
おいしくなっても、飲む量が増えるとは限らない
風味の改善をそのまま摂取量の改善と考えたくなるが、反例がある。平均年齢23.1歳の男子大学バスケットボール選手18人を対象とした無作為化試験では、暑い中での少人数の試合に際し、人工的に甘味を付けた風味付き水と普通の水を比較した。風味付き水は炭水化物を含まず、ナトリウムもごく少ない飲料だった。男子競技者の結果を18〜39歳の女性へそのまま当てはめることはできない。[20]
好みの評価は風味付き水が6.78、水が5.56で、風味付き水のほうが有意に高かった。しかし飲水量はそれぞれ1083mLと1421mLで、統計的に有意な差はなかった。飲料への評価がよくなっても、この条件では自発的に飲む量が増えたとはいえない結果である。[20]
有意差がないことは、どの場面でも同じ量になるという証明ではない。対象は男子選手であり、運動中の水分摂取の試験である。女性の運動後のプロテインへ数字を移すのではなく、「おいしさだけを直せば飲み切れる」という想定をいったん外すために読む。[20]
もし味を替えて好みには合うようになったのに、容器には同じくらい残るなら、その変化を失敗と決めなくてよい。味の問題は改善したが、飲む量の問題が残った、と書ける。残った理由を考える段階では、量の負担、飲む場面、食事との関係へ目を向ける。味の好みの得点と容器の残りは、別々の結果として保存するのである。
女性を対象に運動後の飲料を比べた小規模試験も、この区別を考える材料になる。トレーニングをしている女性8人が、自転車運動後の4時間に、種類の異なる飲料を自由に摂り、途中で食事も選べる条件を経験した。トレーニングをしている女性の結果であり、18〜39歳の女性全般に同じ摂取量や反応を見込むことはできない。飲料によって、飲食物全体からの水分摂取量と尿量は違ったが、摂取した水分のうち体に保持された量には有意な差がなかった。[10]
水の条件では総水分摂取量が1918g、高たんぱくの乳飲料の条件では1523gだった一方、保持された水分量はそれぞれ1352gと1293gだった。また、飲食物を合わせた総エネルギー摂取量は飲料によって異なった。たくさん飲めたか、水分がどれだけ残ったか、栄養をどれだけ摂ったかは、同じ物差しではない。[10]
この試験は強い運動の後の回復を扱っており、人数も少ない。それでも、飲料を単独で比べるだけでなく、その後に何を食べたかまで見る意義がある。帰宅して夕食を取る日と、移動が続く日では、飲料に何を担わせたいかを先に言葉にしておく。大きな容器を空にしたことだけを補給の成績にしない。[10]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
乳製品を替えるなら、好みとお腹を一緒に見る
食品の形を替えるとどうか。日常的に運動する30人が参加した無作為化クロスオーバー試験では、同じ人が別の日に牛乳とヨーグルトを摂り、その後に筋力トレーニングを行った。たんぱく質はどちらも約25gだが、製品量は牛乳500mL、ヨーグルト200mLだった。日常的に運動する人の運動前の比較であり、18〜39歳の女性の運動後にそのまま当てはめるには条件が違う。[1]
牛乳はヨーグルトより甘さの評価が高く、総合的な受け入れやすさも高かった。総合評価は牛乳7.97、ヨーグルト7.63である。ただし腹部膨満やげっぷは牛乳で多かった。全体として症状は少なく、主に軽度であり、両製品とも良好に受け入れられたと報告された。[1]
甘い評価が高い製品が、総合評価でも高かった点にも注目したい。運動に関連する飲み物は甘くないほどよい、という一方向の話にはならない。一方で、好ましいと感じた製品でもお腹の症状が少ないとは限らなかった。好みと耐えやすさを同時に見る理由がここにある。[1]
この研究は運動前の摂取を調べている。運動後に同じ結果が出ると決めたり、牛乳へ替えれば誰でも楽になるとしたりはできない。また、量も食品の形も違う比較なので、甘さだけが総合評価を決めたという読み方も避けたい。量の違いを含めた製品同士の比較として受け取るべきである。[1]
家で試すときも、飲料からヨーグルトへ替えたなら「味を替えた」とだけ書かない。食べる形、口に入れる量、摂った時刻も一緒に変わった、と残す。次に同じ選択をする理由が、おいしかったからなのか、量を受け入れやすかったからなのかを見失わないためだ。
プロテインの袋にある味の名前は買い物の入口になるが、身体との相性を記録する欄としては粗い。味の名称に加えて、摂った食品と量、運動前後のどちらか、好み、お腹の感覚を書き分ける。乳製品の試験が別々に評価した項目を、生活でも切り離して眺める方法である。[1]

よくある誤解
「運動後に甘すぎるなら、味覚が悪くなったのだ」という決め付けは避けたい。探索的研究でみられたのは、運動の種類と普段の活動状況によって異なる甘味強度の変化であり、苦味は変わらなかった。これを味覚全体の良し悪しへ言い換えることはできない。[6]
「好きな味を選べば、必要なだけ自然に飲める」とも限らない。風味付き水が好まれても飲水量の有意な増加がみられなかった試験がある。好きになったことはそのまま認めつつ、実際に摂れた量を確認する段階を残したい。好みの改善を、補給の完成と取り違えないことである。[20]
「運動を続ければ、いつか同じ味が必ず好きになる」という予測にも慎重でありたい。2型糖尿病のある35〜60歳の人を対象とし、225人を運動などの群へ無作為に割り付けた試験では、有酸素運動群が速歩を1日30分、週4〜5日、6か月続けた。疾患と年齢層が異なるため、18〜39歳の健康な女性へそのまま当てはめることはできない。甘味の強度評価が高まる一方で、好むショ糖濃度は低下した。[16]
好む濃度の変化は、運動群で6か月後に平均−0.05mol/L、対照群で+0.01mol/Lだった。強く感じる方向と、強い甘さを好む方向が一致しなかった例である。ただし疾患のある人の継続運動の結果であり、健康な人の運動直後の飲みづらさを説明するために、そのまま使えるわけではない。[16]
単発の運動と継続運動の味覚変化の比較は、既存記事「運動後の味覚変化は続けると逆転する?単発の運動と6か月の速歩を比べる」に譲る。ここでの判断は、将来の味の変化を期待して飲み続けることより、今の辛さを具体化して、試した結果を確かめることである。
