
しゃがめること、支えられること、痛くないことを分ける
「踵が浮かずにしゃがめたら、運動を再開してよいのだろうか」。見た目の目標があると安心したくなるが、動作の得点と、バランス、痛み、生活での使いやすさは、それぞれ何を測ったかを確かめて読む必要がある。健康な人の研究と、治療中の人の研究を比べると、その違いが見える。[18][4]
活動的で健康な若い男女34人の研究では、複数の基本動作を評価する検査の総合点が高いほど、動きながら姿勢を保つバランスの指標も良いという関連があった。検査には深いスクワットも含まれる。男女を合わせた結果であり、18〜39歳の女性だけに同じ関連が成り立つか、さらに産後にも成り立つかは、この結果から確定できない。しかし、検査全体の点数とバランスの関連は、足首の曲がる範囲だけの効果を表すものではない。[18]
また、この研究では足を伸ばして届く距離を使う評価と、機器上の安定性を使う評価を行っている。どちらもバランスに関わるが、結果を予測した動作項目は同じではなかった。「バランスが良い」という言葉の中にも、測定する課題による違いがあるのだ。[18]
一方、低骨量の75〜85歳の女性を対象にした無作為化比較試験では、筋力を鍛える群、敏捷性を鍛える群、ストレッチ群を比べた。筋力群32人、敏捷性群34人、ストレッチ群32人が、週に2回、25週間の教室に参加した。18〜39歳の女性とは年齢も骨の状態も異なるため、この改善率や運動量をそのまま適用する根拠にはできない。[4]
試験終了時、検査から算出した転倒リスクの点数は、筋力群で57.3%、敏捷性群で47.5%、ストレッチ群で20.2%低下した。ここでいうリスクの点数は、姿勢の揺れ、反応時間、筋力、位置の感覚、視覚を組み合わせた評価である。実際に転んだ回数がその割合だけ減ったという数字ではない。[4]
筋力群と敏捷性群の改善は、主に姿勢の安定性の改善を介していた。一方、足首を背屈させる筋力など、副次的に評価した項目には群間の有意差がなかった。主な評価が改善していても、足首に関係する別の指標まで同じように改善したとは言えなかった。[4]
この高齢女性の運動量を、産後の運動処方として写すことはできない。参考になるのは、運動の成果を何で確かめるかという区別である。しゃがむ深さだけを唯一の成績表にすると、生活で困る動作や、その日の感覚を置き去りにしてしまう。相談では、床へ下がることと戻ることのどちらに困るかも伝えたい。[4][18]
たとえば、床に近づく動作そのものはできるが、おもちゃを手に取る姿勢で迷うなら、その場面を伝える。しゃがめることを示す写真だけでは、そこで何をしようとしていたかは伝わらない。記録する対象は、ポーズの完成形から、暮らしの途中の用事へ広げてよい。
さらに、教室への出席率は筋力群85.4%、敏捷性群87.3%、ストレッチ群78.8%と報告されている。結果の数字の背景には、決められた期間に教室へ参加するという条件があった。足首に関係する運動名だけを取り出して、生活環境や継続の条件まで同じだったことにしないように読みたい。[4]
産後の暮らしで考える場合も、目標の動作と、実際に取り組める予定は分けて相談できる。「深くしゃがめるようになりたい」という希望に加え、床の用事が多い時間帯や、運動の時間を置けそうな場面を伝える。研究の教室をそのまま再現するのでなく、自分が相談すべき条件を具体的にするための読み方である。[4]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「産後に踵が浮いたのだから、出産で足首が硬くなった」という説明は、観察したことより先へ進んでいる。膝の疾患がある人の比較や、女性選手の試合前後の研究は、足首と動作、疲れと検査成績の関係を考える材料になるが、出産によって足首が硬くなるという因果関係を確定する研究ではない。[2][16]
「足首さえ柔らかくすれば、しゃがむ姿も整う」という考えも単純化しすぎである。膝の疾患群では、足首の背屈や足部の動きに違いがあった一方、片脚スクワットでの膝の角度には群間の差がなかった。足首の評価と動作全体の評価を分ける理由がここにある。[2]
「深くしゃがめる人は、生活のどんな場面でも安定している」という読み方にも注意したい。活動的な男女の研究は、特定の動作検査と、決められたバランス課題との関連を調べたものである。育児のあらゆる姿勢での安全性や、産後の回復を合格判定するものとしては使えない。[18]
加えて、「研究で長く続けて改善したのだから、今すぐ同じ量を行えばよい」ともならない。高齢女性の試験には、年齢、低骨量という対象条件、教室での運動、評価期間というまとまりがある。回数だけを切り取ると、どの人が、何を目指して参加したかが抜け落ちる。[4]
研究を読むと、つい正解の動作を探したくなる。しかし、ここで使った研究同士でも対象者と評価が違う。自分の疑問が「踵が浮くのはなぜか」なのか、「床の育児をどう行うか」なのか、「運動再開をどう相談するか」なのかを区別すると、数字の使い道も絞れる。[2][4][16][18]

今日からできること
- 「産後、体が硬い」だけで終えず、床のおもちゃ、着替え、片づけなど、踵の浮きが気になった場面を書く。足首の検査としゃがむ動作は別に評価されているため、見た目から原因を決めずに相談へ持っていく。[2]
