
差が出た研究と出ない研究をどうつなぐか
運動習慣のある若い女性30人を対象に、卵胞期中頃と黄体期中頃を比較した研究では、BIAと、エックス線を用いて体組成を推定するDXAを併用した。黄体期中頃の体重は高かったが、総体水分、全身や部位別の脂肪量、脂肪率は、どちらの測定法でも時期の間で似ていた。[15]
ただし、DXAで測った腹部の特定領域の除脂肪量などには差があり、個人ごとの反応には大きなばらつきがあった。著者らはこの点を踏まえ、繰り返す体組成測定を同じ周期の時期に行うことを提案している。「平均では大きく変わらない」と「個人の比較では条件をそろえる」は両立する。[15]
対照的に、エリート女子サッカー選手20人を連続する2周期にわたり、卵胞期早期と排卵期に測った研究では、周期に関連した変化を電気的な測定で捉えている。選手向けの推定式と、電気抵抗などをベクトルとして扱う分析を使い、卵胞期早期に水分の蓄積とベクトルの短縮を認めた。専門的な測定では、水分に関係する変化が見えている。競技のために鍛えた選手の結果であり、一般の18〜39歳の女性へそのまま当てはめるには、運動歴と測定方法の違いが障壁になる。[13]
この結果を、家庭用機器の体脂肪率も生理前に必ず増える、という主張へつなぐことはできない。対象はエリート選手であり、比較した時期も、見ている指標も違う。水分を追う電気的指標で差が出ることと、画面上の脂肪率で一貫した差が出ることは、同じ結果ではない。[13][19]
古いレビューが「月経周期はBIAの結果に影響する要因」と挙げる一方、その後の反復測定研究が有意差なしと報告するのも、読むべき指標と条件を具体化すれば整理できる。レビューは対象集団や条件に合う測定と推定式の必要性を論じており、すべての女性に共通する生理前の補正値は、このレビューから決められない。[4][1][18][19]
記録を始めるなら、まず同じ機器の記録をまとめ、測定日、測定した時刻、月経開始との位置関係を横に置く。次に、体重と体脂肪率を別の欄に分ける。これは研究で効果を比較した記録法ではなく、周期と測定条件を読み分けるための整理案である。異なる機器を使った日は、その名前も添える。環境や推定式を重視するレビューと、周期内で反復測定した研究を、家庭の記録へ落とし込む手順になる。[4][1]
月経の時期は、分かる範囲で書けばよい。「月経中」「次の月経が始まる前」といった記録でも、後から比較する手掛かりになる。研究ではホルモン検査で時期を決めた例もあるが、日常のメモと研究の厳密な時期判定は区別する。日付から排卵日を確定したことにせず、判断できない日は空欄で残す。空欄を埋めるために測定を増やす必要はない。[5][20]
比較する際は、月経中の記録同士など、近い条件の組を先に探す。次に、機器や測定した環境に違いがないかを確認し、違いがある組にはその事情を添える。同じ周期の時期に測るという提案を使うなら、単に測定回数を増やすより、比較に使える記録を選ぶほうが目的に合う。これは個人差を踏まえた比較の工夫である。[15][4]
また、同じ研究が複数の方法を使うことにも意味がある。BIAだけの変化なのか、別の方法でも同じ傾向なのかを見られるからだ。30人の研究ではBIAとDXAの脂肪量や脂肪率は時期の間で似ており、54人の研究でも複数の方法で有意な時間変化はなかった。測定原理が違う方法を併用した結果は、電気だけを原因に決めつけないための手掛かりになる。[15][1]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「生理前の体脂肪率は全部、水分のせい」という説明は広すぎる。周期によって水分に関係する指標が動いた研究はあるが、脂肪率が変わらなかった研究もある。水分が動く可能性を認めることと、目の前の上昇をすべて水分と判定することは違う。今回の値だけで原因を決める材料にはならない。[5][11][19]
逆に「体脂肪率が変わらないなら、むくんだ感じも思い込み」という理解も飛躍である。ホルモン避妊を用いる女性15人と用いない女性24人、計39人を月経中と排卵前に測った研究では、体脂肪率や総体水分の推定値に有意な差はなかった。一方、ホルモン避妊を用いる群では、月経中の体への満足度が低かった。身体への感じ方と体組成の推定値には、異なる結果が出ている。[20]
朝の表示が昨日と同じでも、着替えるときの気持ちまで同じである必要はない。この研究で測ったのは体への満足度であり、すべての症状の有無ではないが、数字の安定だけを理由に本人の感覚を打ち消さないための手掛かりになる。機械に出なかったから経験そのものがなかった、と話を広げないことだ。[20]
「同じ時期に測るべきなら、別の時期の記録は捨てるべき」というのも極端である。周期のどの時期でも測れるとする結果と、個人差を考えて同じ時期の比較を提案する結果がある。記録を残すことと、比較に使う組み合わせを選ぶことは分けられる。異なる時期の値も、日付と条件が分かれば読み直しやすい。[18][19][15]
研究を日常に使う際の限界は、ここにまとめておきたい。対象人数、運動歴、避妊薬の使用、比較した時期、機器が研究ごとに違う。有意差がないという集団の結果は、個人の表示が毎回一致する保証にはならず、水分に差が出た結果も自分の数値を補正する計算式にはならない。同じ条件の記録を並べても、家庭の表示から変化の原因を確定することはできない。[1][11][13][15][18][19]

今日からできること
- 体脂肪率の横に、測定日と月経との位置関係を残す。39人の研究のように月経中と排卵前を比べたのか、30人の研究のように卵胞期中頃と黄体期中頃を比べたのかで、比較の意味が異なる。研究の細かな検査を日常でまねる必要はなく、まず自分の記録の位置を見失わないことだ。[20][15]
