
噛んで細かくなることと、血糖が上がることは別だ
噛み方が違えば口で起きることも違う。しかし、その先を全部「消化がよい」という言葉でつなぐと、何を比べたかが消えてしまう。ご飯の水分を変えた研究では、唾液の酵素であるαアミラーゼの働きにより、口内でのでんぷん分解が最大で約3分の1に達しうることが示された。これは口内での分解であり、その割合を体重変化の割合に置き換える数字ではない。[8]
でんぷんの加水分解とは、酵素の働きなどででんぷんが小さな成分へ分かれる過程だ。血糖の変化を測ることとは、測定の場所も段階も違う。口の中で生じた糖を調べた実験を読むときは、口内処理の話として受け止める。食後の体内の反応を知りたいなら、実際にそれを測った比較に目を移す必要がある。[8][5]
強い咀嚼能力と弱い咀嚼能力を持つ人の口内処理を比べ、その後を人工的な胃腸の動的システムで調べた研究では、日本型、インド型、もち米という米の種類も比較した。強く噛める群では、食塊の唾液含量は最大28%、でんぷん加水分解の程度は最大13.55%だった。噛む能力だけでなく、米の種類と食塊の性質が関係している。人の口内処理と人工消化系を組み合わせた結果を、18〜39歳の女性の体内反応にそのまま当てはめることはできない。[2]
興味深いのは、強く噛める群で人工胃内の滞留とでんぷん加水分解がともに大きかった点だ。細かくなれば何でも一斉に早く胃を通り抜ける、という読み方では説明できない。米の口内処理がでんぷん消化に及ぼす影響は、主に胃と小腸の初期段階に現れていた。人から得た食塊を使っていても、その後の消化の測定は人工系だという区別が欠かせない。[2]
食品を細かく作ることにも、同様の注意が要る。粒の大きさが異なる米粉から作った蒸し米菓子の実験では、粉が細かいほど水和を要する表面積が増え、糊化の際に緩い構造とふんわりしたでんぷんの網目ができた。粉の粒が大きい試料は密で硬い網目を持つ一方、口の中では容易に崩れた。加工前の粒の大きさと、食べたときの崩れ方は別である。米粉の粒径を変えた食品実験の結果を、18〜39歳の女性の普通の餅の食べ方にそのまま当てはめられるかは検証が必要だ。[9]
その実験では噛む回数や時間は試料間で違ったが、飲み込む前の食塊の還元糖量には、粉の粒の大きさによる有意差がなかった。唾液の濃度は初期のでんぷん加水分解と関係した。食感に差が出たからといって、分解の指標にも差が出るとは限らない。普通の餅と同一の食品として扱うべきではないが、構造の違いをそのまま糖の差に直結させないための例になる。[9]
人の食後反応を調べた例として、健康な大学生31人、平均年齢20.3歳を対象とする、ご飯と粥のランダム化クロスオーバー試験がある。同じ人が両方の条件を経験する設計で、糖質量を40.7gにそろえ、一口の咀嚼を10回に制限して比較した。測ったのは組織間液のグルコースで、粥では食後30、45、60分の値が有意に高かった。健康な大学生の結果を18〜39歳の女性全体にそのまま当てはめられるかは、年齢の重なりだけでは判断できない。[5]
糖の増加を時間に沿って足し合わせた指標も粥で大きかった一方、120分時点の主観的な満腹感には有意差がなかった。糖の反応と満腹感は、この試験では異なる結果だった。この条件付きの比較は、ご飯を柔らかくすれば必ず糖の反応が穏やかになる、という見方には合わない。ただし、餅とご飯の直接比較でも、筋トレ直前の試験でもない。[5]
さらに、成長期の雄のブタで米粒、粥、クスクス、麺などの構造を比較した実験では、構造が小さい食事群の血糖反応は、粒や麺の大きい構造の群より大きかった。血糖増加を積算した値は、それぞれ5659±727と2704±521mg/dL・minだった。食品構造が消化の経過に関わる例だが、雄のブタでの群比較を18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできず、家庭の餅とご飯の順位も作れない。[1]
ここまでの研究は、互いに矛盾しているのではない。筋活動、口内の糖、人工胃での滞留、人の食後反応という異なる窓を開けている。同じ方向の結果がそろった部分だけでなく、違いが出なかった指標も残して読むと、硬さという手触りから全身の反応へ一足飛びに進む誤りを避けられる。[2][5][9][14]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
運動中の餅の試験は、普通の餅の推薦状ではない
運動する人にとっては、口の実験より実際の運動試験が気になるだろう。サツマイモを用いた改変ライスケーキを作り、持久運動中の糖質補給に使ったランダム化比較試験がある。通常のもち米の餅より噛む回数が少ない傾向を持つ食品を、糖質のゼリー飲料と比べた研究である。対象は持久運動の試験に参加した人で、家庭で用意する餅そのものの試験とは区別したい。18〜39歳の女性が日常の筋トレ前に食べる場合へ、そのまま当てはめられるかは検証が必要だ。[3]
