
動作の苦手さも、腹横筋だけでは説明できない
超音波でお腹の筋肉を見ると、そこに答えが集まっているように感じるかもしれない。だが、動作の検査成績と筋肉の働きを調べた研究では、腹横筋と多裂筋の結果は同じではなかった。インナーマッスルという呼び名の中でも、測る筋肉ごとに検査との関係を確かめる必要がある。[1]
慢性腰痛の42人のデータを再分析した研究では、腰を曲げる方向と伸ばす方向に関わる動作検査を行い、腹横筋と腰の多裂筋の活動を超音波で調べた。検査には、前かがみの動き、座位での膝伸ばし、四つばいでの前後への移動、骨盤を後ろへ傾ける動きなどが含まれていた。慢性腰痛の患者を対象とした結果であり、18〜39歳の女性全般に同じ関連があるかは別に検証する必要がある。[1]
成績が悪いことは、多裂筋の活動が少ないことと一貫して関連した。一方、腹横筋では同じような一貫した群間差は見られなかった。動作検査を個別に見るか、方向ごとに分けるか、合計で見るかという評価方法を変えても、多裂筋のほうが検査成績との関連が明瞭だったという結果である。[1]
これは「腰がうまく動かせない原因は多裂筋だ」と決める材料ではない。動作検査と筋肉の反応を合わせて調べた関連の研究であり、片方を変えれば必ずもう片方も改善すると示した介入試験ではない。腹横筋の画像だけを見て動作全体を採点することにも、多裂筋だけを鍛えればよいと結論づけることにも慎重でありたい。[1]
ピラティスの動きを見て「深い筋肉が使えていない」と言われた場合も、その言葉を具体的な観察へ戻すことができる。どの動きで、どこが変わり、どの筋肉の何を指標にしたのか。動作の見た目と画像の数値を一つの言葉で済ませるより、質問を分けたほうが次に確かめることが明確になる。筋肉によって動作検査との関係が違った研究が、その必要性を示している。[1]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
腰痛の有無を画像の厚さだけで決めない
お腹を引き込む研究では、腰痛のある群と健康な群で腹横筋の厚みの変化に有意差はなかった。脚の課題の研究でも、腹横筋と内腹斜筋の厚みの変化に有意な群間差はなかった。痛みのある人なら必ず小さな数値になる、という単純な対応は、これらの研究結果には当てはまらない。[3][4]
一方で、有意差がなかったことを「腰痛と筋肉は一切関係ない」と読むのも違う。慢性腰痛の動作検査では、多裂筋の活動と検査成績に関連が見られた。研究ごとに対象と課題、測った筋肉、比べた項目が違うため、結果をつなぐ際にもその条件を残しておく必要がある。[1][3][4]
画像の明るさや筋膜の厚みを調べた探索的研究では、多裂筋の明るさのばらつきの63%を、複数の要因を組み合わせたモデルが説明した。表層の筋膜では41〜46%、深い腹壁の筋膜では28〜37%であった。この数字は、治療で変えられた割合でも、痛みの原因を特定できた割合でもない。測定値の個人差と複数の項目との統計的な関連である。[2]
関連する項目には、体の組成や動きに加え、身体活動、心理的苦痛、運動への自己効力感、家族からの支援なども含まれた。しかし、家族の支援を増やせば画像が変わる、あるいは心理的苦痛が画像所見の原因だと決める段階ではない。研究者らも、臨床への応用にはさらに検証が必要としている。[2]
この区別は、画像を見て不安になったときにも役立つ。「薄いから弱い、弱いから痛い」と一直線につなぐ代わりに、画像が答えた問いと、痛みについて相談したい問いを分けて持っていく。腰痛の群間差がなかった結果と、動作成績との関連があった結果は、どちらも残して読める。片方を消して分かりやすい物語にする必要はない。[1][3][4]
たとえば、検査時にはお腹を引き込めたのに、帰宅後の家事では腰が気になるという相談なら、収縮時の厚みが変わったという結果だけで話を終えないほうがよい。逆に画像の変化が小さく見えても、生活で困っていることを無視して数値だけを追う理由にはならない。ここで扱った研究は、限られた課題中の反応や関連を調べている。日常の困りごとの評価まで、その一枚に代行させない読み方が必要である。[1][3][4]
受診時の会話でも、検査の説明と本人の困りごとを往復させたい。たとえば「この姿勢では厚みが変わった」という説明を聞いたら、その結果がどの課題の評価に使われるのかを尋ねる。そのうえで、座っているときなのか、動き始めなのかと、自分が気になっている場面を伝える。随意収縮と脚の課題で姿勢の効果が異なった研究を踏まえると、違う場面まで同じ反応だと先回りして決めないことが、説明を正確に受け取る助けになる。[3][4]

