魚肉ソーセージのピンク色は何で変わる?酸化と明度と色素を分けて読む

魚肉ソーセージのピンク色を、明るさ・赤み・黄みと白さに分けて読む。油の入れ方、冷蔵と再加熱、冷凍と解凍、色素と周りの成分で、色の数字は別々に動く。白いゲルが酸化していないという意味にはならず、赤みの上昇も一つの履歴には対応しない。鮮度の印にも、体重の変化にも、この色だけでは読めない。

魚肉ソーセージを皿に切り分けると、切り口のピンクが目に入る。この色は何で変わるのか。すり身の試験では、油の配合や冷凍と解凍によって、明るさと赤みが別々に動いている。[3] ピンクという色名だけでは、その変化を読み分けられない。

ハクレンの魚肉ソーセージでは、タラの肝油を乳化した試料と、それをゲル化した試料の明るさ(L)が、油を加えていない対照より高かった。[2] オメガ3脂肪酸を加えたかに風味のすり身ゲルは、冷蔵2か月のあいだ対照より白かった。[1] いっぽう冷凍と解凍を繰り返したすり身では明るさが下がり、赤み(a)と黄み(b*)が上がって、見た目は暗くなった。[3][10]

色の数字は、油の形、保存の温度履歴、筋肉の色素の酸化、加えた色素と周りの成分で、別の方向へ動く。対象は食品や色素溶液であり、光照射による退色を直接比較した実験ではない。窓辺の光の影響は、この結果から判断できない。18〜39歳の女性が食べた場合の体重への影響にも、そのまま当てはめられない。塩とたんぱく質の表示は、既存記事「運動前の魚肉ソーセージとちくわは塩も確認、たんぱく質をそろえる表示の読み方」に譲る。ツナ缶との加工の違いは「ツナ缶と魚肉ソーセージは同じたんぱく源?添加リンと水分を保つ加工の違い」に譲る。こちらは切り口の色だけを、試験が分けた数字のまま読む。

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ピンクは一つの色ではなく、明るさ・赤み・黄みに分かれる

機械で色を測るとき、L* は明るさ、a* は赤と緑のあいだ、b* は黄と青のあいだを表す。白さは、それらとは別に計算される指標として報告されることがある。[10] 肉眼の「ピンク」は、この三つのどこかが動いた結果を、一つの単語へ圧縮したものだ。

赤みが増えても、明るさが同時に上がる場合と下がる場合がある。ソウギョのすり身に豚の背脂を 50、100、150 g/kg 加え、冷凍と解凍を繰り返した試験では、解凍の繰り返しは L* を下げ、a* と b* を上げた。脂肪を増やす側は、L* と a* を上げ、b* を下げた。[3] 赤みの矢印はどちらも上を向く。明るさと黄みの矢印は、逆を向く。同じ切り口を「より赤くなった」とだけ書くと、明るい履歴と暗い履歴が同じ箱に入る。

この試験が見ている色素は、筋肉のミオグロビンである。冷凍と解凍の繰り返しと、脂肪の増加は、どちらも脂質酸化の指標である TBARS を上げた。ミオグロビンのポルフィリンの吸収ピークは青色側へずれ、ヘム鉄は減り、ヘムではない鉄は増えた。[3] 酸化の印が揃っても、色の三つの数字は揃わない。

白さも、明るさの言い換えとは限らない。Spanish mackerel のすり身を繰り返し冷凍解凍した試験では、回数とともに a* と b* が上がり、L* と白さが下がり、色とつやは全体として暗くなった。[10] 白さの低下と暗さは、ここでは同じ方向に並んだ。別の試験では、温め直しが白さを下げている。[6]

蛍光灯の下で「昨日よりピンクが強い」と感じても、その感想が a* の上昇なのか、L* の低下なのか、b* の上昇なのかを、目だけでは分けられない。研究が数字を三つ残すのは、一言の色名では、油を足したのか、凍らせたのか、温めたのかが消えるからである。魚肉ソーセージそのものを測った試験と、すり身のゲルを測った試験も、この先では混ぜない。

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油の入れ方で、魚肉ソーセージの明るさは上がることがある

2020年の試験は、ハクレン(論文の学名表記は Hypophthalmichthys moltrix)の魚肉ソーセージに、精製したタラの肝油を三つの形で加えた。そのままの魚油、水の中に油を分散させた乳化物、その乳化物をゲル化したもの、である。緑茶(Camellia sinensis)の水抽出物を凍結乾燥したものも、1 kg あたり 700 mg と 900 mg で加えている。保存温度は 4℃ だった。[2]

