
筋電図が低い戻し方は、効果も低いのか
筋電図は筋肉の電気的な活動を捉える測定だ。トレーニング経験のある男性を対象にしたスクワットの実験では、大殿筋、太もも前の外側広筋、太もも裏の大腿二頭筋、ふくらはぎの腓腹筋を測っている。通常のスクワットでは、すべての筋肉で、伸張性の局面の筋電図活動が短縮性の局面より約15〜30%低かった。短縮性とは、筋肉が短くなりながら力を出す働き方である。18〜39歳の女性で同じ活動差が生じるかは、この男性の実験とは分けて確かめる課題だ。[18]
これだけを見ると、戻す動作は仕事が少ないように感じる。ところが同じ研究で、下ろす時だけ負荷を大きくすると、膝を伸ばす筋肉が行う伸張性の仕事は増えた。最大挙上重量の80%の試行から120%の試行にかけて、その仕事量は37%増えている。筋電図は、伸張性の試行では80〜100%の負荷付近で頭打ちとなり、さらに重くしても増えなかった。[18]
つまり、この実験では機械的な仕事が増えたことと、筋電図が増えたことが一致していない。戻す時の筋電図が低いという結果を、そのまま「戻す動作は鍛える意味が薄い」と扱うのは不適切だ。反対に、筋電図の大きさだけで、将来の筋力や筋肉の増加を順位づけすることも、この実験の結果からはできない。[18]
もう少し細かく見ると、伸張性の負荷を最大挙上重量の100%より大きくしても、股関節と足関節の力学的指標にはさらなる変化がなかった。負荷の増加が優先的に現れたのは膝を伸ばす筋肉だった。重さを足せば、お尻への負担も同じ割合で増えるという図式ではなかったのである。[18]
これは専用の抵抗装置を使った実験であり、家庭で同じ高負荷を試すための目安ではない。読み取りたいのは、筋電図、関節にかかる回す力、筋肉が行う仕事を分ける姿勢だ。お尻を強く感じた日と、重りを扱えた日を同じ点数表に押し込めず、何が変わったのかを言葉にしておく。その視点なら日々の記録にも持ち込める。[18]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
同じ速度でも、抵抗の種類で中身が変わる
戻す時の負担を考えるなら、速度と並んで抵抗の仕組みも見たい。トレーニング経験のある男性15人の横断的な比較実験では、片脚で膝を伸ばしたブリッジ、45度の股関節伸展運動、膝を伸ばし気味に行うデッドリフトを、重力による負荷と慣性による負荷で行った。慣性による条件は、装置の回転などの動きを利用して抵抗を作る方法である。18〜39歳の女性への適用では、男性の経験者が専用装置で行った比較である点に注意が要る。[19]
戻す局面の大殿筋活動は、慣性による条件で重力による条件より18.1%大きかった。また、太もも裏の大腿二頭筋の活動は、股関節伸展運動と片脚ブリッジで、デッドリフトよりそれぞれ24.4%、16.4%大きかった。同じ伸展を含む運動でも、種目と負荷の種類によって活動の出方は違った。[19]
ただし、これは各条件での筋活動を測った比較である。慣性による方法を続ければ、重力による方法より大殿筋が18.1%大きくなる、という長期的な結果ではない。数値の後ろに「活動」と書かれているのか、「筋力」なのか、「筋肉の厚さ」なのかで、答えている問いは変わる。[19]
女性のデータもある。プロサッカー選手18人が、回転する円すい状の装置を用いた片脚の股関節伸展運動を、異なる慣性負荷で行った横断研究だ。大きい慣性負荷では、動きの最大速度と平均速度、加速度が低くなり、非利き脚では伸張性局面のピークパワーが増えた。速度の低下と出力の増加が同時に見られた。女性でもプロ選手が対象なので、18〜39歳の一般の女性の脚上げへ直接当てはめることはできない。[14]
ここでは負荷そのものを変えている。自分の意思でゆっくり動いた結果と、抵抗が変わって遅くなった結果を混ぜないことが大切だ。しかも対象は競技を職業とする選手である。帰宅後にマットで行う脚上げへ、そのまま推奨速度を移す研究ではない。女性の研究だから自分にも同じ、と性別だけで近道をしない方がよい。[14]
別の研究では、活動的な男女各10人の筋活動や動作を測り、モデルで太もも裏の筋力と筋腱の伸びを推定している。両脚のルーマニアンデッドリフトで推定された大腿二頭筋長頭のピーク筋力は体重の1.6倍相当で、95%信頼区間は1.5〜1.7倍だった。同じ筋肉でも、種目によって力の要求は大きく異なる。男女を合わせた結果であり、18〜39歳の女性だけの負荷量としては扱えない。[11]
この研究では、ルーマニアンデッドリフトや片脚のハムストリングブリッジで筋腱の伸びも大きいという結果だった。一方、力と伸びの順位は筋肉ごとに異なる。「戻しを丁寧に」という共通の合図だけでは、運動の内容を説明しきれない。速度を比べる前に、種目と抵抗、どの筋肉のどの指標を見たかをそろえる必要がある。[11]

よくある誤解
「戻す時は力を抜いてよい」という理解は、伸張性の働きを見落としている。股関節伸展運動の実験では戻す局面にも大殿筋やハムストリングスの活動があり、着地の解析では大殿筋が股関節の曲がりを抑える仕事をしていた。動いている方向が逆でも、筋肉は動きを受け止める役割を担う。[16][19]
「3秒かければ誰でも最も鍛えられる」という読み方もできない。股関節症の女性の試験では、両群が同じ3秒で戻していた。若い男性の試験では、下ろす時間だけでなく持ち上げる時間と休止も違った。3秒は実際に使われた条件であり、あらゆる脚上げに共通する最適値という意味ではない。[1][2]
「お尻を強く感じるほど、将来の筋力も大きく伸びる」という判断には飛躍がある。筋活動を比べた研究と、続けた後の筋力を調べた試験は役割が違う。さらにスクワットの実験では、機械的な仕事が増えても筋電図が増えない局面があった。感覚の記録は残してよいが、それを筋力の測定結果の代わりにしないことだ。[1][18][19]
研究同士を比べる時にも、強くなったという言葉をほどいておきたい。止まった姿勢で出す力が増えたのか、重りを持ち上げる能力が変わったのか、立ち歩きの所要時間が短くなったのか。これらは別の評価である。ゆっくりしたスクワットで力が増えた結果と、速く動く群で立ち歩き課題の改善が大きかった結果は、それぞれの評価に沿って受け取れる。[1][2]
今日からできること
- 運動のメモを「上げる側」と「戻す側」に分ける。研究の3秒は戻す時間の記録例として参照し、自分への必須条件にはしない。[2]
- 速さを振り返る日は、種目と抵抗の種類も書き添える。15人の比較実験でも、重力と慣性では戻す側の活動が異なった。[19]
- 目標を筋力と素早い動作に分けて考える。8週間のゆっくりスクワットで、筋力の改善と跳躍の成績は同じ変化を示さなかった。[1]
- 「お尻に効いた」という感覚だけで負荷を増やさず、何が変わったかを確認する。研究では約15〜30%低い筋電図活動でも、戻す局面に仕事があった。[18]
- 論文の数値を読む時は対象まで見る。46人の股関節症の女性の結果を、自分用の運動処方に置き換えない。股関節の病気や痛みがある場合の運動判断は医師に相談する。[2]
