ダイエット中のプロテインはソイとホエイのどちらを選ぶべきか。食事制限中に直接比較した試験と、女性を対象とした研究を読み、筋肉を作る短期の反応と実際の体組成の変化を分ける。ホエイに有利な結果の大きさ、差が出なかった条件、食事全体と活動を含めた選び方を具体的に考える。
夕食の献立を考えながら、ソイとホエイの袋を見比べる。ソイは大豆由来、ホエイは乳由来だが、原料の名前だけでは食事制限中に筋肉が残るかは決まらない。直接比較した短期試験では、食後に筋肉のたんぱく質を作る反応の低下をホエイがより小さくした。測ったのは短期の合成反応であり、長期に残る筋肉量は別の評価になる。[6]
選ぶ根拠を置くなら、食事を減らしている期間のホエイには有利な材料がある。一方、女性の研究をまとめた結果でも脂肪が余分に減るとは確認されず、ソイとそれ以外のたんぱく質で体組成に差がなかった試験もある。「ホエイなら痩せる」「ソイでは筋肉が守れない」という選び方は、どちらも研究より先に走っている。[2][7]
既存記事「女性の筋トレにソイプロテインは向いている?乳由来との比較で選ぶ前に読む」には筋トレ一般での選択を譲る。ここで比べるのは、食事から入るエネルギーを減らしている間に、何を測るとホエイが有利で、何を測ると差が見えないのかである。体重を減らすこと自体を全員の目標にはしない。既存記事「女性のプロテインはソイとホエイを混ぜる?大豆と乳で合成が続く時間を読む」が扱う混合や配合の問いとも分け、ここでは食事制限下の単独のたんぱく源の比較に絞る。

食事制限中という条件を先にそろえる
同じプロテインでも、普段どおり食べている人と、食事量を減らしている人を一緒にすると答えが変わる。女性を対象とした系統的レビューとメタ分析では、ホエイを補った群と補わなかった対照群の違いをまとめ、食事制限を伴う研究と伴わない研究も分けて検討している。[2]
採用されたのは無作為化比較試験、つまり参加者を無作為に介入群などへ分けて比較する試験が13件である。全体では、ホエイ群の除脂肪量は対照群より平均0.37 kg多く、95%信頼区間は0.06〜0.67 kgだった。食事制限を含む6比較では差が0.90 kg、95%信頼区間は0.31〜1.49 kgとなった。[2]
対して、食事制限を含まない9比較では差が0.22 kgで、95%信頼区間は−0.12〜0.57 kgだった。この区間は差がない場合も含んでおり、明確な上乗せ効果とは読めない。食事制限中の結果を、そのまま食事を減らしていない日の必要性に使うことはできないのである。[2]
ここで重要なのは、比較相手にソイ以外も含まれる点だ。この分析は「女性にホエイを追加すると、追加しない条件と比べてどうか」への答えであり、「同じ条件のソイをホエイに替えると0.90 kg違う」という意味ではない。検索結果の数字を買い替えの差額のように扱わないことが大切だ。[2]
信頼区間は、平均差の推定にどの程度の幅があるかを見るために、差の数字と並べて読みたい。食事制限を含む比較の0.90 kgは、各参加者が必ずその量を得たという記録ではない。また、食事制限をする人ほど常に利益が大きいという個人別の予測でもなく、まとめた研究群の結果である。[2]
体重の変化だけを目的にすると、この評価項目を見落としやすい。研究で扱った除脂肪量と脂肪量は別々の項目であり、除脂肪量の好ましい群間差を、そのまま体重の減少幅として説明するのは不適切だ。体重計だけを眺める場面にも、何を残したい比較だったのかという視点を持ち込みたい。[2]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
ソイとホエイを直接比べた短期試験
両者を直接比べた無作為化二重盲検試験では、過体重または肥満の男性19人と女性21人、年齢35〜65歳を対象にした。参加者も評価する側も割り当てを知らない形で、14日間の管理された食事制限を行い、ホエイ、ソイ、炭水化物の補助食品を比較した。男性と中年以降の女性を含むため、18〜39歳の女性全体への適用には対象のずれがある。[6]
研究上のエネルギー不足は1日750 kcalだった。ホエイは補助食品あたり27 g、ソイは26 gのたんぱく質を、いずれも毎日2回摂取した。食事を含む総たんぱく質量は両たんぱく質群で体重あたり1日1.3±0.1 g/kgであり、粉だけを比べた実験ではない。これらは試験条件であって、読者が同じ制限を行うための処方ではない。[6]
調べたのは筋原線維たんぱく質合成、筋肉のたんぱく質を作る反応である。食後の合成速度は介入前に比べ、ホエイ群で9±1%、ソイ群で28±5%、炭水化物群で31±5%低下した。低下はホエイ群で有意に小さかった。食事制限下の食後という条件なら、ホエイを選ぶ根拠になる結果である。[6]
