
重りを足すと、肩と肘の速さは別々に変わる
肩回しを続けていると、手に何か持てばもっと効くのでは、と思うかもしれない。そこで参考になるのは、経験豊富な女性ハンドボール選手13人を対象に、前腕へ異なる重りを付けて投球させた実験である。同じ参加者が重りのない条件と、重さの異なる条件で投げ、動作や筋電図を比べている。18〜39歳の女性でも、投球経験のない人の肩回しへそのまま当てはめることはできない。[9]
追加した重りは投球の最高速度に影響したが、正確さには有意な影響が認められなかった。さらに、筋電図による筋活動と動作の多くは、重りを付けても変化しなかった。肩の内旋速度は低下し、肘を伸ばす最大角速度は増加した。同じ腕の動作の中でも、肩と肘は同じ方向へ変化していない。[9]
この結果を「重りは意味がない」と読むのも乱暴だ。研究が示したのは、投球という課題で、特定の位置に重りを付けたときの急性の変化である。筋活動の多くに違いがなかったことと、長く練習した結果がどうなるかは別の問いになる。また、重さの異なる追加負荷の間では差が見られなかったという結果も、その実験条件の中で読む必要がある。[9]
実生活へのヒントは、重りの追加を、狙った筋肉への負荷の追加と同義にしないことだ。「重いものを持ったのだから、肩の筋肉も必ずそれに応じて強く働く」という筋書きには、この実験の筋電図は素直に従わなかった。腕は研究者が期待した字幕どおりには動いてくれない。[9]
専用器具で速度を上げると筋活動が高まった結果と、前腕への追加負荷で筋活動の多くが変わらなかった結果は、矛盾として片づける必要もない。器具、課題、抵抗の与え方が異なるためだ。肩を回すという共通語だけで研究を一つに束ねるより、何を持ち、どこを動かし、何を測ったのかを並べるほうが、実際の運動選びに使いやすい。[9][20]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
力を育てる研究は、速さを競う練習とは違う
大学の男女テニス選手22人を、訓練群と対照群へ無作為に割り付けた試験では、弾性チューブと軽いダンベルを使う抵抗運動を4週間実施した。肩の内旋と外旋のトルクを測定し、さらにサーブの最高速度と平均速度を調べている。こちらは、その場の筋活動を測るだけでなく、期間を置いたトレーニングの変化を見る設計である。男女の大学競技選手の結果なので、18〜39歳の一般女性の肩回しにそのまま当てはめることはできない。[2]
訓練群は、肩の内旋について遅い測定条件と速い測定条件の両方で、総仕事量に有意な改善を示した。速い条件では、体重に対する最大トルクの比などにも改善があった。外旋も速い測定条件で改善が見られた。ここでいう「速い条件」は力を評価する装置の測定条件であり、肩回しをいつも最大速度で行った、という意味ではない。[2]
サーブの最高速度は訓練群で6.0%増加し、対照群では1.8%低下した。平均速度はそれぞれ7.9%増加と2.3%低下であり、訓練群の増加が有意に大きかった。競技選手の機能的な成績の変化としては具体的な結果だ。ただし、肩回しだけを行った試験としても、一般の大人の二の腕の形を予測する数字としても扱わない。[2]
この試験を読む際には、トレーニングで与えた刺激と、結果を評価する検査を分けたい。検査で速い動きを測っているから、日々の練習も速ければ速いほどよい、とはならない。弾性チューブとダンベルを組み合わせた訓練全体に対する結果を、一つの動作速度だけの功績にしてしまわないことが大切だ。[2]
競技の研究が多いからといって、読者も競技選手を目指す必要はない。むしろ、サーブや投球の成績を高めたい人と、仕事帰りに肩を動かす時間を作りたい人では、見たい成果が違う。その違いを残して読む。競技成績に変化があったという事実は尊重しつつ、自分の肩回しの合格点を球速で決める必要はない。[2][4]
負担の話も同様である。野球選手の腕のけがを扱った系統的レビューは、前向き研究14件、計2426人を取り上げた。高校やプロの選手では、シーズン前の肩の可動域や筋力の不足が、腕や肩のけがの危険因子として報告されている。プロ投手では高い球速なども肘のけがの危険因子として挙がった。対象は青少年からプロまでの野球選手であり、18〜39歳の女性の日常の肩回しにそのまま当てはめることはできない。速さを一律に良い成績として称賛するだけでは、運動の全体像を見失う。[1]
ただし、それを「肩回しを速くするとけがをする」と言い換えてはいけない。レビューが追ったのは野球選手であり、投球量や競技歴を含む環境である。日常の肩回しへ、その危険の大きさを移し替えることはできない。使えるのは、速度の利益を語るときには、対象者と運動課題、負担を見る指標も併せて確認する、という考え方だ。[1]
練習の記録を残すなら、結果の名前を具体的にするという方法もある。「効いた」という感想だけを残す代わりに、どんな道具を使う運動だったか、どんな動作を練習したかを書き分ける。これは効果を保証する記録法ではなく、異なる課題を同じものとして比較しないための整理だ。器具での肩回旋と競技の投球で結果が異なるように、説明を比べる際には条件を残しておく必要がある。[4][20]
同じ理由で、競技選手の良好な結果を読んで、今の自分の運動が足りないと判定する必要もない。テニス選手の試験は競技上の力とサーブを評価したものであり、読者の生活の充実度を採点する検査ではない。研究の数字を、自分に課すノルマへ変える前に、その数字が誰の、どの課題から出てきたのかへ戻りたい。[2]

よくある誤解
「筋肉がよく働けば、その場所の脂肪がよく減る」は、今回取り上げた筋電図の結果からは導けない。専用器具の研究が評価したのは肩の回旋に関わる筋活動である。研究で良い結果が出たという言葉のあとに、どの物差しで良かったのかを置くと、腕の形への期待を勝手に追加せずに済む。[20]