乳化物とゲル化乳化物のソーセージは、対照より L* が高かった。[2] 官能評価の参加者は、魚油を加えた試料について、乳化したもの、ゲル化乳化したもの、対照を識別できなかった。いっぽうゲル化乳化物は、すべての官能項目でより高い点を受けた(P < 0.05)。[2] 識別の課題と採点の課題は、同じ論文のなかで別々の結果になっている。

酸化の側も単純ではない。魚油を乳化の形で加えると、加熱による損失と、チオバルビツール酸の値は低くなった。緑茶の添加は、関係する試料の酸化を防ぐうえで有意な差を示さなかった。[2] 茶を足したイメージと、酸化の数値が試料のあいだで分かれたかどうかは、別である。ゲル化乳化物は、硬さを含む食感が良く、弾力は下がった、と食感の改善として報告されている。遊離の魚油をそのまま加えると、ソーセージの性質は影響を受けた。[2]

脂肪酸の量は、色とは別に増えている。対照のエイコサペンタエン酸は試料 1 g あたり 0.48 mg、ドコサヘキサエン酸は 0.46 mg で、強化した区分はどちらも 1.50 mg を超えた。オメガ6に対するオメガ3の比が最も低かったのは、ゲル化乳化物だった。[2] この数字は油が製品に載ったことの確認であり、食べた人の体重を測った値ではない。

かに風味のすり身ゲルへオメガ3を加えた試験も、色を白さとして残している。こちらは魚肉ソーセージではなく、かにの類似食品として加熱したゲルだ。魚油濃縮物、メンハーデン油、精製した海産油を、オメガ3が重量で 1.5% または 2.5% になるように加えた。追跡した冷蔵は 2 か月である。魚油濃縮物を加えたゲルは 30 日以内に魚の風味と香りが出て、試験から外された。メンハーデン油と精製油のゲルは、2 か月を通して官能と酸化生成物の変化が小さかった。ポリエン指数、つまり不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の比で見るかぎり、オメガ3は両方の濃度で安定していた。[1]

オメガ3を加えたゲルは、対照より白かった。メンハーデン油と精製油は食感を変えたが、1.5% と 2.5% の高低は食感へ有意な影響を与えなかった。[1] 白いことと、風味が 2 か月保たれたことは、油の種類が違えば分かれる。

冷蔵でにおいが集まり、温め直すと白さが下がる

夜に残りを冷蔵庫へ入れ、翌日の昼に温める。その手順を、ハクレンのすり身ゲルで追った試験がある。条件は 4℃ で 3 日、再加熱を重ねることだ。不飽和脂肪酸の多いすり身製品は、この冷蔵と再加熱で、異臭のもとになるアルデヒドやケトンを出しやすい、と論文は置いている。[6] 対象は袋の魚肉ソーセージではなく、実験室のゲルである。

ヒドロペルオキシドが蓄積する速度は、冷蔵の段階で高かった。分解の速度は、再加熱の段階で高かった。共役ジエン、酸価、カルボニルは、冷蔵でも再加熱でも進んだ。それでも再加熱は、TBARS と白さを下げた。[6] TBARS の低下と白さの低下は、同じ文のなかに並ぶ。片方だけで酸化の進退は決まらない。

脂肪酸の内訳は、よりはっきり偏った。アルファリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸をはじめとする不飽和脂肪酸は減り、飽和脂肪酸は増えた。論文は、不飽和脂肪酸の減少を酸化による損失としている。[6] 揮発成分がたまるのは、主に冷蔵の段階だった。異臭が生まれるのも、主に冷蔵のあいだだった、と多変量の解析は結論している。[6]

においの発生を試験が置いたのは冷蔵の期間で、白さが落ちるのは再加熱の側である。3 日は観察した期間であり、家庭の保存期限ではない。

数字で読む魚肉ソーセージの色

1.5% と 2.5%:かに風味のすり身ゲルへ加えたオメガ3の二つの濃度。どちらでも 2 か月の冷蔵で脂肪酸は安定し、加えたゲルは対照より白かった。[1]

30 日:魚油濃縮物を加えたゲルが、魚の風味と香りを出すまでの日数。その試料は、そこから先の試験に残らなかった。[1]

0.48 mg と 0.46 mg:魚肉ソーセージ 1 g の対照にあったエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸。強化した区分は、どちらも 1.50 mg を超えた。[2]

4℃ で 3 日:ハクレンのすり身ゲルを冷蔵し、再加熱を重ねた条件。再加熱の処理で白さが下がった。[6]

50、100、150 g/kg:ソウギョのすり身へ加えた豚の背脂。冷凍と解凍の繰り返しでは L* が下がり、a* と b* が上がった。[3]

0.4%:低塩のすり身ゲルで、カードランを加えたときに L* と白さが最も高く、脂質の酸化も抑えられた濃度。[9]

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宮川涼 Founder

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