- 増えた項目を言葉にする。体重なのか体脂肪率なのか、水分の指標なのかを分ける。21人の研究では、体重が65.2kgから64.9kgへ変わっても体脂肪率には有意な差がなかった。同じ方向へ動くはずだと決めつけず、別々の欄として読む。[5]
- 継続的な比較では、同じ周期の時期に測った記録を並べてみる。若い女性30人の研究が提案した工夫であり、測ることを禁止する規則ではない。今朝の数字だけで判断せず、比較する相手を選ぶための方法として使う。[15]
- 他人の平均値を自分の補正に使わない。月経中の0.450kgという体重差や、0.474kgという細胞外水分差は42人の研究結果である。自分の記録から機械的に引く数値として扱わず、脂肪以外の成分で体重が変わった例として読む。[11]
- 測定を続けるなら、機器と条件も記録する。BIAのレビューは環境や対象に合う推定式の重要性を示している。周期に加えて、機器や測定する環境もそろえる視点が要る。異なる条件の表示を比べる際は、その違いごと記録に残す。[4]
記録の目的は、上がった朝の言い訳を見つけることでも、下がった朝だけを採用することでもない。周期をまたいだ表示を、どんな条件で得た値か説明できるようにすることだ。平均的な脂肪率が変わらなかった研究と、個人差のために同じ時期の比較を勧めた研究を合わせて読むと、毎朝を合否判定にせずに記録を使う道が見える。[19][15]
たとえば、先月は月経中、今月は黄体期中頃の記録だけがあるなら、日付順に線を引くだけで脂肪の増減を断定しない。月経中の体重が高かった研究も、黄体期中頃の体重が高かった研究もあり、比較の時期は結果の背景になる。新たな数字を集める前に、すでにある記録へ条件を書き足すだけでも、読み方は丁寧になる。[11][15]
体脂肪を落としたいと思って検索していても、周期による表示の差は、減らすべき量や達成すべき体型を指示するものではない。これらは測定値の変動を調べた研究である。数字が高かった日の食事や運動を罰する材料ではなく、何を測っているのかを理解する材料として使いたい。[1][5][19]
オンザショア立川店を、数字と離れて予定を持つ場所に
体組成計の表示とは別に、体を動かす時間を予定に置く。そのための場所として、オンザショア立川店がある。営業時間は8:00〜23:30、年中無休で全曜日同じである。朝に時間を取りたい日も、立川駅北口へ仕事帰りに戻る日も、自分の生活にどこなら予定を置けるかを考える材料になる。
当店はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけでも25種類以上のレッスンを設けている。続ける仕組みを考える際には、通う時間とともに参加したい内容も確かめたい。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件を確かめたうえで予定を選びたい。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。店舗情報、料金、体験の予約で、通うための具体的な条件を確認できる。

参考文献
[1] Are Body Composition Estimates Affected by the Menstrual Cycle in Females With or Without Hormonal Contraception?-A Case-Control Study — Stein-Brüggemann D, Schultz L, Kiefer KM, Fürst J, Reer R, Schröder J., 2025, European journal of sport science. DOI: 10.1002/ejsc.12283
[4] Is bioelectrical impedance accurate for use in large epidemiological studies? — Dehghan M, Merchant AT., 2008, Nutrition journal. DOI: 10.1186/1475-2891-7-26
[5] Menstrual Cycle Phase Is Associated With Changes in Body Weight, Bioimpedance, and Carbohydrate Intake, but Not in Resting Metabolic Rate in Physically Active Females — Wagner M, Wagner A, Löfberg I, Farkašová N, Zlámal F, Hurtová A, Gimunová M., 2026, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.2026-0015
[11] Changes in body weight and body composition during the menstrual cycle — Kanellakis S, Skoufas E, Simitsopoulou E, Migdanis A, Migdanis I, Prelorentzou T, 2023, American journal of human biology : the official journal of the Human Biology Council. DOI: 10.1002/ajhb.23951
