シニアヨガで下肢筋力は上がるか、椅子から立ち上がる力を論文で確かめる

両腕を前に伸ばし膝を曲げて腰を落とすヨガの椅子のポーズをとる人物 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

椅子を使う方法にも、脚の力を調べた研究がある

身体活動の少ない、地域で暮らす高齢の女性31人を対象にした準実験では、地域単位のくじで椅子ヨガ群16人と通常生活の群15人に分け、週2回、各110分の練習を12週間行った。椅子ヨガ群では下肢筋力、上肢筋力、握力などに有意な改善が見られ、上肢柔軟性などその他の項目には有意差がなかった。椅子を使う方法にも脚の力を育てる結果がある。ただし、椅子ヨガは練習の方法、椅子立ち上がり検査は成果を測る方法であり、両者を分けて考える。[7]

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立ち上がりに差がなかった試験もある

調整したヨガの小規模な無作為比較試験では、椅子から立ち上がる時間に統計的に有意な群間差はなかった。[18] 詳しくは本特集の〈シニアヨガは週に何回・何週間で変わるか 続く量を見つける研究の読み方〉で扱う。

他の運動より優れているかという問いにも、比較する対象を添えて読むと答えが見えやすい。2019年のレビューでは、歩行や椅子での有酸素運動など、別の活動を行う群との比較でも下肢筋力に有意差があった。運動なしとの比較で得た結果に加え、体を動かす対照群との違いを確かめたことが、このレビューの強みである。[1]

さらに、60歳以上48人が参加した16週間の比較試験では、太極拳とアイアンガーヨガという姿勢の練習を行う方法を比べた。両者とも筋力などが改善したが、膝を曲げる力と伸ばす力の向上では太極拳がより有効だった。ヨガは静的、動的なバランスの改善でより有効だった。脚の最大筋力を優先するか、別の機能も一緒に考えるかによって選び方が変わる。[13]

食事を組み合わせた研究の扱いにも注意を向けたい。地域で暮らす116人を無作為に分けた12週間の試験では、ヨガと地中海食という食事法を組み合わせた群の下半身筋力が改善し、効果量は0.81だった。ここで確認されたのは組み合わせたプログラムの結果であり、数値をヨガ単独の効果として使うことはできない。[8]

ヨガを習慣にしている人の立ち上がりを、その時点で比較した研究もある。スリランカで65歳以上のヨガ実践者50人と非実践者50人を調べた横断研究では、平均年齢はそれぞれ67.5歳と67.4歳だった。各群とも男性11人、女性39人で、上肢は手持ちの筋力測定器、下肢は30秒間の椅子立ち上がり検査で評価した。同年代の参加者を、普段ヨガをしているかどうかで比べている。[15]

30秒間の立ち上がり回数は、ヨガ実践者で平均14.2回、非実践者で9.68回だった。上肢と下肢の筋力には、両群の間で統計的に有意な差があった。この数字は、一人の人がヨガを始めた後に増えた回数ではない。もともとの運動習慣なども異なりうる集団を、その時点で測った結果だ。日常的にヨガを行う人の脚の働きが良好だったという関連として、介入試験とは区別して受け取る。[15]

この研究では健康関連の生活の質も質問票で調べ、ヨガ実践者の方が複数の領域で高い値を示した。立ち上がりの検査と生活の質を同時に調べているが、脚の力が良いことが生活の質の差を生んだと検証した設計ではない。下肢筋力の話に使える直接の測定値は、椅子から繰り返し立つ回数である。研究で見られた集団の平均を、自分が到達すべきノルマに置き換える必要はない。[15]

これらの試験の報告では、けがや痛みの悪化の件数は示されていない。痛みを我慢して続けず、不調が出たら動きを止める。

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立ち上がりの検査は、何を確かめているのか

椅子から立つ力に注目すると、研究の違いを動作から読み分けられる。ヨガとピラティスを比較した準実験では、椅子の端に座った状態から30秒間に立って座る動作を繰り返し、その回数を記録していた。評価には2回の30秒間の測定の平均を使った。脚の力を「強くなった」という感想で済ませず、同じ条件の動作に置き換えて追った研究だ。[17]

この試験のヨガには、姿勢の練習、呼吸の練習、瞑想が含まれていた。ピラティスは準備、主要な練習、整理の運動から成り、寝た姿勢、座った姿勢、立った姿勢で、簡単な動きから段階的に進めていた。両群の下肢筋力に改善があり、改善の程度には群間差がなかったという結果は、こうしたプログラム全体を比較したものだ。立ち上がりを反復する検査だけを日課にした試験ではない。[17]

