
筋力とバランスが別々に変わることもある
股関節筋力と動きのレビューは、けがのない集団とけがのある集団を含む横断研究をまとめている。横断研究とは、測定した特徴どうしがその時点でどう関係するかを見る研究であり、筋力を増やした結果として動きが変わったかを直接確かめる試験とは異なる。このレビューで採用されたのは41論文で、両方の集団を含む論文もあった。18〜39歳の女性に限定した結果として、そのまま当てはめることはできない。[18]
多くの筋力指標と片脚動作中の股関節・膝の動きの関連は、けがのない集団で相関係数−0.33〜0.45、けがのある集団で−0.24〜0.24の範囲にあった。相関係数は、測定値どうしがどの程度一緒に変わるかを表す指標である。研究全体は、多くの関係を「ないか弱い」と評価している。[18]
測り方を分けると、より強い関係も見えてくる。筋肉を縮めながら、または伸ばされながら力を出す股関節外転筋力では、股関節内転や膝の外側方向の動きとの間に、一定の負の関係を認めた結果もあった。股関節内転との相関は−0.52だった。筋力を測る方法によって、動作との対応が変わる可能性も含む結果である。[18]
つまり、「筋力は関係ない」と切り捨てるのも早い。止まった状態で力を出す測定と、動作中の関節角度は同じ課題ではなく、動きながら力を発揮する測定では違う関係が現れる。内ももに力が入った感覚だけで全身の安定を説明せず、同時に、姿勢が揺れたという理由だけで筋力練習を無意味と決めない読み方が必要だ。[18]
別の角度から、この区別を示す試験もある。慢性的な非特異的腰痛のある60〜80歳の女性40人を、動的な安定化運動だけの群と、身体の動きへの気づきを扱う方法を組み合わせた群へ無作為に分け、8週間比較した。完了者は37人だった。組み合わせた群のほうが痛みと股関節の内転・外転筋力の改善は大きかったが、バランスの群間差は統計的に有意ではなかった。対象は腰痛のある高齢女性であり、18〜39歳の女性に同じ効果を見込めるかは別の検証を要する。[20]
この結果は「筋力を伸ばしても意味がない」という話ではない。両群でバランスは改善していたが、追加した方法の優位性は筋力とバランスで同じようには現れなかったという話である。内転筋力の変化とバランス評価の変化を別々に報告することには意味がある。どちらかの改善を、もう片方の改善の証明に代用しないためだ。[20]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
左右差が減っても、それだけで良い動きとは決めない
注意を別の課題へ向けたときの変化は、「悪化した」の一言でも整理できない。前十字靱帯を再建した男性25人の観察研究では、歩くだけの条件と認知課題を同時に行う条件を比較した。二重課題では、手術側と反対側の両方で、特定の歩行局面の膝の曲がる角度や膝を伸ばす力の作用が小さくなった。術後男性の結果を、健康な18〜39歳の女性へそのまま当てはめることはできない。[4]
その一方、股関節の内転角度や外転方向の力の作用に関する左右差は、一部の局面で小さくなった。「左右がそろった」と聞くと改善を連想しやすいが、同時に膝の使い方も変わっている。左右差という成績だけを取り出して、歩行全体が良くなったと判定するのは、この結果の読み方として狭すぎる。[4]
ここでの対象は膝の手術後の男性であり、健康な女性の日常的な片脚立ちではない。研究が扱ったのも、認知課題による歩行中の変化である。自分の歯磨き中の揺れを手術後の歩行と同じものにする必要はない。参考になるのは、追加の作業があると手術をしていない側も含めて動きが変わり、左右差だけでは全体像を捉えられないという点だ。[4]
自宅で記録する場合も、「いつもより長く立てた」だけでは条件が分からない。画面を見たのか、会話したのか、足を着き直したのかを書き添えると、少なくとも同じ課題を比べているか確認できる。研究でも、単独課題と二重課題を区別して測定している。生活の記録は研究の検査ではないが、条件を混ぜない姿勢は取り入れられる。[1][2][4]
また、作業に気を取られた日は、姿勢だけを採点しない。たとえば歯磨きを中断したのか、画面の文章を読み直したのかも、本人の目的に照らして振り返る材料になる。これは筋力の評価ではなく、生活のどの作業を優先したいかの整理である。研究で立位と歩行を別々に評価したように、自分の目的も一括りにしないほうが扱いやすい。[2]
条件の記録には、上達を判定する以外の役割もある。たとえば同じ洗面台でも、今日は運動に集中したいのか、急いで身支度を終えたいのかで、同時に行う理由は違う。運動の目的を確かめる日には身支度を終えてから取り組む、と予定を分ける選択ができる。作業を重ねること自体を成功条件にせず、生活の目的に沿って組み合わせを選びたい。
研究の参加者が課題を完了したという事実も、その課題を誰でも始められるという意味ではない。障害物またぎの研究は健康な高齢者、歩行の研究は膝の手術後の男性を対象にしている。普段の運動歴や体の状態の違いを飛び越えて、計算しながら片脚で立つことを一律の宿題にする理由にはならない。まず自分が練習したい動作を言葉にし、必要なら指導者へ条件を相談する材料にする。[1][4]

よくある誤解
「別の作業を足せば内転筋の負荷も増える」という思い込みがある。しかし、引き算を加えた障害物またぎで確認されたのは、速度と骨盤・脚の動きの変化である。立位訓練の試験も、内転筋だけを鍛える方法の比較ではなかった。考える作業の追加を、内転筋への抵抗の追加と同じように数えることはできない。[1][2]
「片脚立ちが上達すれば、歩きながら何をしても平気」という期待にも距離を置きたい。健康な高齢者の訓練では、片脚立ち時間などが改善しても、歩行速度と歩行中のバランスは変わらなかった。静かに立つこと、狭い足場を歩くこと、障害物を越えることには、それぞれの課題がある。洗面台で立てた時間を、駅の階段の安全証明にはしない。[1][2]
