筋トレのダイエットで夜食を足す前に、夕食までのたんぱく質の偏りを読む

食事ごとのたんぱく質配分を変えた試験では、筋合成や除脂肪量に有意差がない一方、高齢者では配分の均等化と脂肪減少に関連があった。若い男女、競技者、高齢者という対象の違いを踏まえ、夜の補食を追加する選択と日中の食事を分け直す選択を区別し、食事記録で確かめる点を整理する。

筋トレを終えて夕食の皿を片づけた後、冷蔵庫をもう一度開ける。昼は慌ただしく済ませたのに、夜になるとたんぱく質をきちんと取ったか気になる。冷蔵庫の前で今日の帳尻を合わせたくなる夜だ。

先に答えると、たんぱく質を細かく均等に分ければ、必ず筋肉づくりに有利になるという根拠はそろっていない。健康な若い男女の比較試験では、食事の配分を変えても筋原線維たんぱく質合成率に有意差はなく、ラグビー選手の試験でも摂取機会を増やした条件で除脂肪量の増加が大きくなることはなかった。[1][7] 競技者の結果を18〜39歳の一般女性の補食にそのまま当てはめることはできない。[7]

ただし、夕食に偏る食べ方を見直す意味がない、という答えでもない。高齢者の減量と運動の介入では、より均等な配分への変化と脂肪減少との関連が報告されているが、18〜39歳の女性でも同じ関連があるかは、この結果だけでは判断できない。[9] 既存記事「ソイプロテインを夜に飲むなら、食後の数値と翌朝までの筋合成を分けて考える」に夜の飲料の評価を譲り、ここでは夕食までの配分をどう読むかに絞る。

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夜食の前に、夕食だけが大きくなる日を見つける

朝は飲み物だけ、昼は移動しながら、夕食でようやく皿を並べる。こうした日の記録には、食べた時刻と食材をそのまま残したい。夜食を食べたかどうかの欄だけでは、夕食まで何を食べたかが消えてしまうからだ。夜の行動を決めるための記録なら、その前の生活も紙の上に置いておく。

配分を数字にした研究の例が、若いラグビー選手の食事調査である。発展途上のエリート選手25人に食事日誌をつけてもらったところ、報告されたたんぱく質摂取量は体重あたり平均2.2±0.7 g/kg/日だった。たんぱく質が20 gを超える摂取機会は平均3.8±0.9回で、食べる機会の68±18%に当たった。[2] 競技生活を送る選手の調査なので、18〜39歳の一般女性の必要量や配分へそのまま移せない。[2]

この数字は、一般の読者の目標量ではない。平均体重100.2 kgの若い競技者を対象に、実際の食べ方を調べた値である。[2] 筋トレを始めた大人が、そのまま同じ量と回数を取り入れるための処方ではない。競技者の数字は目立つが、通勤かばんの中身まで同じにする必要はない。

著者らが問題にしたのは、多く取っている事実だけではなかった。すでに大きな量を繰り返し摂取している選手で、さらに配分を増やすことが有益か、それとも炭水化物や総エネルギーの摂取を押しのける可能性があるかは明確でないとした。[2] たんぱく質の記録を見るときも、ほかに食べたものを消さずに読む理由がここにある。

夜食を検討する場面でも、「補給できた」という印と、食事全体の構成は別々に見ておきたい。夕食を済ませた日に追加するのか、夕食をまだ食べていない日に食事として取るのか。どちらも夜に食べる行動ではあるが、記録の意味は異なる。名前を夜食にそろえるだけでは、比較の条件はそろわない。

食事の偏りと体の変化を結びつけた研究もある。平均年齢70.6歳の過体重・肥満の高齢者36人を対象とした介入では、開始時点でたんぱく質の約半分が夕食に集まっていた。運動と健康教育の群では49.1%、運動と減量の群では54.1%だった。[9] 18〜39歳の女性の夕食の適量を決める数値ではなく、高齢者の食事の偏りを示す観察値である。[9]

もっとも、ここから夕食の割合を自分用の合格点にすることはできない。この研究が扱ったのは、運動と減量に取り組む高齢者の経過であり、帰宅の遅い若い女性に最適な夕食の比率を決める試験ではない。[9] 読者に持ち帰れるのは特定の割合より、夕食だけを切り出さずに日中とのつながりを見るという観察の仕方だ。

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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均等に分けても筋合成に差が出なかった試験

筋原線維たんぱく質合成は、筋肉を構成するたんぱく質が新しく作られる過程を指す。健康で活動的な若い男女40人を対象とする無作為化比較試験では、この合成率を測りながら、食事の種類と配分を組み合わせて比べた。参加者は男性28人、女性12人、平均年齢25歳だった。[1]

