
慣れた動きと初めての動きでは、想像の中身も違う
同じ「自分の目線で想像する」という指示でも、動作を知っている人と知らない人で想像する中身は経験によって変わる。走り高跳びの競技者と初心者を比べた脳画像研究では、競技者は主に運動関連の領域、初心者は主に視覚に関連する領域を活動させていた。[9] 18〜39歳の女性の筋トレに同じ脳活動の違いが生じるかは、高跳びの比較からは判断できない。
著者らは、複雑な技能を内的視点で想像するには、その技能の運動表象が十分にできている必要があると解釈した。運動表象とは、ここでは動作を再現するための頭の中のまとまりと考えるとよい。[9] 見たことのある動きと、体で覚えた動きの距離を意識させる結果である。競技者と初心者の比較なので、内的視点を指示すれば誰でも競技者の状態に変わる、という因果は示さない。
筋トレの本で知らない種目を見つけた場面に置き換えてみる。横からの図なら全身の配置を追えるが、自分の目線に切り替えると、どこを動かすのかが消えてしまうこともあるだろう。その場合は、自分の頭の中だけで正解を仕上げようとせず、動作を確認してから復習する、という順序を考えたい。実際の練習後にイメージを添える方法は、系統的レビューで挙げられた特徴とも重なる。[2]
外的視点を使っているから初心者、内的視点だから上級者、と人を並べることも避けたい。感覚運動の障害がある55人を追った研究では、動かす部位が視点の選好と関連し、イメージ評価の高い人ほど外的視点を使う傾向もあった。[7] これは筋トレの熟練度を調べた研究ではないが、視点を能力の順位表にしてはいけない理由にはなる。18〜39歳の健康な女性の筋トレで同じ選好がみられるかは、この患者群の結果とは分けて考える必要がある。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
成功する姿より、確認できる動作を残す
競技者向けレビューでは、外的視点は技術を重視する動きの練習、内的視点は神経生理学的な活動に役立つ可能性が整理されている。[1] 日常の復習に移すなら、全身の配置を思い出したいのか、動作を自分の側からたどりたいのか、目的を言葉にするところから始められる。ただし、これは筋トレでの効果量が確定した使い分けではなく、競技者向けの提案を手がかりにした整理の方法だ。18〜39歳の女性に適した視点を選ぶ基準としての検証は、別の問いになる。
たとえば本の図を見たあと、「横から見た自分の形」と「自分の目から見た手の移動」を別々に思い浮かべる。次に、実際に教わった動きと食い違うところがないかを確認する。想像の完成度だけで終えず、動作へ戻る出口を用意したい。監督のある個別練習を実際の動作に加えるというレビューの特徴を、生活の中で受け取るならこの方向になる。[2]
成功した映像を流せば何でも改善する、という見方にも注意が要る。健康な初心者48人を無作為に分けたゴルフの研究では、仮想環境でパッティングを想像したあと、常に成功する映像、一部が失敗する映像、映像なしを比べた。練習後と保持テストで全群の成功率が改善し、とくに失敗を含む映像の群で練習後の改善が目立ったが、平均的なずれやばらつきには関連する効果がなかった。対象は健康なゴルフ初心者であり、18〜39歳の女性の筋トレへの効果は、この試験からは判断できない。[12]
これは筋力や視点の直接比較ではなく、想像のあとにどんな結果情報を返すかを扱った試験である。[12] それでも「完璧な自分を鮮明に描けた」という実感だけでは成果を評価しきれないことが分かる。夜のスマホには完成形だけが流れてくるが、練習で知りたいのは、次にどこを確かめるかである。
記録を残すなら、見えた自分の美しさではなく、復習した動作の名前、採用した視点、確かめ直したい箇所を書く、という使い方が考えられる。これは研究で効果が確定した記録法ではなく、視点と目的を混同しないための工夫だ。読み終えた本に付箋を戻し、「外からなら分かったが、自分の目線では分からない」と残すだけでも、次に確認する問いは具体的になる。
動作を教わる場面では、「想像しにくい」とだけ伝えるより、「外からの形は浮かぶが、動く感じが浮かばない」と伝える方が、確認したい内容を共有しやすい。これは効果を保証する手順ではなく、視覚と感覚を分けて評価する研究の考え方を、会話に使う工夫である。[11] うまく映像が出ないことを、そのまま運動全般の苦手さと結び付けず、どの部分が分かりにくいのかを扱える。
また、仕事帰りの電車で形を思い出す時間と、実際に動作を確認する時間を、同じ成果の欄に足し合わせる必要はない。イメージ練習を実際の練習に加えるという研究の位置づけに沿って、頭の中では復習する内容を選び、体を動かす場ではその内容を確かめる、と役割を持たせられる。[2] 次の練習で尋ねたいことが残れば、本を閉じた後の時間にも具体的な行き先ができる。

よくある誤解
「自分の目線なら必ず筋力が増える」という理解は強すぎる。競技者向けレビューが述べるのは視点に応じた可能性であり、直接比較では差が出ない研究もある。[1][3][6] 神経の反応が大きい可能性を、女性の筋トレでの重量増加と同じ意味に使ってはいけない。調べた対象と測定項目を一緒に読む必要がある。
「外から自分を見るのは、動きを感じられない人の方法」という決めつけも当たらない。外的視点は技術を重視する課題に使える可能性があり、臨床の縦断研究ではイメージ評価の高い人が外的視点を使う傾向もあった。[1][7] 視点を変えることを、能力の後退と受け止める必要はない。ただし、その選好から健康な人の筋力向上を予測することもできない。
「鮮明に想像できた日は実際の練習を済ませたのと同じ」という理解にも飛躍がある。系統的レビューが整理した成功例では実際の練習に想像を加えており、ゴルフの試験の背景でも、同じ量の実際の練習に比べてイメージ練習の改善は一般に小さいと位置づけられている。[2][12] 頭の中の反復は、現実の動作を確かめる機会と組み合わせて考えたい。
