
痛みのある競技者では、角度以外の成果も見る
長く続く内ももに関連した鼠径部痛、つまり脚の付け根の痛みを持つ男性競技者を対象に、運動療法を調べた試験がある。平均年齢約25歳の17人が参加し、14人が10週間の治療期間を終えた。実施前と実施後を比べる臨床試験であり、別の治療群と効果を比較した結果ではない。痛みを持つ男性競技者への治療の結果を、18〜39歳の女性一般の柔軟性づくりへそのまま当てはめることはできない。[9]
完了した人のうち11人、78.57%が競技へ戻り、復帰までの平均期間は14.2週間だった。痛み、機能、脚を開く筋肉と閉じる筋肉の力は有意に改善した。ここで注目したいのは、復帰という生活に近い成果と、筋力や角度という測定結果が一緒に評価されていることである。[9]
ただし、横に脚を開く可動域には有意な変化がなく、内側へ回す可動域には有意な改善があった。脚を閉じる筋力と開く筋力の比率にも有意な変化はなかった。痛みや機能が改善したことを、股関節のあらゆる値が理想的になったと説明するのは正確ではない。[9]
この前後比較だけで、運動療法のどの部分が復帰をもたらしたかを切り分けることはできない。また、競技者の治療プログラムを、痛みのない人が柔軟性を得るための一般メニューとして扱うことも避けたい。役立つのは、痛み、力、動く方向、活動への復帰を別の成果として見る視点だ。[9]
脚の付け根の痛みを扱う臨床的な論考でも、過去のけが、脚を閉じる方向の力、筋力の釣り合い、股関節可動域などが検討されている。徐々に進める筋力強化や神経と筋肉の協調を扱う訓練などを支持する内容だが、これは診療や競技復帰を考えるための論考である。痛みのある競技者を扱う内容であり、18〜39歳の女性一般へ同じ訓練を勧める根拠にはできない。自分で痛みの原因を「筋肉が短い」と決める材料にはしない。[2]
立川駅の階段で脚の付け根が気になるとき、必要なのは「もっと伸ばす」と即決することではない。痛みがある人の問題は、柔らかさという言葉だけでは整理できない。続く痛みや運動の支障は医師に相談し、何を評価するかを確かめる場面になる。[2]
復帰までの期間にも幅があり、この試験では10〜20週間だった。平均14.2週間という数字は、個人の復帰日を指定するものではない。また、最初に参加した人数と治療を終えた人数が異なるため、78.57%という値は完了者を分母にした数字として読む必要がある。「参加した全員のうち、同じ期間で同じ割合が戻れる」という約束にはできない。[9]
このように、数字を日常へ持ち帰るときは分母も一緒に持ち帰りたい。体験談で聞いた「ほとんどの人がよくなった」と、完了した競技者を対象にした復帰の割合とは、意味が違う。痛みが改善したこと、練習を終えたこと、競技に戻ったことをそれぞれ数えると、運動療法の結果を具体的に理解できる。[9]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
大きく動けた日は、筋力まで増えたのか
別の角度から考えると、動く範囲と筋力の関係にも注意が要る。膝の前側に痛みがある活動的な女性26人と、痛みのない女性26人を比較した研究がある。膝を伸ばす筋力や素早く力を立ち上げる能力、股関節の筋力、片脚での着地動作が測定された。膝の痛みを持つ活動的な女性と対照群の比較であり、18〜39歳の女性全般の筋トレ効果へそのまま当てはめることはできない。[10]
痛みのある群では、膝を伸ばす筋力が、動かさずに力を出す測定で12%、伸ばしながら力を出す測定で21%、抵抗を受けながら測る条件で17%低かった。また、膝を伸ばす力の立ち上がりの低さと、着地での膝や股関節の動く範囲の小ささには関連があった。[10]
相関係数は0.39〜0.49だった。ただし、これは群の比較と関連の分析であり、「股関節が硬かったため膝が痛くなった」「筋トレで力を増やせば必ず角度が増える」という因果関係を確定した試験ではない。筋力と動きが関連することと、改善の道筋が証明されたことは区別する必要がある。[10]
歩行の予備研究では訓練前後の変化を、女性の着地研究では痛みのある群とない群の違いを見ていた。両方とも股関節の動きを扱うが、答えている問いは違う。年齢、痛みの有無、動作、研究の型を飛ばして数字だけ並べると、自宅でしゃがむ人への助言が過剰になる。[3][10]
筋肉の長さの話に戻る前に、成果の記録欄を作るならどうするかを考えたい。「脚が動きやすい」という感覚の横に、行った種目、動作のどの位置か、痛みの有無を書く。その記録は筋束の測定にはならないが、力の発揮と動きの変化を同じ言葉で片付けない助けになる。筋活動の実験と、痛みを持つ女性の着地研究は、その観察点を具体的にしてくれる。[8][10]

よくある誤解
「筋トレで股関節がよく動けば、筋肉が長くなった証拠だ」という読み方には飛躍がある。抵抗歩行で可動域と筋力がともに変わった結果は、筋束の長さを推定する計算式ではない。角度の改善をそのまま受け取り、構造の説明まで足さない方が、その成果を正確に評価できる。[3]
「筋活動が高い種目ほど柔軟性も増す」という結論も、女性の種目比較からは導けない。ヒップスラストとスプリットスクワットで異なったのは、動作位置ごとの筋活動だった。可動域を広げたい目的と、ある位置で筋肉を働かせたい目的は、まず別の問いとして置くべきである。[8]
「柔らかくしておけば慣れない運動の筋肉痛も防げる」という期待は、若い男性のストレッチ研究では支持されなかった。可動域は広がったが、運動後の筋肉痛や力の変化への保護効果はなかった。練習前の脚上げがよくできた日も、それを理由に新しい筋トレの負荷を急に引き上げる判断はしない。[7]
一方、「筋トレは柔らかさと両立しない」と一括りにするのも早い。高齢者の抵抗歩行では股関節の動く範囲が増え、競技者の運動療法では筋力と内側へ回す可動域が改善した。対象と方法の異なる結果を万能な処方にせず、両立の例として扱う余地はある。[3][9]
今日からできること