「速い動きほど肩への力も必ず大きい」も単純すぎる。ハンドボールの投げ方比較では、円を描く振りかぶりで速度が高かったが、肩のトルクと力の最大値に有意差は認められなかった。ただし両者が同等の負担であると証明されたわけでもない。速さだけで強度や安全を採点せず、実際に測定された結果を読むべきである。[4]
「重りを足せば筋活動も必ず増える」ともいえない。女性ハンドボール選手の実験では、前腕への追加負荷で肩の内旋速度などが変わった一方、筋活動の多くは変わらなかった。肩回しの動画に重りのアイデアを足す前に、その動作を何のために変えるのかを考えたい。道具の重さと、狙った筋肉の働きは同じ項目ではない。[9]
今日からできること
- 動画の説明を読むときは、「肩回し」と「抵抗器具での肩回旋」を区別する。毎秒120度という数値を、自宅の目標速度に置き換えない。[20]
- 研究の「効いた」を見つけたら、測定項目も一緒に確かめる。筋電図を測る実験と、4週間後の回旋の力を測る試験では、答えている問いが違う。[2][20]
- 重りを追加することを、筋活動が必ず増える工夫として扱わない。女性選手13人の実験でも、負荷の追加と筋活動の変化は一致しなかった。[9]
- 速さの比較では、力の最大値だけでなく、力が現れるタイミングを調べた研究であることも確認する。25人の投球実験の結果を、日常の肩回しの安全保証にはしない。[4]
- 自分の目的を「動作を覚える」「回旋の力を育てる」などの言葉にしてから、運動の説明と照らす。サーブ速度が6.0%増加した結果を、腕の見た目の予測に使わない。[2]

オンザショア立川店で、続ける時間を選ぶ
動作の速さを追う前に、通える時間と取り組む内容を選ぶ。そのための場所として、オンザショア立川店のレッスンを検討できる。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休である。朝の予定に組み込むか、仕事や講義の帰りに寄るか、生活の中で続ける時間を考えやすい営業枠だ。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。場所と内容を併せて、通い方を検討したい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件を確かめてから、体験する内容を選びたい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と体験の予約を確認し、継続する場を選ぶ入口にしてほしい。
参考文献
[1] Risk Factors for Baseball-Related Arm Injuries: A Systematic Review — Agresta CE, Krieg K, Freehill MT. / 年: 2019 / 誌名: Orthopaedic journal of sports medicine / 被引用: 73. DOI: 10.1177/2325967119825557
[2] Effects of Theraband and lightweight dumbbell training on shoulder rotation torque and serve performance in college tennis players — Treiber FA, Lott J, Duncan J, Slavens G, Davis H. / 年: 1998 / 誌名: The American journal of sports medicine / 被引用: 45. DOI: 10.1177/03635465980260040601
[4] Comparison of shoulder kinetics between running overhead throws with circular and whip-like wind up in elite handball players — van den Tillaar R. / 年: 2026 / 誌名: Frontiers in sports and active living / 被引用: 0. DOI: 10.3389/fspor.2026.1820988
[9] The Acute Effects of Different Wearable Resistance Loads Attached to the Forearm on Throwing Kinematics, Myoelectric Activity and Performance in Experienced Female Handball Players — Bao Fredriksen A, Tillaar RVD. / 年: 2022 / 誌名: Journal of functional morphology and kinesiology / 被引用: 5. DOI: 10.3390/jfmk7030058
[20] Evaluation of a New Rotator Cuff Trainer Based on Oscillating Hydraulic Damping — Wang Y, Wu J, Yang H, Tang Z, Chai G. / 年: 2020 / 誌名: Healthcare (Basel, Switzerland) / 被引用: 1. DOI: 10.3390/healthcare8010024
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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