ホットヨガと常温ヨガの違い、加温実験で考える息づかいと熱の受け方の関係

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

同じ「暑い」でも、温め方と測り方を分ける

健康な男性14人を調べた実験では、温水への浸漬と加温服を使い、食道で測る体温を39°Cまで上げた。二酸化炭素を調節しない条件では、呼気終末二酸化炭素が加温前の39.4±2.0 mmHgから終了時の30.5±6.3 mmHgへ下がった。[16] これは息の回数ではなく、気体の圧を測った変化である。健康な男性の結果が18〜39歳の女性でも同じ大きさになるかは、この比較では判断できない。

二酸化炭素を加えた空気を吸う条件では、その低下が防がれ、終了時の中大脳動脈の血流速度も対照条件より高くなった。ただし、二酸化炭素の低下が説明したのは、加温による血流速度低下の36.6%だった。[16] 著者らは、この実験では低下の多くが二酸化炭素低下とは独立して起きたと結論している。[16]

さらに同じ研究では、二酸化炭素の低下が、深部体温の上昇に対する換気の増え方を抑えるという結果にはならなかった。[16] 二酸化炭素が下がれば、体が自動的に呼吸を調節してすべて元通りにする、という単純な循環図には収まらない。呼吸と血流はつながっていても、ひとつのつまみで全体を操作するようには進まない。

温め方自体を比べた研究もある。体力のある14人、うち女性7人が、温水浴、高温多湿の空気、暑い環境での自転車運動などを経験した。各自が耐えられる熱負担に達した時点で、脳血流は高温多湿の空気への曝露では30%低下したが、温水浴と運動では有意な変化がなかった。[18] 女性を含む点は参考になるが、体力のある男女を合わせた結果を18〜39歳の女性全体へそのまま広げることはできない。

この結果は「運動中なら熱の影響がない」という意味ではない。同じ研究でも、二酸化炭素を保った自転車運動では脳血流が17%増えた一方、運動や熱への耐容性は改善しなかった。[18] 血流の数字を望ましい方向へ動かすことと、その環境に長く耐えられることが、必ずしもそろわなかった点が重要だ。

スタジオの床が温かいのか、空気が暑いのかという感想は、予約を選ぶときには役に立つ。しかし、この温水浴や自転車の結果を、それぞれ常温ヨガやホットヨガの代役にすることはできない。熱を受ける方法まで違えば、比較対象も変わる。[18] 研究の数字は、その数字が生まれた場面と一緒に持って帰りたい。

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脳血流が減った数字から、集中力は決められない

血流が減ると聞くと、すぐに「頭が働かなくなるのか」と心配になる。ここで、血流を調べた結果と、認知課題の成績を調べた結果を分けよう。男性11人の無作為化・単盲検の加温実験では、二酸化炭素を自然に変化させる条件と、加温前の水準に保つ条件を比べた。[15] 男性のみの試験なので、18〜39歳の女性の認知課題でも同じ結果になるかは別に検証する必要がある。

深部と皮膚の両方が熱い場面で、二酸化炭素を調節しない条件では、中大脳動脈の血流速度が基準時から26%低下した。二酸化炭素を保つ条件では18%の低下で、調節しない条件より有意に高かった。[15] このように循環の指標には差が生じている。

一方、反応を検出する課題、作業記憶、課題の切り替え、迷路学習での誤答には、皮膚温度や二酸化炭素の操作による有意な差がなかった。[15] 血流速度の低下が小さくなったから、課題の成績も必ずよくなるとは言えなかったのである。有意な差がないことは、あらゆる認知機能が同じだと証明したことでもない。調べた課題と条件の範囲で読む。

暑熱と認知を扱うレビューでも、急な脳血流の変動だけでは認知の結果を予測しにくく、血液の流れ以外の経路も神経活動に関わると整理されている。[7] レッスン後に気分が晴れたという感想を否定する必要はないが、その感想を「脳血流が増えた証拠」とするのは飛躍だ。

反対に、実験で血流速度が下がったという数字を、そのまま自分の脳が傷ついた証拠として受け取るのも適切ではない。血流速度、課題の誤答、気分という別々のものをひと続きにしない。[7][15] 仕事帰りに「今日は説明が頭に入った」と思ったら、その実感をそのまま残せばよい。実感に架空の血流計を取り付ける必要はない。

この認知のレビューが扱う評価には、脳波で刺激への反応を捉える方法も含まれる。[7] それはレッスン後の爽快感のアンケートや、ポーズの出来栄えとは異なる評価である。研究で「認知」と書かれていても、日常の頭の働きすべてをひとつの点数にしたものではない。何を課題にし、どの反応を評価したかを確認すると、血流の数字から生活全体へ結論を広げずに済む。

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よくある誤解

「暑い方が息をたくさん吸うから、脳にも血液が多く届く」は、暑熱研究の結果に合わない。レビューでは、換気の増加に伴う二酸化炭素の低下と脳血管の収縮が、脳血流を減らす経路として説明されている。[4] 酸素を吸うという印象だけでは、二酸化炭素が下がる側の変化を見落とす。

