
ゆっくり動く研究は、高速との勝負ではない
クランチを含むゆっくりした自重運動の代謝を調べた研究では、健康な若い男性8人が参加した。平均年齢は23.4歳だった。スクワット、腕立て伏せ、ランジ、かかと上げ、ヒップリフト、クランチを組み合わせ、筋肉を縮める局面と伸ばす局面をそれぞれ3秒に設定した。[13]
各種目は10回を3セット、セット間の休憩は30秒で、運動全体は26.5分だった。別の日には同じ時間だけトレッドミルで歩き、研究者が速度を調整して、運動中の消費エネルギーを自重運動とそろえた。比較相手は高速のクランチではなく、エネルギー消費を合わせた歩行である。[13]
運動中の消費エネルギーは、自重運動が92.6±16.0kcal、歩行が95.5±14.1kcalで、有意差はなかった。消費量をそろえる設計なので、この数字を「クランチは歩行と同じだけ使う」と縮めるのは誤りだ。腹筋以外の種目も含む運動全体の値であり、単独のクランチの値ではない。[13]
運動後30分の回復中の消費は、自重運動が40.55±3.88kcal、歩行が37.61±3.19kcalだった。自重運動のほうが有意に大きかったが、これは若い男性の小規模な比較における回復中の結果である。「腹筋をゆっくりすれば、その後ずっと大量に消費する」といった話にはしない。[13]
この試験は、運動中の量をそろえたうえで、運動後の反応の違いを見ている。回復中の差だけを取り出すと、まるで運動中にも大きな差があったように聞こえるが、運動中には有意差がなかった。時間帯をつけて数字を読むことが、結果の大きさを見失わない助けになる。[13]
また、平均の運動強度は3.1メッツで、中強度の身体活動に分類された。メッツはここでは運動強度を表す値として読む。ゆっくりした腹筋を含むから低負荷とも、きつい自重運動だから必ず高強度とも決めず、この試験での全体の評価を見る必要がある。[13]
帰宅後、集合住宅の部屋でマットを広げる人にとっては、動作が速くないメニューも検討対象になるだろう。ただし、この試験をそのまま女性全員の消費量予測に使うのは避けたい。対象は健康な若い男性であり、数値は複数の種目と決められた休憩を含む条件のものだ。[13] 自分の動画の時間と似ているだけで、消費エネルギーまで同じになるわけではない。
さらに、この結果から「ゆっくりしたほうが腹筋の活動は大きい」と結論することもできない。ここで扱ったのは運動中と回復中の代謝反応だ。[13] 筋活動を評価する研究と代謝を評価する研究を並べるときは、両方の長所を足し合わせた架空の最強メニューを作らないことが肝心である。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
呼吸の研究とリハビリの研究を同じ処方にしない
腹部の運動を続けた結果を見る研究もある。身体活動のある健康な男性32人を無作為に分けた試験では、呼吸と全身のストレッチ姿勢を組み合わせる群と、クランチ、プランク、シットアップなど通常の腹筋運動を行う群を比較した。各群16人で、週2回、各15分を6週間続けた。[10]
呼吸と姿勢を組み合わせた群では、一定のテンポで行うカールアップのテスト、動作の評価、測定された呼吸機能の各項目に、介入後の有意な変化があった。一方、通常の腹筋運動の群では、開始時からの有意な変化が認められなかった。腹部の運動を考えるとき、回数を急ぐ以外の組み立て方も検討する理由になる結果だ。[10]
ただし、「息を吐けば必ず腹筋が強くなる」という単独の呼吸技法の結論にはしない。実験群は呼吸だけでなく全身のストレッチ姿勢も組み合わせていた。比較されているのは、そのまとまりのある運動方法と通常の腹筋運動である。速いクランチと遅いクランチの優劣を調べた試験でもない。[10]
カールアップのテスト成績が変化したという結果も、運動中の筋電図の数値とは区別したい。試験では、呼吸機能や動作の評価も含めて運動前後を比べている。[10] 「腹筋に効いた」という短い言葉で括ると、何が変わったのかが消えてしまう。自分が知りたいのが反復の能力なのか、呼吸なのかを置いてから読むと、結果を使いやすい。
対象が大きく違う例として、不全脊髄損傷の患者を扱った症例報告がある。これは術後の患者1人に対する12週間の複合的なリハビリで、クランチに加え、背中の引く運動やブリッジなどを組み合わせたものだった。体幹を曲げる筋力は10%、伸ばす筋力は3%改善したと報告された。[14]
この症例の変化をクランチ単独の効果とは呼ばない。複数の運動を合わせた結果であり、対象者の状況も自宅でHIIT動画を選ぶ健康な人とは異なる。研究が同じ「腹筋運動」という言葉を使っていても、目的も評価項目も違う。[14] 医療の中で構成されたリハビリを、一般向けの高速腹筋の根拠に移し替えるのは適切ではない。
この症例をここで挙げる理由は、腹筋のメニュー表に並ぶ数字の読み方を区別するためだ。週あたりの頻度、運動の期間、その場の活動の大きさ、筋力の変化は、互いに入れ替えられない。[1][10][14] 研究の対象と目的を添えてこそ、数字はメニュー選びの参考になる。数字だけなら、違う人の違う運動でも似た見出しにできてしまう。

よくある誤解
「速く回数を稼げば、お腹の筋活動もその分大きい」という理解は、この比較研究からは支持できない。筋活動の研究ではテンポをそろえて条件を比較しており、ゆっくりした運動の研究では代謝を測っている。これらを合わせても、高速クランチが腹部に優れるという順位表にはならない。[1][13]
