
運動が楽に感じることと、体温は別の結果である
カフェインの研究では「運動に役立つ」という言葉がよく登場する。しかし、何を役立ったと判定したのかで意味は変わる。健康で日常的に運動する男性8人を調べた二重盲検クロスオーバー試験では、6mg/kgを運動60分前に摂取した。環境は30°C、相対湿度50%で、一定負荷の自転車運動を60分行い、その後30分間の仕事量を比べている。男性の持久運動で得られた成績であり、18〜39歳の女性のレッスンでも同じ利点が得られるかは別に確かめる必要がある。[6]
後半の仕事量は、カフェイン条件363.8kJ、対照353.0kJで、統計的に有意な改善があった。ただし効果量は0.22であり、結果の大きさも一緒に読む必要がある。深部体温と皮膚温には条件間の有意差がなく、最初の一定負荷の運動中には、主観的なきつさが軽くなった。[6]
この試験があるため、暑い場所ではカフェインの利点が必ず消える、と断定することもできない。一方で、運動成績が改善したという結果を、そのまま汗の増加や体温の低下に翻訳することもできない。測定された仕事量、きつさ、体温は、それぞれ別の答えである。[6]
若い女性10人と男性13人が参加した、42°C、相対湿度20%での歩行試験は、さらにその区別を示す。カフェイン6mg/kgと対照を無作為化クロスオーバーで比較したところ、男女とも心拍数と血中乳酸は高くなったが、直腸温、皮膚温、限界まで歩けた時間には影響がなかった。[7]
男性では主観的な運動のきつさと疲労感が軽くなったが、女性では同じ変化は認められなかった。男性の「少し楽だった」を、女性にも、運動時間の延長にも、体温の低下にもそのまま広げられない。感じ方だけが変わる場合もあるという点が、この試験の読みどころだ。[7]
既存記事「汗をかくと疲れるのは注意力も関係する?暑さの体感と頭の働きを分けて読む」には、暑さと注意の問いを譲る。ここで扱うのは、カフェイン摂取という条件を加えたとき、汗、深部体温、運動のきつさが同じ方向に変わるかという問いである。きつさが軽くなっても、体温まで低くなったとは限らない。[6][7]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
水分補給の話を、カフェインだけの話にしない
「コーヒーは水分を奪うから、運動前は一律に避けるべきだ」という考え方にも、測った結果を当てたい。カフェインと体液の関係を検討したレビューでは、適度なカフェイン入り飲料と通常の食事をとる条件で、運動する人に有害な水分・電解質の不均衡が起きるという考えは支持されなかった。対象はレクリエーションで運動する人や競技者の研究であり、18〜39歳の女性だけに絞った結論としては扱えない。電解質とは、ここではナトリウムなど体液に含まれる成分を指す。[15]
具体的な運動条件に目を移すと、暑さに順応した持久系自転車競技者7人が、36°C、湿度29%で120分間こいだ比較試験では、6mg/kgのカフェインで尿の流量が28%、汗へのナトリウム、塩化物、カリウムの損失が約14%増えた。一方、発汗速度や熱産生、前腕皮膚血流は変わらなかった。暑さに慣れた競技者の長時間運動なので、18〜39歳の女性の一般的なヨガへ、変化の大きさをそのまま移すことはできない。[12]
同じ試験では、これらの変化は、その運動条件で脱水や血中電解質濃度に影響するほどではなかった。尿や汗の成分に変化があったことと、全身の水分状態が悪化したことを分けている。「尿が増えた」だけを切り取って、必ず脱水になると結論することはできない。[12]
また、水分を補わない条件での最終直腸温は39.4°Cだったのに対し、水を補った条件では38.7°Cだった。これはその試験の結果であり、目標にする体温ではない。読むべき点は、カフェインの有無を議論するだけでは、水分補給の条件を置き去りにしてしまうということである。[12]
競技者の運動中の水分と栄養を扱ったレビューも、必要量を競技や環境、汗の損失に合わせる考え方を示し、発汗速度を超える飲水も勧めていない。汗を出すためにカフェインを足す、心配だから水を際限なく飲む、という両端に振れるより、運動の環境と補給を一緒に考えたい。競技を想定した助言のため、18〜39歳の女性の補給も、実際の運動内容と環境に応じて考える必要がある。[13]
ここで挙げた長時間の自転車運動は、仕事帰りのヨガと同じ負荷ではない。競技者の補給条件や摂取量を、そのままレッスン用の処方にする必要はない。研究から持ち帰れるのは、カフェイン、発汗、水分補給の関係を単独の数字で決めず、何をどの環境で行ったかと合わせて評価する姿勢である。[12][13]
水分に関するレビューと、体温を調べる試験は、答えようとしている問いも違う。飲料によって有害な体液の不均衡が生じるかという問いに否定的な結果があっても、暑い環境での深部体温の上昇まで否定されたことにはならない。水分の話で得た安心を、そのまま温度の話へ移すと、習慣群で食道温が高くなった結果を読み落としてしまう。[5][15]
同様に、発汗速度が変わらなかったから、汗の中身も同じだと決めない方がよい。暑さに順応した競技者の試験では、汗の量と電解質の損失が別の動きをした。汗の量、汗に含まれて失われる成分、血液で測った成分の状態を分けたことで、変化があった部分と全身への影響を区別できている。[12]

よくある誤解
「汗が増えれば、体の熱はよりうまく逃げている」は、そのままでは成り立たない。全身発汗速度が増えた試験で、熱産生と熱負担も増加している。汗を出す反応が強くなったことと、結果として体の深部の温度がどう変化したかは、別々に確かめる必要がある。[3]
「普段飲んでいるから、運動中の体温への影響もない」ともいえない。習慣的にカフェインを摂る群で、全身の汗の量は変わらず、食道温の上昇が大きかった比較試験がある。慣れた味であることは、その日の運動中の体温を保証する証明書にはならない。[5]
「カフェインを摂れば、暑くても長く動ける」という一律の期待も修正したい。仕事量が改善した自転車試験がある一方、暑い環境での歩行や別の自転車試験では、運動継続時間の改善がなかった。改善する研究だけを集めると、発汗や体温への影響が見えにくくなる。[3][6][7]
さらに「汗が増えなければ何も起きていない」という見方も不十分だ。発汗量に差がなくても深部の温度の反応が異なった試験があり、尿や汗に含まれる電解質の損失が変わった試験もある。タオルに残る量は、研究で測る反応の一部にすぎない。[5][12]