「二酸化炭素さえ戻れば暑さの影響は消える」も言い過ぎだ。血流速度が通常体温時へ戻った実験がある一方、低下が残った実験もある。[2][3][16] さらに認知課題の実験では、血流速度の差が誤答の差を伴わなかった。[15] 循環のある指標を整えることと、体全体の負担をなくすことは同義ではない。

「それなら、意識して息を止めればよい」という応用も、ここで扱う試験からは導けない。二酸化炭素を一定にした実験は、呼吸用の装置で吸入気体を調節している。[2][15][16] ヨガの途中で自分の息を制限することは、その比較条件を再現する方法にはならない。研究の操作を読んだだけで、新しい呼吸法の処方にしないことだ。

また、常温のクラスを選んだことを、暑さに負けたと評価する必要もない。今回の研究が扱うのは熱に対する循環の反応であり、参加者の意志の強さの順位ではない。[4][18] 「最後まで部屋にいたか」を、自分の練習の成績表に入れない選び方があってよい。

今日からできること

  • 常温と暑い回の感想を比べるときは、呼吸数だけでなく、座っていたか動いていたか、どの場面で息づかいが変わったかも言葉で残す。姿勢や熱負担で循環の経路の寄与が変わるというレビューを、比較の視点にする。[4]
  • 数字を読むときは、血液の量なのか血流速度なのかを確かめる。健康な7人の実験が報告するのは中大脳動脈の速度などであり、その数字を自分の脳全体の血流量と読み替えない。[2]
  • 暑い回に参加する前に、途中で退出できる経路と、呼吸が乱れたときに指導者へ伝える方法を確認しておく。「息が乱れたら合図する」と具体的に決める。休憩時間や飲水量を「36.6%」から計算することはできない。この値は健康な男性14人の実験で、血流速度低下に対する二酸化炭素の寄与を検討した割合だからだ。[16]
  • 集中できた感覚と、暑さや息づかいの感覚を分けて振り返る。男性11人の試験では血流速度の条件差があっても、認知課題の誤答には有意な差がなかった。[15]
  • 装置で二酸化炭素を一定にした研究を、息止めや無理な呼吸の練習に置き換えない。比較に使われた操作を確認し、レッスンの選択を相談するときの知識として使う。[2][16]

暑い回と常温の回を選ぶとき、研究の役割は「この回が全員に正しい」という札を貼ることではない。呼吸が変わったという体感から、何が分かり、何までは分からないかを整理することだ。二酸化炭素と脳血流のつながりを知ると、息の回数だけで自分を採点する必要がなくなる。[2][4]

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

オンザショア立川店で、温度も含めて予定を選ぶ

温かい環境のヨガと常温のヨガを、続ける予定の中で選べる場所がオンザショア立川店である。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを扱う。暑い回への参加だけを通い方の軸にせず、用意された種類から自分の予定を考える場所として位置づけたい。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。営業時間は8:00〜23:30だが、レッスンの開始時刻とは別なので、参加する回を確かめて予定を組む。12/29〜1/3は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座となる。

妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。通い方の確認には店舗サイトと料金案内、参加の手続きには体験の予約を利用できる。

参考文献

[2] The effects of reduced end-tidal carbon dioxide tension on cerebral blood flow during heat stress. — Brothers RM, Wingo JE, Hubing KA, Crandall CG., 2009, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jphysiol.2009.172023

[3] Reductions in cerebral blood flow during passive heat stress in humans: partitioning the mechanisms. — Nelson MD, Haykowsky MJ, Stickland MK, Altamirano-Diaz LA, Willie CK, Smith KJ, Petersen SR, Ainslie PN., 2011, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jphysiol.2011.212118

[4] Cerebral oxygenation and hyperthermia. — Bain AR, Morrison SA, Ainslie PN., 2014, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2014.00092

[7] Modulation of cerebral blood flow and cognition by hyperthermia and hypoxia: An electroencephalographic event-related potentials perspective. — Nakata H, Ogoh S, Shibasaki M., 2026, Experimental physiology. DOI: 10.1113/ep092671

[15] The Clamping of End-Tidal Carbon Dioxide Does Not Influence Cognitive Function Performance During Moderate Hyperthermia With or Without Skin Temperature Manipulation. — Schultz Martins R, Wallace PJ, Steele SW, Scott JS, Taber MJ, Hartley GL, Cheung SS., 2021, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2021.788027

[16] Effect of hypocapnia on the sensitivity of hyperthermic hyperventilation and the cerebrovascular response in resting heated humans. — Tsuji B, Filingeri D, Honda Y, Eguchi T, Fujii N, Kondo N, Nishiyasu T., 2018, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00232.2017

[18] Influence of the mode of heating on cerebral blood flow, non-invasive intracranial pressure and thermal tolerance in humans. — Gibbons TD, Ainslie PN, Thomas KN, Wilson LC, Akerman AP, Donnelly J, Campbell HA, Cotter JD., 2021, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jp280970

この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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