
膝が揺れたら、お尻が弱いと決めてよいか
鏡の前で膝が内側へ動くと、お尻の筋肉が足りないのでは、と考えがちだ。しかし、見た目の動作から筋肉の状態を逆算するには慎重さが要る。健康な46人、男性27人と女性19人を対象にした研究では、超音波で体幹やお尻の筋肉の厚さを測り、片脚スクワット時の膝の向きとの関連を調べた。男女混合の結果であり、18〜39歳の女性に絞っても同じ関連になるかは、この結果だけでは判断できない。[8]
測定したのは、腹部の外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋と、お尻の横にある中臀筋の厚さである。膝については、正面から見た脚の角度を指標とした。結果は、いずれの筋肉の厚さとも有意な相関がなかった。性別、身体活動量、体格の指標を考慮しても、同様の結果だった。[8]
中臀筋の厚さと膝の角度の相関係数は−0.092で、有意ではなかった。相関係数は、測った値どうしがどれほど一緒に変わるかを見る数値である。この結果からは、健康な人の膝の向きを、測定した筋肉の厚さだけで説明することはできない。[8]
ここで「筋肉は関係ない」と結論するのも誤りだ。厚さと筋力は同じ検査ではなく、この研究は筋肉を鍛えた前後を比較した介入試験でもない。筋肉の厚さとの関連が見られなかった結果を、筋力トレーニング全体の否定に広げないことが大切である。[8]
手を離したとたん膝が動いた場合も、それを見て直ちに「中臀筋が弱い」と名付けるのは避けたい。観察できた事実は、手を離すという条件の変更と、動作の変化である。その先の原因を決めつけるより、支え、しゃがむ範囲、疲れの状態を記録するほうが、次の相談で説明しやすい。[4][8]
鏡は動いた方向を教えてくれるが、筋肉の検査結果までは表示しない。画面の中で膝が揺れるたびに、体の欠点を探す必要はない。研究の結果も、健康な人の動作と筋肉の厚さの関係が、単純な対応表にならないことを示している。[8]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
続けた後の変化は、その場の難しさと分けて見る
その場で筋活動が増えるかどうかと、練習を続けて何が変わるかは別の問いだ。女性サッカー選手17人を対象にした小規模なランダム化比較試験では、跳躍系の運動と筋肉が伸ばされながら力を出す運動を組み合わせる群と、後者のみを行う群を比較した。期間は6週間、予定された実施回数は18回だった。対象は女性競技者であり、18〜39歳の女性全般にそのまま当てはめるには、競技経験と練習内容の違いがある。[16]
組み合わせ群には片脚スクワットやランジを含む運動が用いられ、下肢の安定性を複数の方向への到達課題で評価した。介入後、組み合わせ群では前方と後内側への安定性、比較群では後外側への安定性に改善が見られた。ただし、群どうしの差は有意ではなく、跳躍高も両群で変化しなかった。[16]
ある群で改善が見られたという話と、その群の方法が別の方法より優れていたという話は違う。この試験では、跳ぶ運動を加えたほうが明確に優れるという結果にはならなかった。難しい要素を足すほど得られる変化も増える、という直線的な考え方を控える理由になる。[16]
また、この試験は複数の運動を組み合わせている。結果を片脚スクワットだけの効果に分解したり、手を離したことの効果と説明したりはできない。女性競技者の安定性の結果を、自宅の初心者のお尻の形の変化へ移し替えることも避けたい。[16]
自分の練習での記録も、同じように項目を分けると読みやすい。「支えなしでできた」という進歩と、「同じ支えで滑らかにしゃがめた」という進歩は、それぞれ別の記録として残せる。どちらかを消して難しさだけを競う必要はない。何を変えて、どの動作を確かめたかが分かれば、次の練習を選ぶ材料になる。[4][7][16]
ヒップアップの見た目の変化や筋肉が育つまでの期間は、隣の筋トレ負荷の記事と既存の体型に関する連載に譲る。このページで持ち帰りたいのは、支えを使ったかどうかだけで運動の価値を採点しない見方である。足首の活動、体幹の活動、膝の向き、安定性は、それぞれ違う指標として研究されている。[2][5][8][16]
介入の結果を読むときには、改善した方向まで確かめたい。女性サッカー選手の試験では、前方、後内側、後外側という異なる到達方向を評価している。「バランスが良くなった」という短い言葉だけでは、どの課題での変化なのかが落ちてしまう。自宅の記録でも、立っていられたこと、しゃがみから戻れたこと、途中で足をつかなかったことを、同じ成果にまとめないほうが具体的だ。[16]
さらに、研究で群間差が有意でなかったことは、どんな状況でも両方の方法が完全に同じだと証明した意味ではない。小規模な試験の結果として、その比較で優劣が明確にならなかったと読む。支えを使う方法と使わない方法についても、別の条件の研究をつなぎ合わせて勝者を決めるより、直接分かることの範囲を保ちたい。[16]

よくある誤解
「ふらつくほど、お尻によく効いている」は成り立たない。不安定な台で高まったのが足首の筋活動だった実験も、吊り下げ条件で背中の筋活動が高まった実験もある。どの筋肉を測ったかを省くと、難しさの話がお尻への効果にすり替わる。[2][5]
「膝が内側へ動くのは、お尻の筋肉が薄いからだ」とも決められない。健康な46人の研究では、中臀筋や腹部の筋肉の厚さと膝の角度に有意な関連は見られなかった。動画で気になる動きがあっても、それだけで筋肉の厚さや原因を判定しない。[8]
「難しい運動を足せば、続けた後の結果も必ず上がる」も早計である。女性サッカー選手17人の比較試験では、跳躍系の運動を加えた群と加えない群に有意な差はなく、跳躍高も変わらなかった。支えを減らすことも、結果を保証する階段のようには扱わない。[16]
今日からできること
- 最初に「立つ練習」か「しゃがむ練習」かを言葉にする。成人20人の研究でも、片脚立ち、スクワット、着地は別の課題で、筋活動の要求が違っていた。[7]
