
内ももの張りと靭帯の抵抗にも、姿勢の条件がある
Katoらは男性16人で、長内転筋のせん断弾性率を超音波の方法で測った。長内転筋は内ももの筋で、せん断弾性率は組織の硬さを読む指標である。自力で強く回す課題ではなく、受動的に脚を開いたり回したりした条件で調べている。筋力計の出力とは別の種類の数字だ。男性を対象とするため、18〜39歳の女性にも同じ大きさの差があるかは別に確かめる必要がある。[4]
股関節を20度伸ばした姿勢では、80度曲げた姿勢と比べ、脚を10度から40度開いた各条件でせん断弾性率が高かった。また20度伸ばした姿勢で20度内旋したときには、回旋なしや20度外旋したときより高かった。この内旋による差は、脚を開いていない条件でも40度開いた条件でも認められた。[4]
つまり、この実験で内ももの機械的な負担が大きかったのは、脚を伸展した条件だった。内旋による増加も伸展位で示されている。内ももが張るという同じ感想でも、脚をどれだけ開いたかだけでなく、股関節を曲げていたか伸ばしていたかが比較の条件になる。[4]
ただし測ったのは長内転筋であり、内ももの全体でも股関節全体でもない。「内旋すれば内ももは必ず強く伸びる」という規則にせず、伸展位という条件が付いた結果として受け取るのが妥当だ。[4]
一方、Babaらは献体の正常な9股を使い、一定の内旋方向のトルクを加えて、外旋筋や坐骨大腿靭帯の抵抗を調べた。坐骨大腿靭帯は股関節を支える靭帯の一つである。0度、30度、60度の屈曲位で、筋や靭帯を順次切離した後の変化を比べる実験だった。献体による構造の比較であり、18〜39歳の女性が自力で動く際の抵抗へ、そのまま当てはめることはできない。[6]
結論では、坐骨大腿靭帯が内旋を制限する主な役割を担い、梨状筋や内閉鎖筋も0度や60度で内旋を制限する可能性が示された。筋を切離する順序を左右で変えた設計でもあり、各筋の作用を家庭で順番に試せるものではない。回りにくさを特定の筋だけの硬さに還元しないための構造の研究である。[6]
外旋側には別の靭帯の研究がある。Myersらは男性の献体15股に一定の回旋トルクを加え、腸骨大腿靭帯や関節唇の働きを調べた。腸骨大腿靭帯を切離すると外旋角度は、組織が保たれた条件の平均41.5度から54.4度へ増えた。関節唇だけの切離では、外旋の有意な増加は認められなかった。男性の献体で得た角度なので、18〜39歳の女性の可動域の目安としては使えない。[15]
また40度の屈曲から10度の伸展へ変えると、内旋も外旋も減少した。この結果は、股関節を回す範囲にも姿勢による条件があることを示す。ただし献体で組織の役割を調べた数字は、人が目指すべき角度ではない。大きく回る状態を無条件によいものとしない視点も、この実験から得られる。[15]
関節唇と靭帯の実験は、回旋だけでなく大腿骨の前方への移動も測っていた。腸骨大腿靭帯は外旋と前方移動の制限に重要で、関節唇にはそれらを支える二次的な役割があるという結果だった。回る角度が増えたことは、支える組織の条件が変わった結果でもある。可動域の数字を、柔らかさの成績表としてだけ読むと、この側面を取り落とす。[15]
この話は、回旋を小さく保つべきだという日常の指示でもない。組織を切離して比べる実験が答えるのは、構造がどのような制限に関わるかという問いである。運動を続けたときの変化を知りたい場合には、別に経過を追う研究が必要になる。同じ「角度が増えた」でも、何を変えた実験なのかを確かめてから意味を付ける。[15]
力を出せるか、筋にどれほど機械的な負担がかかるか、靭帯がどの程度回旋を制限するか。それぞれ別の測定が必要だったことに注目したい。座って回しやすかったという体験だけで、このどれが変わったのかを決めることはできない。感覚は入口であり、組織の診断名ではない。[2][4][6][15]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「深く曲げれば、内旋も外旋も強くなる」は誤解である。健康な女性の等速性測定では内旋トルクは90度で大きかったが、外旋トルクは90度より40度で大きかった。深さを共通の強度目盛りとして扱うと、回す方向ごとの結果が消えてしまう。どちらの動きを比べているかを先に決めたい。[8]
「回旋の抵抗は、お尻の筋が硬い証拠」も言い過ぎだ。献体実験では内旋を制限する坐骨大腿靭帯の役割が大きく、別の実験では外旋を制限する腸骨大腿靭帯の役割が示された。抵抗を感じた場所だけを頼りに、硬い筋の名前を決めたり、その筋を狙って強く伸ばしたりする根拠にはならない。[6][15]
「角度を少し変えるだけで、狙う筋の比率は必ず変わる」という期待にも留保がいる。健康な男性13人の筋電図研究では、横向きで膝を開くクラムシェルの屈曲角度を30度、45度、60度と変えても、中殿筋と大腿筋膜張筋の活動の比に有意な変化はなかった。横向きで脚を上げる運動の内旋、中間位、外旋でも、同様に有意な変化はなかった。男性のみの比較であり、18〜39歳の女性にも同じ活動比が当てはまるかは別の検証が必要だ。[13]
この研究では、いずれの条件も中殿筋の活動が優位で、活動の比は脚上げよりクラムシェルで大きかった。種目の違いはあり、角度変更の効果は有意でなかったのである。角度の影響を示す研究と、このような影響を認めなかった研究を一緒に読むと、「角度を変えれば必ず効く筋が入れ替わる」という宣伝めいた説明から距離を取れる。[13]
もう一つ、伸ばされる感覚と、筋が伸びながら出す力も分けたい。等速性の研究で扱う遠心性収縮は、筋が活動しながら伸ばされる課題である。長内転筋の受動的な硬さを測った研究とは、力を出す条件が違う。「伸びるとき」という言葉が共通していても、そのまま同じ仕組みの説明には使えない。[4][8]
筋力測定で差があったことと、特定の運動で筋電活動の比が変わることも別である。前者の結果を後者に使って、座る深さを変えるたびに筋肉の担当表を書き換える必要はない。姿勢による影響は、測る指標と実際の課題の組み合わせで確かめるものだ。[2][8][13]

今日からできること
- 記録には「自力で回す」「支えてもらって回す」の区別を添える。成人34人の筋力測定と、男性16人の受動的な筋の測定は、別の指標を扱っている。[2][4]
- 昨日と今日を比べるなら、座位と仰向けを混ぜない。座位と伸展位で内旋筋力に差があったため、姿勢の違いを練習効果と取り違えないようにする。[2]
- 内旋と外旋は別の欄に残す。女性21人の実験で、外旋トルクは90度より40度で大きく、内旋とは異なる傾向だった。[8]
