
サッカーの予防効果を、そのまま全員に広げない
鼠径部とは脚の付け根のあたりである。男性サッカー選手を対象にしたチーム単位のランダム化比較試験では、介入群339人、通常練習の比較群313人に分け、段階を変えられる内転筋強化プログラムを取り入れた。シーズン前は週3回を6〜8週間、シーズン中は週1回を28週間実施している。[1] 男性競技者への介入なので、18〜39歳の一般女性に予防効果をそのまま当てはめることはできない。
シーズン中の鼠径部の問題の平均有症割合は、介入群13.5%、比較群21.3%だった。報告するオッズを示す値は0.59で、95%信頼区間は0.40〜0.86である。[1] これは個々の選手に「足首支持にすれば予防できる」と約束する数字ではない。段階を持つプログラムを、競技練習の中で継続した結果である。
一方、男性が67%を占めるリンクホッケー選手162人をシーズン中に追った前向きコホート研究では、月ごとの実施回数と鼠径部の問題の発生に関連が見られなかった。調整後のオッズ比は1.02、95%信頼区間は0.93〜1.11だった。[20] チームは実施回数を選べる設計であり、ランダムに割り付ける試験とは異なる。男女を含む競技者の観察結果であり、18〜39歳の一般女性の予防効果へそのまま当てはめることはできない。
この違いを、どちらかの研究を消して解決する必要はない。競技、参加者、実施の決まり方、調べる期間の区切りが違う。サッカーの介入試験では問題の報告が減り、別競技の観察研究では回数との関連が確認されなかった、と読むのが適切だ。[1][20] 内転筋へ負荷をかける方法があることと、あらゆる人の痛みを防げることは分けたい。
試験を広く整理したスコーピングレビューでも、内転筋力の改善や一部のけがの減少を示す研究がある一方、単独の運動による予防には限界があるとしている。[12] 競技者の試験を整理した結果であり、18〜39歳の一般女性に同じ予防効果を当てはめることはできない。 このレビューは研究を見渡す地図として役立つが、膝支持から足首支持へ進むための合格点を示すものではない。
なお、この領域のメタ分析には、分析の誤りと方法上の重大な問題を理由に撤回された論文がある。[19] 撤回後の結論を、予防効果を肯定するにも否定するにも採用しない。研究の型が大きな集計であることだけでは、個別の試験を超える保証にはならないのである。
また、リンクホッケーの研究では、前のシーズンに競技を休むほどの鼠径部のけががあった選手で、問題を報告するオッズが高かった。オッズ比は2.17、95%信頼区間は1.08〜4.36だった。[20] これは過去のけがが今回の問題を必ず引き起こしたという因果の証明ではない。それでも、運動回数だけを数えるより、どのような経過のある人かを一緒に見る必要があることを示す。
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筋力と筋肉の厚さは、別の成果として読む
股関節を支える力を考えるなら、筋力と筋肉の厚さを別々に見る必要がある。鼠径部の問題を防ぐ目的で使われる種目でも、筋肉の厚さの変化だけから予防効果は判断できない。活動的な成人45人を無作為に分けた試験では、8週間の運動後に内転筋の厚さと柔軟性が増加し、その後4週間の運動中断を経ると、どちらも開始時の値に戻った。[13] 活動的な成人の結果であり、18〜39歳の女性に同じ変化率が当てはまるかは別に検証する必要がある。
運動群の筋肉の厚さの増加は左脚17.83%、右脚18.38%だった。[13] これは超音波で測った筋肉の厚さの結果である。この数字を太ももの周囲や服のサイズの変化として伝えると、別の指標にすり替わってしまう。膝支持か足首支持かを選ぶ場面でも、脚の形を保証する説明の根拠にはしない。
さらに、男性の若いサッカー選手12人を対象にした別のランダム化比較試験では、8週間後に両群の筋肉の厚さが増えたものの、運動を追加した群は通常練習の群を上回らなかった。[14] 男子の若年競技者の結果であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。 厚さが増えたという結果だけでなく、比較相手より増えたのかまで確認すると、結論の印象が変わる。
成人の試験と若い競技者の試験は対象も普段の活動も異なるため、同じ結果を期待する理由はない。[13][14] まして、男性競技者の筋力研究から、一般の女性の脚の形を予測するのは飛躍である。[16] 選ぶ基準を見た目の保証から外し、支持位置を保って取り組めるか、前回と同じ条件で比べられるかへ戻したい。
成人の試験で運動中断後に測定値が開始時へ戻ったことも、読み方を変える。[13] いったん難しい形ができれば、その後の筋肉の状態も固定されるという話ではない。研究は運動を行う期間と中断した期間を分けて追っており、見た目の完成形を認定してはいない。継続を考えるなら、足首支持へ到達した日を終点にせず、生活が忙しい時期も含めて、実際に取り組めた内容を残す方が使いやすい。
一方で、若いサッカー選手の試験で追加効果が出なかったからといって、筋力の研究まで否定されたわけでもない。[14][16] 厚さと筋力では測定する対象が違い、通常練習を続ける競技者という比較条件もある。「効果があるか」と大きく尋ねる前に、何が変わることを効果と呼んでいるのかを決める。それだけで、研究同士の違いを読み違えにくくなる。

よくある誤解
「膝を載せる形は、効果が出る前の練習だけ」という考えは、筋力推定の結果とは合わない。短い支持でも、短内転筋と長内転筋では高い負荷群に入っている。[3] 難度を下げることと、運動の意味をなくすことは同じではない。長い支持が目標に見えても、短い支持で何を負担しているかを知る方が先である。
「同じ時間耐えれば、膝支持と足首支持は同じ」という理解も慎重にしたい。支持を長くした条件ではトルクが大きく、動く範囲も変わっていた。[5] 時計だけをそろえても、運動の条件はそろわない。練習記録に耐えた感想だけが並んでいるなら、支持位置と台の条件を加えると、比較の意味がはっきりする。
「きついほど予防効果も高い」というつながりも成立しない。主観的なきつさを調べた実験は動作中の評価で、鼠径部の問題を調べた試験とは別である。[1][2] さらに、競技を変えた観察研究では実施回数との関連が見られなかった。[20] 脇腹が震えた感想を、将来のけがが減る証拠に変えないことだ。
今日からできること
- 動画や指導を確認するときは、膝側で支える短い形か、足首側で支える長い形かを先に区別する。長い支持で負荷が増えた研究を、自分の条件を見分ける材料にする。[5]
- 短い支持を候補に残す。筋力推定を行った15人の研究では、短い支持も短内転筋と長内転筋で高い負荷群だった。最初から足首支持だけに絞らず、指導者に相談する。[3]
- 支持位置、高さ、脇腹のきつさを記録する。15人の実験では長い支持や高い条件で筋活動ときつさが変わったため、条件をまとめて変えた日は前回と単純比較しない。[2]
- 研究の週3回、8週間という設定を、自分への必須回数にしない。男性サッカー選手での筋力試験であり、実施率の低い人を除いた解析だったことも含めて、続け方を相談する材料にする。[16]
- 脚の付け根に痛みがある場合は医師に相談する。男性サッカーの介入結果とリンクホッケーの観察結果は一致しておらず、予防の話を自分の痛みの治療手順に置き換えない。[1][20]
