背中痩せの筋トレは休憩を短くする?次に引ける回数と疲れを研究で読み分ける

背中痩せを目指す筋トレで、セット間の休憩は短いほどよいのか。座って引く運動やラットプルダウンの比較試験から、次に引ける回数、疲れの感じ方、続けた後の筋力を分けて読む。固定した休憩と自分で決める休憩の違いを確かめ、時間に限りがある日の記録と調整を考える。

持ち手を戻したばかりなのに、次のセットを知らせるタイマーが鳴る。背中を引くマシンの前で、時計が気になる。まだ腕が重いが、休んでいる時間を削れば、その分だけ背中のためになるのだろうか。

答えの芯は、休憩を短くすること自体を成果にしない、である。トレーニング経験のある男性33人を対象に、背中を引く種目を含めた比較試験では、自分で休憩を決める方法のほうが固定した休憩より多く反復できた。一方、続けた後の筋力の伸びには群間の有意差がなかった。今日引ける回数と、後日の筋力は別々に見る必要がある。[9] 18〜39歳の女性に同じ成績や筋力の伸びをそのまま当てはめることはできない。

経験のある男性14人では、短い休憩でも合計回数に有意差がなく、筋肉の疲労指標が高くなった試験もある。[5] 18〜39歳の女性でも回数と疲労が同じ関係になるかは、この試験だけでは判断できない。 「休まないほど背中が痩せる」と読み替える話ではない。ここで確かめるのは、背中の運動を次のセットでもどれだけ続けられるかである。休憩一般の考え方は既存記事「セット間の休憩時間」に譲り、今回は引く種目の回数と疲れに焦点を絞る。

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時計の秒数より、何と何の間で休むかを見る

セットとは、反復動作を続けて行うひとまとまりである。比較試験では、胸を押す運動を終えてから背中を引く運動へ移る方法と、同じ運動を続ける方法が使われている。[1] 自分の休憩を研究と比べるときは、秒数だけでなく、その前後に何をしているかもそろえて読みたい。

たとえばシーテッドローは、座って持ち手を体のほうへ引く種目である。トレーニング経験のある男性15人を対象としたランダム化比較試験では、ベンチプレスをまとめて行ってからシーテッドローへ移る方法と、両者を交互に行う方法が比べられた。各種目は3セット、重さは最大10回反復できる負荷だった。[1] 18〜39歳の女性に同じ総負荷量や疲労の変化を当てはめるには、女性での検証が必要だ。

交互に行う条件では、胸を押した直後に背中を引き、その後2分休んで次の胸の運動へ進んだ。通常の条件では、すべてのセットの間に2分の休憩を入れた。つまり「どちらも2分」という表示でも、背中を引いてから次にまた引くまでの過ごし方は違う。同じ時間表記だけでは、同じ内容の練習にはならない。[1]

この試験では、重量と回数を掛けた総負荷量が、交互に行う条件で両種目とも多かった。しかし、シーテッドロー中に測った筋肉の電気信号による疲労指標も高かった。両条件で、セットが進むにつれて総負荷量は減っていた。[1] 多くこなせたことと、疲れが少なかったことは同義ではない。

休憩の比較を読む入口は、種目、順番、重さ、反復を終える条件である。胸を押す時間を挟む練習と、背中だけを続ける練習を、休憩の数字だけで一緒にしない。自宅でチューブを引く日にも、マシンで引く日にも、自分が比べたいのはどの場面なのかを先に決めるとよい。

「休憩を変えたつもりで種目の順番も変えた」ということは起こりうる。記録には、背中の種目の前に胸を押したか、別の背中の種目を行ったかも残す。これは複雑な管理を増やすためではない。次回、回数が違った理由を、休憩だけに押しつけないための整理である。

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自分で休憩を決めると、引ける回数は増えた

ラットプルダウンは、頭上の持ち手を下へ引く種目である。経験のある男性33人を無作為に分けた試験では、セット間を75秒に固定する群と、休憩を自分で選ぶ群を比較した。胸を押す運動、ラットプルダウン、肩を押す運動、シーテッドローを、最大挙上重量の75%で各3セット、反復できなくなるまで行った。[9] 18〜39歳の女性の休憩の選び方や反復成績にも同じ差が生じるかは、別に確かめる必要がある。

この「反復できなくなるまで」は、研究で採用した終了条件である。初心者にも毎回そこまで行うべきだという指示ではない。軽めに余力を残す練習と同じ条件ではないため、研究の回数をそのまま自分の目標に置かないことが大切だ。

