ方による違い、食事を管理した減量試験と長期の観察研究を照らし合わせる。同じエネルギーで比べたのか、自由に食べたのかで変わる結果から、主食と付け合わせの位置づけ、食卓で試せる選び方を考える。
じゃがいもは、売り場では野菜、献立では付け合わせ、ダイエットの話になると急に主食の顔になる。買い物かごに入れる段階では、まだ蒸すか揚げるかさえ決まっていない。それでも「太る食べ物」という判定だけが先回りしがちだ。
同じ炭水化物45gを含む主食を用意した試験では、米は142g、じゃがいもは337gになった。[1] 食品名だけでなく、比較の条件によって皿の姿はこれほど変わる。減量を調べる給食試験と、普段の摂取を追う観察研究でも、答える問いが違う。[4][9] 試験の皿に何が載り、どのくらいの期間、何を測ったかを確かめたい。
ここで扱うのは、じゃがいもの調理法と食事の組み合わせである。米を主食にする食事は「白いご飯とダイエット、減らす量より先に考えたい置き換えと体重増加の関係」の記事に、食器の大きさは「皿の大きさとダイエット」の記事に譲る。じゃがいもを食卓から追い出す前に、満腹になったという感覚、実際に食べた量、その後の体重という異なる結果を順に見ていこう。
じゃがいもの名前より、皿の中身を見る
じゃがいもの加工と健康を整理したレビューは、加工品が脂質やナトリウムの多い食品として扱われる一方、じゃがいもにはビタミンC、カリウム、マグネシウム、食物繊維なども含まれると整理している。[14] 炭水化物だけで食品の全体像を描くと、こうした特徴が見えなくなる。

写真: Kritzolina / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
このレビューが扱うのは、家庭や工業的な加工が栄養上の特徴にどう関わるかという広い論点だ。[14] 栄養素の特徴は食品を理解する入口であり、減量については実際の食事を比較した試験へ進む必要がある。
たとえば、肉料理に添えた蒸しいもと、揚げたポテトにソースを添えた皿を想像する。どちらも献立表には「ポテト」と書ける。しかし食事を比べるなら、調理法、付け合わせ、食べた量まで言葉にしたい。加工によって食品の特徴が変わるというレビューの視点を、家庭の献立に移した見方である。[14]
さらに、比較相手も大切だ。米と比べるのか、パスタと比べるのか、豆を中心とする食事と比べるのか。同じじゃがいもでも、研究が尋ねていることは変わる。[1][3][4] 「じゃがいもを食べた」という情報だけで研究を並べると、違う質問への答えを採点してしまう。
研究でいうエネルギー密度は、食べ物の重さに対してエネルギーがどのくらい含まれるかという見方である。じゃがいもを含む混合食の試験では、低いエネルギー密度と強い満腹感が整合する結果が報告されている。[1] ここでは成分の評判より、同じ条件で皿に載る量がどう変わったかに注目したい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
同じ糖質量なら、皿に載る重さが違った
Zhangらの試験では、参加者14人が米、パスタ、じゃがいもを使う食事を別の日に無作為な順序で食べた。主食に含まれる炭水化物を45gにそろえ、各食に肉のソース200gと野菜200gを組み合わせている。[1] 食品を単独で食べるだけの比較より、普段の食卓を思い浮かべやすい設計だ。
炭水化物45gを含む調理後の重さは、米142g、パスタ138gに対して、じゃがいも337gだった。[1] 栄養上のある条件をそろえると、目の前に出てくる量は同じにならない。いもの皿だけが大きく見えても、炭水化物を余計に与えた比較とは限らないのである。
食後3時間の評価で、じゃがいもの食事では米やパスタより空腹感が弱く、満腹感や満足感が強かった。[1] 空腹感を時間全体でまとめた指標の平均は、じゃがいも263、米374、パスタ444mm・分だった。この値は気持ちの評価を時間に沿って積み重ねたもので、食べたエネルギーや減った体重を表す数字ではない。[1]
この試験から考えられるのは、主食の位置にじゃがいもを置く選択肢である。ご飯もおかずもそのままで、満腹感を期待していもを追加する食事とは条件が異なる。研究の比較を家庭に近づけるなら、何を足すかより、献立のどの部分を置き換えてみるかを考える方が筋が通る。[1]