運動条件は最大酸素摂取量の80%で1時間、その後に連続したタイムトライアルだった。補給は運動開始時と30分時点、タイムトライアル終了直後に行われた。運動中の心拍数、酸素摂取量、血糖上昇、主観的な運動のきつさには試行間の差がなかった。改変した食品で運動成績が高まった、という結果ではない。[3]
一方、この食品は甘さ、喉の渇き、空腹の主観的な評価を抑えた。研究が拾った利点は、単に速く走る、長く動くという成績だけではなく、補給中の感じ方にあった。同じ糖質補給という役割でも、どの形が食べやすいかを考える研究として読むと、運動成績に差がなかった結果も捨てずに済む。[3]
立川駅から帰って短時間の筋トレをする日と、この持久運動の実験は条件が違う。実験の補給時刻を、そのまま帰宅後の予定表に書き写す必要はない。普通の餅かご飯かを選ぶ場面で使えるのは、食品の形と食べるときの感覚にも評価軸があるという視点だ。特定の加工食品で得た結果を、餅全般の優劣へ広げないことが出発点になる。[3]
食べやすさを気にすることは、運動に対する意欲の不足ではない。試験でも、運動成績と空腹や渇きの感覚は別々に測定されていた。普段の記録も「餅を食べた」だけで閉じず、どんな形で、どう感じたかを添えると問いが具体的になる。研究の数値を達成目標にするより、自分が比較したい条件をはっきりさせる使い方が向いている。[3]

よくある誤解
「餅は柔らかいから、ご飯より顎を使わない」という見方は、筋電図の結果と合わない。健康な成人の比較では、噛む動作あたりの咬筋活動は餅で大きかった。餅の量や食感を変える別の実験では、咀嚼に必要な努力も変化した。食品名と柔らかさの印象だけで、口の負担を決めるのは難しい。[14][16]
「細かく噛めば、消化も胃の通過もすべて速くなる」も単純化である。強く噛める群で人工胃内の滞留と加水分解がともに大きかった研究があり、米粉の粒を変えた菓子では食感や噛み方が違っても、飲み込む前の還元糖量には有意差がなかった。細かさ、滞留、分解は分けて読む必要がある。[2][9]
「運動試験に餅が登場したなら、筋トレ前は餅が最適」という結論にもならない。試験で使われたのは改変したライスケーキで、持久運動中の補給であり、運動成績には比較条件との差がなかった。餅を避ける根拠にも、餅だけを勧める根拠にもせず、研究で比較した食品と運動をそのまま受け止めたい。[3]
今日からできること
- 餅とご飯を食べ比べるときは、回数の達成を目標にせず、口の中でまとまるまでの感じ方を書き留める。成人6人の測定でも食品によって筋活動は違っていた。[14]
- 餅の食べ方を振り返る際は、大きさと食感を別々に記録する。9gと3g、改変品9gの比較は、両方が咀嚼努力に関わることを示した実験である。[16]
- ご飯の日も「米」とだけ記録せず、水分や硬さの印象を添える。水分52〜73%の比較では、初めの硬さと口内時間に関連があった。[8]
- 補食の情報を読むときは、食感、口内の糖、食後反応、運動成績のどれを測った話かを確かめる。31人のご飯と粥の試験でも、糖の反応と満腹感は同じ結果ではなかった。[5]
- 運動中の補給研究を日常へ当てはめる前に、食品と運動条件を照合する。最大酸素摂取量80%で1時間という試験の時刻を、普段の筋トレの規則にしない。[3]

オンザショアで、食事と別に運動の予定を持つ
補食の形を考える日にも、運動を続ける時間と場所は別に用意できる。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は8:00〜23:30、年中無休。仕事帰りに通うか、休みの日の朝に通うか、自分の生活の中で時間を考えられる場所だ。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがある。ヨガだけでも25種類以上のレッスンを用意している。食べ物の選び方だけに課題を集めず、通う場所や取り組む運動も予定に置くための選択肢となる。
参加できるレッスンも確認しておきたい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。内容は店舗サイトで確認できる。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。費用は料金ページ、体験の申し込みは予約ページで確認できる。
参考文献
[1] Cooked Rice-Based and Wheat-Based Food Structure Influenced Digestion Kinetics and Glycemic Response in Growing Pigs — Nadia J, Olenskyj AG, Stroebinger N, Hodgkinson SM, Estevez TG, Subramanian P, S / 年: 2023 / 誌名: The Journal of nutrition / 被引用: 9. DOI: 10.1016/j.tjnut.2023.03.009