[13] The Influence of Menstrual Cycle on Bioimpedance Vector Patterns, Performance, and Flexibility in Elite Soccer Players — Campa F, Levi Micheli M, Pompignoli M, Cannataro R, Gulisano M, Toselli S, Greco, 2022, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2021-0135
[15] Whole and segmental body composition changes during mid-follicular and mid-luteal phases of the menstrual cycle in recreationally active young women — Koşar ŞN, Güzel Y, Köse MG, Kin İşler A, Hazır T., 2022, Annals of human biology. DOI: 10.1080/03014460.2022.2088857
[18] Body Composition Over the Menstrual and Oral Contraceptive Cycle in Trained Females — Rael B, Romero-Parra N, Alfaro-Magallanes VM, Barba-Moreno L, Cupeiro R, Janse d, 2021, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2020-0038
[19] The Effect of the Menstrual Cycle on Body Composition Determined by Contact-Electrode Bioelectrical Impedance Analyzers — Cumberledge EA, Myers C, Venditti JJ, Dixon CB, Andreacci JL., 2018, International journal of exercise science. DOI: 10.70252/gvos2163
[20] A Comparison of Body Composition Across Two Phases of the Menstrual Cycle Utilizing Dual-Energy X-Ray Absorptiometry, Air Displacement Plethysmography, and Bioelectrical Impedance Analysis — Hicks CS, McLester CN, Esmat TA, McLester JR., 2017, International journal of exercise science. DOI: 10.70252/hrea6128
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 呼吸法は口を大きく開けると吸いやすい?口の開きと空気の抵抗を分けて研究で読む
- 股関節を柔らかくする時は強く力む?全力と軽い収縮の違いを研究で読み解く
- 筋トレが続かない女性は押す・引くを交互に?時短と疲れを分けて研究で読む
- 体幹トレーニングは水入りバッグで違う?手元の揺れとお腹の筋活動を研究で読む
- ストレス対策の運動は次の動きが分かると安心?負荷の見通しと不安を研究で読む
- 呼吸法は食後だと深く吸いにくい?胃のふくらみと横隔膜の働きを分けて研究で読む
- 汗をかく練習は温めた場所だけ慣れる?局所の反応と全身の暑さへの適応を読む
- 冷え性の指は冷やす途中で温まる?寒冷血管拡張と日頃の温活を分けて研究で読む
- 姿勢改善のリュックは高い位置がよい?肩ひもの長さと頭の傾きを分けて読む
- ヒップアップのブリッジは足を台に載せる?床との筋活動と裏ももの分担を読む
- 足首が硬いときテーピングで動ける?伸びる素材と固定用で違う可動域を研究で読む
- プランクは前腕を床に押すほど効く?肩甲骨の動きと腹筋の働きを研究で読む
- 前屈できないとき目標は床に届くこと?指先の距離と脚上げ角度を分けて読む
- 女性の腹筋運動は足を押さえると楽?起き上がる力と股関節の分担を研究で読む
- 首こりの画面作業は文字を大きくする?見る距離と首の角度を分けて研究で読む
- 肩甲骨はがしのゴム引きは手を上向きに?手のひらで変わる背中の筋活動を読む
- 縄跳び運動は跳ぶ高さを低くする?滞空時間と着地の力を分けて研究で読む
- ウォーキングは横断歩道で急ぐと歩幅も変わる?時間制限と足取りを研究で読む
- ソイプロテインは女性の鉄補給にもなる?フィチン酸と成分表示の違いを読む
- 筋肉痛は何日で治るか記録するとき、最後の痛みだけで振り返ってよいのか
- 脂肪燃焼の計算は尿の窒素も必要?吐く息から読む燃料の割合と補正の限界
- 基礎代謝は検査前に歩いても同じ?移動後に休む時間と測定値を分けて読む
- むくみ対策の足踏みは靴がきついと変わる?足首の動きと静脈の流れを分けて読む
- 運動習慣のアンケートは家族が答えても同じ?代理回答と本人の記録を分けて読む
- 睡眠前に運動した夜は音を足す?白色雑音と静かな寝室で違う回復の読み方
- 食欲を抑えるには自分を名前で呼ぶ?心の距離と言葉で変わることを研究で読む
- 朝の運動は早めに起きると準備できる?握力と注意力の戻り方を分けて研究で読む
- 糖質制限の食事は週末だけ戻すと違う?周期で変わる体組成と運動の出力を読む
- リバウンドは食事日記で予測できる?記入漏れと記録を続ける頻度を分けて読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2






