夜中の食欲は空腹と退屈を区別できる?体への気づきと実際の間食量のずれを読む

夜中、空腹なのか退屈なのか分からずお菓子に手が伸びる。体の感覚への気づきは間食を減らす手掛かりになるのか。退屈しやすさを尋ねた調査と、食べた量を測った実験を比べ、自己評価と行動の違いを読む。空腹の判定を我慢の条件にせず、夜の過ごし方を振り返る視点を示す。

夜、見たい動画を見終えたのに、画面だけが次の動画へ進む。台所へ行ってお菓子の袋を開ける。お腹がすいたのか、夜の続きを探しているのか。袋の裏側にも、その答えは書いていない。

体の内側の信号に気づく働きを「内受容感覚」と呼ぶ。空腹や満腹への気づきも関わるが、気づきが鋭ければ退屈な夜の間食が減る、とまでは言えない。退屈しやすさと感情に応じた食べ方には関連があった一方、退屈な状況を作って食べた量を測った実験では、退屈も内受容感覚も摂取量を予測しなかった。[5][9]

「間食は退屈なほど増えやすい?ストレスとは違う手持ち無沙汰と食べる量を読む」には退屈そのものと摂取量の問いを譲る。ここでは、夜中に自分の空腹を見分けようとするとき、体への気づきをどこまで判断材料にできるかを考える。夜という場面への応用案と、研究で直接確かめられた結果は分けて読んでほしい。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

空腹と退屈は、別々の言葉にしてみる

空腹を感じること、何かを食べたいこと、実際に食べることを同じ欄に入れると、話が急に単純になる。感情と食行動を扱ったレビューは、好ましい食べ物への報酬価値や反応の強さ、感情への対処、空腹と満腹の信号などを検討している。食べる判断には、内側の感覚だけでなく感情や食べ物の魅力も関係するという見取り図である。[4]

たとえば「胃が空いた感じがする」と「口に何か入れたい」は、日常の記録では別々に書ける。さらに「やることがなくて落ち着かない」を添えてもよい。ただし、これを並べれば本物の空腹を判定できる、という検査にはならない。内受容感覚と感情的な食べ方の関係を調べた実験でも、体の感覚の測り方を変えて検討する必要があった。[5]

感情によって食べることは「感情的摂食」と呼ばれる。レビューでは、否定的な感情の食行動への影響には個人差があると整理されている。気分が重いと食べたくなる人もいれば、同じ言葉では表せない反応をする人もいる。退屈しているという自覚から、その夜の食事量を直ちに推定するのは飛躍である。[4][5]

夜食を前にした場面で役立つのは、感覚を裁判の証拠にしないことだ。「空腹だと証明できたら食べてよい」という使い方では、気づきが食べる許可を出す係になる。研究が調べているのは感覚と行動の関係であり、食べる資格ではない。ここで提案する振り返りも、食事を遅らせるためではなく、何を感じたかを残すためのものだ。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

退屈しやすい人の自己評価には関連があった

退屈と体への気づきを一緒に調べた研究では、成人のオンライン募集集団と大学生の研究参加集団を対象に、退屈しやすさ、感情的摂食、空腹・満腹の手掛かりへの頼り方などが質問された。参加者はそれぞれ365人と461人で、研究は質問紙と回帰分析を用いている。18〜65歳の男女を含む集団なので、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、女性の年齢層を分けた検討が必要だ。[9]

両集団で、退屈しやすさは感情的摂食と関連していた。肯定的な気分と否定的な気分の大きな傾向を考慮しても、関連は残った。「気分が悪いから食べる」という大きな括りだけではなく、退屈しやすさにも目を向ける理由を示す結果である。[9]

ただし、ここで答えられたのは「普段の自分はどうか」だ。昨日の夜に袋から取り出した食品の量を計量した結果ではない。退屈な日に食べた経験が強く記憶に残っている場合と、日々同じように食べている場合を、この関連だけで区別することはできない。研究の問いは日常的な傾向同士の結び付きにある。[9]

また、年齢は18〜65歳の参加者を含み、夜中だけを対象にした比較ではない。ここから「夜の食欲の原因は退屈だ」と置き換えることもできない。[9] 夜中に食べる人が知りたいのは原因の名前かもしれないが、関連があるという結果は、本人の今の状態を言い当てる札ではない。

この違いは、振り返りの言葉を選ぶときにも大切だ。「退屈すると食べる人間だ」と固定する代わりに、「今日は手持ち無沙汰で、食べたい感じもあった」と出来事として書く。これは研究で効果が確かめられた方法というより、自己評価と観察を混ぜないための記録の工夫である。翌日の自分が読み返せる程度の具体性でよい。