今日からできること
- 次に飲むときは、甘さの強さと好き嫌いを別の言葉で残す。36人の試験が測った甘味強度は、好みや飲み切れた量とは異なる指標だ。[6]
- 運動後だけ辛いなら、運動内容もメモする。中強度の連続運動と高強度の間欠運動では、普段の活動状況によって甘味の反応が違った。[6]
- 味を替えた日は、好みに合ったかと実際に飲めた量をそれぞれ確認する。18人の男子選手の試験では、好みの改善が飲水量の有意な増加につながらなかった。[20]
- 乳製品を選び直す際は、量とお腹の感覚も比べる。約25gのたんぱく質を摂る試験でも、牛乳500mLとヨーグルト200mLで評価や症状が異なった。これは各自の推奨量ではなく比較の条件である。[1]
- 飲料だけで判断せず、その後の食事も記録する。女性8人の運動後試験では、飲食物を合わせた水分とエネルギーを評価しており、飲んだ量だけでは回復時の摂取全体を表せなかった。[10]
記録は、飲み切るための採点表にしなくてよい。「前よりおいしいが、量はまだ重い」と書ければ、次に比べる点は絞れている。痛みや飲み込みの困難、続く不調がある場合は、味の工夫で片付けず医師に相談する対象である。好みの比較と健康状態の判断を同じ作業にはしない。

オンザショアで、運動の時間を予定に置く
運動後の飲みづらさを比べるなら、まず自分がどんな時間帯に体を動かすかを決めておきたい。仕事帰りに参加して夕食へ向かう日と、朝に参加してから用事を始める日では、その後の食事の予定も違う。通う場所を選ぶ際も、運動だけでなく、帰宅して食事を取るまでの流れを考えると予定を組みやすい。
オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。場所は東京都立川市曙町2-14-10、エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分だ。店のトップと料金で、生活に組み込む条件を確かめられる。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約を考えるときは、レッスン後の食事の予定まで含めて、通いたい時間帯を選びたい。
参考文献
[1] Pre-Workout Intake of High-Protein Products: Palatability and Gastrointestinal Effects of Milk vs. Yogurt — Portuguez-Molina P, Garzón-Mosquera JC, AragónVargas LF., 2025, Nutrients. DOI: 10.3390/nu17223540
[4] Nutritional needs for exercise in the heat — Burke LM., 2001, Comparative biochemistry and physiology. Part A, Molecular & integrative physiology. DOI: 10.1016/s1095-6433(01)00279-3
[6] Effect of physical exercise on taste perception and saliva composition: An exploratory study — Roque A, Perez-Jimenez M, Simões C, Carreira L, Capela E Silva F, Batalha N, Rai, 2025, Food research international (Ottawa, Ont.). DOI: 10.1016/j.foodres.2025.117452
[8] Sensory Perception of an Oral Rehydration Solution during Exercise in the Heat — Kitson O, Rutherfurd-Markwick K, Foskett A, Lee JKW, Diako C, Wong M, Ali A., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13103313
[10] Fluid, energy, and nutrient recovery via ad libitum intake of different commercial beverages and food in female athletes — McCartney D, Irwin C, Cox GR, Desbrow B., 2019, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2018-0176
[16] Impact of aerobic exercises on taste perception for sucrose in patients with type 2 diabetes mellitus; A randomized controlled trial — Vidanage D, Prathapan S, Hettiarachchi P, Wasalathanthri S., 2022, BMC endocrine disorders. DOI: 10.1186/s12902-022-00936-5
[20] Palatable Flavoured Fluids without Carbohydrates and Electrolytes Do Not Enhance Voluntary Fluid Consumption in Male Collegiate Basketball Players in the Heat — Taim BC, Suppiah HT, Wee J, Lee M, Lee JKW, Chia M., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13124197
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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