
呼吸筋を鍛える試験は、息継ぎを我慢する試験と違う
呼吸に関わる筋肉へ負荷をかける研究もある。体力のあるスクーバダイバー20人を調べた無作為化比較試験では、抵抗のある弁を使う呼吸筋トレーニングを行った。呼吸を制限して泳ぎ続けるのではなく、呼吸の動きに抵抗を加える練習である。18〜39歳の女性一般に同じ効果を当てはめるには、ダイバーとの運動経験や水中での条件の違いを考える必要がある。この方法と、プールで吸う回数を減らすことは区別しておきたい。[1]
週3回の呼吸筋トレーニングでは、最大吸気圧が20%、最大呼気圧が25%改善した。これらは吸う筋肉、吐く筋肉が発揮する圧力の指標である。水面でフィンを使って泳ぎ続けられる時間は50%、水中では88%延びた。一方、肺機能には有意な改善がなかった。呼吸の力と泳ぐ持久時間が伸びても、肺機能検査は変わらないという組み合わせが見られた。[1]
同じ研究で、週5回の条件でも呼吸の圧力、呼吸筋の持久力、水面と水中で泳げる時間に改善が報告された。さらに週2回の維持練習では、週3回の練習後に得られた水準が保たれた。ただし、この頻度を一般の水泳の回数に読み替えることはできない。抵抗をかける器具を使った呼吸筋の練習頻度だからである。[1]
水中で泳ぐ持久力テストでは、練習後に酸素摂取量、換気量、呼吸頻度が低下していた。ここでは呼吸頻度の低下は、所定のトレーニングの後に測られた変化である。「回数を減らしたから能力が上がった」と、結果から原因へ話を逆向きにしてはいけない。隣の人の息継ぎが少ないことだけを見て、その練習方法まで推測できない理由でもある。[1]
この研究を普段の運動選びに生かすなら、呼吸の回数ではなく、何を練習した結果なのかに注目することになる。吸う力、吐く力、泳げる時間、肺機能はそれぞれ違う表情を見せた。自分の目標が「疲れて途中で止まる場面を減らしたい」なら、タイムだけでなく、止まった理由やそのときの呼吸の様子も指導者に伝える材料になる。[1]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
息のつらさと腕の疲れを分けて言葉にする
プールの壁に着いて「きつかった」と感じたとき、腕が重いのか、呼吸が忙しいのか、全身が疲れたのかを分けてみたい。女性10人が最大下から最大強度まで泳いだ測定研究では、全体のきつさと、心拍、呼吸、腕、脚それぞれのきつさを評価した。全体の感覚を何が強く左右するかは、泳ぐ強度によって変わっていた。[15]
最大酸素摂取量に対する割合が20〜45%の範囲では、心拍のきつさが全体のきつさへの主な寄与因子だった。45%を超える範囲では腕のきつさが主な寄与因子となり、66〜96%では呼吸のきつさが次に寄与した。腕も息も同じ大きさで全体の感覚を決めるわけではなかったのである。[15]
これは、きつさの原因を本人の感覚だけで診断できるという話ではない。人数の少ない測定研究で、各感覚と生理的な反応の関係を分析した結果である。「息が苦しいから心肺機能が低い」「腕が疲れたから呼吸は関係ない」と原因を決めつけず、何がつらかったかを詳しく記録するために使える視点だ。[15]
たとえば、泳ぎ終わった記録を「今日はきつい」で閉じず、「途中から腕が重かった」「息継ぎの間隔を意識したら呼吸が気になった」と書いてみる。その言葉があれば、指導者も速さの話と呼吸の話を分けて聞ける。感覚の記録は酸素摂取量の検査ではないが、全体の感覚を部位や呼吸に分ける評価は研究でも使われている。[15]
胸の苦しさや呼吸の不調を、練習の達成感に混ぜないことも大切である。競泳選手412人への質問と、健康なエリート選手14人の測定を行った研究では、呼吸器症状の訴えが最も多かったのは競技速度での水泳だった。競泳選手を対象とした結果であり、18〜39歳の女性一般の症状の頻度にはそのまま当てはめられない。強く泳いだ日の呼吸の変化は、「よく頑張った」のひと言で済ませず、不調があるなら医師に相談する対象として扱いたい。[5]
この研究では、陸上から水中の泳ぐ姿勢へ移ったとき、肺機能検査の比率にも変化があり、競技速度での換気量は女性で計算上の最大随意換気量の72%、男性で75%だった。最大随意換気量とは、最大限に速く深く呼吸したときの換気能力の指標である。水中の呼吸を陸上の印象だけで判断しない必要がある。[5]
なお、これはエリート競泳選手の検査に関する研究であり、普通に泳ぐ人の症状の頻度を示した数字ではない。競技速度で症状が多かった事実を、すべての水泳が呼吸に悪いという話へ広げるのも違う。息継ぎの練習相談と、症状について医師に伝える相談は、それぞれの目的に合わせて行う。[5]

よくある誤解
「息継ぎが少ないほど、心肺機能が高い」は短絡である。呼吸制限を加えてタイムが縮んだ競技者でも、ピーク酸素摂取量は変わらなかった。また、呼吸筋を鍛えた後に呼吸頻度が減った結果を、回数を減らす練習の効果と読み替えることもできない。少ない回数という外見と、測定した能力を混同しない。[1][8]
「速くなったなら、肺の働きも全部よくなった」も研究と合わない。ダイバーの試験では、呼吸の圧力や泳ぐ持久時間が改善しても肺機能の有意な改善はなかった。他方、フィン水泳の選手では肺機能検査の値が改善した。肺について何を測ったかを省き、「肺が強くなった」とだけ表現すると、異なる結果を同じものにしてしまう。[1][9]
「呼吸がつらい練習ほど、効率よく鍛えられる」とも決められない。息止めを使ったフィン水泳では成績の改善と、運動後の酸素飽和度のより大きな低下が同時に報告された。改善の項目があることは、つらさや酸素飽和度の低下を自分で目指す理由にはならない。競技者の練習結果を、一般の人への実施指示に変えない読み方が必要だ。[9]
研究の数字を比べるときは、変化の大きさにもばらつきがある。トライアスロン選手の100mの短縮は平均3.7秒で、そのばらつきを表す標準偏差も3.7秒だった。フィン水泳の最初の1秒間に吐ける量の変化は平均17%、標準偏差15%である。平均値は、参加者全員に同じ変化が起きる約束ではない。[8][9]
さらに、器具で測った数字にも測定条件がある。訓練された泳者16人の流水中の測定研究では、比較した方法はピーク時の酸素摂取量や換気量で一致せず、相互に置き換えて使えないとされた。18〜39歳の女性一般で測定差が同じ大きさになるかは、この訓練された泳者の結果だけでは判断できない。異なる場所、方法で測った数字を並べて、少し高いほうを自分の成長と決める前に、測定条件を確認する必要がある。[6]
