
感じるきつさだけで負荷を決めてよいか
感覚と測定値がずれる話をすると、「ではきつさは記録しても意味がないのか」と思うかもしれない。しかし問うべきは、その尺度がどの対象と活動で、何の代わりに使えるかである。1型糖尿病のある10人を対象にした試験は、まさにその点を調べているが、18〜39歳の健康な女性への直接の適用はできない。[2]
参加者は、走る条件と運動ゲームの条件を、それぞれ30分行った。運動の順序を無作為化した交差比較であり、同じ人が異なる条件を経験している。きつさは6〜20点の尺度で、運動強度は呼気分析によるMETで評価した。METはこの研究で、運動時の代謝的な強さを表すために使われた指標である。[2]
走る条件とゲーム条件の平均のきつさは、それぞれ13.2点と14.2点、METは4.6と4.0で、条件間に有意な差はなかった。ところが、参加者ごとのきつさとMETの対応を調べると、走る条件の相関係数は0.64、ゲーム条件は0.42だった。ゲーム条件の相関は統計的に有意ではなかった。[2]
「平均値に差がない」と「個々の感覚から負荷を読める」は、別の問いなのである。全体の平均が似ていても、きついと答えた人ほど測定した強度が高い、という対応が十分に確かとは限らない。平均の比較だけを見て、きつさの尺度を測定機器の代用にするのは早い。[2]
研究者は、この対象の運動ゲームでは、きつさの尺度を強度管理に用いる際に慎重であるべきだと結論している。健康な成人全員の感覚が当てにならないと広げる結果ではない。また、1型糖尿病のある人が自分で治療や運動管理を変更する根拠にもならない。病気に応じた運動の判断は医師に相談する領域だ。[2]
別のずれとして、移動に障害のある成人58人の観察研究もある。操作しやすく調整したコントローラーを用い、立位や座位でゲームを行ったところ、安静時よりエネルギー消費は増え、楽しさも報告された。この対象の結果を18〜39歳の健康な女性にそのまま当てはめることはできない。平均の運動強度は軽度とされる一方、自覚的なきつさの中央値には中程度から非常にきつい範囲の回答が含まれた。[8]
この結果は、必ずしも「本人が大げさに感じた」という話ではない。何を動かせるか、どの姿勢で操作するかが異なる対象の経験である。研究でも、座って行う人と立って行う人を分けて分析している。感覚と負荷の関係を考えるには、人の条件を消さないことが欠かせない。[8]
女性読者が負荷を選ぶ際も、「まだ楽しい」を延長や難度上げの唯一の合図にしない。格闘型では楽しさと心拍数がともに高く、疾患のある人ではきつさと測定強度の対応が不確かだった。熱中して負荷を小さく見積もる可能性を考え、関節への負担や循環器の安全まで楽しさで判断しない。ただし、ここで引用した比較は、ゲームへの熱中がけがや心血管事故を増やすと示した研究ではない。病気に応じた強度の判断は医師に相談する。[2][4]
家庭で残す記録は診断や精密測定ではない。それでも、「楽しかったから弱い運動だった」「きつかったから酸素消費も最大だった」と断定する手前で立ち止まれる。きつさはその日の経験として残し、客観的な強度と同一視しない。この使い分けが、異なる結果を示した研究から引き出せる実用的な読み方である。[2][4][8]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
その場の反応と体力の伸びは時間軸が違う
家で楽しく動けたことは、その日の経験である。体力をつけたいという目的には、その後も続けたときに何が変わるかという別の問いがある。酸素消費をその場で測った比較と、運動を継続して心肺機能の変化を調べた試験は、答えている時間軸が違う。[1][4]
成人47人、平均年齢30歳の無作為化試験では、ゲーム型の運動24人と、通常の中強度の持続的運動23人を比べた。期間は8週間で、どちらも週3回である。ゲーム型は1回20〜30分、通常の運動は20〜45分という条件だった。成人全体の結果であり、18〜39歳の女性だけに同じ改善幅を保証するものではない。[1]
この試験では、運動中に到達した酸素摂取のピークを表す指標が、ゲーム型でより大きく改善した。また、安静時心拍数と収縮期血圧の低下もゲーム型で大きかった。ただし、この結果から、どのアプリでも同じ期間で同じ体力向上が起こるとはいえない。研究で用いた運動と、その頻度や時間を含む比較の結果である。[1]
さらに、この試験の結果だけで「楽しかったことが心肺機能を改善させた」と原因を特定することもできない。比べたのはゲーム型と通常の運動というプログラムであり、楽しさだけを取り出して割り当てた試験とは異なる。楽しいという感想と体力の変化を、説明なしに直結させないことが大切だ。[1]
講義のあとに動く日と、残業のあとに動く日では、同じ体験を期待しにくい。そこで最初から「楽しければ体力がつく」という判定にせず、どの動作を、どれくらい続け、どう感じたかを残すことを考えたい。研究条件をそのまま宿題にする必要はないが、継続した試験が時間と頻度を具体的に定めていた点は、単発の感想との違いを理解する助けになる。[1]
若年成人の29研究をまとめた系統的レビューも、楽しさやきつさに加えて、運動強度の選び方と継続を検討している。一部の運動ゲームは中〜高強度の運動となり、ゲームによる気晴らしと運動目標が楽しさに寄与しうると整理した。一方、ゲーム経験が強度選択や継続にどう影響するかは今後の課題としている。始めやすさと続けた実績を区別して読む視点である。[19]

よくある誤解
「楽しいなら運動として弱い」は、この比較研究の結果とは合わない。成人のダンス型では速歩より楽しさと酸素消費が高く、格闘型ではきつさも含めて高かった。楽しさの高さを、体が働いていない証拠にはできない。むしろ、楽しさと体の反応を別に測ったからこそ、その組み合わせが分かったのである。[4]
「ゲームなら、普通の運動より必ず楽に感じる」も成立しない。子どもの速歩の比較では、満足などに違いがあっても、きつさには有意な違いがなかった。脊髄損傷のある人の座位ボクシングでも、ゲーム型を楽しいと感じたことと、負担感に差がなかったことが並んでいる。楽しい側を選ぶ理由を、負担が消えたことに求める必要はない。[3][7]
「きつさを点数にすれば酸素消費の代わりになる」も、対象を選ばず使える説明ではない。1型糖尿病のある人の試験では、ゲーム条件での対応は十分に確かなものではなかった。点数を付ける行為そのものより、その数値で何を判断しようとしているかが問題になる。自分の感覚の記録と、強度を測った値は分けて扱いたい。[2]
「ゲームという種類が同じなら、研究結果もそのまま使える」という読み方にも注意が要る。成人のダンスや格闘、子どもの歩行支援、移動に障害のある人の操作支援では、動作も姿勢も対象も違う。検索画面では同じ棚に並んでも、研究の比較条件はそれぞれ異なる。研究で見られた反応を、手元のアプリの保証に変えることはできない。[3][4][8]
今日からできること