- しゃがむ深さと、踵の浮き、膝の感覚を文章の中で分ける。51人と23人の比較でも、足首の違いと膝の角度の違いは一致しなかったことを踏まえ、自分で病名に結びつけない。[2]
- 前に何をしていたか、疲れをどう感じたかを添える。プロの女性サッカー選手24人の試験は、強い競技負荷を伴う試合前後の比較である。家庭の記録はその研究の再現ではなく、相談相手へ状況を伝えるために使う。[16]
- 動画の完成形を再現するより、何ができるようになりたいかを言葉にする。健康な男女34人で確認された動作得点とバランスの関連を、産後の運動許可の基準に置き換えない。[18]
- 痛みがある場合や運動再開の判断に迷う場合は医師に相談する。高齢女性の25週間の試験の運動量を自分用に写さず、生活の記録と希望を伝えたうえで、取り組む内容を相談する。[4]
相談のためのメモは、毎回深くしゃがんで記録を更新する課題ではない。実際に困った場面があったら、その用事と感覚を書き留めるという使い方でよい。「昨日より低く下がれた」という成績より、「床の服を取るときに迷った」という記述のほうが、本人の目的を伝えることもある。
相談相手に見せるときには、自分の推測を消す必要もない。「足首が硬い気がする」と書いたうえで、その根拠にした場面を添えればよい。研究で検査を分けるのと同じく、本人の実感と観察を並べるのである。初めから正しい専門用語に翻訳しようとすると、肝心の生活の様子が薄くなってしまう。[2][18]
また、相談の席で聞きたいこともメモの末尾に置ける。床での用事をどう考えるか、どの運動から検討するか、何を目安に次の相談をするか。自分が求める答えを添えておけば、踵の写真だけを見せて説明が終わることを避けられる。産後という大きな括りの中に、自分の暮らしの用事を戻すための準備である。
オンザショアで、通う時間と運動の種類を選ぶ
床の動作の相談と並行して、運動を続ける場所を考えるなら、生活のどこに通う時間を置くかも確認したい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30で、年中無休、全曜日同じ時間帯で営業している。JR立川駅北口から徒歩1分、住所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fである。
店には溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを扱い、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもある。時間と種目の選択肢を、通う予定を立てる材料にできる。
医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。施設の案内は店のトップ、費用は料金、体験の手続きは体験の予約で確認できる。

参考文献
[2] Foot and ankle characteristics and dynamic knee valgus in individuals with patellofemoral osteoarthritis — Wyndow N, Collins NJ, Vicenzino B, Tucker K, Crossley KM., 2018, Journal of foot and ankle research. DOI: 10.1186/s13047-018-0310-1
[4] Resistance and agility training reduce fall risk in women aged 75 to 85 with low bone mass: a 6-month randomized, controlled trial — Liu-Ambrose T, Khan KM, Eng JJ, Janssen PA, Lord SR, McKay HA., 2004, Journal of the American Geriatrics Society. DOI: 10.1111/j.1532-5415.2004.52200.x
[16] Are Functional Movement Screen Tests Performed at the Right Time, if It Is an Injury Risk Predictor? — Kocak UZ, Unver B., 2020, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2019-0435
[18] Use of Functional Movement Screen Scores to Predict Dynamic Balance in Physically Active Men and Women — Scudamore EM, Stevens SL, Fuller DK, Coons JM, Morgan DW., 2019, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000002829
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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