よくある誤解
「腰を床へ押しつけるほど、深いお腹の筋肉がよく働く」。少なくとも、仰向けでお腹を引き込む課題の超音波研究では、中間位のほうが腹横筋の厚みの変化が大きかった。力を入れた感覚を記録するときも、画像の変化は別の指標として受け取る。[3]
「中間位で数値が上がったから、この姿勢ならどんな運動も優れている」。脚の課題では、中間位による腹横筋の厚みの増加は健康な群に見られ、腰痛の群では同様の効果が確認されなかった。内腹斜筋にも同じ姿勢の影響は出ていない。筋肉、課題、対象の条件を省いた姿勢の優劣は、この結果からは決められない。[4]
「厚みの変化が小さければ、痛みの原因が分かる」。腹横筋の厚みの変化は、腰痛のある群とない群を有意に分けなかった。慢性腰痛の動作検査では腹横筋と多裂筋の関連も異なっていた。検査の一項目で全身の機能を判定するより、何を調べた結果なのかを狭く正確に受け取るほうがよい。[1][3][4]
これらの誤解に共通するのは、観察した範囲を広げすぎることだ。姿勢の比較は姿勢の比較として、群間の比較は群間の比較として読む。お腹を引き込む課題の平均差を、運動の成功率や腰痛の改善率に読み替えない。数値の大きさより先に、比較しているものをそろえる視点が必要である。[3][4]
今日からできること
- 検査結果には、安静時の厚さか、収縮に伴う厚みの変化かを書き添える。同じ腹横筋でも、指標を区別して受け取る。[2][3]
- 前後の画像を比べる前に、腰が中間位だったか曲げた姿勢だったかを確かめる。姿勢による平均差7.5%は、随意収縮の条件で得られた数字である。[3]
- お腹を引き込んだときの結果と、脚に力を入れたときの結果を別に残す。後者の6.2%の差は健康な群で見られたものである。[4]
- 動作の評価で気になる説明があれば、腹横筋か多裂筋か、どの課題を見た判断かを尋ねる。慢性腰痛42人の研究でも、両筋肉の結果は同じではなかった。[1]
- 痛みが気になるときは、画像の数値とともに、困っている動作を医師に伝える。厚みの変化だけで腰痛の有無が分かれる結果ではなかった。[3][4]
記録を作るなら、数字を転記するだけでなく、当日の指示を短い言葉で残すと比較の目的を保ちやすい。「お腹を引き込む」「脚に力を入れる」「腰は中間位」といった条件があるだけで、異なる課題の数字を同列にしにくくなる。目指すのは大きな数値を集めることではなく、何を比べたかを後からたどれる記録である。研究の結果も、その条件と組にして初めて読める。[3][4]

オンザショア立川店で、画像の点数とは別に予定を組む
画像を比べるときは測定条件をそろえ、運動を続けるときは参加する内容と時間を決める。オンザショア立川店で予定を組むなら、画像の数値を目標にする前に、参加できる種類を確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。検査で受けた説明や医師の指示を踏まえて参加する内容を選び、生活の中で無理なく通える時間帯と組み合わせて考えたい。内容は公式サイト、費用は料金ページで確認できる。
営業時間は8:00〜23:30、年中無休。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。通う時間を決めたら、予約ページで体験の予定を確認できる。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。
参考文献
[1] Investigation of core muscle activation in patients with chronic low back pain based on the 6-item movement control test battery: A secondary data analysis — Polsa K, Kingcha P, Sungnak P, Junsiri P, Vachalathiti R, Wattananon P., 2026, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2026.02.004
[2] The relationship between clinical examination measures and ultrasound measures of fascia thickness surrounding trunk muscles or lumbar multifidus fatty infiltrations: An exploratory study — Larivière C, Preuss R, Gagnon DH, Mecheri H, Driscoll M, Henry SM., 2023, Journal of anatomy. DOI: 10.1111/joa.13807