支持位置を選ぶときに役立つのは、「どこまで進んだか」だけでなく、「前回と何を変えたか」という問いである。長い支持は負荷を上げる選択肢で、短い支持にも内転筋へ力を求める役割がある。[3][5] 動画の完成形に追い付くことより、比較できる練習を残すことから始めたい。

オンザショア立川店で、通える条件から考える
支持位置で負荷を選ぶように、運動を続ける場所も、取り組みたい内容と通える時間から選びたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオだ。営業時間は8:00〜23:30で、年中無休。朝に時間を取るか、帰宅前に立ち寄るかを考える際の条件になる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけでも25種類以上のレッスンがある。常温で行う選択肢も含め、通える時間帯と取り組みたい内容を照らし合わせたい。種目名だけで予定を決めず、生活の中で続ける場所として、店のトップと料金を確認しておくとよい。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約から申し込める。
参考文献
[1] The Adductor Strengthening Programme prevents groin problems among male football players: a cluster-randomised controlled trial. — Harøy J, Clarsen B, Wiger EG, Øyen MG, Serner A, Thorborg K, Hölmich P, Andersen TE, Bahr R., 2019, British journal of sports medicine. DOI: 10.1136/bjsports-2017-098937
[2] Core Muscle Activation and Perceived Exertion Across Side Plank and Copenhagen Plank Variations. — García-Jaén M, Cortell-Tormo JM, García-Luna MA, Gómez-Carmona CD., 2026, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000005684
[3] Hip Adductor Muscle Forces during Strength Training and Rehabilitation Exercises. — Collings TJ, Horsman A, Hams AH, McGill A, Watts D, Hambly MJ, Barrett RS, Diamond LE, Bourne MN., 2026, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000004002
[5] Biomechanics of Copenhagen Adduction Exercise and Eccentric Hip Adductor Exercises on a Novel Isokinetic Dynamometer With Within-Session Repeatability. — Marušič J, Cvjetičanin O, Supej M, Babič J, Šarabon N., 2026, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.70365
[12] A Scoping Review of Exercises for Preventing Athletic Groin Pain. — Saito H, Hakariya N, Ebato T, Hirose N., 2025, Cureus. DOI: 10.7759/cureus.99883
[13] Effects of Copenhagen Adduction Exercise on Muscle Architecture and Adductor Flexibility. — Alonso-Fernández D, Fernández-Rodríguez R, Taboada-Iglesias Y, Gutiérrez-Sánchez Á., 2022, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph19116563
[14] Effects of Copenhagen Adduction Exercise on the Architectural Characteristics of Adductors in U-17 Male Soccer Players: A Randomized Controlled Trial. — Alonso-Calvete A, Lorenzo-Martínez M, Padrón-Cabo A, Rey E., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph182412956
[16] Including the Copenhagen Adduction Exercise in the FIFA 11+ Provides Missing Eccentric Hip Adduction Strength Effect in Male Soccer Players: A Randomized Controlled Trial. — Harøy J, Thorborg K, Serner A, Bjørkheim A, Rolstad LE, Hölmich P, Bahr R, Andersen TE., 2017, The American journal of sports medicine. DOI: 10.1177/0363546517720194
[19] RETRACTION: The Copenhagen Adduction Exercise Effect on Sport Performance and Injury Prevention: A Systematic Review With Meta-Analysis. — 著者表記なし, 2026, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.70287
[20] The dose-response of the Copenhagen adduction exercise on prevention of groin problems in rink hockey: A prospective cohort study. — Quintana-Cepedal M, López-Pérez E, Del Valle M, Crespo I, Olmedillas H., 2026, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2026.2713905
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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