
動いている時計では、押す力もその場にとどまらない
運動中の誤差を扱うときは、センサーと肌の境目が動くことも考える必要がある。体動アーチファクトとは、動きによって本来読みたい信号に混ざる乱れのことである。時計型の研究装置では、皮膚との近さや接触圧を別のセンサーで検出し、その情報を使ってPPGの乱れを取り除く方法が検証されている。[13]
この実験では複数の対象者がいろいろな運動を行い、境目の変化を捉えるセンサーを使った補正と、従来の加速度センサーを使った補正が比較された。不規則な動きの運動や筋力運動では、接触面の変化を捉える方式のほうが正確な心拍推定を得た。[13] 腕全体がどれだけ動いたかと、センサーが肌にどう当たっていたかは、同じ情報ではないのである。
ただし、これは専用の検出器と補正処理を備えた装置の比較である。[13] ふだんの時計でベルトを強く締めれば同じ補正が働く、とはならない。ヨガで手を床につく場面と、歩いて腕を振る場面を想像すると、記録に添えるべき情報が見えてくる。運動名だけでなく、手首の使い方が変わった場面も、自分の記録を振り返る手掛かりにできる。
また、クリップ式のPPG心拍センサーを開発した研究では、低い接触圧のために心拍表示が急に跳ね上がったり落ちたりする外れ値が見られ、その除去法が作られた。男性5人がそれぞれ4セット行った実験で、体動の乱れの除去と外れ値の除去の働きが確認されている。[3] 対象が男性5人であるため、18〜39歳の女性に同じ結果をそのまま当てはめることはできない。[3] 外れ値は、周りから大きく離れた値という意味だ。
この装置は下着の腰の部分に掛ける形式であり、手首の時計そのものではない。[3] それでも「緩い接触でも数字は出るが、急な上下をそのまま体の反応と扱いにくい」という問題を考える材料にはなる。時計を締めるほどよいと決めるのも、緩くても表示されるから同じと決めるのも早い。表示があることと、比較に耐える記録であることを分けておきたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
圧力の単位を、ベルトの穴の数へ翻訳しない
研究用の圧力には、どの場所をどの装置で押したかという条件が付いている。健康な45人の指でPPGと手首の動脈の血圧波形を同時に測った研究では、指に0〜200 mmHgの圧を加え、60 mmHgの群で両波形の振幅比の対応と一致が最もよかった。[15] ここで比べたのは波形同士の関係であり、運動中の腕時計の心拍表示ではない。健康な協力者の指で得た結果を、18〜39歳の女性の手首の締め方にそのまま当てはめることはできない。[15]
この60 mmHgと、人工模型での35.1〜48.1 mmHgを並べても、どちらの締め方が優れているかは決められない。[10][15] 測定部位も、実験対象も、よいと判断する指標も違う。数値をそろえる前に、問いをそろえる必要がある。ベルトの穴の間隔に換算できる共通の定規として扱うのは、研究の用途を越えている。
手首と指先のPPGを同時に集めたデータセットも、この問題に正面から取り組んでいる。手首側の接触圧を精密に調整し、指先側の高品質な信号とともに、接触圧、心電図、血圧、酸素飽和度を記録する設計だ。目的は、接触圧が波形に及ぼす影響を分析し、推定技術の開発と評価に使えるようにすることである。[7]
こうしたデータセットは、特定のベルトが最良だと宣言する研究とは役割が違う。同時に記録する信号や圧力をそろえ、比較の土台を作っている。[7] 運動器具として時計を選ぶときも、「心拍が測れる」という機能名と、「どの装着条件で評価されたか」という検証の条件を別々に読む発想が役に立つ。
日常の振り返りでは、圧力を無理に数値化するより、条件が変わったことを残すほうが現実的だ。たとえば、ベルトを替えた、留める位置を変えた、運動の途中で着け直した、と書き添える。その日のグラフを捨てる必要はないが、以前との差をそのまま体力の差と断定しない。接触条件で信号や推定が変わり得るという研究を、自分の比較の作法に移すのである。[4][9]
条件を残すことには、後から比べる期間を選び直せる利点がある。ベルトを替えた日を境に表示の傾向が変わったなら、その前後をいったん分けて眺める。運動内容まで変わっていれば、その差も残しておく。これはベルト交換の効果を証明する実験ではなく、接触条件が信号に関わるという知見に沿った整理の工夫である。[4] 原因を決められなくても、違う条件の記録を同じものとして足し合わせることは避けられる。

よくある誤解
「数字が滑らかなら正確だ」という思い込みがある。しかし、接触不良は静止した状態でも、波形の重要な特徴を失わせたりずらしたりし得る。[9] 見た目に落ち着いた心拍表示だけでは、波形を使ったほかの推定まで確認したことにならない。手首で数字が整列していても、測定条件の履歴までは画面に並ばない。
「接触圧は、腕を大きく振る運動だけの問題だ」という理解も狭い。動きの乱れとは別に、静止中の肌とセンサーの接触を扱った研究がある。[9] 一方、運動中には接触面の動的な変化を捉える補正が有用だった。[13] 静止か運動かの片方だけを見ればよいのではなく、その場面で何が変わったかを考える必要がある。
「最適な圧が研究に出たなら、全員で同じ強さにすればよい」という結論も急ぎすぎである。広い研究をまとめたレビューは、機械的条件の単位や接触面積、装置形状の報告の不統一に加え、対象者の多様性や日常生活での検証の不足を挙げている。[4] 実験ごとの適切な条件を、すべての手首へ広げる段階ではない。
逆に「条件がそろわないなら時計の記録は無意味だ」と切り捨てる必要もない。研究では、接触条件を測ったり歪みを補正したりして、推定の改善が試みられている。[9][13] 読む側ができるのは、記録の用途をはっきりさせることだ。運動した日の履歴を残したいのか、細かな波形の指標を比較したいのかで、必要な確認は変わってくる。
今日からできること
- 時計を着け直した日は、その操作を運動記録に添える。接触条件は信号と推定に関わるため、前回との数字の差を読む際の条件として扱う。[4][9]
- 研究の35.1〜48.1 mmHgを自分の締め付け目標にしない。人工模型での測定条件の結果として読み、装着は使用する機器の案内を確認する。[10]
- 急に表示が上下した場面では、数字だけで運動の評価を決めず、装着を変えたかも振り返る。低接触圧のクリップ式装置では外れ値が課題となったが、手首の時計すべての原因を決める結果ではない。[3]
- 心拍数と心拍変動を別の指標として見る。補正研究での改善率も平均21%と41〜46%で異なり、同じ信号から出す値でも精度を一括りにできない。[9]
- 器具を比べる際は、運動名と装着条件も確認する。運動中の接触面を検出する補正の研究は、動きだけの情報では捉えきれない測定条件を示している。[13]