ただし、食べていない時間帯の合成速度は全群で同じように低下している。ホエイを摂れば筋肉を作る反応のすべてが制限前のまま保たれる、という結果ではない。食後の成績がよかったことと、生活の全時間を保護できることの間には距離がある。[6]
この比較は、ソイを飲む行為が筋肉を減らしたという意味でもない。どの群にもエネルギー不足という共通条件があり、その前後で反応を比べたものだ。ソイ群の低下率だけを切り取って「大豆が筋肉に悪い」と見出しを付ければ、何を変えた試験なのかが消えてしまう。[6]

合成速度と残った筋肉量は別の問いである
短期の合成反応に違いがあるなら、その先の体組成も知りたい。腹部肥満のある高齢者25人を無作為に割り付けた予備的な給食試験では、ソイを使った食事代替品と、ソイ以外のたんぱく質を使った食事代替品を比較した。平均年齢は68.4歳、女性が88%で、期間は12週間だった。高齢者の結果を18〜39歳の女性の体組成変化の予測にそのまま使うことはできない。[7]
完了者は24人で、体重変化は全体で平均−7.8±3.0 kgだったが、体重にも全身・部位別の体組成にも群間差は認められなかった。除脂肪量は両群を合わせると減少した一方、握力や歩行などの機能に有意な変化はなかった。たんぱく質の種類による差と、介入前後の変化は区別する必要がある。[7]
これは「ソイとホエイは完全に同じ」と証明した試験ではない。比較相手はソイ以外のたんぱく質であり、少人数の高齢者を対象とした予備試験である。短期の合成速度を測った試験とは対象、比較相手、期間、評価項目が異なる。違う物差しの結果を、片方を打ち消す材料にはしない。[6][7]
そのため、現段階の答えは段階を分けると明確になる。管理された短期の食事制限で食後の合成反応を重視するなら、ホエイに有利な直接比較がある。しかし、ソイより長期にどれだけ筋肉が多く残るかという数量へは置き換えられない。反応の差を、そのまま将来の筋肉の重さとして予約することはできない。[6][7]
女性の研究は脂肪の減少まで約束していない
ホエイのメタ分析では、脂肪量の群間差は−0.20 kg、95%信頼区間は−0.67〜0.27 kgで、明確な影響は認められなかった。除脂肪量についての小さな好ましい差と、脂肪が減るという話は分けて読むべきである。「筋肉の側でよい結果」と「体重計の数字がもっと下がる」は、測っているものが異なる。[2]
また、筋力トレーニングを伴う研究だけをまとめた7比較では、除脂肪量の差は0.23 kg、95%信頼区間は−0.17〜0.63 kgだった。ここでも明確な上乗せ効果は確認されなかった。これは筋トレの価値を否定した結果ではなく、筋トレを行う条件でホエイ追加の差が明確でなかったという結果だ。[2]
乳製品または乳由来の補助食品を食事制限に組み込んだ27件の無作為化比較試験をまとめた別のメタ分析もある。18〜50歳が対象で、全試験を合わせると除脂肪量の減少が対照より0.36 kg小さく、95%信頼区間は0.01〜0.71 kgだった。ただし、食品と補助食品を含む結果をホエイだけの効果とは呼べない。18〜50歳の成人をまとめた結果であり、18〜39歳の女性だけの効果として扱うには対象が広い。[4]
この分析では研究間の摂取量の違いと効果の間に、明確な用量反応も確認されていない。袋に入っている量が多いほど研究上の効果も増える、という読み方にはならない。ホエイの研究と乳製品を含む研究は関連するが、同じ試験の別名ではなく、数字を足し合わせることもできない。[2][4]
数字で読む食事制限中の比較
14日間:ソイとホエイの直接比較で、管理された食事制限を行った期間である。[6]
9±1%と28±5%:食後の筋たんぱく質合成速度の低下率。順にホエイ群とソイ群であり、筋肉量の減少率ではない。[6]
0.90 kg:女性のホエイ研究のうち食事制限を含む比較での除脂肪量の群間差。95%信頼区間は0.31〜1.49 kgで、ソイに対する差ではない。[2]
24人:ソイとソイ以外の食事代替品を比べた予備試験の完了者。12週間後の体組成に群間差はなかった。[7]
0.36 kg:乳製品などを含むメタ分析で、除脂肪量の減少が小さかった平均差。95%信頼区間は0.01〜0.71 kgである。[4]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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