- 目標を「筋肉を長くする」から、確かめたい動作へ書き換える。歩行研究の1.6度は歩行中の変化であり、自分の開脚の目標角度として借りない。[3]
- 種目名だけでなく、上と下のどこで動作を行っているかに目を向ける。女性20人の比較では、種目によって筋活動が高まる位置が異なった。[8]
- 運動した日の直後と、後日の感覚を同じ条件として比べない。男性の研究では、運動後48時間と72時間に股関節可動域の低下が見られた。[7]
- 痛みがある場合は、角度を広げる自主練習だけで解決を目指さず医師に相談する。競技者の10週間の運動療法でも、評価は角度だけでなく痛み、筋力、機能を含んでいた。[9]
- 力が増えた、動きが広がった、活動へ戻れた、を分けて記録する。14人の完了者のうち11人が競技復帰した試験でも、内側へ回す角度の改善と、横へ開く角度の有意な変化なしが併存した。[9]
筋トレを選ぶ理由は、筋束が長くなるという説明だけに頼らなくてよい。力を出す位置を知る、日常の動きの変化を確かめる、続けられる負荷を相談する。そうした具体的な問いがあれば、研究で測られた筋活動や可動域を、自分の成果と混同せずに参考にできる。[3][8]

オンザショア立川店で、続ける予定を組む
動く範囲を確かめる時間と、力の出し方を練習する時間を、通う予定の中でどう持つか。オンザショア立川店では、パーソナルトレーニングやピラティス、常温のヨガ、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガから候補を考えられる。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱う。
まず利用条件を確かめたい。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。種目の名前だけで選ばず、通える時間と希望する練習を照らし合わせるための確認先が店のトップだ。
営業時間は8:00〜23:30で年中無休。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル3Fにある。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と体験の予約を確認し、動きやすさや力の出し方を振り返る機会として予定に組み込みたい。
参考文献
[2] Adductor-Related Athletic Groin Pain: A Clinical Commentary — Larkins D, Rowland R, Zarro M, Addison O., 2026, International journal of sports physical therapy. DOI: 10.26603/001c.167118
[3] Ankle Exoskeleton Resistance Training May Improve Older Adult Plantarflexor Strength and Mobility: A Pilot Evaluation — Williams JR, Hylin JC, Fang Y, Lerner ZF., 2026, Journal of biomechanics. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2025.113071
[7] The effects of flexibility training on exercise-induced muscle damage in young men with limited hamstrings flexibility — Brusco CM, Blazevich AJ, Radaelli R, Botton CE, Cadore EL, Baroni BM, Trajano GS, Pinto RS., 2018, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.13068
[8] Hip and Knee Extensor Activation During the Hip Thrust and Rear-Foot-Elevated Split Squat in Trained Females — McCurdy K, Walker J, Kelly C, Polinski M., 2021, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000004035
[9] Effect of Holmich protocol exercise therapy on long-standing adductor-related groin pain in athletes: an objective evaluation — Yousefzadeh A, Shadmehr A, Olyaei GR, Naseri N, Khazaeipour Z., 2018, BMJ open sport & exercise medicine. DOI: 10.1136/bmjsem-2018-000343
[10] Impaired Knee Muscle Capacity Is Correlated With Impaired Sagittal Kinematics During Jump Landing in Women With Patellofemoral Pain — Nunes GS, Barton CJ, Serrão FV., 2022, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003616
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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