- 記録欄を「楽しさ」と「きつさ」に分ける。成人43人の比較で両者が同じ関係を示さなかったことを手掛かりに、楽しかったから軽かった、と後からひとつの感想にまとめない。[4]
- 何をしていたかも残す。子ども20人の自転車の比較でも、同じ動作でゲームへの連動を変えると消費量が変わった。画面を開いた時間に加え、動作とゲームの条件を言葉にする。[10]
- 研究の15分や30分を、そのまま自分の必須時間にしない。それぞれ脊髄損傷や1型糖尿病のある人の比較条件である。病気に応じた運動の調整は医師に相談する。[2][7]
- 体力の変化を考えるときは、単発の感想と継続の記録を分ける。8週間、週3回の試験で見られた変化を、今日の楽しさだけから先取りしない。[1]
- アプリの紹介に研究が添えられていたら、誰がどんな姿勢で動いたかを確かめる。58人の観察研究でも、座位と立位などを分けて分析している。[8]

オンザショア立川店で、通う条件を確かめる
画面で動く日と、決まった場所へ通う日。続ける場所を選ぶ際には、内容だけでなく生活のどこに置けるかも考えたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。
当店は溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングを扱う。ヨガだけでも25種類以上のレッスンがある。自宅以外で動く時間を生活に置くための選択肢として、内容と通える時間を照らし合わせられる。
楽しさに加えて参加条件も確かめたい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスン、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。内容は店のトップ、費用は料金ページ、体験は予約ページで確認できる。
参考文献
[1] Effects of exergaming versus endurance training on cardiorespiratory fitness and hemodynamic parameters: a randomized controlled trial — Ketelhut S, Benzing V, Zehnder C, Amor L, Schürch Y, Burger M, Schmid S, Nigg CR, 2025, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-025-05743-z
[2] Is rating of perceived exertion a valid method for monitoring exergaming intensity in type-1 diabetics? A cross-sectional randomized trial — Luiz de Brito Gomes J, Soltani P, Barbosa RR, Gomes JAF, Costa MDC., 2023, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2023.05.018
[3] Alternative options for prescribing physical activity among obese children and adolescents: brisk walking supported by an exergaming platform — Cebolla i Martí A, Álvarez-Pitti JC, Guixeres Provinciale J, Lisón JF, Baños Riv, 2014, Nutricion hospitalaria. DOI: 10.3305/nh.2015.31.2.7929
[4] Alternative Model for Physical Activity: Active Video Games Lead to High Physiological Responses — Aygün C, Çakir-Atabek H., 2022, Research quarterly for exercise and sport. DOI: 10.1080/02701367.2020.1864258
[7] Exergaming boxing versus heavy-bag boxing: are these equipotent for individuals with spinal cord injury? — Mat Rosly M, Mat Rosly H, Hasnan N, Davis GM, Husain R., 2017, European journal of physical and rehabilitation medicine. DOI: 10.23736/s1973-9087.17.04456-2
[8] Energy Expenditure and Enjoyment During Active Video Gaming Using an Adapted Wii Fit Balance Board in Adults with Physical Disabilities: Observational Study — Malone LA, Thirumalai M, Padalabalanarayanan S, Neal WN, Bowman S, Mehta T., 2019, JMIR serious games. DOI: 10.2196/11326
[10] The Addition of a Video Game to Stationary Cycling: The Impact on Energy Expenditure in Overweight Children — Haddock BL, Siegel SR, Wikin LD., 2009, The open sports sciences journal. DOI: 10.2174/1875399×00902010042
[19] Exergaming for physical activity: A systematic review — Davis JC, Killen LG, Green JM, Waldman HS, Renfroe LG., 2024, Journal of American college health : J of ACH. DOI: 10.1080/07448481.2022.2103377
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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