- 支えを変えた日は、その事実と動いた範囲を一緒に記録する。疲労前後で股関節の角度が72.4度から66.2度へ変わった結果は、揺れだけで動作を採点しない手掛かりになる。この角度を目標値にはしない。[4]
- 足元を不安定にする前に、狙いを確かめる。健康な15人の実験で測られた活動の増加は足首の筋肉の結果であり、お尻の変化を約束するものではない。[5]
- 動画を客観的なフォーム記録として残す。足元を片づけ、支えが必要なら安定した壁に手を添え、無理なく動ける範囲でしゃがみ始めから戻るまでを撮る。撮影後に膝の向きと途中で足をついた場面を確認し、支えの有無も書き添える。健康な46人の研究では、筋肉の厚さと膝の角度の有意な関連は認められなかった。[8]
- 研究の6週間・18回という設定を、そのまま自分の処方にしない。対象は女性サッカー選手17人であり、練習後の安定性と跳躍高でも結果が異なった。自分が確かめたい変化を分けて残す。[16]
痛みや繰り返す不安定感が気になる場合は、自己流で難しさを上げず医師に相談する。手を離せたかを競うより、どんな条件で困るかを説明できる記録を持っておきたい。

オンザショア立川店で、通う条件を先に決める
片脚の練習を続ける場所を選ぶときは、技の難しさを増やすことより、生活の中に通う時間を置けるかを考えたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオだ。営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休である。朝に予定を置くか、帰宅の途中に寄るか、仕事の始業前や帰宅時刻と照らし合わせ、まず通う条件から選べる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。研究の筋活動の数字を当店の成果に置き換えるのではなく、運動の時間を予定に組み込む場所として案内したい。
妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。料金を確認し、通う予定が合えば体験の予約へ進める。
参考文献
[2] Targeted muscle activation in Bulgarian split squat variations: effects of trunk position and suspension-based execution — Aygun-Polat E, Guzel NA, Guruhan S, Polat Y, Karatas N., 2025, BMC sports science, medicine & rehabilitation. DOI: 10.1186/s13102-025-01306-z
[4] Effect of Exhaustive Exercise on Lumbopelvic-Hip Complex Stability, Muscle Activity, and Movement Patterns — Zambarano E, Glaviano N, Bouillon L, Norte G, Murray A., 2024, Journal of electromyography and kinesiology : official journal of the International Society of Electrophysiological Kinesiology. DOI: 10.1016/j.jelekin.2023.102852
[5] The influence of unstable surfaces on ankle muscle activation during functional exercises — Tan F, Harput G, Ulusoy B, Guney-Deniz H., 2024, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2024.05.006
[7] Differences in Thigh Muscle Activation Between Standing and Landing Exercises for Knee Injury Prevention and Rehabilitation — Bencke J, Strøm M, Curtis DJ, Bandholm T, Zebis MK., 2023, International journal of sports physical therapy. DOI: 10.26603/001c.67829
[8] Core muscles thickness is not associated with knee frontal plane projection angle during single-leg squat in healthy people — Fitarelli L, Ramos G, Scudiero F, Rabello R, Rodrigues R., 2020, Gait & posture. DOI: 10.1016/j.gaitpost.2020.06.015
[16] Effectiveness of Plyometric and Eccentric Exercise for Jumping and Stability in Female Soccer Players-A Single-Blind, Randomized Controlled Pilot Study — Porrati-Paladino G, Cuesta-Barriuso R., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph18010294
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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