食事は体重を維持する条件で、たんぱく質は1.1〜1.2 g/kg/日だった。配分を偏らせる条件では、各食事に日量の10%、30%、60%を振り分けた。均等な条件では、食べる機会を5回にして、それぞれ20%ずつにした。雑食と植物性のみの食事の両方で、この配分を比べたのである。[1]

この比較で大切なのは、均等な群だけにたんぱく質を追加したのではない点だ。総量をそろえたうえで、食べる機会と各回の割合を変えている。[1] 夜食を新たに加える日常の選択では、同時に総量も変わることがある。日常の行動を試験と重ねるなら、「分け直した」のか「上乗せした」のかを区別したい。

介入は9日間で、その間に全身の筋力トレーニングを3回行った。筋原線維たんぱく質合成率は、雑食で偏った群が3.04±1.85%/日、雑食で均等な群が2.43±1.21%/日、植物性で偏った群が2.52±1.77%/日、植物性で均等な群が2.49±1.56%/日だった。いずれの群の間にも統計的な有意差はなかった。[1]

並べた数値の最大と最小だけを見れば、勝った食べ方を決めたくなる。しかし、この試験の結論は、偏った雑食が最良というものではない。群間に有意差がなく、若い成人の筋原線維たんぱく質合成率に、比較した配分による調節効果は認められなかったという結果である。[1] 順位表のように読むと、研究が伝える結論を取り落とす。

この結果は、夜に多くなった日を直ちに失敗扱いする考え方への歯止めになる。一方で、測ったのは特定条件での合成率であり、夜食を足した場合の長期的な減量成績ではない。[1] 筋肉の内部の動きを見る物差しと、体重や脂肪の経過を見る物差しを分けておくと、夜食に期待することも具体的になる。

また、植物性のみの食事と雑食でも合成率に有意差がなかったという結果は、この食事条件と参加者に対するものである。[1] 夜の皿に何を置くかを考える際に、食事の分類名だけで優劣をつける必要はない。ただし、この試験を根拠に、食材の内容も総量も問わなくてよいと広げることもできない。

摂取機会を増やすと、除脂肪量も増えるのか

除脂肪量は、体重から脂肪の重さを除いた部分の量であり、筋肉だけを表す言葉ではない。ラグビーのプレシーズンに行われた介入研究では、若い選手24人を対象に、たんぱく質を食べる機会の増やし方と除脂肪量の変化を調べた。参加者の平均年齢は20.1歳、平均体重は101.6 kgだった。[7] 18〜39歳の一般女性とは競技負荷も体格も異なり、同じ補給法が有利かは別に確かめる必要がある。[7]

選手は主な食事と筋トレ直後にたんぱく質を取るよう指示された。そのうえで、たんぱく質22 gを含む液体の補給を、主な食事と一緒に取る条件と、食間に取る条件を比較した。補給は3回分で、6週間の条件を組み込んだクロスオーバーの設計だった。[7] 同じ補給をどこに置くかという問いである。

操作によって、たんぱく質が20 gを超える摂取機会は平均4.0±0.8回から5.9±0.7回へ変わった。それでも、除脂肪量の増加は食事と一緒の条件で1.4±1.5 kg、食間の条件で1.5±1.4 kgで、有意差はなかった。[7] 摂取機会の増加に、除脂肪量増加の有意な差は伴わなかった。[7]

これは、食べる回数を増やせば増やすほどよいという考えへの反証になる。ただし、もともと摂取機会の多い若い競技者での比較である。[7] 日中ほとんど食事を取れていない人が、その状態を放置してよいという結果ではない。出発点が異なれば、同じ「もう一度食べる」という行動も異なる問いになる。

帰宅後の補食を考えるときも、時計の空いている場所を埋める作業にはしない。夕食に加えて食間の補給まで増やしたいのか、食事として取るはずだったものを夜に回しているのか。競技者の試験で増やしたのは摂取の機会であり、読者が困っている生活上の空白と必ずしも同じではない。[7]

有意差がないという結果は、どんな人でも両方の食べ方が完全に同じだという保証ではない。対象と条件を定めた比較で、優位性が確認されなかったという意味で読む。[1][7] 夜食を義務にする理由にも、食べたい夜に我慢を強いる理由にも広げず、自分が比べたい行動を先に確かめたい。

数字で読むたんぱく質の配分

40人:若い男女の食事と筋合成を比べた無作為化比較試験の参加者数。[1]

10%・30%・60%:同試験で偏りを作った食事ごとのたんぱく質の割合。[1]

20%ずつ5回:同試験の均等な配分。合成率の有意な優位性はなかった。[1]

4.0回と5.9回:ラグビー選手で20 gを超えるたんぱく質摂取機会を変えた比較。[7]

1.4 kgと1.5 kg:その比較での除脂肪量増加の平均値。有意差はなかった。[7]

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宮川涼 Founder

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