反り腰の原因はかかとの高さにもある?靴を替えたときの骨盤と腰を読み解く

反り腰の原因をヒールの高さだけで決めてよいのか。立ったときと歩くとき、履き慣れた人と慣れていない人の研究を比べ、骨盤の傾きと腰の反りが同じようには変わらない理由を読む。靴を替えた直後の角度と長期の姿勢、腰の痛みを分け、日常で確かめる条件と数字の見方を整理する。

玄関で仕事用のパンプスに履き替え、横向きに鏡を見る。裸足のときとの腰の線の違いが気になり、「このヒールが反り腰の原因だろうか」と思う。かかとが上がれば、その分だけ腰も反る。頭の中では分かりやすい図になるが、実際に測った体はその図どおりには動かない。[3][6]

先に答えると、ヒールの高さは姿勢を変える条件になり得る。反応の向きは研究の条件によって異なる。腰の反りが増した研究もあれば、ほぼ変わらなかった研究、歩くときに小さくなった研究もある。「ヒールを履くから反り腰になる」という一方向の説明では、この違いが抜け落ちる。[3][4][5]

ここでは、反り腰が気になる人の足元に問いを絞る。運動による姿勢の変化は既存記事「姿勢の科学 第4回 反り腰と骨盤の前傾は運動で変わるか、骨盤と腰の反りは別々に測る」に譲る。今回見るのは、靴を替えたとき、腰と骨盤と脚がどこで調節しているかである。[2][6]

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

かかとの高さに、足首・膝・首が応答する

腰椎前弯とは、腰の部分の背骨が前方へ弯曲していることだ。研究で測る腰椎前弯角は、その弯曲を角度として扱った指標である。一方、骨盤の傾きは骨盤の向きを表す。腰椎前弯角が背骨の弯曲を表すのに対し、骨盤の傾きはその下にある骨盤の向きを表す。足元を変えたとき、骨盤の指標だけが変わり、腰の角度は有意に変わらない例がある。[2][16]

足から腰までを、曲がらない棒のように考えると見誤る。ヒールを常用しない女性23人を、平均年齢29±6歳で調べた比較試験では、裸足とヒールで立った状態の全身の画像を比べた。膝の屈曲は平均2.4±2.9度、足首の屈曲は平均38.7±3.4度増えた。一方、腰椎前弯や骨盤の傾きの差は有意ではなかった。[6]

この研究では、大腿骨の傾きを表す角度も平均3.0±1.7度増えていた。足首だけで靴の高さを受け止めるのではなく、膝を曲げ、大腿骨の向きも変える応答だった。さらに、膝の曲げ方が平均より小さい群の首の反りの増加量は5.8±10.7度で、比較する群の1.8±5.3度より大きかった。下肢で調節する人と首も使う人を、全身の画像で捉えた結果である。[6]

別の被験者51人の実験では、専用の台を使って、かかとや足の縁を高くする条件を再現した。足の位置の変更で骨盤の傾きやねじれに有意な変化が出た一方、背骨の姿勢を表す指標には有意な変化がなかった。かかとを10mm、15mm高くした条件では骨盤のねじれも有意に変わった。18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、この集団全体の結果だけでは判断できない。[16]

ここでの読みどころは「足元は関係ない」でも「足元だけが原因」でもない。変化が伝わることと、全身が同じ方向へ同じ大きさで変わることは別だという点だ。骨盤が傾いたという結果を、腰椎前弯が増したという結果に読み替えると、研究が測った範囲から外れてしまう。[2][16]

横からの写真で腰の線が気になったときも、まず自分が何を見ているのかを整理したい。腰の輪郭なのか、骨盤の向きなのか、膝を曲げた立ち方なのか。研究はそれぞれを別の指標にしている。写真の印象だけで「骨盤が前に傾き、腰も反り、その原因が靴である」と続けて判断する材料にはならない。[2][6]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

立って測ると「増える」と「変わらない」が並ぶ

腰の反りが増した結果も、きちんと読む必要がある。中国の若い女性21人の裸足とヒール着用時の立位画像を比較した研究では、腰椎前弯角の平均が54.3±6.4度から65.2±5.1度へ増えた。これは、その集団と測定条件において、ヒールで腰の反りが強まったという結果である。[5]

この変化を小さく扱う必要はない。ただし、対象は若い女性の小規模な集団であり、比較しているのは靴を替えたときの静止姿勢だ。「誰でも履いた瞬間にこれだけ反る」「この角度になると腰痛になる」と一般化することもできない。観察された角度の差と、将来の症状の原因とでは、答えようとしている問いが異なる。[5]