[2] Effect of chewing ability on in vivo oral digestive characteristics and in vitro gastrointestinal starch hydrolysis of three different types of cooked rice — Yang H, Hou Y, Pan Y, Zhang T, Meng Q, Han J, Liu W, Qu D. / 年: 2023 / 誌名: Food & function / 被引用: 6. DOI: 10.1039/d3fo02225k
[3] Easy to Swallow Rice Cake as a Carbohydrate Source during Endurance Exercise Suppressed Feelings of Thirst and Hunger without Changing Exercise Performance — Ishihara K, Taniguchi H, Akiyama N, Asami Y. / 年: 2020 / 誌名: Journal of nutritional science and vitaminology / 被引用: 5. DOI: 10.3177/jnsv.66.128
[5] Postprandial Glycemic Responses to Rice Porridge Versus Cooked Rice in Healthy Young Adults: A Randomized Controlled Crossover Study — Kodama K, Kayashita A, Tsuji N, Kakehashi H, Tamura M, Kayashita J. / 年: 2026 / 誌名: Cureus / 被引用: 0. DOI: 10.7759/cureus.112070
[8] The swallowing threshold and starch hydrolysis of cooked rice with different moisture contents for human mastication — Chen L, Lv B, Zhang X, Xu Y, Wu P, Zhou W, Chen XD. / 年: 2022 / 誌名: Food research international (Ottawa, Ont.) / 被引用: 13. DOI: 10.1016/j.foodres.2022.111677
[9] The particle size of rice flour greatly affects the structural, textural and masticatory properties of steamed rice cake (Baekseolgi) — Lee IY, Park YS, Shin WS. / 年: 2021 / 誌名: Food science and biotechnology / 被引用: 5. DOI: 10.1007/s10068-021-01006-7
[14] Differences in Chewing Behavior during Mastication of Foods with Different Textures — Shiozawa M, Taniguchi H, Hayashi H, Hori K, Tsujimura T, Nakamura Y, Ito K, Inou / 年: 2013 / 誌名: Journal of texture studies / 被引用: 14. DOI: 10.1111/j.1745-4603.2012.00364.x
[16] Textural evaluation of rice cake by chewing and swallowing measurements on human subjects — Kohyama K, Sawada H, Nonaka M, Kobori C, Hayakawa F, Sasaki T. / 年: 2007 / 誌名: Bioscience, biotechnology, and biochemistry / 被引用: 28. DOI: 10.1271/bbb.60276
[18] Mastication effort estimated by electromyography for cooked rice of differing water content — Kohyama K, Yamaguchi M, Kobori C, Nakayama Y, Hayakawa F, Sasaki T. / 年: 2005 / 誌名: Bioscience, biotechnology, and biochemistry / 被引用: 35. DOI: 10.1271/bbb.69.1669
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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