今日からできること
- 目標を「息継ぎを減らす」から、何を確かめたいかという言葉に直す。100mのタイムとピーク酸素摂取量は別の結果だったことを、記録の前提に置く。[8]
- 泳いだ後は、全体のきつさに加え、腕、脚、呼吸の感覚を書き分ける。女性10人の研究で用いられた区別を、指導者への説明の手掛かりにする。[15]
- 呼吸制限の競技練習を日常のメニューへそのまま移さない。5週間の試験は16人のトライアスロン選手が対象だったという条件まで一緒に読む。[8]
- フィン水泳の結果を見るときは、28人、16週間という対象と期間に加え、酸素飽和度の変化も確認する。成績だけを抜き出して息止めの目標を作らない。[9]
- 呼吸の不調は泳ぎ方の相談だけで済ませず、医師に相談する。412人の競泳選手への質問でも、症状は泳ぐ強度と分けて調べられている。[5]
練習の相談では、最初に「長く動けるようになりたいのか」「泳ぐ記録を縮めたいのか」を伝えておくと話が具体的になる。ダイバーの研究で改善した泳げる時間と、競技者のクロール試験で改善した所要時間は、向きの違う成果である。前者は長くなり、後者は短くなる。時計の数字でさえ、何を測るかでよい変化の向きが逆になる。[1][8]
同じように、普段のメモにも「何を変えた日か」を添えたい。速さを意識したのか、呼吸のことを考えていたのか、腕の感覚が違ったのか。研究のような検査値がなくても、相談の材料は残せる。呼吸頻度だけを成果の目盛りにせず、目標と記録を対応させるほうが、研究の結果を日常に取り入れる道筋になる。[8][15]

オンザショアで、呼吸回数より続ける予定を考える
水泳の息継ぎの回数から、陸上の運動の成果まで決めることはできない。別の運動も生活に取り入れるなら、まず種目と通う時間を選びたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。住所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。仕事の前後など、自分の生活のどこに通う時間を置くかを考えられる場所だ。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも扱う。朝に通うか、帰宅前に寄るかを営業時間と照らし合わせ、どの種目の時間を生活に置くか考える。運動を続ける場を選ぶ際は、まず店のトップで内容を確認したい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と体験の予約も確認できる。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
参考文献
[1] Resistive respiratory muscle training improves and maintains endurance swimming performance in divers — Lindholm P, Wylegala J, Pendergast DR, Lundgren CE, 2007, Undersea & hyperbaric medicine : journal of the Undersea and Hyperbaric Medical Society, Inc. DOI: なし
[5] Swimming-induced changes in pulmonary function: special observations for clinical testing — Päivinen M, Keskinen K, Tikkanen H, 2021, BMC sports science, medicine & rehabilitation. DOI: 10.1186/s13102-021-00277-1
[6] Practical Considerations for Assessing Pulmonary Gas Exchange and Ventilation During Flume Swimming Using the MetaSwim Metabolic Cart — Lomax M, Mayger B, Saynor ZL, Vine C, Massey HC, 2019, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000002801
[8] Hypoventilation Training at Supramaximal Intensity Improves Swimming Performance — Woorons X, Mucci P, Richalet JP, Pichon A, 2016, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000000863
[9] Changes in Respiratory Parameters and Fin-Swimming Performance Following a 16-Week Training Period with Intermittent Breath Holding — Stavrou V, Toubekis AG, Karetsi E, 2015, Journal of human kinetics. DOI: 10.1515/hukin-2015-0111
[15] Contribution of differentiated ratings of perceived exertion to overall exertion in women while swimming — Ueda T, Kurokawa T, Kikkawa K, Choi TH, 1993, European journal of applied physiology and occupational physiology. DOI: 10.1007/bf00235093
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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