「股関節の筋肉の活動を減らす狙いの器具なら、脚の付け根を使わなくて済む」という理解も飛躍がある。設計の狙いと、実際に測定された腹部の活動を区別する必要がある。腹直筋や外腹斜筋の活動の違いを、股関節を曲げる筋肉の活動量の証明として置き換えない。[1]
「普通の腹筋運動で有意な変化がなかったのだから、クランチには意味がない」という解釈も広すぎる。男性を対象にした試験で比べられたのは、決められた期間と頻度の運動方法であり、評価項目も特定されている。[10] 有意差がないという結果は、その条件での結果として受け止める。別の研究で測ったその場の腹部の活動まで否定したことにはならない。[1]
今日からできること
- 回数の横に、使った動画や動作の条件を書く。筋活動の比較では、10回という回数だけでなく、テンポと休憩もそろえていたことを参考にする。[1]
- 毎分40拍を最適速度として採用しない。これは条件を比較するための設定だと捉え、自分の動作確認とは分けて扱う。[1]
- ゆっくりした運動を選ぶ際も、3秒ずつという数字だけを切り取らない。研究はクランチ以外の種目と休憩を含む組み合わせだったことを確認する。[13]
- 呼吸を意識する運動に関心があれば、呼吸と姿勢の両方を確認する。週2回、6週間の試験は、その組み合わせを評価したものだ。[10]
- 医療の中の運動例を、自宅メニューの目標にしない。12週間の症例報告は患者1人の複合的なリハビリであり、個別の運動判断は医師に相談する。[14]
今日の記録には「多くできた」のほかに、「何を変えて比べたか」を残せばよい。動画を替えたのか、テンポを替えたのか、別の種目を加えたのか。疑問をその形にしておけば、指導者にも相談しやすくなる。腹部の筋活動、反復のテスト、運動全体の消費は別の評価だった。[1][10][13] タイマーの数字に、これら全部の判定を任せる必要はない。

オンザショア立川店を、動きの時間を確保する場所に
速さの記録から少し離れて運動の時間を持ちたいとき、通える時間と場所を先に確認する選び方がある。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、年中無休だ。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。
朝から夜までの営業時間を、自分の生活の中で運動の予定を置ける時間と照らし合わせることもできる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱い、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。運動の時間を予定に置く場所として、内容と通える時間を照らし合わせたい。
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参考文献
[1] Abdominal strengthening using the AbVice machine as measured by surface electromyographic activation levels — Avedisian L, Kowalsky DS, Albro RC, Goldner D, Gill RC., 2005, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/15244.1
[10] Effects of different core exercises on respiratory parameters and abdominal strength — Cavaggioni L, Ongaro L, Zannin E, Iaia FM, Alberti G., 2015, Journal of physical therapy science. DOI: 10.1589/jpts.27.3249
[13] Energy expenditure, recovery oxygen consumption, and substrate oxidation during and after body weight resistance exercise with slow movement compared to treadmill walking — Nakagata T, Yamada Y, Naito H., 2018, Physiology international. DOI: 10.1556/2060.105.2018.4.27
[14] The effect of complex rehabilitation training for 12 weeks on trunk muscle function and spine deformation of patients with SCI — Sung DH, Yoon SD, Park GD., 2015, Journal of physical therapy science. DOI: 10.1589/jpts.27.951
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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