
靴と足裏の条件まで変えると、別の比較になる
足首という言葉で、足全体の動きを代表させすぎないことも大切だ。普段靴を履いている健康な16人を対象とした研究では、柔軟性のある靴を履く条件と裸足の条件で、前向き・後ろ向きの歩行を比較した。足の部分同士がどう動くかと、足裏のどこに圧がかかるかを調べている。この健康な参加者の結果も、18〜39歳の女性全体にそのまま当てはめられるかは別に検討する必要がある。[4]
裸足の後ろ歩きでは、靴を履いた後ろ歩きより、ひとまとまりの歩きの長さが短く、足を運ぶ頻度が高かった。また、裸足の後ろ歩きでは、前足部と後足部の位置関係や、後足部とすねの位置関係が変わり、足裏の圧が内側へ分布する特徴が見られた。単に「足首を深く曲げる運動」という説明では拾えない変化である。[4]
前足部は足の前の部分、後足部はかかと側の部分だ。研究でそれらを分けて測っているとき、前足部の動きとすねに対する足の動きを、同じ角度として足し合わせない方がよい。どことどこの関係を測った数字なのかによって、結果が意味するものが変わる。[4]
この研究では、後ろ向きで、かかとが離れる局面の親指と前足部の間の背屈が小さくなり、足底腱膜の張力が小さくなる可能性も示された。足底腱膜は足裏にある組織である。足首の背屈が増えたという別の研究と矛盾すると即断する必要はない。親指の付け根と足首では、測っている場所が違うからだ。[1][4]
同じ「背屈」という語が出てきても、関節が違えば中身も違う。ネットで短い説明を読むときには、柔らかくなった部位を確かめるだけでも、誤解を減らせる。足首、足指、足裏をひとつの硬さとして扱うと、研究が丁寧に分けた情報が消えてしまう。[1][4]
研究者は、裸足で足裏から得られる感覚情報と、後ろ歩きのバランスを保つ動きとの関係を考察している。ただし、この小規模な比較をもって、誰でも裸足の方が安全だと決めることはできない。実験で見られた足の動きの特徴と、生活の中で転ばないという成果は別の問いだからである。[4]
生活で振り返る際は、今日は室内、昨日は靴で屋外、と条件を変えたまま足首の感覚を比べていないかを考えたい。後ろ向きにした影響を知りたいなら、足元の条件まで一度に変えた比較には注意が要る。これは研究結果から導く観察の工夫であり、裸足への変更を勧める話ではない。[4]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
若い女性の研究でも、調べたのは足首の柔軟性とは別のことだ
自分に近い年代の女性を調べた研究なら、足首への答えも近づくのだろうか。若い女性41人、平均年齢21歳を対象とした研究は、後ろ歩きの動作イメージを扱っている。運動習慣のある群と座りがちな群に分け、前向き・後ろ向きに歩くことをまず想像し、その後に実行する課題を行った。想像した時間と実際に歩いた時間の差を調べる実験である。[15]
運動習慣のある群は、後ろ歩きのイメージ課題では座りがちな群より良い成績だった。一方、前向き歩行のイメージ課題では群間の差がなかった。同じ参加者でも、前向きでは差が見えず、後ろ向きでは見えたのである。普段よく行う動作と、慣れの少ない動作を、頭の中で同じように再現できると考えない方がよい。[15]
ここでいう良い成績は、想像した時間と実行した時間の対応についての結果だ。足首がより深く曲がったという測定でも、柔軟性が高まったという成果でもない。研究の対象が読者に近くても、測定したものが自分の疑問に合うかは別に確認する必要がある。対象だけを見て採用すると、今度は結果の名前を取り違えてしまう。[15]
想像の仕方にも違いがあった。自分の目で動きを見るように想像する方法では時間の対応が悪くなり、動いている身体の感覚を想像する方法では良くなった。動作を「思い浮かべる」とひとことで言っても、視覚と身体の感覚では結果が異なったのである。研究者は、運動経験と複雑な動作のイメージとの関係を示唆している。[15]
ただし、運動習慣のある群の成績が良かったことを、「後ろ歩きを想像すれば足首が柔らかくなる」と読み替えてはいけない。この比較が扱ったのは動作の想像と実行の時間である。普段の運動経験との関係が見られたことから、特定の想像法による足首への効果まで飛び越えると、測定した事実から離れてしまう。[15]
この研究は、後ろ歩きを簡単な前歩きの逆再生と考えないための材料になる。子どもの関節角度の研究では足首の調整に違いがあり、若い女性の研究ではイメージ課題の成績に運動習慣による違いがあった。身体で測った角度と、頭で想像した時間は異なる結果だが、どちらも方向を変えた動作を個別に調べる意味を示している。[2][15]
たとえば、室内で一歩後ろへ下がる場面を思い浮かべることと、その足首がどこまで曲がるかを確かめることは、目的が違う。頭の中で滑らかに歩けるからといって、足元や進む先の確認を省く理由にはしない。動作を想像できた手応えと、実際に動けた手応えを分けておくと、研究で測った時間の違いも理解しやすい。[15]
足首の硬さという問いへ戻ると、ここまでの研究で確かめられるのは、方向による角度やリズムの違い、靴による足の動きの違い、動作イメージと実行の対応である。これらを集めても、健康な女性の背屈の限界が練習後にどれだけ広がるかという答えには届かない。練習効果を判断するには、対象と目的をそろえ、練習前後に同じ指標を測る研究が必要になる。[1][2][4][15]