[3] Effect of 2 lumbar spine postures on transversus abdominis muscle thickness during a voluntary contraction in people with and without low back pain — Pinto RZ, Ferreira PH, Franco MR, Ferreira ML, Ferreira MC, Teixeira-Salmela LF, 2011, Journal of manipulative and physiological therapeutics. DOI: 10.1016/j.jmpt.2011.02.009
[4] The effect of lumbar posture on abdominal muscle thickness during an isometric leg task in people with and without non-specific low back pain — Pinto RZ, Ferreira PH, Franco MR, Ferreira MC, Ferreira ML, Teixeira-Salmela LF, 2011, Manual therapy. DOI: 10.1016/j.math.2011.05.010
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 姿勢改善でキーボードを左右に分けると楽?肩の開きと手首の負担を研究で読む
- 姿勢改善で手首を台に預けて打つと楽?キーボードの支えと接触の負担を読む
- 姿勢改善でマウスは小さいほど楽になる?手の大きさと前腕の働きを研究で読む
- 姿勢改善で縦型マウスは手首が楽になる?前腕のひねりと肩の負担を研究で読む
- 姿勢改善でノートパソコンは外付け入力にする?画面と手の位置を研究から読む
- 姿勢改善で画面に直接触れると肩は疲れる?タッチする高さと腕の負担を読む
- インナーマッスルの足上げは膝を曲げる?てこの長さとお腹の働きを研究で読む
- 姿勢改善でペンは太いほど握りやすい?筆圧と前腕の緊張を分けて研究で読む
- 姿勢改善でリュックの肩ひもは幅広がよい?同じ重さでも違う接触圧を研究で読む
- インナーマッスルの肩は腕の高さで鍛え分ける?筋肉の分担と効いた感覚を読む
- インナーマッスルの呼吸は片腕を上げても同じ?姿勢の支えと横隔膜の分担を読む
- 疲労回復の昼寝は横になれなくてもよい?座る姿勢と目覚めの働きを研究で読む
- 運動後の昼寝は自分で起きると違う?目覚ましで起こす場合との眠気を研究で読む
- 有酸素運動で尿酸値は一時的に上がる?運動強度と採血までの時間を研究で読む
- 疲労回復の温泉で浮かぶ姿勢は楽になる?浮力と筋肉の緊張を分けて研究で読む
- 疲労回復の有酸素運動は上半身だけでもよい?脚を休める軽い運動の研究を読む
- 疲労回復の食事は少量ずつでも同じ?糖質を分ける回数と総量の研究を読む
- 有酸素運動の自転車は左右同じ力でこぐ?表示の偏りと効率を分けて研究で読む
- 有酸素運動のランニングマシンは何秒で慣れる?歩き始めと測る時間を研究で読む
- 有酸素運動の血糖値はセンサーだと遅れる?採血とのずれと数字の読み方を研究で読む
- 有酸素運動の歩行は狭い通路だと違う?歩数に映らない左右の揺れを研究で読む
- 有酸素運動の自転車は靴底が硬いほどよい?踏む力と酸素消費を分けて研究で読む
- 有酸素運動であくびが出るのは眠いから?体温と覚醒の仮説を分けて研究で読む
- 呼吸法で長く吐くと声がかすれる?息の流量と声帯の乾きを分けて研究で読む
- 呼吸法は吐くときも筋肉で押し出す?肺が戻る力と静かな息の仕事を研究で読む
- 呼吸法でお腹を凹ませると息の量も分かる?下腹の実感と測定の違いを読む
- 呼吸法で息の湿り気は測れる?吐く水分の量と体の脱水を分けて研究で読む
- HIIT後の筋肉の疲れは電気刺激で分かる?脳の指令と脚の反応を分けて読む
- HIITの心拍数は手首の脈で分かる?数える秒数と測り始める遅れを研究で読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2