「女性なら同じ視点が合う」とも決められない。女性18人の脳画像研究は、イメージ能力が良好な人の腕回しを調べたものだった。[8] 性別が一致していても、経験や課題の違いは残る。本や個人の体験記を選ぶときは、書き手と自分の共通点だけでなく、何を練習した結果なのかにも目を向けたい。
今日からできること
- 本の図を見たら、内的視点と外的視点を区別して言葉にする。感覚運動の障害がある患者の評価研究でも、視点、映像の鮮明さ、感覚の強さを分けて確認している。18〜39歳の健康な女性の筋力への効果を検証した評価ではない。[11]
- 実際に確認した動作のあとに、想像で復習する時間を添える。133研究のレビューで整理された、実際の練習後に加えるという特徴を参考にする。[2]
- 映像が見えるかだけでなく、動く感じを思い出しているかも確かめる。女性18人の研究では視覚と運動感覚を分けて調べていた。[8]
- 週3回、各17分という研究の平均を、そのまま必須のノルマにしない。課題の異なる141介入の平均として読む。[2]
- 上達を考えるときは、想像の鮮明さと現実の動作を別々に振り返る。亜急性期の脳卒中患者19人の予備的な視点比較試験では、機能検査と本人の遂行評価を分けて扱っていた。18〜39歳の健康な女性の筋トレへ、その回復の結果をそのまま適用することはできない。[3]

オンザショア立川店で、実際に動く予定を持つ
本を読む時間に加えて、実際に体を動かす予定を生活の中に置く。その場所の選択肢として、オンザショア立川店がある。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。JR立川駅北口から徒歩1分で、所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fである。朝や仕事帰りなど、自分の予定から通う時間を検討できる。
オンザショア立川店は、溶岩プレートを敷いたスタジオでホットヨガを行っている。常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。続ける場所を考える際には、時間とともに取り組みたい種目も選ぶ材料になる。
参加する種目は体の状態も踏まえて選びたい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店の案内で内容を確認できる。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と予定を照らし合わせ、実際に動きを確かめる機会として体験予約を検討できる。
参考文献
[1] Could Motor Imagery Training Provide a Novel Load Management Solution for Athletes? Recommendations for Sport Medicine and Performance Practitioners — McNeil DG, Lindsay RS, Worn R, Spittle M, Gabbett TJ., 2025, Sports health. DOI: 10.1177/19417381241297161
[2] Best practice for motor imagery: a systematic literature review on motor imagery training elements in five different disciplines — Schuster C, Hilfiker R, Amft O, Scheidhauer A, Andrews B, Butler J, Kischka U, Ettlin T., 2011, BMC medicine. DOI: 10.1186/1741-7015-9-75
[3] Effect of imagery perspective on occupational performance after stroke: a randomized controlled trial — Nilsen DM, Gillen G, DiRusso T, Gordon AM., 2012, The American journal of occupational therapy : official publication of the American Occupational Therapy Association. DOI: 10.5014/ajot.2012.003475
[5] Motor imagery ability in patients with functional dystonia — Tomić A, Ječmenica Lukić M, Petrović I, Korkut V, Kresojević N, Marković V, Dragašević Mišković N, Svetel M, Kostić VS., 2024, Journal of psychosomatic research. DOI: 10.1016/j.jpsychores.2024.111911
[6] Investigating the impact of visual perspective in a motor imagery-based brain-robot interaction: A pilot study with healthy participants — Farabbi A, Figueiredo P, Ghiringhelli F, Mainardi L, Sanches JM, Moreno P, Santos-Victor J, Vourvopoulos A., 2023, Frontiers in neuroergonomics. DOI: 10.3389/fnrgo.2023.1080794