対照的に、ヒールを履く50人と裸足の対照群9人を調べた研究では、腰の反りに有意な変化はなかった。ヒール群は女性32人、男性18人で、靴を履いて歩く、座る、立つという10分間の適応後に測定した。平均角度は23.4度から22.8度へわずかに減ったが、その差は統計的に有意ではなかった。男性を含む集団の平均なので、18〜39歳の女性にも同じ反応が出るかは別に確かめる必要がある。[4]

この数値を先ほどの研究と直接比べ、「こちらの人のほうが腰がまっすぐだ」と読むのも避けたい。一方は画像による測定、他方は背中に沿って測る機器による測定であり、対象の構成も異なる。同じ「前弯角」という言葉が付いていても、別の測り方の数値をひと続きの物差しとして使うことはできない。[4][5]

ヒール経験のある健康な若い女性を対象にした別の研究では、76人が参加し、解析には53人のデータが使われた。足の位置をそろえるために30度のくさび台でヒールを模したところ、体幹の垂直方向のバランス角と骨盤の傾きは有意に減った。効果の大きさはそれぞれ大きい、中等度から大きいとされたが、腰の前弯角には有意差がなかった。[2]

この実験で変化が明瞭だった部位は、体幹の傾きと骨盤である。くさび台は条件をそろえるのに向く一方、各自が普段履く靴をそのまま再現した実験ではない。店頭で同じ高さの靴を見つけても、その研究と同じ応答が起こると予測するための数字ではないのである。[2]

2010年のナラティブレビューは、一般向けの情報では「ヒールで腰の反りが増える」という説明が多い一方、当時の公表研究の多くはそれを支持しないと指摘した。ただし、結果の混在、対象の少なさ、方法の問題も挙げ、研究全体は明確ではないと結んでいる。これは研究を統計的に統合したメタ分析ではなく、文献を検討したレビューとして読む位置づけだ。[11]

歩く腰は、止まった写真と同じ答えになるか

通勤の靴を考えるなら、立ち止まった姿勢だけでは足りない。20〜55歳の女性を対象にした歩行実験では、ヒールに不慣れな23人と、経験のある17人を調べた。裸足、4cm、10cmのヒールで、それぞれ自分で選んだ速度で歩き、骨盤と背骨の動きを比べている。対象に40歳以上の女性も含むため、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、年齢別の検討が必要だ。[3]

結果は「高い靴ほど腰が反る」という予想と逆だった。10cmのヒールでは、両群とも裸足に比べ、歩行中の腰と胸の弯曲角の最大値と最小値が有意に小さくなった。4cmの靴による体幹の動きへの影響は、10cmの靴より小さかった。少なくともこの歩行条件では、腰の反りの増加で全体を説明できなかったのである。[3]

ここで最大値と最小値を測っている点にも意味がある。この研究は22台のカメラで歩行を捉え、その動きの中で現れる角度を追っている。最大値と最小値の両方が小さくなったという結果は、動作中の角度の範囲を読む材料になる。静止姿勢で前弯が増したという研究と、歩行中に角度が小さくなったという研究は、測定場面までそろえて初めて比較できる。[3][5]

また、経験の有無による群間の動きの差は有意ではなかった。「慣れているから必ず反らない」「慣れない人ほど必ず反る」という説明も、この実験からは支持されない。靴に慣れているという自己認識を、腰の反応が一定であることの証明にしないほうがよい。[3]

この結果から、10cmの靴を履いて腰の反りを減らそうと考えるのも早計だ。実験が示したのは歩行中の角度の変化であり、反り腰を治す方法としての効果ではない。低い靴も高い靴も、ここでは体の応答を比べる実験条件である。実験条件の高さと、生活で選ぶ高さは区別して読む。[3]

歩行実験の数字を見るときは、裸足との比較なのか、低いヒールとの比較なのかも確認したい。同じ人でも比較の相手が変われば、説明している差が変わる。この研究では、腰の最大・最小の弯曲角の減少は高いヒールと裸足の比較であり、体幹への影響の大小は低い靴と高い靴を比べた話である。「高いほうが良い」「低いほうが悪い」という順位表にせず、何に対してどう変わったのかを読む必要がある。[3]

数字で読むかかとの高さと腰の反応

21人:立位画像で腰椎前弯角の増加を認めた若い女性の集団。[5]

23.4度から22.8度:ヒール群50人の静止立位の平均値。有意な変化ではなかった。[4]

4cmと10cm:女性の歩行実験で比較したヒールの高さ。安全基準ではない。[3]

53人:くさび台で足の条件をそろえた研究の解析人数。腰の前弯角には有意差がなかった。[2]

2時間:女性34人の予備研究で、ヒールを履いて立つか歩く状態を続けた時間。[1]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約