記録の目的は、毎回の動作に合格点を付けることではない。たとえば「今日は戻す途中から急いだ」「別の抵抗を使ったので速度を比べられない」と書ければ、次に確かめる問いが具体的になる。研究でも、速度、抵抗、種目の違いが重なると、結果の説明は変わる。動画の再生時間だけで、自分の練習の質まで決める必要はない。[1][19]
回数を終えた後に思い出すのが上げた高さばかりなら、次は戻した場面にも目を向けたい。下ろす動作にも筋肉の働きはある。ただ、その価値は秒数だけで決まらず、どんな抵抗で何を目指した運動なのかと一緒に読むものだ。行きの勢いと帰りの制御を分けて見るところから、同じ脚上げの記録が少し詳しくなる。[18][19]

オンザショア立川店で、運動を予定に置く
戻す動作まで振り返る時間を、生活のどこに置くか。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。朝の予定の前か、仕事の後か。動きの速さを考える前に、自分が通う時間を具体的に選ぶための情報である。場所は東京都立川市曙町2-14-10、エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分の場所にある。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。研究で比較された運動と店のレッスンを同一視せず、運動の時間を繰り返し予定に置く場所として考えたい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。持参する物を考える時には、レンタルに含まれる物も先に確認しておきたい。料金は料金案内、申し込みは体験の予約で確認できる。秒数だけを目標にせず、動きを振り返る予定を自分の暮らしの中に置く入口である。
参考文献
[1] Low-load Slow Movement Squat Training Increases Muscle Size and Strength but Not Power — Usui S, Maeo S, Tayashiki K, Nakatani M, Kanehisa H., 2016, International journal of sports medicine. DOI: 10.1055/s-0035-1564255
[2] Effects of high-velocity resistance training on muscle function, muscle properties, and physical performance in individuals with hip osteoarthritis: a randomized controlled trial — Fukumoto Y, Tateuchi H, Ikezoe T, Tsukagoshi R, Akiyama H, So K, Kuroda Y, Ichih, 2014, Clinical rehabilitation. DOI: 10.1177/0269215513492161
[11] Hamstring force and stretch during progressively increasing running speeds and the eccentric phase of resistance training exercises commonly used for injury prevention and rehabilitation — Breed R, Hulm S, Hickey JT, Timmins RG, Opar D, Banyard HG, Maniar N., 2026, British journal of sports medicine. DOI: 10.1136/bjsports-2025-110847
[13] Muscle fatigue in the gluteus maximus changes muscle synergies during single-leg landing — Matsunaga N, Okubo Y, Isagawa S, Niitsuma J, Otsudo T, Sawada Y, Akasaka K., 2021, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2021.05.013
[14] Effects of Different Moments of Inertia on Neuromuscular Performance in Elite Female Soccer Players During Hip Extension Exercise to Prevent Hamstring Asymmetries and Injuries: A Cross-Sectional Study — Pumarola J, Badiola-Zabala A, Solana-Tramunt M., 2025, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports13070212
[16] Muscle function during single leg landing — Maniar N, Schache AG, Pizzolato C, Opar DA., 2022, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-022-15024-w
[18] An investigation of movement dynamics and muscle activity during traditional and accentuated-eccentric squatting — Armstrong R, Baltzopoulos V, Langan-Evans C, Clark D, Jarvis J, Stewart C, O’Bri, 2022, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0276096
[19] Comparison of Electromyographic Activity During Hip Extension Exercises Under Gravitational or Inertial Loading Conditions — Martín-San Agustín R, Castillo-Ballesta L, Llobat Sancho J, Esbri-Navarro R, Sán, 2022, Sports health. DOI: 10.1177/19417381211011407
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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