同じ研究では、動的な安定性を段の上り下りで調べていた。高さ20cmの段または椅子を使い、片脚ずつ上がって下りる動きを7回行い、時間を記録する方法だった。下肢筋力は椅子から立つ検査、動的な安定性は段を移動する検査と、測定項目を分けている。日常ではどちらも脚を使うが、研究では別の成績として追っていた。[17]

一方、ヨガと地中海食を組み合わせた試験は、下半身を30秒間の椅子立ち上がり、握力を筋力測定器で評価していた。下半身筋力の効果量は0.81、握力は0.39である。ともに改善が報告されたものの、部位と検査は別で、数字の大きさも同じではなかった。脚の話をするときには、下半身に対応する結果を選ぶことで、研究が実際に示した利点が伝わる。[8]

この併用試験では、介入群57人と何も介入しない対照群59人を比較している。評価には栄養状態、柔軟性、バランス、歩行も含まれた。食事を含む取り組みの中で、立ち上がりに使う下半身の成績が良くなったことが、この記事に関わる成果だ。食事を変えずに同じ成績が得られるかは、この比較の問いには含まれていない。[8]

筋力測定器を使った研究にも、立ち上がりの理解を助ける情報がある。太極拳とアイアンガーヨガの比較では、膝を曲げる筋肉と伸ばす筋肉の最大の力を測り、両プログラムで改善を認めた。そのうえで膝の筋力の伸びでは太極拳が有利だった。立ち上がり回数の測定とは違い、膝に関わる力を取り出して比較した結果である。[13]

この比較試験の参加者は、運動時に心血管の症状が出る人や、血圧の管理が不十分な人、バランスに影響する薬を使う人などを含めない条件で集められていた。対照群は一般的な教育を受けた。ヨガにも筋力の改善があったという利点を受け取るとき、こうした募集条件を一緒に読むと、自分の健康状態と研究の参加者の距離を考えやすい。[13]

32週間のシニア向けハタヨガの研究では、立ち上がりに加えて2分間の足踏み検査や、立って8フィート移動する検査も改善していた。さらに、上へ手を伸ばす検査にも変化があった。脚の特定の筋肉の力だけでなく、体を動かして課題を終える成績にも利点が見られた点が、このプログラムの特徴だ。[5]

その研究は、姿勢を行う際の身体への負荷を生体力学の方法で調べた取り組みを背景としている。生体力学は、体の動きや力を扱う研究の方法である。著者らは、筋肉ごとの下肢筋力と身体機能の変化が、以前に報告した姿勢の負荷に対応すると述べた。脚を使う練習としてのヨガを考える材料は、気分や柔らかさの印象だけでなく、こうした測定にもある。[5]

よくある誤解

「ヨガはストレッチなので、脚の力は変わらない」という見方は、研究の結果と合っていない。メタ分析では下肢筋力の利点が示され、通常のストレッチ・筋力運動との比較試験では椅子から立つ検査が改善した。柔らかさの印象だけで、ヨガの働きを決めてしまうのは惜しい。[1][4]

逆に、「筋力が上がるなら、どの運動よりもヨガが良い」という期待も広げすぎである。通常の運動と同程度の改善を示した試験があり、太極拳との比較では膝の筋力は太極拳がより改善した。ヨガに利点があることと、運動の中でいつも最上位になることは別の問いだ。自分が続けられる方法を選ぶ材料として結果を読むと、判断が実際の生活へ戻る。[4][13]

「椅子から立つ検査が良くなれば、筋肉が増え、転倒も減る」という受け取り方では、測ったものを飛び越えてしまう。今回の筋力研究が示したのは、立ち上がりや筋力の検査結果である。筋肉量や転倒回数の変化を同じ数字から導くことはできない。フレイルを扱ったレビューも、検証済みの定義でフレイル全体を評価した研究は含まれなかったと記している。[4][5][3]

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

今日からできること

  • 運動が許可され、指導のもとで安全に動ける人は、シニア向けハタヨガを週2回、各60分の研究例を参考に練習する。椅子からの立ち上がりやかかと上げが評価された研究であり、脚の動作を目標に置く。これらは検査項目なので、自宅での反復回数の処方には使わない。[5]
  • 体調に合う人は、指導を受けながら姿勢をとり、呼吸の練習と瞑想を含むヨガを週3回、8週間続ける研究例を参考に取り組む。1回の時間は、別のハタヨガ比較試験にある1時間を目安に、体力に合わせて選ぶ。[17][4]
  • 普段の立ち上がりで困る動きを記録する。検査の速さや回数を競うより、練習で目を向けたい動作を言葉にしておく。
  • 持病のある方・服薬中の方は、始める前に主治医に相談する。痛みや不調が出たら動きを止める。ふらつくときは一人で立ち上がりの速さを試さない。