使われた主食はジャスミン米、ペンネパスタ、アグリア種のじゃがいもだった。[1] 食後の感覚は、線上の位置で程度を答える視覚的な尺度を使い、食前から測定している。食品の種類とおかずを決め、食べる前の状態も含めて追った比較である。[1]
決まった品種とおかずを用いた小規模な食後の比較からは、主食の席を替えたときの満足の違いが見えてくる。[1] 毎日の食事に取り入れる際には、主食とおかずの組み合わせをひとまとまりとして考えたい。
満腹感が強くても、次の食事量は同じことがある
Geliebterらは、標準体重の成人12人を対象に、いもなどの付け合わせと白パンを無作為な順で比較した。食後の空腹感や満腹感を時間全体でまとめた値には有意差がなく、じゃがいもの食事後はパスタより食べたい気持ちが弱かったが、その後の昼食の総エネルギー摂取量には差がなかった。[2]
これは、食欲を表す言葉がすべて同じ方向に動くとは限らない例だ。「食べたい」と「お腹がいっぱい」は似ていても、質問としては異なる。さらに、本人の感覚と、自由に食べたときの実際の量も分けて測定されている。[2] 満腹感という見出しだけを読んで減量を期待すると、その間の段階を飛び越えてしまう。
調理法を比べたDiaz-Toledoらの試験も興味深い。肥満のない健康な男女33人が、揚げたフライドポテト、ベイクドポテト、マッシュポテト、くし形のポテト、パスタを含む、同じエネルギー量の食事を比較した。参加者が別の日に各条件を経験する無作為化クロスオーバー試験である。[3]
揚げたフライドポテトの食事では、パスタより満腹感が強かった。一方、他のじゃがいも料理とパスタでは全体として差がなく、その後の自由な食事で摂取したエネルギー量は、どの条件でも同程度だった。[3] 揚げ物なら必ず満腹感で不利だという単純な序列にはならない。
だが、この比較では最初の食事のエネルギー量がそろっている。[3] 好きな大きさのフライドポテトを買い、好きなだけ食べた場合まで同じ結果になると読むことはできない。調理法を比べた研究でも、量を固定したかどうかで、暮らしへの当てはめ方は変わる。
この点は食後の自分を振り返る際にも役立つ。食べ終わった満足感、後で間食が欲しくなったか、次の食事をどう食べたかを、ひとまとめに「腹持ち」で片づけない。感覚は自分に合う献立を探す材料になるが、実際の食事量の変化は、感覚とは別に把握したい。試験でも両者が一致しなかったことを覚えておきたい。[2][3]
Amrらの試験では、健康な成人26人が、肉団子または植物性の代替食品に、焼いたフライドポテト、インスタントのマッシュポテト、米のいずれかを組み合わせた。たんぱく質源側のエネルギー量はそろえ、主食側は自由に食べられる設計だった。[8] 先ほどの、最初から食事のエネルギーをそろえる比較とは違う。
じゃがいもを使う条件では、米の条件より、その食事のエネルギー摂取量が23〜25%少なく、その後に出された食事まで合わせた総エネルギー摂取量も13〜16%少なかった。[8] こちらは感覚の回答だけにとどまらず、実際の摂取量に差が出た結果である。ただし、参加者は18〜45歳、体格指数18.5〜29.9の健康な成人で、観察したのは試験中の食事だ。[8]
血糖についても食品名だけで順位をつけにくい。食後の血糖は、マッシュポテトと米では焼いたフライドポテトより低く、その後の食事後には、米の条件で他のじゃがいもの条件より高かった。[8] いつの値かによって比較の姿が変わる。測った時点と組み合わせを添えて、血糖の結果を読む必要がある。
数字で読むじゃがいもと食事の比較
14人:米・パスタ・じゃがいもを含む混合食を、同じ参加者が別の日に比較した人数である。[1]
337g:炭水化物45gをそろえた際のじゃがいもの重さ。米は142gだった。推奨量を示す数字ではない。[1]
33人:調理法の異なるじゃがいも料理とパスタの、同じエネルギー量の食事を比べた人数である。[3]
8週間:低エネルギー密度のじゃがいも食と豆食を比較した給食試験の期間である。[4]
−5.6%と−4.1%:同試験のじゃがいも食と豆食の体重変化。両群間に有意差はなかった。[4]
30日:フライドポテトとアーモンドを比べ、体脂肪量の変化に群間の有意差がなかった試験の期間である。[19]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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