記録を比べる場面を想像すると、確認は具体的になる。前回より心拍の表示が低かった日に、運動を楽に感じたのか、時計を着け直したのか。その両方をメモしておけば、後から読み直す入口が残る。接触圧の研究が直接教えるのは体力の採点法ではなく、信号を受け取る条件の重要性である。[4] 数字の差を急いで成績にせず、比較できる条件だったかを先に見るのである。

オンザショアで、記録を残す時間を日常に置く
時計を着け直した日には、その操作と運動内容を一緒に残す。ヨガで手を床につく日と、腕を動かす運動の日を分けて振り返るなら、まず通う種目と時間を決めておくと記録を整理しやすい。オンザショア立川店では、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズを選べる。ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。種目を確認する入口は店のトップ、費用は料金案内である。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。
営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分である。体験の予約から予定を確認できる。仕事帰りか休日か、通える時間帯から予定を組める。時計の測定性能と、運動する場所の選択は別々に考える。記録には時計の数字に加え、参加した種目と装着を変えた場面を書き添えたい。
参考文献
[3] Motion artifact cancellation and outlier rejection for clip-type ppg-based heart rate sensor — Shimazaki T, Hara S, Okuhata H, Nakamura H, Kawabata T., 2015, Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society. IEEE Engineering in Medicine and Biology Society. Annual International Conference. DOI: 10.1109/embc.2015.7318784
[4] Mechanical Contact Conditions in Wearable Reflectance Photoplethysmography: Scoping Review — Yang C, Xie J, He Z, Li J, Liu C., 2026, JMIR mHealth and uHealth. DOI: 10.2196/99333
[7] WF-PPG: A Wrist-finger Dual-Channel Dataset for Studying the Impact of Contact Pressure on PPG Morphology — Ho MY, Pham HM, Saeed A, Ma D., 2025, Scientific data. DOI: 10.1038/s41597-025-04453-7
[8] A Physiology- and Measurement-Informed Framework for Evaluating PPG Features in Cuffless Blood Pressure Estimation — Yi MK, Lee J, Lee J, Kim IY., 2026, Physiological measurement. DOI: 10.1088/1361-6579/aeb063
[9] Reliable wrist PPG monitoring by mitigating poor skin sensor contact — Pham HM, Ho MY, Zhang Y, Spathis D, Saeed A, Ma D., 2025, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-025-31883-5
[10] Effects of Contact Pressure in Reflectance Photoplethysmography in an In Vitro Tissue-Vessel Phantom — May JM, Mejía-Mejía E, Nomoni M, Budidha K, Choi C, Kyriacou PA., 2021, Sensors (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/s21248421
[13] Interface sensors with skin piezo-thermic transduction enable motion artifact removal for wearable physiological monitoring — Wang L, Liu S, Li G, Zhu R., 2021, Biosensors & bioelectronics. DOI: 10.1016/j.bios.2021.113325
[14] Effect of probe contact pressure on the photoplethysmographic assessment of conduit artery stiffness — Grabovskis A, Marcinkevics Z, Rubins U, Kviesis-Kipge E., 2013, Journal of biomedical optics. DOI: 10.1117/1.jbo.18.2.027004
[15] Effects of different contacting pressure on the transfer function between finger photoplethysmographic and radial blood pressure waveforms — Hsiu H, Hsu CL, Wu TL., 2011, Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers. Part H, Journal of engineering in medicine. DOI: 10.1177/0954411910396288
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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