「内ももが弱いから揺れるに違いない」という自己診断も急ぎすぎである。股関節筋力と片脚動作の関係を集めたレビューでは、多くの関連は弱かった。さらに高齢女性の運動試験では、筋力改善の群間差があってもバランス改善の群間差は有意ではなかった。揺れを筋力だけへ翻訳せず、作業の種類や測定条件も見ておきたい。[18][20]
反対に、揺れが少なかった日を「内転筋の筋トレが効いた日」と決めるのも慎重でありたい。研究は、関節の動き、片脚立ち時間、手を伸ばす距離、歩行の成績、筋力を分けている。日常での感想にも、その分け方を残せる。何ができたかを具体的に言葉にすれば、筋力への期待を膨らませずに練習の記録を持てるのである。[2][18]
今日からできること
- 目的を「内側へ力を出す練習」か「姿勢を保つ練習」かで書き分ける。筋力と片脚動作を同じ指標で代用しないための整理である。[18]
- まず別の作業を止めた条件を記録する。研究の単独課題と二重課題の比較にならい、画面や会話の有無を区別する。[1][4]
- 段差や障害物を越えるときは画面操作を分ける。高齢者16人の実験では、引き算を加えると速度と脚の使い方が変わった。[1]
- 約15分、週2日、8週間という数字は研究条件として読む。内転筋の推奨量とせず、立位の成績と歩行の成績を分けて振り返る。[2]
- 痛みや手術後の不安がある場合は、ながら動作で自己評価を重ねず医師に相談する。術後男性25人の歩行研究を、自分向けの運動処方に置き換えない。[4]

オンザショアで、運動する時間を予定に置く
生活の作業と運動を重ねる前に、運動のための時間を予定に置く方法もある。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。仕事や用事の予定と照らし合わせ、通う時間を考えるための情報になる。JR立川駅北口から徒歩1分、住所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、続ける仕組みを考える際には、種目と通う時間を合わせて検討できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。体験のヨガは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。通う前に店のトップと料金を確認し、日時を決める際は体験の予約へ進める。
参考文献
[1] Cognitive-motor dual task induces strategic kinematic adjustments with increased toe-obstacle clearance for older adults during obstacle crossing — Lu SH, Kuan YC, Wu KW, Wang TM, Lu TW., 2025, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0334321
[2] Effects of Motor-Cognitive Dual-Task Standing Balance Exergaming Training on Healthy Older Adults’ Standing Balance and Walking Performance — Uematsu A, Tsuchiya K, Fukushima H, Hortobágyi T., 2023, Games for health journal. DOI: 10.1089/g4h.2022.0203
[4] Effect of dual task on gait asymmetry in patients after anterior cruciate ligament reconstruction — Shi H, Huang H, Yu Y, Liang Z, Zhang S, Yu B, Liu H, Ao Y., 2018, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-018-30459-w
[18] Hip strength does not correlate with hip and knee biomechanics during single-leg tasks: A systematic review with meta-analysis and evidence gap map — Garcia MC, Waiteman MC, Taylor-Haas JA, Bazett-Jones DM., 2024, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2024.2415219
[20] Comparison of dynamic neuromuscular stabilization exercises with and without the feldenkrais method on pain, balance, and hip muscle strength in elderly women with chronic non-specific low back pain — Ziya M, Saki F, Arjipour M., 2026, Geriatric nursing (New York, N.Y.). DOI: 10.1016/j.gerinurse.2026.103804
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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