基礎代謝を上げたい更年期は年齢だけで考える?体格をそろえた消費量を読む

更年期に基礎代謝を上げたいと感じても、年齢と閉経を同じ原因として扱うことはできない。女性の体脂肪量と除脂肪量をそろえた比較、卵巣機能を抑えた試験、運動研究から、安静時の消費と体組成の変化を読み分ける。若い女性との平均差を、自分の食事量や運動のノルマに置き換えないための記事である。

誕生日を迎えるたび、休んでいるときの消費量まで年齢のせいにしてよいのだろうか。「基礎代謝 上げる 更年期」と調べる前に、年齢の違いと閉経の有無を別々に比べた研究を見てみたい。

若い女性と中年女性の体脂肪量と除脂肪量を調整した比較では、中年女性の安静時エネルギー消費量は若い女性より低かった。一方、中年女性の中で閉経後だから低いという結果は得られなかった。加齢との関連と、閉経そのものの影響は分けて読む必要がある。18〜39歳の女性に中年群の値をそのまま当てはめることはできず、年齢群の比較として読む。[18]

更年期には体組成の変化も起こる。筋肉や脂肪の量、脂肪の付く場所が変わることと、休んでいるときの消費が下がることは、重なりながらも別の問いである。近年のレビューも、閉経やエストロゲンが安静時の消費にどれほど影響するかは議論が続いていると整理している。[1]

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年齢を比べる前に、何をそろえたかを見る

「同じ年齢の人より基礎代謝が低い」と聞くと、体の働き全体に点数を付けられた気分になる。しかし研究では、消費量だけを並べる比較と、体の構成を考慮する比較を分けている。女性を対象にした研究では、体脂肪量と除脂肪量を調整した安静時エネルギー消費量を使って、年齢や閉経状態との関係を調べた。[18]

除脂肪量とは、体重のうち脂肪を除いた部分の量である。ここで大切なのは、研究がそろえたのは体重という合計だけではないという点だ。この研究では、体組成を体内の脂肪や脂肪以外の成分を評価する二重エネルギーX線吸収法で測り、安静時の消費を呼吸ガスから評価する間接熱量測定で調べている。[18]

題名にある「体格をそろえる」は、同じ身長の女性だけを集めたという意味ではない。実際に測った脂肪と脂肪以外の量を統計的に考慮し、その違いで説明される部分を調整して比べるという意味だ。個々の参加者の体を作り替えた実験ではなく、測定した人々の違いを分析上で扱っている。[18]

この区別は、体重が同じなら代謝も同じはずだという読み方を防ぐ。体重だけで人を並べず、体組成まで考慮したうえで何が残るかを問う研究なのである。逆に、調整後の差だけを見て、筋肉や脂肪の量は関係がないと読むのも違う。体組成の影響を検討から消したのではなく、その影響と年齢の関連を分けようとしている。[18]

検索でよく使う言葉は基礎代謝だが、中心となる研究の測定対象は安静時エネルギー消費量である。[18] 記事を読むときも、基礎代謝という見慣れた言葉の下で、何を実際に測った研究なのかを確かめたい。研究の呼吸測定と、自宅に表示された数値を同じ測定の結果として並べる前に、まず測定方法を確認するという順序でよい。

既存記事「基礎代謝を上げる朝の工夫は時刻でも違う?体内時計と安静時の消費を研究で読む」は測る時刻の問いに譲る。ここで見るのは、朝か夜かではなく、異なる年齢の女性を比べるときに、体組成と閉経状態をどう切り分けたかである。

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若い女性との平均差は、自分の減少量ではない

中心となる観察研究の対象は女性120人である。17〜21歳の26人、22〜38歳の35人、41〜58歳の59人に分けて比較した。中年の群はさらに、閉経前または閉経移行期、閉経後、閉経後にホルモン療法を使っている女性に分類されている。[18]

体脂肪量と除脂肪量を調整した安静時の消費は、17〜21歳の群が41〜58歳の群より平均126 kcal/日高かった。95%信頼区間は93〜160 kcal/日である。22〜38歳の群でも中年の群より平均88 kcal/日高く、その95%信頼区間は49〜127 kcal/日だった。[18]

信頼区間は、研究から推定した群間差の不確かさを読むために添えられている。126 kcalという代表値だけを抜き出すより、差の推定に幅があることまで一緒に読む方がよい。この幅を「参加した女性全員の個人差の範囲」として読むことも避けたい。ここで推定しているのは群の違いである。[18]

さらに研究には母娘16組が含まれ、娘の調整後の消費は母より平均100 kcal/日高かった。95%信頼区間は63〜138 kcal/日である。母娘の比較によって遺伝的背景を部分的に考慮しても、若い女性の方が高いという関連が見られた。[18]