よくある誤解
「後ろ歩きで背屈が増えたなら、硬さは治った」という理解は、測る時点を取り違えている。成人の比較で示されたのは、後ろ向きに歩く最中の局面ごとの角度の違いである。柔軟性の改善を知りたいなら、その問いに対応した練習前後の結果を読む必要がある。動作の変化だけで改善を宣言しないことだ。[1]
「足首が曲がるほど、足全体の動きも大きい」という理解も単純すぎる。子どもの研究では、足首の背屈の最大値が増える一方で、足首の動く範囲を制限する特徴が見られた。最大の位置と移動した幅は別であり、角度の見た目だけで動きの豊かさを判定できない。[2]
「若い女性の研究なら、足首への効果も分かる」という期待には、測定項目を添えたい。41人の女性の研究は、動作を想像した時間と実行した時間を比べていた。自分に近い対象の研究を見つけたら、次は何を調べたのかを見る。対象の近さと、問いの近さの両方が必要である。[15]
今日からできること
- 読む研究の人数と対象をひと組で確認する。16人ずつの成人の比較は、足首が硬いすべての人を調べた研究ではない。自分に当てはまる部分を探す前に、誰の結果かを押さえる。[1]
- 後ろ歩きを検討するとき、前向きと同じ速度を目標にしない。自分で速さを選んだ成人の比較では、後ろ向きで速度と歩調が低下していた。通勤路で再現せず、足元と進む先を確認できる環境を先に考える。[1]
- 靴の条件を記録する。16人を調べた比較では、裸足と靴ありで後ろ歩きの長さや頻度が異なった。「方向を変えたから」という説明の前に、足元も変えていないか振り返る。[4]
- 2分という実験条件を家庭の処方にしない。子どもの速度比較のための時間であり、成人の足首を柔らかくする推奨時間として読まない。[2]
- 成果の名前を具体的にする。若い女性41人の研究で調べたのは、想像と実行の時間の差だった。足首の動かしやすさ、歩く速さ、動作を思い浮かべる力を、同じ「効いた」の一言に入れない。[15]
痛みや繰り返す不安定さがある場合は、自己流の後ろ歩きで原因を確かめようとせず医師に相談する。動きを変える工夫を探す時間と、症状を評価してもらう時間を分けてよい。玄関で感じた小さな疑問に、いきなり大きな歩幅で答える必要はない。

オンザショア立川店で、予定に入る運動を選ぶ
足首の角度と運動を続ける目的を分けたうえで、通える時間と場所を照らし合わせたい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。運動の時間を生活のどこに置くか考える際の、具体的な条件になる。
店には溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを設けている。種目や時間を見て、続ける予定を組む場所として検討できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。内容は店のトップ、費用は料金、参加の窓口は体験の予約で確認できる。
参考文献
[1] Spatiotemporal gait characteristics and ankle kinematics of backward walking in people with chronic ankle instability — Balasukumaran T, Gottlieb U, Springer S., 2020, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-020-68385-5
[2] The effects of direction and speed on treadmill walking in typically developing children — Henderson G, Ferreira D, Wu J., 2021, Gait & posture. DOI: 10.1016/j.gaitpost.2020.11.028
[4] Foot Motion Character During Forward and Backward Walking With Shoes and Barefoot — Sun D, Fekete G, Baker JS, Gu Y., 2020, Journal of motor behavior. DOI: 10.1080/00222895.2019.1605972
[15] Differences in motor imagery abilities in active and sedentary individuals: new insights from backward-walking imagination — Mandolesi L, Passarello N, Lucidi F., 2024, Psychological research. DOI: 10.1007/s00426-023-01876-y
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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