- 内ももの張りを比べるときは、開いた幅だけでなく曲げた姿勢かどうかもメモする。男性16人の実験では、伸展位で長内転筋の硬さの指標が高かった。[4]
- クラムシェルの角度を変えた感想を、そのまま筋の活動比の変化と呼ばない。男性13人では30度、45度、60度の間で、その比に有意差はなかった。[13]
これらは研究の角度を家庭で正確に再現する課題ではない。比較条件を残すための記録の工夫である。椅子の端で行った動きと、寝た姿勢で支えられた動きを、同じ点数に押し込まなくてよい。研究でも姿勢や課題を指定したうえで筋力や抵抗を測っている。[2][4][8]
記録の目的は、回りにくい理由を自分で診断することではない。痛みや日常動作の支障がある場合は、医師に相談する。ポーズの深さを増やすことより、どの姿勢で何を感じたかを言葉にできる方が、相談の際にも問いを具体的にできる。
オンザショアで、比べる前提を残しながら続ける
回せた深さを競うより、どんな姿勢で動いたかを覚えておく。そんな視点で運動を続ける場所として、オンザショア立川店の利用を考えたい。営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。朝と仕事帰りのどちらを通う時間にするか、暮らしの中に置ける枠から考えられる。立川駅北口を使う生活なら、通勤や買い物の予定と所在地を照らし合わせて、無理なく立ち寄れる時間を検討する形になる。
場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、種目を選ぶ際は店のトップと料金を確認できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約から予定を選べる。研究の測定結果を当店での成果の約束にせず、自分の予定に合う運動の機会として選ぶ場所である。

参考文献
[1] Tensor fascia latae and gluteal muscles myoelectric responses to increasing levels of hip medial rotation torque — Martins EC, Ruschel C, Roesler EM, Silvano GA, de Castro MP, Herzog W, de Brito, 2022, Journal of biomechanics. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2022.110944
[2] Hip rotator strength in healthy young adults measured in hip flexion and extension by using a hand-held dynamometer — Bloom N, Cornbleet SL., 2014, PM & R : the journal of injury, function, and rehabilitation. DOI: 10.1016/j.pmrj.2014.06.002
[4] Quantifying the shear modulus of the adductor longus muscle during hip joint motion using shear wave elastography — Kato T, Taniguchi K, Kodesho T, Nakao G, Yokoyama Y, Saito Y, Katayose M., 2023, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-023-36698-w
[6] Impacts of external rotators and the ischiofemoral ligament on preventing excessive internal hip rotation: a cadaveric study — Baba K, Chiba D, Mori Y, Kuwahara Y, Kogure A, Sugaya T, Kamata K, Oizumi I, Suz, 2022, Journal of orthopaedic surgery and research. DOI: 10.1186/s13018-021-02873-w
[8] Influence of the hip flexion angle on isokinetic hip rotator torque and acceleration time of the hip rotator muscles — Baldon Rde M, Furlan L, Serrão FV., 2013, Journal of applied biomechanics. DOI: 10.1123/jab.29.5.593
[13] Examining the effects of altering hip orientation on gluteus medius and tensor fascae latae interplay during common non-weight-bearing hip rehabilitation exercises — Sidorkewicz N, Cambridge ED, McGill SM., 2014, Clinical biomechanics (Bristol, Avon). DOI: 10.1016/j.clinbiomech.2014.09.002
[15] Role of the acetabular labrum and the iliofemoral ligament in hip stability: an in vitro biplane fluoroscopy study — Myers CA, Register BC, Lertwanich P, Ejnisman L, Pennington WW, Giphart JE, LaPr, 2011, The American journal of sports medicine. DOI: 10.1177/0363546511412161
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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