
水出しで差がなかった結果も、同じ重さで読む
Fullerらは、焙煎の程度と挽き目を組み合わせた4種類のコーヒー試料を、冷水と温水で抽出した。中程度の挽き目と粗挽きを含む水出し試料では、カフェインとクロロゲン酸の一種である3-CGAの濃度について、挽き目による有意な影響は認められなかった。すべての水出し試料で、これらの濃度は6〜7時間で平衡に達した。[15]
平衡とは、この実験では抽出が進んだ先で濃度が落ち着く状態として読める。抽出の途中に起こることと、十分に時間がたった先の状態は別の問いだ。細かい粉で多く抽出された研究と、水出しで有意差がなかった研究を並べるときは、飲料を作った方法と、どの段階を測ったかをそろえて考える必要がある。[5][15]
「差が有意でない」は、どんな粉でも永久に同じになるという宣言ではない。この研究が比較したのは、指定された焙煎と挽き目の試料を使う条件である。同時に、結果を無視して「細かければ必ずカフェインが増える」と言い切ることもできない。条件の異なる結果を平均的な印象に丸めず、それぞれの適用範囲を残したい。[15]
浸して抽出する方法については、Liangらのモデルと実験も参考になる。粉を液中に浸したまま抽出し、平衡における総溶解固形分と抽出率を調べた。粉に対する水の質量の比が大きいほど、液の総溶解固形分はおおむね低くなった。一方、抽出率は比率によらずおよそ21%であった。[13]
ここでいう抽出率は、粉から取り出された成分全体に関わる指標である。「カフェインの21%だけが出た」という意味ではない。また、この研究で挽き目などに左右されにくかったのはモデル内の平衡定数であり、あらゆる条件のカフェイン濃度が不変という意味でもない。成分全体の指標を、特定成分の数字へ読み替えないことが必要だ。[13]
この違いは、自宅で水出しを作り置きする場面でも役立つ。粉を粗くしたかどうかだけを日記に残して、粉に対する水の量を省くと、飲み物の比較に必要な情報が抜ける。平衡での液の濃さを考える研究では、この比率が重要な位置を占めていた。挽き目を主役にする記事でも、比率を脇役として忘れることはできない。[13]
朝に急いで取り出したものと、別の日に十分待って取り出したものを比べるなら、まず時間の違いに印をつけたい。粉の細かさも時間も変わっていれば、味の違いを片方だけに割り振れない。家での記録は厳密な実験ではないが、何を変えたかを明らかにすることはできる。結論を急ぐ前に比較の組み合わせを整える作業である。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
苦味が増えても、カフェインの測定にはならない
調製実験で細かい粒子が苦味や渋味の強さと結びついたことは、味を記録する意味を示している。しかし、その結果から「苦いほどカフェイン量を正確に当てられる」という物差しは作れない。味とカフェインを同じ飲料で評価した結果と、味だけから成分を推定する方法は、別のものだからだ。[5]
ドリップの器具を比較したFrostらの実験では、半円錐形と平底のバスケットを使い、焙煎と粒子サイズも組み合わせた。識別試験では、粒子サイズの中央値の小さな違いは見分けられなかった一方、バスケットの形による飲料の違いは識別された。形の比較に参加した人数は45人であった。この官能評価の結果を、18〜39歳の女性の味の感じ方へそのまま当てはめることはできない。[20]
さらに85人の消費者の好みを分析すると、異なる好みの集団に分かれた。18〜39歳の女性に絞った好みの傾向として扱うことはできない。器具の形、焙煎、挽き目の組み合わせによって、苦味や香りなどへの影響も変わった。「よく抽出された味」を全員共通の感覚で決めるのは難しい。おいしいという評価と、成分がどれだけ入っているかという評価を、同じ欄に押し込まないほうがよい。[20]
温度を変えたドリップ実験にも、この区別が現れる。Bataliらは87℃、90℃、93℃で抽出し、狙う総溶解固形分と抽出率になるように挽き目と時間を調整した。味の特徴には総溶解固形分と抽出率の影響があったが、この温度範囲では温度自体による目立った影響はなかった。[16]
温度がどうでもよいという話ではない。濃さと抽出率をそろえるために、ほかの条件を調整した実験である。同じ味に近づける道筋が異なりうることと、同じ味ならカフェインも同量であることはつながらない。この研究が評価した感覚的な特徴を、運動前の摂取量の保証に変えないようにしたい。[16]
「今日はいつもより苦い」は、記録として十分に価値がある。ただ、その隣には「粉を変えた」「器具を変えた」「できあがり量を変えた」といった調製の事実を置く。苦さを数字の代用品にせず、何が変わったかを思い出す手がかりにすればよい。マグカップに分析装置の仕事まで頼む必要はない。

よくある誤解
「細かく挽けば、どの方法でもカフェインが増える」。この一般化は支持できない。細かい粒子でカフェインの抽出が増えた調製実験はあるが、水出しの比較では挽き目による有意差がなかった。粉の状態だけでなく、抽出方法と時間を併せて読む必要がある。[5][15]
「長くかかった一杯ほど、カフェインが多い」。エスプレッソの時間は微粉による流れにくさでも変わる。別の抽出実験では、カップに入る成分量に対して、流量や最終的な飲料の質量が重要だった。時間だけでは、液量や濃度の違いを置き去りにしてしまう。[6][8]
「抽出率が高ければ、その数字がカフェイン量になる」。抽出率や総溶解固形分は、カフェインだけを示す指標ではない。全浸漬の研究にある約21%という抽出率を、カフェインの含有率と読むのは誤りである。飲み物の成分全体を見る物差しと、特定成分を見る物差しを分けよう。[13]
運動前に飲んだという事情が加わっても、食品の抽出実験が運動試験に変わるわけではない。調製の研究から自分の運動成績を予測するのではなく、何を飲んだかを比べやすくする。ここまでが、挽き目の研究を日常で使うときの着地点になる。[5][8][15]
今日からできること