[7] A different point of view: the evaluation of motor imagery perspectives in patients with sensorimotor impairments in a longitudinal study — Gäumann S, Gerber RS, Suica Z, Wandel J, Schuster-Amft C., 2021, BMC neurology. DOI: 10.1186/s12883-021-02266-w
[8] Biological evidence of imagery abilities: intraindividual differences — Seiler BD, Monsma EV, Newman-Norlund RD., 2015, Journal of sport & exercise psychology. DOI: 10.1123/jsep.2014-0303
[9] Motor representations and practice affect brain systems underlying imagery: an FMRI study of internal imagery in novices and active high jumpers — Olsson CJ, Jonsson B, Larsson A, Nyberg L., 2008, The open neuroimaging journal. DOI: 10.2174/1874440000802010005
[11] Two assessments to evaluate imagery ability: translation, test-retest reliability and concurrent validity of the German KVIQ and Imaprax — Schuster C, Lussi A, Wirth B, Ettlin T., 2012, BMC medical research methodology. DOI: 10.1186/1471-2288-12-127
[12] ‘Substitute’ knowledge of results provided through virtual reality enhances motor imagery-based learning — Balay CJ, Banerjee R, Shahin G, Lu D, Irani P, Frank C, Kraeutner SN., 2026, Psychological research. DOI: 10.1007/s00426-026-02359-6
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 睡眠中に練習の音を聞くと動きを覚える?上達した実験と変わらない実験を読む
- 睡眠後に動作の規則へ気づくことはある?速さと意識に上る学びを分けて読む
- 睡眠で動作のつなぎ目は滑らかになる?一連の速さと区切りの変化を研究で読む
- 寝起きの運動や朝散歩で眠気は減る?睡眠慣性と目覚めた実感の違いを研究で読む
- 女性の筋トレは鏡に映る反対の手でも学べる?動画を見る前に知りたい力の移り方
- 女性の筋トレは鼓動の瞬間で力が変わる?心臓を感じる力と動作の制御を研究で読む
- 筋肉痛とは超音波の白さで分かるもの?押した痛みと画像の違いを研究で読む
- 有酸素運動と無酸素運動の違いは息で分かる?乳酸の境目との一致を研究で読む
- 有酸素運動は寝ながらの自転車だと楽?同じ負荷で違う循環と酸素消費を読む
- 有酸素運動の成長ホルモンはいつ測る?一度の採血と分泌の波を研究で読み分ける
- ウォーキングですれ違う側はどう決まる?人との距離と進路の読み合いを研究で読む
- ウォーキングで階段の縁が見えにくいとどうなる?色の対比と足先の余裕を読む
- プランク中に暗算すると姿勢は崩れる?腹筋の働きと注意の分配を研究で読む
- 汗をかく量が同じでも気圧で冷え方は違う?標高と蒸発の条件を研究で読む
- 朝の運動で汗が少ないと時間を変えるべき?体温の出発点と運動の続け方を読む
- 汗をかく筋トレは重さで出始めも変わる?体温上昇前の力みと発汗を研究で読む
- 間食のチョコは粒が細かいほど甘い?砂糖の量と口どけを分けて研究で読む
- 飲むヨーグルトは冷蔵保存で酸っぱくなる?菌と成分の変化を研究で読み分ける
- 糖質制限で食べるかぼちゃの種は炒ると違う?成分とミネラル利用の距離を読む
- 朝の運動前のバナナは打ち傷で栄養も変わる?熟す変化と黒ずみを分けて読む
- 脂肪燃焼を期待する果物は切り置きで変わる?りんごの色と抗酸化能を読み分ける
- 女性のプロテインは原料の分け方で違う?豆の乾式と湿式で変わる成分を読む
- 疲労回復の冷却は氷とジェルで違う?肌の冷たさと筋肉の温度を分けて読む
- 疲労回復の昼寝は昼食の前と後で違う?食事の時刻と眠りやすさを研究で読む
- 桃の缶詰の栄養は加工と保存でどう変わる?カロテノイドとシロップの成分を読む
- 呼吸法で吸う瞬間は怖い顔に気づきやすい?落ち着く実感と感情の認識を分けて読む
- インナーマッスルは縮めた後だと力が減る?同じ長さで違う収縮の履歴を読む
- 筋肉痛が続く日は血流も増える?超音波の信号と痛みのずれを研究で読み解く
- 脂肪燃焼は血液中の脂だけを使う?筋肉に蓄えた脂との分担を研究で読み解く
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2