オンザショアで、脚の練習を続ける通い方を考える

脚の運動を暮らしに組み込むなら、まず自分が通う曜日と時間帯を決めたい。オンザショア立川店は毎日8:00〜23:30に営業し、年中無休。JR立川駅北口から歩いて1分の、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。

溶岩プレートを敷いた室内でのホットヨガを扱うスタジオで、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガのレッスンは25種類以上。店舗の案内にあるレッスン紹介を読み、自分が取り組みたい種目を選ぶ準備に使おう。

シニアはまず常温のヨガから検討したい。室内が暖かい溶岩ホットヨガへの参加は、暑さに弱い方や持病のある方なら、先に医師に相談して考える。医師から運動を止められている方は利用できない。

ヨガ体験の税込1,980円には、60分のレッスンとヨガマット、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルが含まれる。料金を自分の予算と照らし合わせ、予定が整ったら体験の予約を読む。研究での練習時間をそのまま店の内容に当てはめず、公式の案内から通い方を考える。

参考文献

  1. The effects of yoga compared to active and inactive controls on physical function and health related quality of life in older adults- systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials — D. Sivaramakrishnan et al., 2019, The International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity. DOI: 10.1186/s12966-019-0789-2
  2. Effects of yoga on physical and psychological health among community-dwelling older adults: A systematic review and meta-analysis. — Ka-Yan Ko et al., 2023, International journal of older people nursing. DOI: 10.1111/opn.12562
  3. Effect of Yoga on Frailty in Older Adults — Julia V. Loewenthal et al., 2023, Annals of Internal Medicine. DOI: 10.7326/m22-2553
  4. Yoga Is as Good as Stretching-Strengthening Exercises in Improving Functional Fitness Outcomes: Results From a Randomized Controlled Trial. — Neha P. Gothe et al., 2016, The journals of gerontology. Series A, Biological sciences and medical sciences. DOI: 10.1093/gerona/glv127
  5. Physical-Performance Outcomes and Biomechanical Correlates from the 32-Week Yoga Empowers Seniors Study — Man‐Ying Wang et al., 2016, Evidence-based Complementary and Alternative Medicine : eCAM. DOI: 10.1155/2016/6921689
  6. Effectiveness of Chair Yoga for Improving the Functional Fitness and Well-being of Female Community-Dwelling Older Adults With Low Physical Activities — Ching-Teng Yao et al., 2019, Topics in Geriatric Rehabilitation. DOI: 10.1097/tgr.0000000000000242
  7. Effects of a Yoga Program Combined with a Mediterranean Diet on Nutritional Status and Functional Capacity in Community-Dwelling Older Adults: A Randomized Controlled Clinical Trial — María del Carmen Carcelén-Fraile et al., 2024, Nutrients. DOI: 10.3390/nu16111601
  8. Comparisons of tai chi and Iyengar yoga intervention effects on muscle strength, balance, and confidence in balance. — Renkun Zhu et al., 2021, The Journal of sports medicine and physical fitness. DOI: 10.23736/s0022-4707.20.11752-3
  9. Comparison of upper limb muscle strength, lower limb muscle strength and quality of life of older adults who practice yoga and do not practice yoga in selected settings in Colombo District — A. M. T. Lakmali et al., 2025, Proceedings of the Annual Research Symposium 2025, University of Colombo, Sri Lanka. DOI: 10.66281/70130/8652
  10. The Effectiveness of Yoga Exercise on Muscle Strength in the Elderly — G. Kumara, 2022, International Journal of Multidisciplinary Research and Analysis. DOI: 10.47191/ijmra/v5-i8-41
  11. Research Paper The Impact of Yoga and Pilates Exercises on Older Adults — Khadijeh Irandoust et al., 2016, . DOI: 10.21859/sija-1101152
  12. Adapted yoga to improve physical function and health-related quality of life in physically-inactive older adults: a randomised controlled pilot trial — G. Tew et al., 2017, BMC Geriatrics. DOI: 10.1186/s12877-017-0520-6

冒頭の写真: 両腕を前に伸ばし、膝を曲げて腰を落とすヨガの椅子のポーズをとる人物(写真: Nikiwiki242 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。持病のある方・服薬中の方は、運動を始める前に主治医にご相談ください。

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