- 粉を変える日は、使った粉かミルの設定を残す。微粉が100 μm未満として扱われた実験でも、代表的な粒子サイズだけでは流れを説明しきれなかった。家庭では測定値を推測せず、確認できる設定を書く。[6]
- 抽出時間とできあがり量を別々に記録する。10画分に分けたエスプレッソ実験は、抽出中の変化と最終的な飲料量を分けて評価している。飲み残した場合はその事実も残す。[8]
- 水出しでは粉と水の比率、取り出した時刻をセットにする。6〜7時間で平衡に達した研究の値を、すべての家庭用レシピの完成時刻にしない。[15]
- 味の感想とカフェイン量の欄を分ける。細かい粉で1.01 mg/mLだった実験の値を、似た苦さの自分の飲料へ転記しない。[5]
- 粉に対する水の比率を変えたら印をつける。約21%という全浸漬の抽出率と液の濃さは別の指標であり、薄い味だけから取り出された割合を決めない。[13]
比較を始める前に、メモの目的も決めておきたい。味を再現したいのか、飲んだ液量を把握したいのかで、見返す欄は違う。測定していないカフェイン量には空欄を残してよい。液量、粉、器具、時間をそろえた記録は、その空欄を架空の数字で埋めなくても、昨日との違いを確かめる手がかりになる。

オンザショア立川店で、飲み物の準備と予定を分ける
コーヒーの調製を記録する日も、運動の予定は別に持っておきたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は8:00〜23:30で、年中無休。朝の予定に組み込むか、仕事や用事の帰りに立ち寄るか、自分の生活の中で続ける時間を考える場所として案内したい。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、飲み物の工夫とレッスンの選択を別々に考えられる。
参加するクラスを選ぶ際は、妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがあることを確認したい。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。
通う前の確認には店のトップと料金を使い、予定が決まったら体験の予約へ進める。コーヒーの濃さを運動の成果へ直結させず、日々の準備と通う予定をそれぞれ確かめていく。
参考文献
[5] Functional properties and sensory profile of coffee prepared by different brewing methods — Barrera López JA, Hernández Carrión M., 2025, Food science and technology international = Ciencia y tecnologia de los alimentos internacional. DOI: 10.1177/10820132231205625
[6] The role of fines in espresso extraction dynamics — Smrke S, Eiermann A, Yeretzian C., 2024, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-024-55831-x
[8] Influence of Flow Rate, Particle Size, and Temperature on Espresso Extraction Kinetics — Schmieder BKL, Pannusch VB, Vannieuwenhuyse L, Briesen H, Minceva M., 2023, Foods (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/foods12152871
[13] An equilibrium desorption model for the strength and extraction yield of full immersion brewed coffee — Liang J, Chan KC, Ristenpart WD., 2021, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-021-85787-1
[15] The Effect of Time, Roasting Temperature, and Grind Size on Caffeine and Chlorogenic Acid Concentrations in Cold Brew Coffee — Fuller M, Rao NZ., 2017, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-017-18247-4
[16] Brew temperature, at fixed brew strength and extraction, has little impact on the sensory profile of drip brew coffee — Batali ME, Ristenpart WD, Guinard JX., 2020, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-020-73341-4
[20] Effect of Basket Geometry on the Sensory Quality and Consumer Acceptance of Drip Brewed Coffee — Frost SC, Ristenpart WD, Guinard JX., 2019, Journal of food science. DOI: 10.1111/1750-3841.14696
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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