ただし母娘は、同じ女性の若い頃と現在ではない。親子という関係を使う工夫はあるが、娘が母の年齢に達するまでを追跡した結果とは区別する必要がある。観察研究が示す「年齢群の差」を、「私は若い頃から必ずこの量だけ落ちた」という個人の履歴に変換することはできない。[18]

中央線で帰宅しながら研究の数字を読むと、つい夕食の量に換算したくなる。だが、この研究の平均差を、そのまま今日の食事から差し引く理由にはしない。比較されたのは体組成を調整した安静時の消費であり、個人の暮らし全体を含む必要量を決める試験ではないからだ。[18]

ここで得られる答えは、脂肪や脂肪以外の量だけを考慮すれば、年齢との関連が残ったということである。その差は群の比較として受け取り、個人の消費量は個別に評価する。平均の違いを知ることと、自分に必要な行動を決めることの間には、測定と生活を確認する段階が残る。[18]

閉経の影響は、年齢の影響と重ねない

同じ研究の41〜58歳の女性は、閉経前または移行期が19人、閉経後が30人、閉経後のホルモン療法使用者が10人だった。この群の中では、閉経後の女性の調整後の安静時消費が低いという結果はなく、性ホルモン濃度による違いも見られなかった。[18]

これは「ホルモンは体に関係しない」という話ではない。研究が直接調べたのは、体脂肪量と除脂肪量を考慮した安静時の消費である。体のどの部分に脂肪が付くか、筋力がどう変わるか、生活上の症状がどう感じられるかまで、同じ結論で片付けることはできない。[1][18]

この区別を別の角度から調べたランダム化比較試験もある。閉経に近づいた閉経前女性を、薬で卵巣機能を抑える群、その処置と持久性運動を組み合わせる群、プラセボ群に無作為に分けて24週間比較した。平均年齢は46歳で、各群は14人、11人、9人だった。閉経に近い女性への介入であり、18〜39歳の女性の日常の変化をそのまま予測する結果ではない。[3]

群同士を比較すると、日常生活での総エネルギー消費、身体活動による消費、安静時の消費、体組成の変化に差はなかった。一方、卵巣機能を抑えた群の内部では、総脂肪量が平均1.7 kg増え、脚の除脂肪量が平均0.4 kg減っていた。消費量の明確な変化がなくても、体組成が変わり得るという結果である。[3]

ただし「処置群の中で変わった」と「プラセボより大きく変わった」は別である。この試験では体組成の変化にも群間差はなかったため、群内の増減だけを処置の確定的な効果として押し出すべきではない。また、薬による卵巣機能の抑制と自然な閉経を、あらゆる点で同じ過程とみなすことも避けたい。[3]

中年期の女性の体重と体組成を扱ったレビューであり、18〜39歳の女性に変化の説明をそのまま適用することはできない。このレビューは、体重の変化は暦年齢、つまり生まれてからの年齢による加齢と、体組成や脂肪分布の変化は卵巣の加齢と結び付く証拠が多いと整理している。体重計の合計と、体の中の配分は同じ地図ではない。[6]

一方、閉経期の女性の体組成を扱う新しいレビューは、ホルモンの変化、通常の加齢、エネルギー収支、生活習慣それぞれの役割には不確かな点があり、閉経やエストロゲンの安静時消費への影響も議論中としている。18〜39歳の女性に同じホルモン変化を前提として当てはめることはできない。したがって「閉経が原因だ」とも「閉経は無関係だ」とも一足飛びに言わず、何を調整し、何を測った結論かを読む必要がある。[1]

研究で分けて測った項目にも注目したい。卵巣機能を抑えた試験では、日常生活での総消費と身体活動による消費を二重標識水法で、安静時の消費を間接熱量測定で評価した。休んでいるときの値だけを見て、暮らしの中で動いた分まで分かったことにはしていない。[3] 「代謝」という短い言葉にまとめる前に、どの消費の話かを確かめる。この手間が、体組成の変化から消費量の低下を逆算する早合点を防ぐ。

数字で読む年齢と安静時の消費

120人:体脂肪量と除脂肪量を調整して比較した女性の観察研究の対象者数。[18]

126 kcal/日:17〜21歳群と41〜58歳群の調整後の平均差。95%信頼区間は93〜160 kcal/日。[18]

88 kcal/日:22〜38歳群と41〜58歳群の調整後の平均差。95%信頼区間は49〜127 kcal/日。[18]

100 kcal/日:母娘16組の比較で娘の方が高かった平均差。95%信頼区間は63〜138 kcal/日。[18]

24週間:卵巣機能を抑える試験の期間。安静時の消費の変化に群間差はなかった。[3]

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