今日からできること
- レッスン前の一杯を振り返るなら、飲んだ時刻、運動内容、室内外の環境も一緒に記録する。同じ5mg/kgでも、異なる運動条件の試験では発汗の結果が揃っていない。[3][5]
- 汗を増やす目的で、研究の3mg/kgや5mg/kgを飲み物に換算して再現しない。特定の量を使った比較試験の結果を、日常のコーヒーの推奨量と取り違えないためである。[3][9]
- 運動後の評価を、汗だけで終えない。動いた内容と主観的なきつさも別に振り返る。男女を含む歩行試験では、男性のきつさが軽くても、運動継続時間や体温に差はなかった。[7]
- 暑い場所での運動では、カフェインの有無に加えて水分補給の条件を確認する。120分の自転車試験では、水分を補うかどうかで最終直腸温が異なった。競技者の量をそのまま自分用にせず、運動と環境に合わせて考える。[12][13]
- いつもの摂取習慣を、安全の判定に使わない。習慣群14人で体温上昇が大きかった試験がある。個別の健康状態や摂取の可否に不安がある場合は、医師に相談する。[5]

オンザショア立川店で、汗の量以外にも目を向ける
続ける場所を選ぶときは、汗をどれだけ出せるかだけでなく、通う時間と参加する種目を具体的に見ておきたい。オンザショア立川店は、営業時間8:00〜23:30、年中無休の溶岩ホットヨガスタジオである。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。女性専用のキックボクササイズのほか、ボクササイズ、HIITも扱っている。ホットヨガだけに予定を固定せず、常温で行う種目も含めて選択肢を確認できる。運動を続ける予定を考える際は、店舗サイトと料金を確認し、生活の中に置く時間を考えるところから始められる。
参加条件も先に確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約から申し込める。種目、時間、参加条件を確認し、通う予定を組むための場所として検討したい。
参考文献
[3] Caffeine ingestion compromises thermoregulation and does not improve cycling time to exhaustion in the heat amongst males — John K, Kathuria S, Peel J, Page J, Aitkenhead R, Felstead A, Heffernan SM, Jeffries O, Tallent J, Waldron M., 2024, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-024-05460-z
[5] Caffeine alters thermoregulatory responses to exercise in the heat only in caffeine-habituated individuals: a double-blind placebo-controlled trial — Hunt LA, Hospers L, Smallcombe JW, Mavros Y, Jay O., 2021, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00172.2021
[6] Effect of a moderate caffeine dose on endurance cycle performance and thermoregulation during prolonged exercise in the heat — Beaumont RE, James LJ., 2017, Journal of science and medicine in sport. DOI: 10.1016/j.jsams.2017.03.017
[7] Effects of caffeine on endurance capacity and psychological state in young females and males exercising in the heat — Suvi S, Timpmann S, Tamm M, Aedma M, Kreegipuu K, Ööpik V., 2017, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2016-0206
[9] Caffeine increases sweating sensitivity via changes in sudomotor activity during physical loading — Kim TW, Shin YO, Lee JB, Min YK, Yang HM., 2011, Journal of medicinal food. DOI: 10.1089/jmf.2010.1534
[12] Caffeine during exercise in the heat: thermoregulation and fluid-electrolyte balance — Del Coso J, Estevez E, Mora-Rodriguez R., 2009, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0b013e318184f45e
[13] Fluid and fuel intake during exercise — Coyle EF., 2004, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/0264041031000140545
[15] Caffeine, body fluid-electrolyte balance, and exercise performance — Armstrong LE., 2002, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.12.2.189
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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