ラットプルダウンの反復成績は、自己選択群で30.1±2.3回、固定群で24.9±1.9回だった。シーテッドローでは、それぞれ26.3±1.6回と22.0±1.6回で、どちらも自己選択群が有意に多かった。[9] これらはその条件で得られたセット全体の成績であり、毎セット達成すべき回数ではない。

この結果から支持されるのは、固定した時間で再開する方法と比べ、自分で休憩を選ぶ方法が反復成績を高めうる、という範囲である。[9] 自己選択を「必ず長く待つこと」と同じ意味にしたり、全員共通の最適時間に翻訳したりする必要はない。選んだ休憩と、実際に引けた回数を組にして見る。

夕方の予定が詰まった日には、時計が鳴ったらすぐ再開したくなる。そのとき、予定時刻に戻れたことと、予定した運動ができたことを分けて記録する。短く切り上げる判断も、少し待つ判断も、何を優先したのかが明らかなら振り返りやすい。タイマーは開始を知らせる道具であって、運動の採点係ではない。

研究から借りたいのは成績そのものより、休憩の決め方を変えたとき、反復成績も確かめるという比較の視点である。

短い休憩でも、回数が同じになる場合がある

休憩を長くしても、合計回数に差が出なかった比較もある。経験のある男性14人が、ベンチプレスの直後にシーテッドローを行う組を3回繰り返した比較試験では、組と組の間を2分または4分にした。条件を行う順番は無作為で、負荷は最大8回反復できる重さだった。[5] 18〜39歳の女性に同じ結果をそのまま当てはめることはできず、回数と疲労を分けて見るための手がかりになる。

シーテッドローの合計反復回数は、2分条件で25.4±1.7回、4分条件で25.1±1.3回だった。ベンチプレスも含めて、両条件の合計回数には有意差がなかった。しかし、測定した筋肉の疲労指標は、2分条件のほうが有意に高かった。[5] 回数の欄だけなら似ていても、疲労の欄では違いが見えたのである。

ここでの休憩は、背中だけの連続セット間ではなく、押す運動と引く運動を組にした後の休憩だ。[5] 先ほどの固定休憩と自己選択の比較とは、プログラムの作りが異なる。[9] 結果が違うから片方を捨てるのではなく、何を変えた試験なのかを戻って確認する必要がある。

また、有意差がなかったことは、誰が行っても完全に同じになる証明ではない。この試験からは、少なくともこの対象と組み方では、休憩を倍にしても合計回数の有意な増加は確認されなかった、と読む。[5] 回数を保つことを目的にするか、疲労も含めて調整するかで、結果の使い方は変わる。

自分の練習でも、合計回数が同じだった日をすべて同じ出来と呼ぶ必要はない。休憩が違ったのか、最後のセットの負担が違ったのかを添えておく。回数を減らさず終えた事実と、楽に終えられたという感覚は、別の欄に置ける。研究が分けて測った項目を、日々の記録で混ぜない工夫である。

この試験で使われた筋電図は、筋肉の電気的な活動を記録する方法である。そこから計算した疲労指標が、短い休憩で高くなった。[5] 本人が口にする「きつい」という感想を、そのまま機械が読み取った数値ではない。主観的な負担と筋電図による指標は、結果を読む段階でも区別しておきたい。

総負荷量という言葉にも注意が要る。交互に押して引く方法を調べた試験では、重量と反復回数の積として計算していた。[1] 同じ重さなら回数の違いがこの値に反映されるが、重量も変えれば、合計回数だけから同じ比較はできない。持ち手を引いた回数が増えた日には、重さも前と同じだったかを確認する。数字の見た目だけで前進や後退を決めないためだ。

なお、交互に行う方法では、より短い時間で大きい総負荷量をこなした一方、疲労指標も高かった。[1] これは「休みを減らせば疲れずに時短できる」という結果ではない。予定に収まるかという判断と、その内容をどれだけ負担に感じるかという判断は、ともに必要になる。仕事帰りに時間を確保できたとしても、その日の練習を急いで詰め込むべきかどうかまで、時計だけでは決められない。

数字で読む背中の運動と休憩

75秒:自己選択の休憩と比較された固定休憩。経験者男性33人の試験である。[9]

30.1回と24.9回:ラットプルダウンの反復成績。自己選択群と固定群の順である。[9]

26.3回と22.0回:同じ試験のシーテッドローの反復成績。自己選択群が多かった。[9]

2分と4分:押す・引く運動を組にした比較。合計回数には有意差がなく、短い条件で疲労指標が高かった。[5]

30秒と90秒:別の比較試験の休憩。短い条件で最終セットの主観的なきつさが高かった。[7]

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