食べた量を測ると、予想どおりにはならなかった

より直接的に退屈と間食を調べた実験では、187人が事前に水を飲み、その後、退屈な条件か中立の条件に無作為に割り付けられた。条件の時間は30分で、チョコレート、クラッカー、チップスを自由に食べられるようにし、摂取量を参加者に気づかれない形で測った。18〜39歳の女性の日常の間食にそのまま当てはめるには、対象と生活場面を合わせた検証が必要だ。[5]

体の感覚の評価も単独ではない。体全般に関する自己評価、空腹・満腹に特化した自己評価、水を飲む課題による胃の感覚への反応を調べている。日頃「自分は体の信号が分かる」と思うことと、胃の状態への反応を、同じ指標で済ませなかった点が重要だ。[5]

結果は仮説に反していた。退屈な条件に入ったことも、いずれの内受容感覚の指標も、合計の摂取量や食品別の摂取量を予測しなかった。また、体への気づきの違いによって退屈と食べる量の関係が変わる、という結果も得られなかった。[5]

つまり、この実験では「退屈にすると多く食べる」「体の感覚が分かる人なら、その影響を抑えられる」という単純な予想は支持されなかった。[5] 先の質問紙研究を消してしまう結果ではないが、気づきを高めれば間食が減るという助言には、はっきり歯止めがかかる。

この結果の適用範囲は、実験で用意された場面にある。水を飲んだ後に用意された食品を食べる実験と、自宅で夕食の後に過ごす夜では場面が異なる。この研究も、生活に即した長期的な方法で、誰にどんな状況で関係が現れるかを調べる必要性を示している。[5]

実験の事前の飲水は、空腹を水で押さえ込むための生活指導ではない。研究者が用意した条件を、家で再現する必要はない。とりわけ胃の感覚を調べる課題は測定の手続きであり、夜食の代わりに水を飲み続ける方法へ読み替えてはならない。[5]

質問紙と実験では、答えるために必要な条件も違う。質問紙は、生活全体を振り返って本人が捉えている傾向を扱える。実験は、条件を割り付けて、その場で実際に食べた量を比較できる。比較できるのは用意された条件での行動であり、自宅の夜とは場面が異なる。関連を拾った調査と、条件の影響を検討した実験を、単純な勝ち負けで並べないことが必要だ。[5][9]

実験で食品別の摂取量まで調べた点も見逃せない。合計が変わらなくても特定の食品だけ増えていたのでは、という読み方に対しても、この研究では食品の種類ごとの消費を予測する結果は得られなかった。[5] ここから「甘い物なら退屈の影響が見えるはずだ」と、都合よく結論を足すことはできない。

また、内受容感覚の違いが関係を変えるか、という問いは、体への気づきと食行動に関連があるかという問いより踏み込んでいる。退屈な条件に置かれたとき、気づきの水準によって摂取量への影響が異なるかを調べるからだ。その組み合わせでも予測は支持されなかった。[5] 体の信号に気づくことを、退屈から食べるまでの途中で必ず働くブレーキとして説明する根拠にはならない。

日常に戻せば、「今日は退屈だった」と「いつもより食べた」を同時に書けても、前者が後者を起こしたと即断しない、ということになる。さらに「空腹が分からなかった」から量が増えたと結び付けるにも、別の確かめが要る。何かに気づいた経験は大切にしつつ、その経験だけで因果の物語を完成させない。調査と実験の違いを知る利点は、まさにこの距離を置けることにある。[5][9]

「予測しなかった」は、食べた人がいなかったという意味でもない。自由に食べられる食品がある状況で、条件や感覚の指標から摂取量の違いを説明できなかったという結果だ。[5] 食べたという事実と、その量を何が左右したかは別の問いである。夜に袋を開けた出来事を振り返るときも、「食べたから退屈だったはずだ」と逆向きに理由を決めない。原因が分からない出来事を、そのまま残しておく余地がある。

数字で読む退屈と体への気づき

187人:退屈な条件と中立の条件で間食量を比べた実験の参加者数だ。[5]

30分:その実験で各条件に置かれた時間であり、食欲を待ってやり過ごす推奨時間ではない。[5]

365人と461人:退屈しやすさと感情的摂食の関連を調べた、別々の質問紙調査の人数だ。[9]

381人:体への気づきとマインドフルネスを組み合わせて検討したフランスの成人調査の人数だ。[7]

64人:甘い味の好みと、心臓・胃の感覚を調べた健康な女性の人数だ。[14]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約